海外進出企業の【税務会計】虎の巻

税理士法人名南経営 安田昌泰 公式ブログ

 調査で必ず確認を受けるのは、海外出張費の負担についてです。旅費規程
又は契約書を求められ、現況確認を受けます。海外出張費は、役務提供の負
担と紐付と考えますから、国税庁HP「移転価格事務運営要領第3章調査」「8)
役務提供」が参考になります。
 子会社などに対して請求すべき精算額について、出張旅費は「実費相当額」、
日当は「総原価+間接経費配賦額の合計額」をもとに計算します。
 たとえば、調査で想定される日当の算出例として、海外出張者の年間給与総
額400万円、社会保険料会社負担額70万円、年間通勤費等12万円、計482万
の場合、365日で除すると、日当は、13,205円です。この金額に対して、精算す
べき実日数を乗じて請求をします。
 なお、社内で従業員に支払う旅費規程に基づく日当とは別のものとなります。
この日当は不相応に高額でない場合、給与ではなく旅費交通費で非課税とでき
ます。

海外出張経費、たとえば、航空運賃、海外での移動費、海外滞在費、通信費、日当等
の消費税等は、不課税取引ですが、次の課税取引と区分します。
ア)航空運賃:海外往復航空運賃 ⇒不課税取引
            空港使用料        ⇒課税取引  例:中部国際空港 空港使用料2,570円
           :取扱手数料等      ⇒課税取引
イ)海外日当:行きと帰りの国内分  ⇒課税取引
           :海外日当           ⇒不課税取引
ウ)通信費  :携帯電話海外通話料⇒不課税取引又は免税取引
細かいですが、新規先の顧問先でヒアリングすると結構、間違っています。


海外子会社をもつ日本の親会社が調査で指摘を受けそうな項目として
次のような点があげられます。
1)海外子会社への貸付金について、低い金利ではなく適正な金利ですか。
2)海外出向者の較差補填について、親会社の損金とする金額は妥当ですか。
3)海外出張に伴う費用負担について、親子間の負担に関するポリシーはありますか。
4)海外技術支援に伴う費用について、もれなく妥当な請求をしていますか。
5)海外子会社への取引価格について、第三者取引価格を意識した適正な金額ですか。
6)海外子会社との取引について、海外の預け在庫、積送品等の計上もれはないですか。
7)出向者の赴任直後の賞与について、国内勤務分の源泉税は納付ずみですか。
8)短期出張者について、相手国の租税条約を確認し、免税要件を満たしていますか。
9)海外赴任者、短期海外出張者の海外滞在日数、帰国日数は本社管理としていますか。
10)賄賂等の支出は違法、また、損金不算入です。海外赴任者等に周知徹底ずみですか。
実際に、最近指摘されたのは、3、4、6、7であり、特に、7は要注意です。

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