昨日（２９日）、岡山市内にある「奥市グランド」で学区内の『ソフトボール大会』が開催された。今年は、インフルエンザの流行などによる副次的理由で、大会が昨日まで延期された。
写真左が「奥市グランド」である。この写真は昨日午後４時撮影したもので、「闘い済んだ戦場」である。孫兵衛が所属する『門田屋敷中央町』からも毎年出場をしているのだが、最近は敗戦、敗北、敗退の連続であった。
出場に際しての規則がいくつかあり、投手は５０歳以上でなければならない。我が町内には５０歳以上で投手を務めることが出来るものが少ない。今回出場者の平均年齢は『６２歳』である。５０歳代の選手が投手をすると、内外野の守備に影響がある。
６５歳を超えた孫兵衛が今回も『投手』を命ぜられたのである。孫兵衛が投手に選ばれるのは、「四球」を出さないからである。４０年も昔、孫兵衛は新任の学校で女子ソフトボール部の監督をしていた。早朝から日没まで、バッティング投手とノックをした経験があるので『投手』としての感はあるが、過去には、「コテンパ」に打ち砕かれるの常であった。
今年の孫兵衛は違った。勝利投手になった。
写真左の『グローブ』はその昔の僚友・『Ｎ』氏より拝借したものである。毎年、試合の度に借用している。一度は『勝利』して返却したいと願っていた。
今回勝利した理由は、左翼手、中堅手、そして一塁手に初めての参加選手を得たことである。初回のレフト・フライの打球２本を軽快に捕球してくれた。そして、中堅手はセンター・フライを無理をせずにワンバウンドで捕球し、後逸しない。一塁手は内野からの送球を確実にキャッチする。
一回戦の相手は一番から９番まで強打者揃いである。芯を捕らえた強烈な打球が二本投手の左、右を襲ったが、割合冷静に捕球することも出来た。その相手チームとは以前にも対戦し、一方的な敗北を味わった。
勝利と言っても、『８対７』であった。最終回に『６点』奪取されたのである。その内容には様々なことがあったのだが、最後まで冷静に投球できた。『冷や汗一斗』の思いをチーム・メイトはしただろうが、孫兵衛は勝利を確信していた。
相手チームは『まさかの敗退』に落胆の表情が露わに出ていた。
二回戦開始の直前、携帯電話で孫たちの病状の悪化を告げられての帰宅。
夕方、町内の監督が我が家へ来てその後の戦績と内容を伝えてくださった。残念ながら『２回コールド・ゲーム』で敗退し、敗者復活戦でも同様の敗退であった由。それぞれ、投手を務めた方々が「ストライク」を投ずることが出来ず、初回に連続の『押し出し』で４点与え、交代した投手が『満塁本塁打』を打たれ、その後も『四球』を続けては『塁を埋め』、打たれては点を取られたとのこと。
来年こそ、再度『雪辱を！』
2009年11月
孫兵衛は、特に新車を必要としていた訳ではなかった。『Ｋ』はその昔の教え子であった。『Ｋ』を一度も担任をしたことはなかったが、生活上の問題で入学早々から何度か特別指導を重ね、家庭訪問を何度かしたことがあった。紆余曲折はあったが、最終的には家族の愛情と本人の努力で短大へ入学し、見違えるほど精進を重ねた。就職難の時代ではあったが、「トヨタ自動車の販売会社」へ就職したのである。当初の何年間かは『中古車センター』勤務であったが、平成１１年末に『新車』を扱う販売店へ異動したのである。
毎年季節の変わり目毎に丁寧に文字を書き揃えた便りを届けてくれていた。そんな『Ｋ』が新車の販売店へ異動したことを知らせる便りが届いた。『利七屋』の血を引く人間は、この様な時に『乗り気』になる傾向がある。その結果が『プリウス』の購入であった。
新しい職場で、先輩ばかりに囲まれて新車の販売をすることがどれほど大変なことか、大凡の想像はつく。まして、それまでの数年間を中古車販売店で勤務していたので、家族や友人知人に何台かの自動車を既に買って貰っていたであろうから尚更難しいと思った。
店長へ、“『Ｋ』は私の大事な教え子です。プリウスを一台買いますが一円もまけて要りません。どうか、この子を宜しく御指導下さい。”と言って契約した自動車である。『Ｋ』の自動車販売の経歴上、新車を納入したのは『孫兵衛のプリウス』が最初の自動車であった。『Ｋ』自身が運転し、販売店の先輩が別の自動車で『Ｋ』の後から伴走して来たのである。
愛車・プリウスは本当によく走った。購入後１０年を迎えるが、平成２１年３月２３日『走行距離』が２０万キロに達成した。写真左が『２０万キロ走行』した時の表示である。岡山市内の自宅を出て、叔母の入院先・備前病院へ向かう途中、「香登」での撮影である。プリウスの強さを、孫兵衛は十二分に理解している。それは、バッテリーが簡単には「音を上げない」ことであり、特に「プリウス１号車」については『バッテリーを永久保証』している点である。過去二度の『バッテリー交換』をしたが、いずれも走行距離が１０万キロを突破した時である。
この愛車・プリウスを手放す時が来た。それは、我が家にはもう自動車は一台有れば良しと判断したからである。通常の場所へは徒歩、自転車、電車、バスを利用し、必要な時にはタクシー利用をすればよいと判断した。
先日、妻の自動車と自分の自動車を別の新車一台にまとめようとしたところ、「プリウス」の査定では『０円』の回答を頂いた。それなら、知人に差し上げようと思い、すぐに話が成立した。本日にはもう知人の愛車にして頂いている。
最後の姿を写真にとどめたのが左の姿である。そして、その時の最終走行距離の表示には『２０４４７７�辧戮�記録されていた。これまでには、岡山市内の自宅から井原市内の勤務校まで往復１３４キロを毎日、平成１６年４月から平成２０年３月末までの４年間は岡山県内及び鳥取県内の高等学校訪問に孫兵衛の足となり、（取り付けた『ナビ』により）案内者となって実に見事に貢献してくれた愛車である。
矢張り、手放すとなると一抹の寂寥感も抱くが、信頼する知人が大切にしてくれると分かっているので安心である。
今は同じトヨタ自動車を販売する御主人との間に二児をを授かり、家庭の主婦として、そして二児の母としての生活を送っている『Ｋ』にこのことを伝えておこうと思っている。
資料写真左は、『岡山縣青年政治研究會』という組織が発行した「機関誌」である。右側の写真には、発行年月日が記載されてあり、「昭和２２年１２月２８日」の表記が見える。発行人並びに編集人の氏名、そして印刷所の名前と住所も印刷されている。下石井に「邦美堂印刷」という印刷所が現在も存在するか調べてみたい。
上の左側には、『婦人と政治』の見出しで『歌子』叔母の投稿記事が掲載されている。其の一部だけ取り出したが、末尾に括弧で『筆者婦人部長』と紹介されている。この機関誌に見られる、「岡山縣青年政治研究會」、「会員規定」や「役職及び役員氏名一覧」などが裏面に記載されている。
資料写真右側には、『会員規定』があり、正会員については入会金参拾圓、年会費六拾圓の納入が求められている。その他、特別会委員の規定や会員の権利が示されている。資料写真左側には、役職と氏名の中に（朱色の傍線を付して有る通り）、『兼婦人部長』若林歌子（和気）の名前が見える。又、最後部に『加藤六月（小田）』の名前も見える。その他にも何名か耳にした方が散見される。
役職が紹介されている通り、「会長、副会長、運営委員長、運営副委員長」以外は「運営委員」であり、「運営委員」の中に各専門部長が兼務で置かれているのである。そして、これらの委員は全員岡山縣内の「市内や郡内」から選出された代表である。
昨日、岡山県より選出された日本初の女性国会議員・『近藤鶴代女史』よりの便りを紹介したが、その中で『女子』が衆議院議員選挙へ名乗りを上げた理由も紹介した通りである。即ち、『女子』の兄・『小谷節夫』がそれ以前に、５回もの選挙で選出された衆議院議員であったが、終戦後の「公職追放」で野に下ったための言わば「弔い合戦」であった。
小谷節夫は明治１８年に岡山県（現新見市）の『近藤家』で誕生したが、訳あって真庭郡八束村の『小谷家』へ養子に出されたのである。その後、節夫の妹として『鶴代』が誕生したのである。
資料写真左は、『節夫』氏より叔母・『歌子』へ寄せられたハガキである。消印を見ると『昭和３１年９月２５日』であり、宛先の住所は「大阪市港区二条通…」となっている。この地番こそ孫兵衛が小・中・高・大と生活した場所であり、『歌子』は所謂「居候」の立場で一緒に生活していたのである。
ハガキの文面を写真右側に拡大してみた。文面は概略次の通りである。
「自分は五回、妹の四回の当選に大喜している。特に、妹は二回の落選を経験しているので、その分格別であること。汚職第一号を２０万人の協力で落選に追いやったことの痛快さ。政治家は金儲けをしてはいけないこと。当選決定と共に小谷の原籍地であり、鶴代の生誕地・八束村へ出向き、冬を過ごす予定」
資料写真左は、上のハガキの裏面である。絵葉書で、「風薫る蒜山風景」の写真と「大山椒魚」（特別天然記念物）の写真である。
これらの葉書が叔母『歌子』へ寄せられた背景には
叔母『歌子』の日生在住時代の『女子青年団活動』の背景があった。そのことについては、近日中に改めて紹介するが。
資料写真左は、小谷節夫氏から歌子へ寄せられた葉書である。消印による日付は『昭和３１年２月４日』とあるから、上の葉書よりも半年以上前に受けたものであることが分かる。
右側の写真がその裏面の内容である。内容は、選挙についてのことで、大したものではない。
注目すべき店は、小谷節夫は政界を退いた後、『親切運動』を展開したのである。『親切は百行の本』とのスローガンを掲げてのことで、必要あらばネット検索で、…。
これまでのことから推測できる通り、孫兵衛の叔母『歌子』は誰彼無く、自身が気に入った方へは「全身全霊、とことん」便りを書いたのであった。叔母の遺品整理をしていると、これらの封書、葉書などが多数残されていたが併せて何千枚にも及ぶ「切手」も未使用で残されていた。尤も、『◎銭』というような古い切手ではないが。
本日紹介する方は、『近藤鶴代女史』である。『鶴代女史（以下女子）』は１９０１年（明治３４年）、岡山県真庭郡八束村で生まれる。１９２４年日本女子大学家政科卒業後、山陽高等女学校、岡山県第一岡山高等女学校（現・岡山操山高校）等で教諭を務め、家事・作法を教えていた。
戦後の１９４６年（昭和２１年）、日本進歩党衆議院議員の長兄・小谷節夫が公職追放となり、兄の身代わりとして無所属で衆議院議員選挙に岡山全県区（当時）から立候補し当選、日本初の女性代議士の一人になった。当選後は日本自由党→民主自由党→自由党に所属し、１９４８年には第三次吉田茂内閣において外務政務次官に抜擢された。
初当選以来、４期連続当選を果たすが、１９５３年、１９５５年の総選挙で相次いで落選。１９５６年の参議院議員選挙に岡山地方区から当選し、漸く中央政界に復帰する。自由民主党では大野伴睦の派閥に所属する。
資料写真左は、『女子』より叔母・歌子に宛てての封書である。
左側の封筒を切り開いているが、左上に『昭和３０年（１９５５年）４月２日』の記載が見られる。『女子』は１９５３年（昭和２８年）の総選挙に相次いでこの年、二度目の落選を経験した。
右側の巻紙に認められてある文章は『女子』自身の肉筆による便りである。その文面では概略、「…先頃行われた衆議院の総選挙に前回の雪辱戦であったにも拘わらず残念な結果となり、誠に申し訳ない結果となったことにお詫びします。」とある。
更に続けて、歌子が『女子』の落選に対し激励の便りと訪問を重ねていたことへの謝意を認めている。
昭和２１年の春初めて立候補してから１０年、『婦人参政権』についての自覚と信念を再確認して民主主義政治の確立を日本の最大の急務と考える…などの文言が見られる。
長い手紙故、半分ほどを折り重ねており、「結び」のみを（写真右側に）残した。歌子からの度々の手紙に対する謝意が述べられている。
なお、（参考までに）近藤鶴代女史は１９６２年、参議院選挙で再選後、第二次池田勇人内閣にて「科学技術庁長官」兼「原子力委員長」として入閣。中山マサに次いで二人目の女性閣僚となった。女子は１９６８年政界を引退したが、校務においても常に和装で通した。
写真左は、近藤鶴代女史より歌子へ寄せられた封書である。弟の「近藤信夫」氏や秘書の原田氏による代筆もあるが、女子からの直筆の便りが三通残されている。
女子が中央で活躍されていた頃、『ふる里』に思いを寄せる在京の人々が昭和４２年『東京山中会』を組織し、女子を初代会長として発足した。
『東京山中会』は、旧岡山県真庭郡川上村、八束村、中和村及び湯原町を「ふる里」とする在京及びその周辺の６００年ほどの組織であった。
「ふるさとは遠きにありて思うもの そしてかなしくうたうもの………」と吟じたのは室生犀星である。遠ざかれば遠ざかるほど恋しくなるのが『ふる里』である。
