2014年12月27日

ビジネスパーソンが集う吉沢書店|2014Amazon売上ベスト10

 さて、密かに年間1,000冊の規模で売れている私のアマゾン・アソシエイトですが、その年間ランキングを発表致します。主に30代の大企業/ベンチャービジネスパーソンが覗きにくる私の投稿ですが、そこでの売れ筋の書籍は、来年のあなたの課題解決、道標になるやも?しれません。それでは、ランキングです:

 
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第10位:コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学( http://amzn.to/18mKIvx ):こちら、著名なシステムコンサルタントのワインバーグ氏が語る、コンサルタントと企業の素敵な付き合い方をユーモアたっぷりに語る一冊。とにかく実践的で、泣きそうになりながら駆け出しコンサルをやっていた時代に、本当に重宝した一冊です。今年一年、お客様とのやり取り、社内調整などに四苦八苦された方は、ぜひ。

 

第9位:外資系金融のExcel作成術( http://amzn.to/1mc0MqR ):外資金融系出身の同僚や友人と仕事をすると、とにかくその超絶凄いエクセルの扱いのスピードとシートの機能美に圧倒されるのですが、そのエッセンスが凝縮された一冊。ぶっちゃけ、僕もこの一冊で今年、エクセルレベルが上がりました、きっと(笑)。3時間じっくり読みながら、今年作ってきたエクセルシートを改修してみると、来年はきっとエクセルマスター!

 

第8位:ひらめきはカオスから生まれる( http://amzn.to/1m6TZv9 ):こちら、敬愛する入山先生が翻訳に関わっている、イノベーションに関する一冊。ペストで人口の激減したヨーロッパが、その後の革新期を迎えたなど、カオスとイノベーションに関するヒントが詰まっています。今年、じっくり読んだ書籍の一冊でもあり、年末年始に来年のイノベーティブな仕掛けを画策する方必読の一冊です。きっと。

 

第7位:日本人が海外で最高の仕事をする方法( http://amzn.to/1fk5bog ):日本発メガベンチャーに向けて日々突っ走るテラモーターズの徳重社長お薦めの一冊です。ベトナム・インドといった現地に乗り込み、その場で交渉をまとめてしまう徳重さんのスタイルには、この書籍の著者である元ソニーの糸木さんが現地社長として日々奮戦した内容が、大いに反映されています。海外との仕事を真剣に取り組む方に、超絶お薦めの一冊です。

 

第6位:イシューからはじめよ(http://amzn.to/1vZWUim ):はい、コンサルタントの皆様にはもうお馴染み、マッキンゼー/神経科学の研究というダブルキャリアを歩まれた知的巨人の安宅氏による、知的生産性を向上させるための一冊です。安宅さんとは、自分の著書を持ち込んで、ミーハーに対談をさせていただきましたが、この対談の中身と本書を比べて読んでいただくと、本書の活用法が良く解るかもしれません。

 

第5位:パワー・スリープ 快眠力( http://amzn.to/UeGTPx ):この本、絶版になっているにも関わらず、Facebookでご紹介したところ、日販で過去最高記録を叩きだした一冊です。睡眠の質をどのようなアプローチによって高めることができるかを、とても科学的・実践的に証しており、日々の思考の質を高めるための環境づくりに欠かせない一冊です。中古のみですが、それでもお薦めですね〜

 

第4位:フロー体験入門( http://amzn.to/1xp0bZ8 ):いわずとしれた米国の著名な心理学者ミハエル・チクセントミハイ氏による一冊です。彼の提唱する「フロー理論」について、簡潔にまとまっており、その入口としてお薦めの一冊です。

 

第3位:仕事の強みの磨き方( http://amzn.to/1sKAVZE ):ここで登場の自著です(笑)。今年はおかげさまでAmazonビジネス書カテゴリーで全体2位を獲得するなど、自分の書店外でも評価していただきました。ライフネット生命時代の腕の立つ同僚たちの実態を包み隠さず生々しく描いており、20代〜30代でベンチャーにチャレンジする方に特にお薦めです。ええ。

 

第2位:日本語の作文技術( http://amzn.to/1qhMsOx ):元朝日新聞記者の本田勝一氏による、文章の書き方についての本。周囲のコンサル出身者、記者の面々、出版経験者などなど、驚くほどこの本で修練を積んでいて、ちょっと笑ってしまいました。真面目な話、この本を読み、練習を積むことで、仕事上のレポートの書き方、ちょっとした自作の広告宣伝文、彼女や妻への勝負時のお手紙など、人生で読んでおいて本当に損のない一冊かと思います。

 

第1位:フロー体験 喜びの現象学( http://amzn.to/14pItTs ):そして、堂々の第一位は、3年連続でやはりこの一冊ですね。間違いなく、僕がもっとも繰り返し読み、ボロボロになっているのもこの一冊。とにかく、人生を楽しく過ごし、そして高い成長と高いパフォーマンスを生み出すためにどのようにすればいいか、指針になる一冊です。詳しくは、こちらの記事もご参考に。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

年末年始のゆったりした時間に、ぜひともこれら一冊をお供に、知的時間をお楽しみください。

 

どうぞ、よいお年を。

 

 

 

2012年09月11日

政治家との勉強会に参加してきた

世の中の本流、日々企業が取り組む内容やトレンドと、政治によるアウトプットが乖離しており、一方的に政治からの影響を受けるばかりで、そこへのフィードバックを返せないという感覚、もやもや感の大きさってありませんか?

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今回はこのテーマにて、先日巻き込まれた政治家との勉強会の経験を共有したいと思います。

#####今回の要旨#####

1.政治から一方的にアウトプットだけ受ける社会構造がある
2.政治への観点は、知り合いが居ると変化する
3.インタラクティブな勉強会に参加すると、凄く変化する

###############


それでは、本編です。


■政治から一方的にアウトプットだけを受ける社会構造

選挙による国民の声の反映というのは、感覚的には上の図に書いた程度のもので、実際には「政治の沼」の中で決まっていて、選挙なんて、そのときだけの瞬間的なイベント。

そんな感覚はありませんか?

僕は、あります。

アメリカの著名な心理学者ミハエル・チクセントミハイによれば、「自分が何かをして、それによる影響が目に見えて分かる状況ほど、その対象物への興味・関心が高まり、より関与が強くなる」という傾向があり、これを「自己統制感」と呼びます。

今の日本の政治は、まさにこの「自己統制感」が欠如し、結果として政治への関心が薄くなり、ますます政治への関与度は下がり・・・という負のスパイラルが連鎖し、結果として、本流からの流れが入り込まない「政治の沼地」からの影響で、益々日々の生活に辟易とするアウトプットがもたらされるという悪循環に陥っています。

 
■友人が増えるととたんに関心が増して行く

そんなことを悶々と感じていたところ、大きな転機になったのが、「実名官僚」として有名な、厚生労働省の千正さんとの出会いです。

彼は見た目は本当にいかつくて、どう見てもSPの方にしか見えないのですが、実際には厚生労働省の本流を歩いてきた、れっきとした官僚。

あるイベントで知り合って以降、じっくりと7−8人のグループで会ったり、個人的に飲みにいって語らったりする機会があったのですが、そこで見えてきた状況や話をベースにすると、大きく政治の世界が身近になってきます。

例えば、

・政治家は世論を常に気にしていて、応援されているか批判されているかで全然心持ちが違う

という話。

政治家は、選挙のときだけしか国民を見ていないかといえばそうではなく、実際には、日々の政策論争や大きな論点で、国民に支持されているかどうかという空気を感じて、それに大きな影響を受ける。だから、そういう空気が色々なところからちゃんと発せられるようになっていると、それがきっかけになって大きな影響を及ぼす。

このような経験から、次第に政治に対しても、そこに関わる人達と交わりながら、自分たち自身で世の中の流れや、何をどうすべきかを深く、腰を据えて考える営みが大切だと思うようになり、そんな活動を続けるようになりました。


■たまたま政治家との勉強会に巻き込まれた

そんなとき、ふと声をかけられたのが、以前一緒にベンチャー会社の運営をやっていた友人からの、勉強会の誘い。この会ですが、ざっくりとテーマとして「日本の将来を考える」というもので、何やらよくわからない感じのテーマで、面白そうだから参加してみようか、というノリで参加してみました。

すると・・・会場の入口からアウエー感満載

集まったのは、水道橋の某ビルの1F。

いつも、この友人も含めて開催する勉強会というと、主に大企業や有力ベンチャー企業の30代ビジネスマン、ベンチャー経営者、弁護士といった連中が集まり、かなりライトでホップ(死語・・・)な雰囲気なのですが、この日はどうも様子がおかしい・・・。

集まっている10人程の人たちのほとんどは、夏なのにスーツ姿。聞こえてくる会話というと、

「こないだ◯◯先生が・・・」

「明日は講演会のあれですか・・・」

「今日は、いつもの政策検討とはちょっと違って・・・」

といった声が聞こえてきます。この時点で、相変わらずのこの某友人の事前説明の甘さと、仕切りへの不安が増します(汗)。


■明らかになった当日の全容と趣旨

冒頭説明で分かりましたが、この会は、日本全国250人程の若手政治家の集まりである「竜馬プロジェクト」という営みの主催をしている神谷さんという議員と、僕の友人がどこかで意気投合し、

「じゃあ、いつもビジネスマン同士で話し合いをする手法を使って、政治家とビジネスマンなど、普段交わらない人で話し合いをして、そこから新しいものを発見しましょう」

という営みだということが判明。

なるほど、その狙いは悪くないな・・・と思いつつ、先ほどのノリでいかにも「議員」という人たちの雰囲気を考えると、全く議論するイメージが沸きません

「きっと、暑苦しく考え方を一方的に聞かされるんだろうな・・・」

など、早くも引く感じが。

これに追い打ちをかけたのが、主催の神谷さんの挨拶。いかにも政治家という感じで、爽やかです。う〜ん、さわやかだからこそ、怪しい。きっとこのスマイルで多くの票を獲得してきたのでしょう・・・。

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■個人ワーク:1VS1のインタビュー

さて、最初に行ったのが、AIという手法に基づいた1VS1のインタビュー形式での参加者相互理解。この方法そのものは、私もかれこれ7年くらい関わってきた方法で、とても効果的です。

・2人1組でペアになって相手のことをインタビューする
・配布されたシートを読み上げて聞く

という仕掛けになっており、お互いがお互いに何をするか理解しているため、安心して取り組むことができ、役割を交換するため、一方的な話にもなりません。

なにより、相手の話を遮らずに聴き続けるという状況であるため、お互いを深く知ることができます。

そして、幸か不幸か、私はこれを神谷議員と行うことに(汗)。

ですが、これがよかった!

以下のようなことが分かって、一気に神谷さんのことを親しく感じるようになりました

・実家がスーパー経営をしていて、小学生の頃からレジ打ちとかを手伝い、大人の世界を知った

・小学校で、勉強も運動も自信がなかったのが、好きな子ができて頑張るようになり、小6では学校の生徒会長になる

・しかし、小学生のときの横柄な態度の反動で、中学になるとイジメられるハメに

・20歳の頃、カナダ・アメリカ・アフリカと世界を周り、日本がとても恵まれた国であることを実感

・特に、アフリカで子供たちがものを売りつけてきて、その背後で親たちが様子を伺っているのを目の当たりにし、「これは日本だったら、とんでもないことだと批判されることだけれど、それはあくまで日本という恵まれた経済環境の国だから成り立つ規範。この国では、生きるためにみんなが必死だから、これを批判なんてできない・・・これが、世界の現実」と感じたことが、原体験として強く残っている


■日本のビジョンの検討

引き続いて、自分の所属するグループ内にて、日本のビジョン検討。こんな紙を使って、日本の将来像について個人の観点をまとめる作業をしました。



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これを「教育」「エネルギー」「経済」「外交・防衛」「政治」といった区分で詳細に考えようとすると、それぞれの領域での自分の視野の限界を痛感。

ですが、他の政治家の人たち、それに他のビジネスマンの制作したものを眺めていると

「ああ、なるほど、みんなはそのくらいの水準か」

「やっぱり、人それぞれ偏りはあるよね」

という新鮮な感覚あり。

こうやって、互いが日本全体について何を考えていて、それぞれの分野でどのような関心や方向性や知識を持っているかを共有しあうという場面って、無いよなあと実感しました。


■「教育」「エネルギー」「経済」「外交・防衛」「政治」のテーマ別検討

次に、自分たちが作ったビジョンをベースに、その主要テーマ毎にグループをつくっての検討。

面白かったのが、このグループ分けでの動き。案の定ですが、「教育」というテーマには人が集まり、他のテーマの倍くらいの人が集結。そうなんですよね、「教育」って、自分が実際に経験してきていて身近で、なおかつやり方によっては、個人でもある程度そこに関与できるので、他のテーマに比べて結果的に関心が高まるというのは、他の勉強会などでも感じること。

逆に言うと、それ以外のテーマ、たとえば「外交・防衛」とかって、先ほどの「自己統制感」が特に低いため、普通はスルーされがち。これは、政治の沼地の人たちのせいとかではなく、仕組み的な問題かも。

そして、検討へ。私の居たテーブルは、先ほどの神谷議員、北海道の弁護士の方(=出席している議員の後援者)、ダンディなイタリアン風ビジネスマンの方、という組み合わせで議論。

なるほど、ここでの議論で面白かったのは、日本政府がホワイトハウスに対してどのような行動パターンを持っているかという話や、その背景に軍事力のバランスがどう絡んでいるのか、などの詳細な背景情報。こういった話や要素は、間接的に聞いたことはあっても、こうやって生々しく聞くことは初めて。

逆に、こちらからも、最近の個人テーマである東南アジア圏での経済状況や、現地のベンチャー・政府などの話をインプット。互いに刺激が深まる瞬間でした。

こうしてグループとして意見を統合していくと、いつもとは違った観点での話が1つ生まれました。

この、「互いに持っていない観点を交じり合わせてつくっていく」感じは、分野の異なるビジネスマン同士がアイデアを出しあい、そこから新たなプロジェクトをつくっていくという営みと通じるものがあり、政治に対する興味・関心がぐっと深まりました。


■ワールド・カフェによるネクストステップ検討

そして、この議論を終えたあとに、今度は参加者入り乱れての、「明日から何をしていくか?」というテーマでの検討会。

私が参加した議論では、

「ソーシャルメディアを使って政治家、あるいは政治家でない人が特定のアジェンダ(=例えば「学校カリキュラムってどうなるべき?」などの論点のこと)を提示し、そこに集まってきた人たちが実際にリアルでこうした会合を開催し、意見を深めて、そこから政治家がバトンを受けて現実に反映したらいいのでは?」

という話になり、現役の議員へのソーシャルメディアの使い方を、20代の若手広告マンが指南するという流れに(笑)。

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こうした意見交換や、普段の取り合わせでは発生しない色々なアイデアが、その場で書くテーブルに広まっていっており、会場は文字通り熱気に包まれていました。


■輪になって参加者の感想共有

最後は、こういうイベントでは恒例ですが、20人以上の参加者が輪になってのチェックアウト(=1人1人、1分程度で感想を言いっぱなしにする方法)。

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主な話としては、

(政治家の人たち)
・普段はこうやって、政治家以外の人たちとメッコリやり取りをする機会がなくて、本当に勉強になった
・政策論争という点では、参加者ごとによる知識レベルがまちまちで、物足りなかった
・こういうまぜこぜの議論ができると、直観的に何かきっといいことが起きると感じた

(政治家以外の人たち)
・如何に普段、政治に無関心で勉強不足だったかと感じるとともに、色んなことが知りたくなった
・この営みを継続的に行なって、政治家の人たちと一緒になってできることを探し、アクションしたい

(全体)
・とにかく、頭が疲れたのひとことだけれど、それは普段、こういう脳みその使い方をしていない証拠
・こういう話し合いを、どんどんしていきたいと思った

(私個人)
・アウェイ感満載だったけれど、そういうときほど学びが大きいので期待していたら、その通りになった

という感じでした。



■総括すると

というわけで、今回の営み、お読みになられていかがでしたでしょうか。

今回特に感じたのは、

・他の仕事やテーマと同じで、政治についても自分ごととして議論したり、その分野でめっこりやっている人とやり取りして距離感が近づくと、見えてくるものが全く違う

・マスコミや記事から感じられる話は間接的で、批判的で、何か仮想敵をつくって不満を発散という風になってしまい、この場での話のように建設的になりにくい

・何ができるか、何かが変化するかどうかはすぐには分からないけれど、それはビジネスの世界でも同じ。

・でも、ソーシャルメディアがあるので、上手く拡散や発散、巻き込みができたら、かなり世の中へインパクトがあり、それが直観的にいいことにつながりそう

といったあたりです。

どうでしょう、こうした営みに、あなたも一度顔を出してみませんか?

それでは。


▼友人が主催しているこの営みの詳細は、こちらのページより。上記検討会の続編などを、企画中です。 

▼同じく9月27日19:30−@表参道にて開催の、大阪の未来に関して考えるワールド・カフェ
http://www.facebook.com/events/106722542812959/
2011年07月21日

【詳しいやり方が分かる】ワールドカフェ実践マニュアル

最近、ワールド・カフェに参加をした、ワールド・カフェを使ってイベントを開催する、という声を聞くことが増えてきました。


この、ワールド・カフェという話し合いの手法ですが、私が以前勤務をしていたHumanValue社が、この手法の書籍を日本語訳していたり、同社勤務時代も、その後の複数のビジネスの場面、カンファレンスを主催した際にも活用しており、この方法が拡がっていくのは、とても嬉しく感じています。


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※ワールド・カフェの風景「コラボレーションカンファレンス2010in福岡」

ですが一方で、ワールド・カフェに参加した友人や知り合いから

「こないだ参加したワールド・カフェ、酷かったよ・・・」

など、ちょっと気になる話を聞くことが増えてきたのも、また事実です。


そういった場合、詳しく状況を聞いていると、ワールド・カフェを運営する上で、押さえておきたいポイントが押さえられていなかったり、根本的に進行方法がワールド・カフェとは似ても似つかないものになってしまっていたりすることが多々ありました。


そこで、「ワールド・カフェをぜひやってみたい!」と思った方が、

難しいファシリテーションの技術や、詳細な事前準備などをせずとも、
ある程度安定的にワールド・カフェを運営できるような


実践的なマニュアルを作成したいと考えるに至りました。
 

■このマニュアルの位置づけ

・このマニュアルは、ワールド・カフェの開発者であるアニータ・ブラウン氏、およびデイビッド・アイザックス氏の著書「The world cafe」の日本語訳である、「ワールド・カフェ」(HumanValue出版)の内容、および私自身が企画・ファシリテーションを担当したワールド・カフェ運営を通した経験を基に、制作しました

・主な想定対象者は、「ワールド・カフェに参加してみて、自分でもこれをやってみたい」と感じている方、および「これまでワールド・カフェをやってみたんだけれど、どうもいまひとつしっくりこない」と感じている方です

・このマニュアルに記載したのは、あくまでワールド・カフェの1つの運営パターンであり、これ以外にも様々なバリエーションが存在しますし、これ以外の運営方法を否定するものではありません

・マニュアルの内容は、今後みなさんからのインプットなどをふまえて、改善/拡充したいと考えております
 

▼それでは、以下がワールド・カフェ実践マニュアルの本編となります。少しでも、みなさんのお役に立てばなによりです。


ワールド・カフェ実践マニュアル 本編

Step0〜Step12の流れに沿って、各コンテンツを自由にご活用ください。

本内容に関しては、パワーポイントファイルをそのまま編集して実施に利用したり、企画会議などで転用などをしていただいて構いません。
 

Step0:ワールド・カフェの進行イメージと要点理解

自分が運営サイドになったとき、どのように進めればいいか、何に気をつければいいかを、下記の2つの資料「ワールド・カフェ進行表」および「進行スライド」を参考に、イメージしてください。


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ワールド・カフェ進行表(ダウンロード)

ワールド・カフェの進行を、どのように進めればいいか、進行役向けに詳細を記載しています

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進行スライド(ダウンロード)

上記進行表に対応した、パワーポイントの進行スライドになっています

これら2つの資料は、組み合わせて使うことで、そのままワールド・カフェの進行ができるように制作しました。
話し合いのテーマなど、内容を実際の企画に合わせて、ご自由に変更し、ご利用ください。
なお、進行表との対応を明確にするため、各スライドの右下に、そのスライドの名称を白いボックスで記載してありますが、実際に進行に使用する場合は、削除してしまってもいいかもしれません。

また、上記の進行表/進行スライドに沿って、実際のファシリテーションを録画した映像を下記の通り用意しましたので、進行表を印刷し、進行スライドをPC上に写しながらご覧いただきますと、進行のイメージがよりつけやすいかと思います。


これらの資料 で、進行のイメージが確認できましたら、次に下記の資料にて、進行上、決して外してはいけないポイントについて、ご確認ください。

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ワールド・カフェの要点(ダウンロード)


この資料は、私の友人たちが遭遇した「痛いワールド・カフェ」にて、特によくありがちな進行に関する誤解を解消するために制作しています。
 

→上記内容で、不明な点などがあれば、このページのフェースブックコメント欄、あるいは私のツイッター http://twitter.com/yasuyasu1976 へのメッセージという形にて、ご質問くださいませ。

ご自分の中で実施のイメージがついたら、下記のStep1へと進んでください。
 

<ワールド・カフェ開催の1週間〜2ヶ月前>

Step1:ワールド・カフェのイメージ共有

ワールド・カフェがどのように楽しかったか、どんなことが自分たちで実施したら起きそうか、といったことを、ワールド・カフェを体験していないチームメンバーに共有し、実施への賛同や合意を得ます。
この賛同や合意を得る相手は、社内でワールド・カフェを行おうという場合であれば、上長、および運営を共同で行う同僚がそれに該当します。もしも、外部に向けて行うイベントやセミナー、カンファレンスなどであれば、その運営チームが、相手となります。


Step2:ワールド・カフェ実施の企画を立案する

下記の「企画マニュアル」に沿って、ワールド・カフェの開催概要を、運営チームでの議論によって検討します。

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ワールド・カフェ企画マニュアル(ダウンロード)

こちらのマニュアルには、実際に行われたワールド・カフェの企画段階のサンプルも記載しております。

Step3:会場の下見と確保

「企画マニュアル」に沿って決定した開催概要の中には、会場に関する要素も含まれています。その内容に沿って、会場選定と予約を行うのが、このステップです。
会場を決定する際には、それが社内の会議室であっても、外部の会議室であっても、距離の離れた郊外の施設であっても、実際に現場に赴き、下見を行った上で最終決定することを、強くお勧めします。 


Step4:招待内容の制作

参加者への募集、参加勧誘の告知を制作します。
ワールド・カフェに関する告知/説明には、 下記サンプルも参考資料としてお使いください。

ワールド・カフェ開催告知例(コラボレーションカンファレンスin福岡)


Step5:参加者への声かけ

実際の参加者への勧誘、募集などを行います。


Step6:資材の調達

当日資材の調達を行います。主な必要資材は、下記の通りとなります(◎:必須、○:あると好ましいもの)。

-機材・資材等:

◎参加者全員が4人1組で座れるだけの、机と椅子

◎各テーブルの上を覆えるほどの大きさの模造紙(A1またはA0というサイズ)

◎上記の模造紙をテーブルに固定するための、セロテープなど

◎各テーブルごとに、模造紙に書き込みができる8色または12色の色ペン(ポスカ など)

◎ワールド・カフェの最後に個人の発見などを書き込むポストイット(一辺4cm程度の正方形のタイプのもの)

◎プロジェクタ+スクリーン(本マニュアルに添付しているスライドなどを投影して進行できます)

○カフェ的な雰囲気を出すために、各テーブルと模造紙の間に敷くテーブルクロス

○カフェ的な雰囲気を出すために、各テーブルに提供するちょっとしたお菓子や軽食

○リラックスした雰囲気のために、開始前に会場に流すBGMと音響装置


<開催当日>

Step7:事前準備

当日の機材、会場のセッティングを行います。
実際の会場設営イメージなどは、下記のFlicker写真などをご参照ください。

コラボレーションカンファレンス2010 in Fukuokaのワールド・カフェ風景写真


Step8:当日の進行

進行表に沿って、ワールド・カフェを実施します。
※この実施には、先ほどStep0で提示した下記の一連の資料そのままで行っていただくことを、強くお勧めします

(再掲):ワールド・カフェ進行表(ダウンロード)

(再掲):進行スライド(ダウンロード)

(再掲):上記内容の実際の進行例:動画(YouTubeへのリンク)


Step9:記録作業

当日の成果物である模造紙、およびポストイットを、デジカメでの撮影や、ベタうちなどの作業でとりまとめます。これらのデータは、なるべく早いタイミングで参加者のみなさんに配布すると、個人個人の振り返りや、ブログ等での共有をしていただくことができるようになります。


Step10:当日の運営振り返り

次のイベントが予定されていなくても、この振り返りを実施することで、その日の運営者としての学びを運営メンバー同士が蓄積できることから、おすすめです。
特に、打ち上げの飲み会などの前に、10-15分程度で十分なので、ぜひとも実施してみてください。
振り返りでおすすめの方法は、下記の3つのフレームです:

*継続すべきこと

*止めるべきこと

*新たに初めるべきこと


→そして、打ち上げ!


<開催翌日〜翌々日>

Step11:結果速報の共有

可能であれば当日の深夜、遅くとも翌日の午前中までには、参加者のみなさんに結果などを共有します。
これによって、みなさんが感情的にも共有したい状況で、この会の成果などを伝播できます。


Step12:振り返りアンケートの配布/とりまとめ

実際の参加者へEメールなどによってアンケートを実施し、改善点などを確認します。
特に「次にまた参加したいか?」という質問例は、とても重要です。

※後日アンケートを実施する理由は、「当日アンケートを実施すると、せっかくの探求モードが、普通の状態にもどってしまう」という点です。


ぜひ、このマニュアルを参考にして、ワールド・カフェを通した思考の刺激、アイデアの創発をお楽しみください。


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CollaborationConferenceでワールド・カフェを終えて興奮気味の会場