2005年09月12日

会計士の刑事罰検討だそうな

 いちおう、身内の問題なのでコメントをば。

カネボウ事件、東京地検が会計士を共犯で追及へ

【引用開始】
 カネボウ(東京都港区)の旧経営陣による粉飾決算事件で、東京地検特捜部は10日、同社の監査を担当していた中央青山監査法人(同千代田区)の公認会計士について、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で刑事責任を追及する方向で、最終検討に入った。

 この事件では、カネボウの元社長ら2人が2002、03年3月期決算の粉飾にかかわったとして同法違反の罪で起訴されているが、会計士は共犯の疑いが持たれており、特捜部は証券取引等監視委員会と連携して詰めの捜査を進めている。

 特捜部の調べでは、カネボウ元社長・帆足(ほあし)隆(69)、元副社長・宮原卓(たかし)(63)の両被告は、02年3月期の連結決算で実際は約819億円の債務超過に陥っていたにもかかわらず、約9億円の資産超過であると有価証券報告書にウソを記載、03年3月期も同様に、約806億円の債務超過を約5億円の資産超過と偽っていた。

 関係者によると、担当の会計士はこうした実態を知りながら、監査報告書に適正意見を記載していた疑いがあるという。特に02年3月期決算については、同年4月ごろ、会計士がカネボウ側から示された「資産超過」とする内容の決算案に対し、「実際には債務超過になっており、このままでは適正意見を出せない」などといったん指摘しながら、2か月後には、「資産超過」とする決算を適正と結論づけていた。

 特捜部は今年7月29日、中央青山監査法人を捜索するとともに、監査にかかわった会計士の任意の事情聴取を続けてきた。これまでの聴取に対し、会計士は「粉飾は知らなかった」などと説明しているという。

 同監査法人は捜索を受けた際、「カネボウの粉飾は大がかりで高度に組織的なものであることが明らかになっており、捜査には全面的に協力していく」とコメントしていた。
【引用終了】

 えーと、まず現象面について簡単なコメントをするとすれば、「これまでの聴取に対し、会計士は「粉飾は知らなかった」などと説明しているという。」って、アホか。お前のスペシャリティは何じゃ?プロとしてこれほど恥ずかしいコメントは無い。野球選手がバットの振り方を知らないと言ってるようなもんだ。

 業界のハシックレに身をおく者として言わせて貰えば、どんなに巧妙に粉飾を凝らそうが、少なくとも監査の現場に入ることによってその「ニオイ」を感じることは出来る。出来ないとすればそもそもこの仕事に向かない人間だけだ。即刻辞めて職を探しなさい。監査は本来その「ニオイ」を手がかりとして予断を持ち、その上で効率的に進められるべきものである。知らない人に誤解があるといけないので言っておくと、監査は「精査」ではなく、ある意味統計的なサンプル調査によって成り立っている。企業の1年間の経済活動の全てをチェックするというのは実質的に短い監査期間では不可能であるため、会計士はその経験と専門的技能を活かし、部分的なチェックを行うことで全体の適正性を推定するのである。

 また、最近は「監査業務の負担が従来に比べ過大になっているが人員を増やせない(人がいない&監査報酬の値上げが出来ない)ので粉飾を見抜くのが困難」とかいう腑抜けたコメントが業界内からも出ている。自業自得だ。というのも、法定監査は会計士しか「出来ない」という法律が存在するため、現金実査や在庫確認といった監査手続の全てを会計士がやらないといけないために「オーバースペックによる作業負担増」がその原因なのだが、その法律を「絶対死守」のスタンスでいるのが他ならぬ会計士協会であり、大手監査法人なのである。
 税理士業界からは、監査業務の門戸開放は積年の念願として主張されているが、頑として会計士はそれに応じない。自らの既得権を守るため、全ての監査手続を会計士の聖域として保持しているのである。率直に言ってしまえば、銀行預金の残高確認や手形有高チェックなどは、マニュアルさえしっかりしていれば大学生のインターンにも簡単に出来る。今の人手不足は、会計士が本来注力すべき業務以外に忙殺されることにその主たる原因があるにもかかわらず、その根元的な問題には頬かむりし、「クライアント(監査企業)が監査報酬を十分に出してくれないから監査の質が低下する」なんつう責任転嫁コメントを堂々と出すその厚顔無恥ぶりには身内ながら腹が立つ。

 更にもう一つ。確かに、会計士が監査報告書で表明する監査意見は「適正性」についての意見であって、「無謬性」を保証するものではない。これは、前述した通り、監査手続そのものが「サンプリングによる推計」を前提としているためである。但し、これは、全体に対するインパクトが小さい場合のみに有効な考え方に過ぎない。「監査人が適正な監査手続を実行して適正意見を表明したとして、後日粉飾が明らかになった場合、会計士に職務上の責任は無い」というのは、その粉飾が全体に与える影響が微少な場合のみのはずである。そもそも、資産超過か債務超過かを分けるような粉飾を見抜けないとするならば、それは「適正な監査手続」ではない。

 また、会計士サイドの言い分として、「ゴーイングコンサーンの前提であれば問題ない」などというものもある。ゴーイングコンサーンの前提とは、企業が今後も経済活動を継続するということである。長銀の時にも言われたことであるが、「長銀がそのまま継続し続けていれば、飛ばしに対しても時間をかけて正常化できたはずであり、それをサドンデスのように止めてしまえば結果として不良債権の状態が確定することになる。つまり、サドンデスにしたからこそ債務超過なのであり、ゴーイングコンサーンを前提とした監査において当該飛ばし処理を問題としなかったからといってそれは監査上の問題ではない」ということである。カネボウの場合も、産業再生機構による再生支援が入るという事態にならなければ当該粉飾は長期的には正常化される範疇のものであって監査上の責任は無い」とか言う馬鹿がいる。あり得ない理屈だ。子供の使いか。
 会計士が真にプロとしての自覚を持つのであれば、監査意見として問題点を指摘し、「もしかすると問題が顕在化する可能性がありますよ」と付記するのが当然だ。

 エンロンによってアンダーセンが崩壊したように、中央青山はこれによって崩壊するかもしれない。というよりも、させなければならない。監査が単に会計士業界の既得権と化している現状を打破し、健全で質の高い監査を緊張感を持って実施されるようになるためには、それぐらいの処置が必要だろう。

 プロの自覚のない会計士など、それだけで社会のゴミである。


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2005年09月11日

勝ち過ぎ自民が何を生むか

 どもです。
 いつの間にやら9月です。泣きそうです。
 ホント追われる日々です。いつ終わるのかこの修羅の日々。いまもホテルで労働中です。もうビジネスホテル暮らしは嫌ざんす・・。

 選挙制度改革(2)も遅くなって申し開きの言葉も無いです。
 頑張ります。いやマジで。この選挙制度改革はなんだかんだで10年近く暖めてきたものなんで、しっかり書きます。ごめんなさい。

 というわけで、今日は総選挙でした。私は出張行く前になんとか投票を済ませましたが、普段に比べ投票に来る人が多かったような気がしました。
 とりあえず最終確定ではないのですが、ある程度選挙結果が見えてきました。自民が中曽根内閣以来の300議席突破はほぼ確実の情勢のようです。小選挙区の選挙はほんと恐いですね。多分全体の10%弱の有権者が投票行動を変えただけで国会の議席数ががらっと変わるわけですから。

 私は今回は様々な理由から民主党を勝たせたくはなかったので結果に対しては胸をなでおろしています。ただ、私は、自民党に対する消極的支持(特に外交面での民主党の政策が気に入らなかったから)でしたから、どちらかというと自民党の「ヤヤ勝ち」を期待していました。

 しかしまあ、この、ある意味自民党にとっても予想外な大勝は、今後どんな影響をもたらすのでしょうか?

 まず言えるのは、まず間違いなく小泉再選でしょう。誰も小泉総理の首に鈴をつけられはしないでしょうし。そして、拉致問題を含め北朝鮮問題についての彼のスタンスからして、問題が日本主導で劇的に改善することは難しいと思います(当然、民主党政権よりはマシではありますが)。アメリカも、イラクと国内の台風被害対応で手一杯の状態でこれ以上のコミットをアジアに向けることは当面無いでしょうから、外交面で大きな展開は望みにくいのではないでしょうか。とはいえ、中国・韓国は、「歴史問題が国政に影響を与えない」(むしろ逆効果)であることを今回の選挙結果で学習したでしょうから、嫌がらせのような内政干渉は緩和されるのではないでしょうか(しかしそれは、中国が正面から日本と向き合うことになりますから、日本外交もかなり腰を据えて中国に対峙しなければならないことを意味しますが)。

 次に、公明党は確実に「焦って」いるはずです。公明党にとっても自民党は「現状維持」くらいが最も望ましい選挙結果だったはずです。参議院がまだ残っているとはいえ、衆議院でのキャスティングボートを喪失したわけですから、その存在感は選挙前に比べ圧倒的に低下しています。その結果予想されるのは、存在感をアピールするため自党の政策をより声高に主張するようになるだろうということです。特に外国人参政権の問題は、公明党の「譲れない主張」となるかもしれません。とはいえ、自民党も公明党に唯々諾々と従わなければならない議席状況ではありませんから、確実に自公関係はギクシャクすることになるでしょう。最悪政権離脱もアリかもしれません。まあそれは私としてはウエルカムですが。

 新党日本や国民新党は、民主党に合流する可能性が大です。自民党が勝ちすぎたために、彼らは全く選挙後の発言権を失いました。政界での足がかりを求めるとすれば民主党の合流しかないでしょうし、民主党もこれだけ議席を失った状態であっては、それを拒む理由がありません。平沼氏は自民党に復党してもらいたいと思いますが、どうなりますかね。亀井のオッサンと縁を切るいい機会ですから是非踏み切ってもらいたいと思います。

 社民党と共産党は、まあ、にぎやかし以上の役割は無いですから別にコメントするほどのことも無いでしょう。

 とか書いているうちに、おいおい、辻元清美は比例当選かよ。あーあ。馬鹿馬鹿しい。比例票欲しさのみで社民党から出馬した思惑は当たったということでしょうか。とりあえず選挙区では松波氏の当選のようなのでそこは安心しました。

 民主党の次の党首は誰ですかね?鳩山や菅の再登場は新味が全く無いし、小沢も受けないだろうし、いっそのこと枝野あたりまで若返らせるしかないんじゃないの?

その一押しがココロのササエですわ。⇒
 

Posted by yasukichi2004 at 22:50Comments(4)TrackBack(2)日本

2005年08月30日

絶対日の目を見ない選挙制度改革(前編)

 とりあえず、今日衆議院選挙の公示になりましたので、「この候補はイイ!」とか、「こいつダメじゃん」とかのコメントは選挙当日まで自粛させていただこうかと思っています(どうしてもムカついたりしたら書くかもしれませんが)。とりあえず選挙は行きましょうね。

 今日は、私がここ何年か温めている「選挙制度改革試案」について書いてみようと思います。前後編2回の予定ですのでお付き合い下さればと。

 そもそも、国会議員は「国民の代表」です。特定団体や特定地域の代表ではありません(これは憲法にも明記されている厳然たる事実です)。つまりは、国民全員が平等に国会議員全員を雇用していることになります。全員が全員の代表なわけです。ところが、今の選挙制度は地域別選挙ですので、国会議員の任命権は各国会議員ごとに特定地域の有権者が握っている形になっています。選挙というのはこういうもんだと誰もが思っていますので違和感を感じないと思いますが、日常の社会生活に置き換えればかなり不思議な制度であることに気付きます。

 例えば、会社に所属しているサラリーマンが、会社外の人間に人事権を握られているとすればどうでしょうか?給料は会社から出ているとしても、常に会社外の人間の意向を意識して動くことになるでしょう。それと同じことが選挙では当たり前のことになっているのです。

 新潟選出の国会議員は、日本国民全員の税金からその歳費が出ているにもかかわらず、その人間の当落は新潟選挙区の人間だけが握っています。そうなれば、その国会議員は新潟県民から当選させてもらうにはどうすればよいかを考えざるを得ないでしょう。
 国会議員の地元への利益誘導が問題になりますが、これは制度上不可避なのです。これは私の昔からの持論ですが、国会議員に日本全体のことを考えてもらうためには、国会議員にそのモチベーションを与えなければなりません。「利益誘導はダメ」という制限だけでは、その悪弊は消滅させることは出来ないのです。国会議員は地元への利益誘導をモチベートされているからです。
 
 その意味では、昔の「全国区」制度は、国民全員が全ての国会議員を選ぶという意味で本来の趣旨に合致するものでした。とはいえ、実際には全国区選出議員も一部の全国的知名度を持つ政治家以外は特定地域に強みを持っていましたし、有権者の側からしても多くの候補者から1名を選択することに困難がありました。わずかな選挙期間で全ての候補者の公約や実績を比較し選択することなど不可能だからです。

 私が考える「あるべき選挙制度」は、バーチャル選挙区の導入による地域性の解消です。全有権者を無作為抽出によって議員数の選挙区に割り振り、そのバーチャル選挙区において現行の小選挙区の如く、4〜5名の候補者の中から投票対象を選択するのです。この制度は完全無作為で選挙区を割り振りますので、同じところに住む親兄弟であっても別の選挙区で別の候補者の選挙に投票することになります。一つのバーチャル選挙区の有権者は地理的にも年齢・性別的にも(統計的に)偏らず、ある意味全ての選挙区が日本全体の相似的な縮図なのです。

 そして、立候補者も自らそのバーチャル選挙区を選択できません。立候補者はこれも無作為に各選挙区に割り当てられます。そして、選挙の都度バーチャル選挙区の有権者は組み替えられ、また、候補者の割当も変わります。これにより、「特定の地域・団体の利益を代表する」ことは全く不可能となります。

 また、統計的誤差を修正するために、全国区による政党選択の比例代表選挙を並立的に実施します。全国区では候補者ではなく政党を選択します。これはバーチャル選挙区における死票の問題を解消します。各政党が獲得した議席は、バーチャル選挙区で落選した当該政党所属の候補者の惜敗率に基づいて決定されます(比例単独候補は存在しません)。

 この「バーチャル選挙区+政党選択全国区」の選挙の具体的な制度については後編で書きたいと思います。


Posted by yasukichi2004 at 23:12Comments(1)TrackBack(1)日本

2005年08月24日

指導と体罰

 どうなんでしょうね実際のところ

「10回はやった」と訂正 暴力の駒大苫小牧野球部長

【引用開始】
 駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の野球部長(27)による3年生部員への暴力問題で、同校の原正教頭は24日記者会見し、部長が事情聴取に対して「バットで押したり、手で押したことを含めると10回くらいはやったかもしれない」と、これまで「平手で3、4発たたいた」としてきた暴力行為の状況を訂正したことを明らかにした。

 また原教頭は会見後、23日に被害部員の事情聴取をした際、「(たたかれた回数を)3、4発にすれば、(新チームが)秋の大会に出られるかもしれないが、それは真実を曲げることになるよな」と圧力ととられかねない発言をしていたことを認めた。

 同校は、訂正した部長の説明でも「20回以上殴られた」という部員の証言とは依然大きく食い違っているため、24日付で弁護士とPTA役員、同校の生徒生活指導部長の3人で構成する調査委員会を設置。調査委は同日、暴力の現場を目撃した部員7、8人から事情を聴いた。

 原教頭は会見で一両日中に調査を終え、報告書を日本高野連に提出したいとの考えを示した。31日に予定されている道秋季大会の抽選会までには提出する方針。同校は出場を辞退する考えはないとみられ、高野連の処分が注目される。

 会見では、部員の父親が「部長は暴力で手を骨折した」と話していることに対し、部長が「もともと手を痛めていた」と否定したことも明らかにした。
【引用終了】

 高校野球の優勝高を襲ったスキャンダルです。これで優勝取消とかになったらどうなるんでしょうね?

 私は、今の過剰な体罰否定の風潮には違和感を感じます。それこそ私が中学・高校のころは当たり前のように叩かれましたし、それを問題視することもありませんでした。教師に叩かれる場合、それ相応の理由がありましたし、叩かれるほうも自分が悪いことを自覚していたと思うのです。
 それに、体罰そのものは、殆どの場合「そうせざるを得ない必然性」があるように思います。それこそ言葉で相手の人格までも否定するような罵倒をするよりも、良くないことをした場合のペナルティとしては1回の体罰のほうが妥当ではないでしょうか。
 また、教師というのは人格的にも未成熟・不完全な学生を教え導くのが仕事であって、その目的に合致している限りにおいては体罰もやむなしなのではないかと思います。

 とはいえ、当初学校発表では「3、4発」の体罰が、生徒側で「40発」との主張が出てきたら「やっぱり10発くらいは・・」と主張が変わったところは教師・学校側の腰の据わらなさを感じます。もし生徒側の主張どおり「40発殴った」とすれば明らかに過剰体罰でしょうからその教師を弁護することは難しいですし、生徒側の主張で学校側の言い分が簡単に変わってしまったことは学校側発表の信頼性を落とし、「本当は生徒側の言い分が正しいんじゃないの?」という疑念を抱かせます。

 体罰として「40発殴ってアゴがおかしくなった」のが真実だとすれば、明らかに私怨を含んだ暴力でしかなく、教育的な観点からの指導的行為とは言えないでしょう。

 高校野球が勝利至上主義に陥り、教師も生徒も余裕を無くしているというのはよく指摘されることです。駒大苫小牧は今年は連覇が期待されていたことは想像に難くなく、ある意味追い詰められた教師が理性を喪失して暴力を振るったのだとすれば不幸な事件ですし、大なり小なり同じような「事件」は多くの強豪高と言われる高校で起こっていることでしょう。

 言ってしまえば、高々高校生の課外活動です。当該活動を通じ、心身ともに学生が成長することがその目的です。であるにもかかわらず、教師にも生徒にも屈折した感情を抱かせ、人によっては一生消えない傷になるような事件が頻発するのだとすれば、むしろ害悪なのではないでしょうか。

 中学・高校を通じ、スポーツに打ち込んだ人間として、今回の事件には切なさを感じます。勝つことそのものが尊いのではなく、勝利を目指して真摯に努力することに意味があると私は信じています。





Posted by yasukichi2004 at 22:58Comments(1)TrackBack(3)日本

2005年08月23日

死者の誇りを誰が守るのか?

 ほんと最近地震が多いですね。
 気にしすぎかもしれませんけど、何気にペットボトルの水を大量買いしているyasukichiです。

 今日はこのニュースについて考えてみたいと思います。

元将校遺族の請求を棄却 「百人斬り」訴訟で東京地裁

【引用開始】 
 旧日本軍の将校2人が戦時中の1937年に中国で「百人斬(ぎ)り競争」をしたとする当時の新聞報道や、のちにこの問題を扱った書籍をめぐり、遺族が「虚偽の事実を書かれ、名誉を傷つけられた」などとして、朝日、毎日両新聞社と本多勝一・元朝日新聞記者らを相手に出版差し止めや謝罪広告の掲載、計3600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。土肥章大(どい・あきお)裁判長は請求をすべて棄却した。

 当時少尉だった将校2人の遺族が03年4月に提訴。37年当時、両少尉が中国兵を日本刀で殺害した人数を競う「百人斬り競争」をしたと報じた東京日日新聞(現・毎日新聞)の記事と、本多氏が執筆し、朝日新聞社が出版した書籍「中国の旅」と「南京への道」の記述などを問題とした。

 原告側の「死者への敬愛追慕の情を侵害した」との主張について、判決は「表現行為が違法となるのは『一見して明白に虚偽』である場合」との基準を示したうえで、記事は「両少尉が記者に百人斬り競争の話をしたことがきっかけで掲載された」などと認定。「本多氏が論拠とした関係者の著述なども一概に虚偽とは言えない」などとして、書籍の記述が「一見して明白に虚偽だとはいえない」と判断した。

 原告側の「死者や遺族の名誉を棄損した」との主張についても、「死亡によって名誉などの人格権は消滅する」「記述は遺族の生活状況などについて言及していない」などとして退けた。
【引用終了】


 そもそもね、軍刀を使って二人で100人斬るなんてことが荒唐無稽なわけですよ。
 とはいえ、事実そのものを断じる根拠を私は持ち合わせていませんので、事の正否についてのコメントは差し控えます。私がこのニュースを見て「?」と思ったのは、上記記事中の「死亡によって名誉などの人格権は消滅する」の部分です。

 その主張に沿って考えれば、死者はいかように貶めても罪にはならず、遺族はいかなる場合でも泣き寝入りということになります。法律的な意味合い(憲法上の人格権)に限定して言えば、確かに生者にのみ基本的人権は認められるのかもしれませんが、死者をいかに冒涜しても全く罪に問われないというのは納得できません。
 死人に口無しの言葉どおり、死者が貶められた場合、その名誉を回復することはその遺族・子孫にしか出来ないわけです。であるにも関わらず、遺族の訴えを「死者に権利は認められない」という杓子定規な解釈によって門前払いするというのは全く理に適っていないと思うのです。

 こじつけるわけではありませんが、この判決は所謂東京裁判史観の物の見方に合致するものだと思えてなりません。私たちの祖父の世代の戦争を悪と断じ、あたかも歴史が切断しているかの如く第三者的な立場で過去を断罪し否定するという行為は、先人の名誉をいかように傷つけても許されるという認識に立脚しています。

 戦後民主主義は、生者の権利を最大限に拡大した反面、過去に対しては極めて冷淡な考え方を醸成してきました。過去を尊重し、連綿とした歴史の継続性を認めることが保守の基本的立場であるとするならば、今回の判決は保守の観点からは極めて異常な判決であるといえます。

 過去に学ばず、先人を尊重しない社会においては、何を羅針盤として自らの歩むべき方向を決めればいいのでしょうか。今回の判決が、上級審で覆ることを願わずにはいられません。






Posted by yasukichi2004 at 22:23Comments(0)TrackBack(8)日本

2005年08月19日

ゲーム化する政治

 ライブドア堀江氏が、広島で無所属で出馬するそうな。

衆院選:堀江社長、小泉首相と会談 無所属出馬伝える

 なんといいましょうか、政治ってそんなものなんですかねぇ・・・(溜息)。
 書生論議と言われればそれまでですが、政治家というものは「この国を変えたい」とか「国家運営に貢献したい」とか、なにがしかの高邁な思想・主張に突き動かされてなるべきものじゃないかと思うわけです。

 まず間違いなく、彼はゲーム感覚で今回の立候補を決めたのでしょう。別段落選しても何ということは無いし、もし当選したとしてもどのみち無所属議員として、興味のあることに首をつっこんで楽しみたいということでしか無いのではないかと思います。
 タレント議員を多く輩出する我が国ですから、彼ももしかすると当選してしまうかもしれません。しかし、日本の政治にとって、彼は単に霍乱要因でしかありません。何事かを為すのではなく、彼は彼が楽しみたい(また、楽しいことしかしない)ために今回の立候補を決めたのでしょう。

 自分の趣味、そしてライブドアの利益のために、つまり完全な私的利益を目的とした国会議員はこの国にとって必要なのでしょうか?

 日本は、そんな「族議員」ならぬ「俗議員」を国費で飼うような余裕のある国なのでしょうか?

 私は、彼を自民党で擁立しようとした小泉首相及び自民党執行部にかなり強い嫌悪感を感じます。また、「無所属出馬」という、限りなくリスクをヘッジした遊戯的感覚で政治を玩ぼうとする堀江氏に苛立ちを感じます。彼は、広島の有権者に何を訴えたいのでしょうか。そして、政治家として何を為したいのでしょうか?

 もし彼が本気で日本を変えたいと思っているのなら、そしてそれが既存政党では無理だと感じているのなら、私財を投じて新党を結成し、自らの為したい政策を堂々と国民に問い、同士を募るべきでしょう。

 比例代表で少しでも多く当選させたいことのみが目的の国民新党立ち上げや、有罪判決を受け執行猶予中の人間を嬉々として公認してしまうモラル無き政党、そして政治の場をゲームとしか捉えない覚悟なき人間の安易な立候補。

 政治がかくも堕落したのは、我々が堕落しているからです。


Posted by yasukichi2004 at 19:53Comments(1)TrackBack(9)日本

2005年08月16日

票のための・・・

 今日の地震は東京にいてもえらく揺れました。震源地近くの方はさぞ驚かれたことと思います。なんだか最近地震が多いと思うのは気のせいでしょうか?

 さて、選挙関係でも色々なことがありますが、一つずつ。

 まず昨日の終戦記念日で首相が靖国参拝しなかったことで、まあ一息。私が首相の靖国参拝に否定的な理由はこれまでにも何度か書いたのでここでは繰り返しませんが、今回首相が見送ったことでもわかるとおり、「選挙で得にならないから参拝しない」程度の思いでしかないわけで、彼の参拝はポリシーのない多分に情緒的なものだということが明らかになったわけです。私としては、もし彼が参拝していたら論理的に批判したでしょうけど、今回選挙を理由に参拝しなかったことについては感情的にムカつきますわ。文句垂れですいません。

 次に、まあ刺客だなんだと言われていますが、自民党が公認候補を各選挙区に立てるのは普通のことで別段特殊なことでも無いでしょう。なんでそんなに自民党に対してマスコミはネガティブキャンペーンをするか不思議です。広島には誰を擁立するのかなあ。やっぱり竹中平蔵でいって欲しいなあ。しかし、福岡にホリエモン擁立とかいうヨタ話は勘弁して欲しい。政治家に必要な資質は知名度だけなのか?
 んで、北海道ではムネオが、広島では亀井が新党を立ち上げる云々の話になっているが、理念なき政党なんて税金の無駄なだけ。有権者をあまり馬鹿にしすぎるのはよくないなあ。ムネオも亀井も本気で小泉を引きずりおろしたいなら神奈川で立候補すべし。

 辻元は社民党公認で立候補するらしい。これについては、辻元は選挙区でダメでも比例なら知名度を利用して当選できるかも・・という下心ミエミエだし(無所属は比例区で立候補できない)、社民党は党ぐるみの不祥事で議員辞職した奴に媚びて擁立するなんざ厚顔無恥にも程がある。低レベルやのお。

 ダメな人を落とすためにも、投票率アップは欠かせない。国家財政危機の折、税金を託すに足る人間だけを当選させなければならない。


Posted by yasukichi2004 at 22:57Comments(0)TrackBack(6)日本

2005年08月11日

(一言)うらやましいんだろ?

 姑息にも記事コピペ不可にした朝鮮日報から

【6カ国協議】鄭東泳統一長官「われわれの意見は米国と違う」

【引用開始】
 鄭東泳統一部長官は6か国協議の最大争点として浮上した北朝鮮の平和的核利用権利問題に対し、「農業用、医療用、発電など平和的目的の核利用権利は北朝鮮が当然持つべき」と述べた。
【引用終了】

 センセイ質問です。農業用、医療用の核利用って何ですか?医療用っつーのは癌の放射線治療か?そんなことが北朝鮮に出来るわけ無いだろっつーの。
 韓国も核には未練タラタラやね。わかりやすー。

 いいじゃん、とりあえずさっさと統一してくれ。そのほうがわかりやすいわ。案外今韓国で国民投票でもしたら「統一OK」になるんじゃないの?


Posted by yasukichi2004 at 23:51Comments(0)TrackBack(1)日本

2005年08月11日

保身第一の政治家は必要ない

 誰か詳しい人いれば教えて欲しいんですけど、韓国の冷麺と盛岡冷麺って結局何が違うの?

 というわけで(?)、連日選挙関係のことばっか取り上げてしまい恐縮です。まあ選挙は祭りですからご容赦ください。

 自民党は、先の衆議院採決で棄権・欠席した議員を原則的には公認する姿勢だそうな。腰砕けやのお。

郵政採決で欠席・棄権の14人、自民幹事長が公認の考え

【引用開始】
 自民党の武部勤幹事長は11日午前の記者会見で、衆院での郵政民営化法案の採決で欠席・棄権した14人について、民営化に賛成の意思が確認できれば全員公認したい考えを明らかにした。すでに法案に反対した37人については非公認にすることを決めており、区別する方針を鮮明にしたものだ。

 武部氏は、「14人はみな、党公認で立候補したいとの意思を確認できた。郵政民営化に賛成し、小泉構造改革路線を支持する方々ばかりだと確信している」と述べ、今後、14人の民営化賛成の考えを確認した上で、正式に決定手続きを進める方針だ。

 党執行部は、都道府県連からの公認申請の中に反対した前職が含まれている場合には、賛成派の前職分も含めて都道府県連の申請を一括して受理しない姿勢。反対した37人への締め付けをますます強めている。
【引用終了】

 以前にも書きましたが、国会議員の仕事は究極「立法に係る採決に参加すること」ですから、欠席や棄権は単なる職場放棄です。血のションベン出るほど考えて、賛否判断をするのが当然です。その意味では、青票を投じた議員の方が自民党員としてはともかく議員としては筋を通したと言えるでしょう。

 心情的には反対、でも選挙のことを考えると反対はできない・・といった保身に凝り固まった国会議員など不要です。

 参議院では、大仁田議員が棄権し、ハマコー氏が一喝してましたが、ハマコー氏の主張は100%正しい。「苦渋の決断としての棄権」なんて論理矛盾もいいとこ。決断せずに棄権してんだから。

 しかし、上記ニュースの中の「党執行部は、都道府県連からの公認申請の中に反対した前職が含まれている場合には、賛成派の前職分も含めて都道府県連の申請を一括して受理しない姿勢」っつーのはどうなんだろう。岐阜とかどうなるんかね?これでとばっちり非公認をくう賛成議員は可哀想な気がする。

 とりあえず皆さん、自分の選挙区で出馬する候補者が「棄権者」であるかどうかは御確認の上、投票してくださいね。

 ・・てなこと書いている最中に、片山さつき財務相主計官が自民党から出馬とのニュースが。小泉流サプラーイズ、というところでしょうか。んー、私の偏見かもしれないけど、この人って山本一太議員と同じニオイがするんだよなあ。ポリシー無き秀才というか。弁は立つけど誠が無いというか。百万の敵が目の前に現出したら全く隙の無いロジックを組み上げて逃亡を正当化するようなタイプというか(元ダンナにも似たような雰囲気があるけど、より濃縮した感じ)。当選した暁には財務副大臣とかに抜擢される密約でもある気がする。あのタイプの野心家が財務省キャリアの地位を捨てるからには、きっちりとした計算が立っていると見たほうがいい。
 どこの選挙区から立たせるのかね?わかりやすく野田聖子にぶつけるのかなあ。

 なんにしても今回の選挙は色々と面白い。今回は参議院の有名人どころが衆議院に鞍替えするケースも多くなる気がする。竹中大臣は広島行くべし。

さあ、投票の予行演習を(笑)⇒


※追加
 片山さつき氏は静岡での出馬だそうで。しかしまあ、自派の若手にも容赦せず(自派だから余計なのかもしれないけど)本気で落としにいくあたり、完全に腹をくくっているようですね。
 あと、橋本元首相が引退だとか。んで後釜が婦人ておい。有権者ナメとんか。

Posted by yasukichi2004 at 22:01Comments(0)TrackBack(1)日本

2005年08月11日

実は保身なのではないかと勘繰ってみたり

 いやあ、四国暑すぎ。雨降らなすぎ。かなりヤバい。梅雨明け後の降雨量が例年の2%だってさ。一桁って、おい。
 ほんとになんか異常気象が定着しているなあと思う今日この頃。

 小泉首相は今回の衆議院選挙では比例と重複立候補となる見込みらしいです。一応大義名分としては、小泉票で関東比例の票を伸ばすことで当選議員数の積み増しを狙うということのようです。

 とはいいながらも、こんなニュースが。

衆院選:小泉首相の神奈川11区 選対本部長も決まらず

【引用開始】
 (前略)小泉選対の本部長が決まらないのは、前回衆院選で本部長を務めた自民党の竹内英明・神奈川県議が、首相の行動に感情を害したからだ。今年6月の横須賀市長選で、竹内氏は元自民市議を応援したが、首相はわざわざ地元入りして、旧自治省出身の前副市長をてこ入れした。結果は、前副市長が7000票を切るきん差で当選した。
 竹内氏は「(市長選で)反小泉のつもりはなかったが、けんかを売られた。今回は、選対本部長は受けない」と語っている。
【引用終了】

 実はこのニュース地元ではそれなりに有名な話で、神奈川県議で小泉首相を本気で担ぐ人間はいないらしい。実際、殆ど地元への利益誘導などを考えないキャラクターが災いし、これまでも小泉氏は選挙には弱かった。「小泉さんは落ちてもおかしくない」と考える地元有権者も多いというのが実際のところなのだそうだ。それに加えて市長選を巡るゴタゴタで、地元での小泉人気は驚くほど低い。
 現職の内閣総理大臣が選挙で落選したらそれこそ前代未聞。他の大臣と異なり総理大臣は衆議院議員であることが必要なため、退陣もへったくれもなく即時辞任となる。
 ある意味浮動票が主な支持基盤である小泉首相は、確かに比例の方が票を多く獲得出来るだろう。その意味では、他の比例議員の当選者数を増やすのが主目的ではなく、小泉首相自身の当選を確実にするのが目的であるようにも思える。とはいえ、社民の土井さんと同様、選挙区で落選して比例で救われたりした日にゃ、政界での影響力は大幅に落ち込むのは間違いない。

 民主党も、それこそ岡田代表や小沢代行あたりが鞍替えしてガチで小泉首相と選挙戦を戦えば面白いのになあ。亀井氏もなんか地元での当選が危ういようだから、いっそのこと神奈川くれば盛り上がるぞ。


Posted by yasukichi2004 at 15:11Comments(0)TrackBack(0)日本

2005年08月10日

保守と革新

 人様のブログのエントリーや私のブログのコメント欄を土台にして書くのも楽しいと思い始めた今日この頃。

 いつも拝見させていただいているとんぼがえりベイビーさん(又の名をuki_gumoさん)のブログ「人生とんぼ返り」のエントリーで、「保守とは何ぞや」といったテーマが取り上げられていましたので、ちょいと尻馬に乗って私なりの考えを書いてみたいと思います。

 「保守」と「革新」は対になって使われる言葉です。「守り保つ」であれ、「新たに革める」であれ、「何を?」という根本が明確でないとこの言葉は定義できないのではないかと思います。
 基本的に世の中というものは生々流転、日々移り変わるものですので、現時点の事象そのものは保守や革新の対象とはならないでしょう。つまりは、何らかの「過去」を基準点として、保守か革新が論じられることとなります。

 保守論陣に多く見られる主張として、「連続した過去から現在に至る歴史の蓄積が保守されるべきものである」というものがありますが、正直これは私には抽象的過ぎてよくわかりません。平安時代と江戸時代と明治時代は天皇制が継続されていること以外殆どの面で異なります。そもそも平安時代の日本人のメンタリティなんて都と地方で全く違うでしょうし。

 誤解を恐れず私なりの解釈で申し上げると、日本において現在の多くの保守言論人のメンタリティは明治期以降、敗戦までの日本の「国体」を保守するというものであり、その「国体」を革めることが革新言論人のメンタリティではないかと思います。戦前の制度には間違いもあったこと(統帥権等)は認めつつ、日本人としての「心のありよう」は戦前が正しかったと考えるのが保守なのでしょう。そう考えた場合、「独立自尊」であり「脱亜入欧」であり「和魂洋才」が保守の思想的基盤であって、それに対するアンチテーゼが革新のベースメントではないかと思います。

 そして、若い世代の多くはおそらく「革新」を志向します。であるのに対し今日世論が右傾化(保守化)していると言われるのは、戦後60年の間に、それまで「革新」と呼ばれていた考え方が一般化し、定着したことによって、若い世代にとっては現状を打破すること(行為としての革新)が、思想としての保守へと向かっているということなのだろうと思います(その意味では、小泉首相はバリバリの「保守」といえます)。戦後日本も還暦を迎えて、文字通り「還った」ということなのでしょう。多くの日本人にとって、保守的な考え方や主張は「新しい」のです。
 また、今の日本人の多くは将来に対する漠然とした不安を持っていることも、安心の希求が保守へと向かわせている原動力の一つでしょう。

 親米保守や反米保守というのは、思想と行為の混乱が感じられます。「思想としての反米、行為としての親米」というのが、実は多くの保守派言論人のポジションであって、本来「反米」と「親米」は反目するものでは無いのではないかと思っています。

 今回のエントリーを書くきっかけとなったとんぼがえりベイビーさんのエントリーの中で、「現在多くの人間が、他人の考え、ある定型の考えを自分の考えと勘違いしている。」と書かれていましたが、これは私もそう思います(私自身にもそういう部分があることは否定しません)。特に最近の保守系ネット言論に顕著です。これはある意味、上記理由から保守が「流行り」であることの証左ではないでしょうか。今の時代、保守が「カッコいい」のでしょう(なぜならそれは行為としての革新だから)。

 更に、最近嫌中・嫌韓の動きが急速に広がっているのは、これまで述べてきたような「保守的なるものの流行」とともに、中国・韓国が近代国家として未成熟であるが故の違和感もその背景にあると思っています。中国・韓国(及び北朝鮮)のマスコミ報道って変だし、誤解を恐れずに言えば「笑える」のです。明確に日本を仮想敵国としたような報道が垂れ流されたり、色々な意味で情報が制限・統制されている状態で誤った歴史認識をベースとした主張がなにの疑いも無くなされたりしていますし、それが日本語で読め、かつ2ちゃんねるや各種ブログ等で広まったことが、「保守+嫌中・嫌韓」の大きな流れを生み出しているのでしょう。

 などなど、抽象的なテーマをとりあげ、好き勝手に論じてみました。異論・反論などございましたらどんどんお寄せ下さい。


Posted by yasukichi2004 at 00:44Comments(3)TrackBack(2)日本

2005年08月09日

ムカついたので追加

 いやー、ニュースを知って時間がたつにつれ腹立ってきたなあ。

横光副党首が離党、社民党に大きな打撃

【引用開始】
 社民党の横光克彦副党首は9日、同党に離党届を提出した。横光氏は衆院選で、民主党公認候補として大分3区から出馬する方向で調整している。
 横光氏は、俳優出身で当選4回。前回2003年の衆院選では、社民党公認候補として同区から出馬し、比例選九州ブロックで復活当選した。党国会対策委員長を兼任し、衆院予算委員会などで何度も質問に立ち、社民党の顔の一人だった。
 それだけに、社民党が受けた打撃は大きい。
 同党幹部は、「衆院解散の翌日。さあ、選挙だと士気が上がっていただけに、ショックだ」と落胆を隠せない。同党は、衆院選に公認候補50人の擁立を目指し調整を進めているが、現在内定しているのは12人で、目標に到達するのは事実上、不可能な状況だ。
【引用終了】

 別に、社民党がどうなろうが知ったこっちゃありませんが、このオッサンも民主党もエエ加減にせえと言いたい。鞍替えなんて、昨日今日決まったこっちゃあるまい。事前から内々に話が進められていたのだろう。そのくせ、解散が決まるその日まで離党せず、副党首でございとエラそうな顔をしてたわけで、卑怯千万きわまりない。滅びの美学がいいとは言わんが、副党首が沈没船から我先に逃げ出すことに何の理があるというのか。こんな人の道を踏み外した外道にこれ以上国会議員バッチをつけさせるなど日本人の恥ではないか。

 大分3区の自民党候補予定者は岩屋毅氏。是非ともこの卑劣漢を落選させるべく奮闘いただきたいと思う。

 民主党がこのオッサンを比例上位にランクさせたならば、この寄り集まりノンポリ政党の底が知れるというものだろう。こんなオッサンを取り込んでまで政権の蜜が吸いたいか。

 んで、更にはなにやらクソやかましい姉ちゃんが大阪10区に無所属か社民党かで立候補するそうな。執行猶予中くらい自粛せえよ全く。大阪10区は松浪健太氏。頑張ってくれ。ちなみに今10区の議席は民主党の肥田美代子氏。HP見たが、んー・・。頼みますよ大阪10区の有権者。

 せっかくの選挙なのだから、この機に一気に色々な新陳代謝を進めましょう。そのためには投票行動ですな。じっくり考えて投票しましょう。




Posted by yasukichi2004 at 23:40Comments(1)TrackBack(1)

2005年08月09日

ひがみです

 高校野球のシーズンになるといつも思うんですけどね、なーんで野球だけがクローズアップされるのかなあと。
 剣道なんて、だーれもなーにも興味を持ってくれないしなあ。
 試合に向けての練習とか、負けた時の悔しさとかは野球と変わりないんだけどなあ。
 
 とはいいながら、何気に高校野球を見るのが好きな私。


Posted by yasukichi2004 at 23:31Comments(2)TrackBack(0)雑談

2005年08月09日

総選挙ですな

 テレビニュースを見てないので、新聞情報に基づきブログ書きをすると、エントリーが若干遅れるのはご愛嬌ということで。

 今日、都内某ホテルにタクシーで行ったのですが、入り口にエライ数の報道陣がいて、私の乗った車が車寄せに止まったとき数人のカメラマンが寄ってきて、中を覗き込み、あきらかに「けっ」という顔をして立ち去りました。多分政治家を張ってたんだと思うんですけど、俺が何したっちゅうねん。

 んで、結局参議院で郵政民営化法案が否決され、衆議院が即日解散となったわけです。衆議院の民営化賛成議員にとってはとんだとばっちりですな。
 そもそも、参議院での否決を理由として衆議院を解散するというのはどうも納得がいきません。選挙後、民営化賛成派が多数を確保したとして民営化法案が再度衆議院を通過して、参議院でまた否決されたらどうするんでしょうね?
 また、この解散によってオートマティックに廃案になった多くの法律案は、また日の目を見られるのでしょうかね。個人的には賛否両方あったので、仕切りなおしが良い結果に転ぶことを望むばかりです。
 どうせ政治生命を賭けて、というのであれば、拉致問題解決に賭けて欲しかったものです。郵政民営化なんて半年遅れたって誰も死にゃあしないんだからさ。
 家族会が全候補者にアンケートを取るようですが、とりあえず候補者はみんな浮き足だってますから、あまり真剣に取り上げられないのではないかと危惧します。どう考えても、拉致問題そのものは選挙の争点にならないでしょうから。むしろ、当選者に内容証明か何かでアンケートを送りつけ、その結果(無視も含めて)をHPでいつまでも掲示し続けるほうがいいのではないかと思います。

 民主党にしても、実は民営化賛成の議員は数多くいるでしょう。今回反対の意思表示をしているのは、政権が目の前にぶら下がっているからであって、その意味では自民党の反対派で今回反対票を投じた議員のほうが政治家として背筋の伸びた対応な気がします。社会党の副党首が民主党に鞍替えしたらしいですが、まあ社民党が無くなるのは喜ばしいですけど、そんなヘタレを受け入れる民主党も民主党だなと。多分それで失った票は1万や2万じゃないと思うけどなあ。

 あと、繰り返しですけど、15日に小泉首相には靖国行って欲しくないなあ私。理由は以下の通り。
・首相の公的参拝は違憲の疑いを排除出来ない以上、まず憲法改正ありき。
・選挙結果如何によっては首相退陣なので、自らの行動に責任をもてないことはすべきではない。
・終戦記念日に参拝することは、イデオロジカルな解釈を受けることを回避できない(宗教的に参拝に意味のある日ではないので)。

 なんというか、私自身にとっては、身内が靖国に祀られていることもあり、参拝そのものは自然な感情の発露で違和感は無いのですが、低次元の揉め事のネタとして玩ばれたくないなあ。

 そして謎が一つ。なんで解散のとき議員は万歳するんだ?


Posted by yasukichi2004 at 21:53Comments(0)TrackBack(6)日本

2005年08月07日

kitsさんコメントへのご回答

 久方ぶりにブログ書きを復活させてはみたものの、日々情報に接していないため焦点のボケたエントリーになっているなあと反省しきりです。
 ちょいとリハビリを兼ねて、kitsさんから頂戴したコメントにご回答させていただきます(コメント欄だと字数制限がきついので・・)

 まず、kitsさんからのコメント引用します。

【引用開始】
yasukichiさん、お久しぶりです。お忙しい中、ブログ更新は大変でしょう。どうか無理なさらずに。。。
さて、yasukichiさんと6者協議(実際は米朝協議)の考え方が全く異なることが分かりましたが、それは別の機会に質問させていただくとして、6者協議は休会となりました。また常任理事国入りは5日の時点で実質失敗に終わりました。
が、これらが継続していると仮定しても、解散総選挙となればそれは実質は内閣不信任選挙であり、そこで小泉首相側が負けることがあれば、これは有権者が内閣不信任を突きつけた、という事であり、新内閣が現内閣とは間逆の外交方針だとしても、それは有権者が選んだ結果、という事ではないでしょうか?

有権者が聡くならなければ結局は政治は良くならない、ということだと思います。
【引用終了】

 6者協議については、私も日々新聞を流し読みする程度しか情報に接していませんでしたので、是非kitsさんのご意見もお聞きしたいと思います。私としての、しごくさっぱりとした6者協議へのコメントとしては、「そもそも6カ国協議自体が北朝鮮の(もしくは、親北朝鮮の国々にとっての)フィールドであって、そのフィールドに乗っかってしまった以上日本が主体的に意思決定し行動することは極めて難しく、その意味でそもそも大きな成果を期待できるものではなく、6カ国協議の成否・動向に関わらず日本は独自に制裁を含む対北強硬路線を継続する以外に無いだろう、という感じです。

 また、私自身情報に対するピントがズレており、前回のエントリーは朝の報道2001を見ながら書いたもので、その後に今日の日経朝刊を読むと「6者協議休会へ」になってましたので、確かにkitsさんの仰るとおり衆議院の解散は直接の影響は無いと言えますね。但し、北朝鮮側としては、日本が総選挙の結果如何によっては北朝鮮に対する態度を緩和することも期待できるため、総選挙が終わり、新首相が選任されるまでは再開を留保することはあり得ると思っています。実際、自民党は揺り戻しがお家芸のような政党ですから、親中・親北政権になる可能性も低くは無いと私は考えています。

 常任理事国入りについては、AUとの一本化調整が失敗に終わった結果、G4案が国連総会で承認される可能性はほぼ無くなったといえます。そもそも私自身は、拒否権が制限されるという不完全な形での常任理事国入り自体に意味が無いと感じていますので、それはそれでまあいいかなと思っています。ただ、少なくともG4は正式に議案の取り下げを決定しておらず、その状況において首相が民意を問う選挙を行うことは国際信義上問題があるのでは?と思います。少なくとも首相は参議院で明日郵政民営化法案が否決されたとしても、8月末頃まで解散そのものを留保すべきではないかと考えています(衆議院を解散しても内閣そのものは継続しますので、問題無いといえば無いのですが)。

 また、kitsさんの「有権者が聡くならなければ結局は政治は良くならない、ということだと思います。」というご意見には120%同意します。とはいえ、そもそも私は選挙制度そのものに問題があるという認識です。選挙前に街宣車が候補者の名前を連呼するだけで、有権者はどうやって国政を託すべき国会議員を選出し、その後の動向をモニタリングできるのでしょうか?
 この点については、別エントリーで私の考えている選挙制度について書きたいと思ってますので、またご意見を頂戴できればと思います。

 とりあえずこんな感じです。
 引き続きご意見をいただければ有難いです。

Posted by yasukichi2004 at 20:47Comments(4)TrackBack(3)日本

2005年08月07日

オトコの美学

 今日は、久しぶりに朝からテレビなど見ているyasukichiです。
 なんですか、明日の参議院で民営化法案が否決されると衆議院解散ですか。どうしようもないですねえ。

 郵政民営化に対して自民党は賛成するべきという道理は理解出来ます。小泉首相はずーっと言い続けてきたわけで、それを総裁選の公約に掲げて自民党総裁となり、首相となったわけですから、反対派の「暴政」とか「民主主義への挑戦」とか言う批判は当たらないわけです。

 ただ、このブログでも言い続けてますが、優先順位が決定的に間違っているわけです。
 もしこのまま解散に突入したとすれば、現在進行中の6カ国協議はどうなるんでしょうか?国連の常任理事国入りはどうなるんでしょうか?6カ国協議において日本はイニシアチブを取れておらず、アメリカの陰にひっそりと寄り添っているだけのようですが、確実に当事国を白けさせます。実際に核の脅威に晒される上、深刻な拉致問題に直面しているのは日本だけです。言ってみれば、「誰のために角突き合わせて議論しているのか?」という感じでしょう。国連安全安保理も同様です。選挙の結果、再び小泉首相が再任されるかどうかわからず、別の首相が安保理入りを目指すかどうかなんてわからないわけですから、これも結局「お流れ」でしょう。

 こんな現在進行形の国際問題を捨ててまで貫かなければならない男の美学とは何なんでしょうか?もし彼がどうしても郵政を処理したいのであれば、次回の国会提出とすべきだったでしょう。

 んでもって、それこそ選挙期間中に靖国参拝なんてするのは単に愉快犯の振る舞いなのでやめていただきたい。衆議院が解散しても選挙が終わって総理が選任されるまで小泉首相は首相のままですから、理屈の上では総理大臣としての公式参拝が可能ですが、選挙後首相が変わったら中韓のいいがかりに対応せざるを得ないのは新首相です。自ら責任の取れないことをどさくさに紛れてやっちまうことは、彼の意図とは逆に靖国を単に政争の道具に貶めることにしかなりません。

 政治家は浮き足立ってみんな地元に帰るし、大義名分の何も無い新党騒ぎはあるし、民主党は何もせず敵失につけこもうと舌なめずりだし、公明党は早速民主党の尻尾にくらいついて政権与党に食い込もうとしているし。

 これまで毎回選挙では投票してますけどね、さすがに虚しくなってきましたわ。政治家こそが日本最大のニート集団という気がしてきましたね。



Posted by yasukichi2004 at 08:41Comments(3)TrackBack(0)日本

2005年08月05日

いやいやいや、ごぶさたですわ

 どもです!
 久方ぶりに更新します!
 お待たせしました!!(←「別にー」の声多数)

 いやー、ホントこの2週間ちょっとって、忙しかったんですよ。
 私は、吹けば飛ぶような会社をやってるんですけどね、もぉえらいことなってまして、まあ今でも忙しいのですが、全ての時間の85%くらい仕事に費やしてました。あとの15%で寝て食事という感じだったですね。
 来月末くらいまでは今のペースが続きそうです。夏休みなんて無いです。つか「休み」という言葉は今年の秋まで私の辞書から消えてしまいました(秋になったからと言って辞書が改訂される保証は無いわけですが)。

 てなわけで、自分のブログの更新はおろか、人様のブログも全く見る時間も余裕も無く、ニュースすら電車の移動中に新聞でちょいと見るくらいでしたから、完全に浦島太郎状態です。まだ六カ国協議って続いてるんですか?(笑)

 なにやら世間では、「嫌韓流」とかいうマンガが大人気みたいで、読みたいとは思っていますがなかなか時間も取れないなあ。KIOSUで売ってくれないかしら。

 郵政民営化って、そんなその内容(つか民営化後の影響)をきちんと理解していない大多数の政治家が税金使って遊んでるくらいですからとりあえず日本は平和っつーことでしょうか。「政治空白を起こしてはならない」とかなんとかダベる政治家がいるようですが、そもそも今の状況が空白そのものだしなあ。この状況を喜んでるのはホテルと料亭くらいか。

 なにやら安全保障理事国入りもほぼ無理な情勢になってきたようで、まあ戦後のODA外交が全否定されたのも考えようによっては良いのかなと思ったりもしたり。人民元の切り上げも鼻クソみたいなもんだったし、某国のガキみたいな道路公団の副総裁は引きこもりの挙句捕まっちゃったし、世の中は動いてるんだか動いてないんだかって感じです。

 阪神はいつの間にか中日に追いつかれて、琢磨はとりあえずポイント取れてよかったなと思い、いつのまにやら日本サッカーは負けてるし。

 というわけで、少しココロの余裕を取り戻した私なので、ボチボチ社会復帰しつつ、ブログを更新していきたいと思います。とりあえずお気に入りブログの巡回からはじめますわ。

 てなわけで、長いこと更新しなかったにも関わらず、当ブログを見放さずにいてくださった皆様、誠にありがとうございます。
 決してブログを更新するやる気を喪失したわけではないです。
 今後ともよろしくです。

 ご挨拶を兼ねて、お気に入りブロガーの皆さんにTBさせていただきます。ご迷惑でしたら削除お願いします。

 yasukichi拝

Posted by yasukichi2004 at 21:56Comments(5)TrackBack(3)雑談

2005年07月19日

(一言)教科書と同列やな

 基本的には、今後韓国マスコミ発のニュースについては、一言コメントをつけて終わりにしようかなと思っています。

韓国けなす漫画、日本アマゾンで前売りトップに

【引用開始】
  韓国をけなす内容でいっぱいの日本漫画が、日本のインターネット書店大
  手で、前売り率トップになった。
  インターネット書店大手・アマゾン(www.amazon.co.jp)では、今月26
  日に発売する予定の『マンガ嫌韓流』という単行本が、日本書籍部門の前
  売り率第1位になっている。この漫画は、韓国が「竹島(独島の日本
  名)」を侵略したとの主張とともに、顔の整形、「ヨン様」、歴史問題な
  どについてのわい曲された主張を盛っており、韓国人への嫌悪感を赤裸々
  に示しているものとされる。
【引用終了】

読んで書いたんかコラ。

終了



Posted by yasukichi2004 at 00:53Comments(4)TrackBack(3)雑談

2005年07月18日

何か意味あるのかなあ?

マラソンの野口みずき所属、先物大手グローバリー捜索 

【引用開始】
  先物取引大手のグローバリー(名古屋市)が経済産業省と農林水産省に、
  業務状況について虚偽の報告をしたとして、愛知県警生活経済課は15
  日、商品取引所法違反の疑いで、本社や支社など計4カ所を家宅捜索し
  た。
  調べでは、同社は昨年11月、経産省と農水省に対し、商品取引のトラブ
  ル件数や内容について虚偽の報告をするなどした疑い。両省が今年6月に
  告発した。同課は押収した資料を分析し調べを進める。
  両省はこれまで同社に対し、顧客に無断で開設した口座を使い簿外資金を
  作ったとして商品先物関連業務を5月10日から6月23日まで、また顧
  客の資金返還に応じなかったとして商品取引受託業務を6月24日から9
  月16日(60営業日)まで、それぞれ停止する処分を命じている。
  同社には、アテネ五輪の女子マラソン金メダリスト、野口みずき選手が所
  属している。
【引用終了】

 グローバリーについては、今までも色々な噂があったので別に今回のニュースそのものは「ふーん」くらいのインパクトしかなかった。しかし私が不思議に思うのは、なぜにわざわざ「野口みずき所属の」とつける必要があるのだろうか?
 「所属」とはいうが、これは単に日本陸連の硬直化した制度の問題であって、実質的には単に「スポンサー」である(高橋尚子が、昔「スカイネットアジア航空『所属』だったのと同じ)。過度に「アマチュアイズム」を協調し、「プロ陸上選手」を意識的に忌避する陸連の意向に合わせようとすれば、どこぞの企業所属の形を取らざるを得ない。

 まあ、それはさておき、グローバリーが野口みずきのメインスポンサーで遭ったからといってそれが何であろう?野口がガンガン先物売りまくったとでもいうのか?そもそも、陸上のプロフェッショナルが商品先物に詳しいわけもない。今回の事件は野口みずきと何の関係も無い。

 私は昔から、日本は「プロ」の捉え方が変だと思っていた。プロ野球選手は野球の技術が卓越していることで評価され、金を稼ぐのであって、その人物が品行方正であることは必要ない。プロとは、特定領域での抜きん出た技能を有する人物であって、ある分野で一流であるからといって他の面でも一流である保証はない(その意味では、金メダリストが当然のように国会議員になるのは不思議でならない)。

 日本では、技能上の評価と全人格的な評価、そして社会的な評価がごっちゃに論じられ、認識されることが多すぎる気がする(最近の若貴騒動もしかり。どうでもエエやんけ)。野口みずきのスポンサー企業がいかなる企業であれ、彼女のオリンピック金メダルの偉業がいささかも損なわれることはない。



Posted by yasukichi2004 at 23:26Comments(1)TrackBack(1)雑談

2005年07月18日

北朝鮮の妄言と韓国の弱腰

 とにかく、何か言わないと気がすまないのでしょうかこの国は。

一方的核放棄を拒否、在韓米軍含めた非核化を・北朝鮮紙

【引用開始】
  北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」は18日、今月下旬に再開予定の核問題
  を巡る6カ国協議について「わが国が米国の一方的な核放棄の要求に絶対に
  応じられないのは明白だ」と表明した。そのうえで、在韓米軍の戦力も対
  象に含めた朝鮮半島全体の非核化を目指す立場を重ねて強調した。

  朝鮮通信(東京)が伝えた朝鮮中央通信の報道。6カ国協議開催を約1週間
  後に控え、北朝鮮による核放棄の確約を核問題解決の「入り口」とする米
  国と北朝鮮の対立が改めて鮮明になった格好で、参加国の調整作業は難航
  が避けられない見通しだ。
【引用終了】

 まあとりあえず、「何でも言うとかんと」という姿勢であることはわかった。そもそも、この主張はアメリカに対して向けられたものではなく、第一ターゲットは韓国、第二ターゲットは中国を意識したものであって、とりたてて意識しなければならないような主張ではない。
 
 つか、そもそも在韓米軍は大幅削減の方針がほぼ決定的であるし(詳しくはコチラ)、韓国軍そのものも大幅兵力削減が検討されている(詳しくはコチラ)。「既に削減の方向で進んでますよ」と言い返されたらそれで終わりな気もする。しかし、今の韓国はとことん北朝鮮に弱腰であるし、アジアにおける米軍のプレゼンス低下は中国の思うツボである。韓国と中国が、在韓米軍が核査察を受け入れるべきであるという暴論を吐く懸念もゼロではない。ただ、アメリカとしては、もし現在韓国国内で核を保有していたとしても、「引き揚げる」と言えばすむ。陸軍中心の北朝鮮は、朝鮮半島より外からの攻撃に対する防衛力は存在しない。グアムや在日米軍基地から爆撃機を飛ばせばいいだけの話である。結局のところ、韓国から米軍がゼロになって困るのは韓国だけであって、アメリカとしては何も損をしない(むしろ駐留経費を削減できてメリットが高いかもしれない)。

 アメリカって、なんで北朝鮮に対してはこんなに気が長いのかなあ。
 まあ実際、単に朝鮮半島有事で軍を動かすことがコスト的に見合わないのが理由でしょうけど。




Posted by yasukichi2004 at 22:39Comments(1)TrackBack(0)アジア