海外進出企業の【税務会計】虎の巻

税理士法人名南経営 安田昌泰 公式ブログ

 海外子会社で現地従業員を雇用した際、定着率の維持、福利厚生目的で、日本で
よく行われるような従業員貸付をした場合、要注意です。
 たとえば、タイでは、外資規制の対象になる場合があり、罰則の適用等を被る場合
があります。
 貸し付けた会社で利息計上をしていない、又は、低利すぎる場合は、利息の計上も
れとなります。最悪のケースとしては、従業員が突然姿を見せなくなった場合、貸倒の
可能性も懸念されます。
 日本と同じような感覚で、従業員貸付を行うと、痛い目にあうかもしれません。


  ローカルファイル(独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類)は、税制
改正で同時文書化が義務付けられました。記載内容は、「組織図、経営戦略、主要な競合
他社、主要な関連者間取引と取引背景、移転価格算定根拠、 財務諸表等」です。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/28kaiseikokusai.pdf
 対象法人は、一の国外関連者との間で行った前事業年度の取引の受払合計額が50億円以
上で、かつ、一の国外関連者との間で行った前事業年度の無形資産取引(知的財産権の譲
渡、貸付など)の受払合計額が3億円以上です。これ以外の中小企業は免除となるような感
じがしますが、免除法人も、独立企業間価格を算定するために重要と認められる書類につ
いて、調査官から提示を求められた場合には、60日以内に書類を提出しないと、推定課税
のおそれがあります。同時文書化の義務化により、従来より、推定課税等は多くなるかもしれ
ません。簡単な文書化でもいいので、まずは取り組みが必要です。

 移転価格の文書化がBEPSの影響を受けて、改正されましたが、具体的な内容が明
らかになってきています。たとえば、4月27日に、国税庁は、HP上で「多国籍企業情報
の報告に関するサイトを国税庁ホームページに開設」を公表しています。
http://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/takokuseki/index.htm
 内容は「1.概要、 2.届出事項や報告事項の提供を行う」で、現状、情報量は多くは
なく、随時、追加されると思います。
  また、「多国籍企業情報の報告コーナー(e-Taxホームページ)」が案内されています
が、対象となる企業は限定されています。電子でデーター送信が求められますが、順次
情報はHP上で公表されます。
 [多国籍企業情報の報告の手続]
  ○特定多国籍企業グループに係る最終親会社等届出事項
  ○特定多国籍企業グループに係る国別報告事項
  ○特定多国籍企業グループに係る事業概況報告事項
 多くの中小企業は、調査時に文書化した内容を提示することで、推計課税を受けない
という、従来どおりの取り扱いですが、今回の改正で、文書化が義務化されたため、対
応が必要です。
 「移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし」では、具体的な改正内容
がコンパクトにまとまっているので、確認が必要です。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf
(1) 多国籍企業グループが作成する文書【新規】
 ○最終親会社等届出事項、国別報告事項及び事業概況報告事項の提供義務等
 ○最終親会社等届出事項の概要
 ○国別報告事項(CbC レポート)の概要
 ○事業概況報告事項(マスターファイル)の概要
(2) 国外関連取引を行った法人が作成する文書【改正】
 ○独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)の概要
 ・参考:用語の解説等
 ・事業概況報告事項の各項目
 ・ローカルファイルの各書類
 ・最終親会社等届出事項、国別報告事項及び事業概況報告事項の提供期限の例

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