IMG_2147

今回のツーリングで、だいぶ981ボクスターにも慣れて来ました。ここいらで総合的なインプレッションを書いておこうかな、と思います。

「両立」どころではない「二面性」
今まで私は、初めての愛車ST165セリカGT-FOURや986ボクスターなど
  • パワフルでありながら
  • 服を着ているように意のままに操れる
クルマをガンダムになぞらえて「モビルスーツ感」という言葉で表現して来ました(ガンダム乗ったことありませんがw)。
981ボクスターはもちろんこれに加えて、「二面性」のようなものを感じました。

ポルシェに関してよく言われるのが、街乗りや高速での「使い勝手や快適性」と、峠やサーキットでの「スポーツ性」を高いレベルで両立している、ということで、私も986ボクスターに同様の感想を持っていました。

981ボクスターは街乗りや高速では非常に洗練されてます。レガシイなどの「運転してる感」のある国産車のようでちょっと薄味で物足りないくらいです。エンジン音は上手く遮音されており、どんどんシフトアップするPDKはシフトショックも皆無、ステアリングも軽くて楽チン楽チン。

しかし峠道で鞭をいれるとドライバーの意図を感じたかのごとく一変します。遮音材の向こうからでも響いてくる官能的なエンジン音にともなって、実は986の「S」と同等のパワーがモリモリと湧きあがり、986ではややもたつきがあった「上り坂でのS字の切り替えし」もスッスッとこなし、演出的な「クイックさ」ではなくタイムラグのない「ファストな」ハンドリングはさらに磨きがかかりました。
クルマの鼻先を方向付けしてしまえば、あとはどこまでもオンザレール。986だとロールが大きくなり始めて「そろそろ…」と感じた領域でも「まだまだ」なのがお尻と手のひらから伝わってきます。

相反するものを両立しているレベルが高すぎて、これはもやは「両立」ではなく「二面性」を持ったクルマと呼ぶほうがしっくりきます。。モビルスーツで言えば、攻撃力と防御力を両立させた初代ガンダムから進化して、状況に応じて飛行形態から変形しちゃうZガンダムでしょうか(繰り返しますが乗ったことないです)。

よりハイテクで軽快な感じなのもZガンダムっぽいです。

さらに磨きがかかったポルシェらしさ

もちろんブレーキパッドが足の裏についているかのごとくリニアでバカみたいに効くブレーキと重心の低さといったポルシェならではの美点は相変わらずですし、ボディ剛性は更に向上しています。986もバルケッタから乗り換えた時には驚愕しましたが、私が慣れたのか経年変化なのかやや捻れを感じるようになっていました。しかし981は本当に「ミシリ」ともせず、固いボディの下で脚だけが動いている感じが増しています。

そしてもう一つ「もともとも良かったものに磨きがかかった」のはシートです。
986は肩周りにサポートがあるオプションのスポーツシートでした。
IMG_1818
それに対し981はまったくの標準シート。肩周りのサポートはありませんが、特に不都合は感じません。
2017-08-16-15-34-33
長時間運転しても腰が痛くならないのは相変わらずですが、さらにお尻も痛くならなくなりました。楽チンになった日常性能に加えて、これなら何時間でもどこまでも運転したくなります。

今回の全行程での燃費は10.65km/l。走行距離は588kmでほとんどエアコンON。往路の高速130kmは渋滞気味、その後は三国峠の群馬側から新潟側の2往復半弱を中心に314km、そして復路の高速は午後に井上昌己のライブに行く用事があったのでやや早いペース、とほとんどエコランは意識せずにこの数字はなかなかだと思います(同じような行程と走り方で986は10km/l台前半)。今度はもう少しエコランを意識してどこまで伸びるかやってみたいと思います。

全体的に見て、981ボクスターは986を真っ当に(現代の価値観にあわせて)進化させたクルマだと思います。日常性能で洗練度が上がったところは好き嫌いが別れるかもしれませんが、私は欲張りなので1粒で2度美味しいのは大好き。さらにそれぞれの美味しさがアップしているんですから、言うことナシですね。
スポンサードリンク