海外進出企業の【税務会計】虎の巻

税理士法人名南経営 安田昌泰 公式ブログ

  海外進出の際、子会社設立を円滑に進めるために、進出国の役人から袖の下を要求されて、
ついつい応じてしまう場合があるかもしれません。税務上、その支出は損金不算入です。従業
員が勝手に賄賂を渡したとしても、それは会社の違法行為です。
 万が一、渡してしまった場合、帳簿上、「手数料/現金預金」で仕訳するかもしれませんが、
全額損金不算入であり、法人税の申告上、使途不明金又は使途秘匿金で処理します。ペナル
ティの加算負担があるので税負担は重くなります。賄賂は違法ですから、一般的には、使途不
明と思いますが、かりに明らかにした場合、調査で追及を受け、修正申告となります。会社の違
法行為を晒すことになりますから、ご注意下さい。

参考:国税庁HPから抜粋
1)「No.2210 やさしい必要経費の知識 」
  http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2009/taxanswer/shotoku/2210.htm
  「公務員に対する賄賂などについては必要経費になりません」
2)「No.2217 公務員に対する贈賄や、外国公務員に対する不正な利益」の供与の取扱い」
   http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2217.htm
   「公務員に対する賄賂(刑法198条)や、不正競争防止法18条により供与が禁止されている、
    国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得ることを目的として、外国公務員等に対
    し金銭その他の利益供与を行った場合のその費用は、必要経費になりません。 なお、不正
    競争防止法18条において供与が禁止されている、外国公務員に対する金銭その他の利益
    供与については、経済産業省のホームページをご覧ください。
 http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/zouwai/index.html
   また、外国公務員への贈賄や不正な利益の供与については、国際的な動向に係る下記情
    報もご参照ください。外国公務員への贈賄に対抗をするための税の措置に関するOECD理
    事会勧告(所法45)
3)「No.5385 公務員に対する贈賄や、外国公務員に対する不正な利益の供与の取扱い」
  http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5385.htm
  「法人が、賄賂(刑法198条)又は不正競争防止法第18条により禁止されている、国際的な
    商取引に関して営業上の不正の利益を得ることを目的として、外国公務員等に対し金銭そ
    の他の利益の供与を行った場合のその費用又は損失の額は損金の額には算入されません。
   なお、不正競争防止法第18条において供与が禁止されている、外国公務員に対する金銭
    その他の利益供与については、経済産業省がQ&A等を公表しています。
 http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/zouwai/index.html                        

 10月27日、国税庁はHPに「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」を公表しています。
http://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/takokuseki/pdf/01.pdf
問97までの質疑回答様式で構成されており、今後の文書化に関する疑問点が網羅されて
います。
 海外進出している中小企業は、規模が小さくてもローカルファイルの作成が必要となります。
問2で適用時期、問10で書類作成義務者判定フロチャート、問11で様式の入手方法、問17
で罰則、問68からはローカルファイルに関する質疑がありますので、一度、目を通しておく必
要があります。

  【共通】
   ○文書化制度の概要、改正の背景・理由(問1~問3)
   ○免除基準・提供義務者(問4~問10)
   ○様式の入手方法(問11)
   ○提供方法(問12~問17)
  【最終親会社等届出事項】
   ○概要(問18)
   ○提供義務者(問19)
   ○代理親会社等の指定の指定(問20~問21)
   ○最終親会社等届出事項への法人番号の記載(問22~問23)
  【国別報告事項】
   ○提供義務者(問24~問28)
   ○構成会社等の範囲(問29~問32)
   ○作成上の留意点(問33~問46)
   ○子会社方式による提供(問47~問54)
   ○情報交換(問55~問57)
  【事業概況報告事項(マスターファイル)】
   ○提供義務者(問58~問59)
   ○免除基準(問60~問61)
   ○作成上の留意点(問62~問64)
   ○その他(問65~問67)
  【独立企業間価格を算定するために必要と認られる書類(ローカルファイル)】
   ○同時文書化義務(問68~問71)
   ○同時文書化義務の免除基準(問72~問78)
   ○作成上の留意点(問79~問88)
   ○提出期限(問88~問95)
   ○その他(問96)
  【その他】
   ○BEPSプロジェクト(問97)


 経済産業省HPで「中小企業のための海外リスクマネジメントガイドブック」が公表されています。

  http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160314001/20160314001.html

 海外進出した企業は、現地での管理が十分でなく、また、その管理手法もわからないまま、数
年がたっている場合が散見されます。業績も芳しくなく、ふたを開けると、不正、サボタージュ、業
績報告遅延、中長期の業績計画なしなど、問題点も多く、挙句の果てには、資金不足で、再出資
または借入申出等もあります。かりに無理に赴任していただいた海外出向者に任せているにして
も、日本の親会社による管理監督は、多額の資金を投入した海外投資を成功に導くためには不
可欠です。
 一度、このガイドブックをご覧いただき、不足している海外子会社サポートについて、真剣に検
討が必要です。

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