1979年、日米逆転の可能性を描き、世界的なベストセラーとなった「ジャパン・アズ・ナン
バーワン」。著者のエズラ・ヴォーゲルはその27年後の2006年にインタビューに答え、中
国研究を通して日本の未来にますます自信を深めたと語った
私が『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を出版してから早いもので27年の歳月が
たちました.
あの頃の日本はすごかった。土光敏夫さん(経団連元会長)や松下幸之助さん
(パナソニック、旧社名・松下電器産業創業者)、井深大さん(ソニー創業者)と
いった立志伝中の人物が存命で精力的に活動していたし、国全体に今とは異
なる活気と自信が満ち溢れていました。
じつをいうと、私は今、中国に長期滞在しています。“
ここに住んでみて、私はある確信を得ました。それは、20〜30年後にも、中国
は多くの面で日本に追いつけないということです。
まず中国には、能力の高い人材にイノベーションを促すようなきちんとした知的
財産保護の法的基盤がありません.
中国企業の国際進出も当面はさほど進まないと思います。そして、なにより中
国人は米国人から見ても、会社に対する忠誠心が低過ぎる。転職は日常茶飯
事で、これでは堅固な組織は望むべくもない。
確かに、GDPの潜在規模でいえば、日本はかなわないし、ローテク分野も中国
にほとんど持っていかれるでしょう。しかし、日本がその強みであるハイテク分
野の競争力、堅固な組織、そしてなにより個々人が仕事への熱意を失わなけ
れば、30年先にも非常に重要な“専門的役割”を世界経済において果たしてい
ると私は確信しています。
バブル崩壊後の「失われた10年」についても、そんなに悲観ばかりするもので
はありませんよ。
確かに日本は1980年代の経済運営でつまずき、1990年代を通じて“買い”で
はなかった。しかし間違いなく悲観論は度を越していました。
若者の意欲低下は、中高年層の意識の鏡映しではないのでしょうか。最近の
日本を見ると、社会への真の責任意識を持った傑物がいなくなったなあと感じ
ます。27年前にはたくさんいました。土光さんも、松下さんもそうだった。党派や
せせこましい利害関係を超越したすごい人たちでした。
バーワン」。著者のエズラ・ヴォーゲルはその27年後の2006年にインタビューに答え、中
国研究を通して日本の未来にますます自信を深めたと語った
私が『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を出版してから早いもので27年の歳月が
たちました.
あの頃の日本はすごかった。土光敏夫さん(経団連元会長)や松下幸之助さん
(パナソニック、旧社名・松下電器産業創業者)、井深大さん(ソニー創業者)と
いった立志伝中の人物が存命で精力的に活動していたし、国全体に今とは異
なる活気と自信が満ち溢れていました。
じつをいうと、私は今、中国に長期滞在しています。“
ここに住んでみて、私はある確信を得ました。それは、20〜30年後にも、中国
は多くの面で日本に追いつけないということです。
まず中国には、能力の高い人材にイノベーションを促すようなきちんとした知的
財産保護の法的基盤がありません.
中国企業の国際進出も当面はさほど進まないと思います。そして、なにより中
国人は米国人から見ても、会社に対する忠誠心が低過ぎる。転職は日常茶飯
事で、これでは堅固な組織は望むべくもない。
確かに、GDPの潜在規模でいえば、日本はかなわないし、ローテク分野も中国
にほとんど持っていかれるでしょう。しかし、日本がその強みであるハイテク分
野の競争力、堅固な組織、そしてなにより個々人が仕事への熱意を失わなけ
れば、30年先にも非常に重要な“専門的役割”を世界経済において果たしてい
ると私は確信しています。
バブル崩壊後の「失われた10年」についても、そんなに悲観ばかりするもので
はありませんよ。
確かに日本は1980年代の経済運営でつまずき、1990年代を通じて“買い”で
はなかった。しかし間違いなく悲観論は度を越していました。
若者の意欲低下は、中高年層の意識の鏡映しではないのでしょうか。最近の
日本を見ると、社会への真の責任意識を持った傑物がいなくなったなあと感じ
ます。27年前にはたくさんいました。土光さんも、松下さんもそうだった。党派や
せせこましい利害関係を超越したすごい人たちでした。