海外進出の初期段階では、駐在員事務所を設立して、日本から出
張ベースで滞在する場合が一般的です。その際、短期出張者免税の
規定を受けて、出張者について、納税は日本のみで行ない、海外出
張先では免税となるように意図して、出張日数等を調整しますが、
留意点は、次の通りです。
 1)本社による出張日数コントロールは十分か?
   短期出張者免税の対象となる日数を超過していないか?
 2)短期出張者免税の対象となる日数は国により異なり、渡航先
   の租税条約で、日数を確認しているか?
 3)海外出張の目的、渡航先での過度な活動により、PE課税の
   可能性はないか?
 1について、年間の出張申請書および予定書により想定海外出張
日数を本社でコントロールする必要があります。国により免税対象
日数は、たとえば、180日、183日など様々です。出張者本人はもち
ろんのこと、本社主体でコントロールしないと、いつの間にか免税
日数を超過し、海外での納税義務が生じることもあります。
 2について、租税条約により免税となる日数、そのカウント方法
が異なりますから、一律に183日を超えなければよいという思い込み
はせずに、十分な確認が必要です。
 3について、駐在員事務所の活動は情報収集などの活動に限定さ
れ、営業活動は含みません。その認識なく、営業活動等を行なった
場合、恒久的施設が現地にあると認定されて、PE課税、すなわち、
海外での納税を求められる可能性が生じます。
 最後に、日本が締結している租税条約について、給与所得条項
「短期滞在者免税」から、次の①②③を満たせば、日本での給与課
税は免除されます。海外渡航先によって異なりますが、おおむね、
この基準に近い規定が多いと思いますので参考になります。
 ①滞在日数が183日以下
 ②給与が滞在地国の企業から支払われていない
 ③給与が滞在地国に所在する恒久的施設により負担されていない