2010年08月28日

強みについてその1~なぜ強みはGIFTなのか?

どのようなテーマの話をするときも、この「強み」についての考え方が、自分の思想の根本の1つなんだなあ、と感じるため、今回から何回かについて、この「強み」についてまとめてみたいと思います。


その第一回として、今回のテーマは、


「強みはGIFT、つまり両親を筆頭とした人々から与えられたものである」


という点です。



YLog



ここで、強みの定義や、強みのベースとなるメカニズムには様々なものがありますが、ここでの捉え方のベースとしては、マーカス・バッキンガムのStrengthFinder(邦題 さあ、才能(じぶん)に目覚めよう) に紹介されている、米国Gallop社のコンセプト・フレームを前提にしたいと思います。

※詳しくは、上記の本をご参照ください。


では、強みの形成を、時系列で考えていきたいと思います。



強み形成の段階1:幼少時の刺激量と神経の発達



YLog


生まれたときには、様々な脳内での神経回路が発達をしていくけれど、特に発現・進捗が著しいのが、自分がDNAで両親から受け継いでいる部分。

例えば、相手に共感することのできる力が高い親から生まれた子供なら、それを担う部分は他の人に比べて、より発達する可能性が高くなります。

そしてその後、自分が幼少期に成長する過程で、刺激されたり、使われたりする神経は残っていきますが、そうでない神経は、急速に退化していきます。


YLog-脳細胞の成長イメージ


ここで、私がポイントだと思うのが、刺激されたり使われたりするという場面。


両親を初めとした、自分と多く接する人との機会の中で、それを多く使う機会を見受けることがあれば、その部分が刺激を受け、子供の神経も残存し、強みとして成長していく可能性が高まります。



一日のうちで刺激を受ける時間の長さには限界があるので、すべての人がすべての神経が伸びるわけでなく、自分の素地と、その経験量によって、10歳くらいまでには、おおよその強みのカタチが違ってくるわけです。


これを、私の強みの1つである「学習欲」という要素を例にとって考えると、次のようになります。


※「学習欲」とは、上記のStrengthFinderにも紹介されている要素の1つですが、この本についている診断ツール、および過去のもろもろの経緯から、おそらく間違いなく、自分の強みの1つかと思います。


私の場合、親父が研究者、さらにその親父(祖父)は気象予報官で、二人とも勉強が大好き。

土日も、二人共通の書斎があって、そこで、親父と祖父が勉強を楽しそうにしている姿をみていたので、


「きっと学習は楽しいんだな」

というのが、染み付いていたかと思います。


そして同時に、親自身が、その強みについては心の底から大切だと思っているし、それをベースに生きてきているので、子供がその強みを発揮することに対して、とても肯定的に接してくれます。


こちらに対する押し付けではなく、心の底からそれが大切だということが、メッセージとして伝わってくるため、こうした刺激がまた、「強み」についての子供の脳神経部分の発達に、大きく寄与することとなります。




強み形成の段階2:親からの後天的ノウハウや成功体験の提供



YLog


次に、子供が成長していくと、さらに親は学習をするときに、大切にしているものを、後天的なノウハウとして、見せてくれます。


例えば、私の父親の場合、興味のあることがあったら、何か他はそっちのけで、半日でも一日でも、土日にも平気で書斎にこもって本を読んだり、書き物をしたりしていました。


真っ白な紙に、アイデアや、今思えば数式などを書いてみて、それをああだこうだとやりながら、詰めていく。

集中している。
手の届くところにはいつも白紙があり、必要な本がおいてあり・・・。


そして、「強み」を発揮する機会に子供が取り組むときには、様々なヒントをくれます。


例えば、私の場合は、本を買ったりするときは、漫画もOK、他もOK。


ポリシーとしては、

「いろんなことから、ものごとは学べる。今の自分が大切だと思わないことの先にこそ、実は今の自分の考えを打ち破る新たなものがあるかもしれない。だから、何にでも手を出す」

ということを、親父は教えてくれました。


やってみる。そうすると、最初は面白いのか?と思っていた本の内容に興奮したり、楽しくて仕方なくなったりしたものです。このパターンは、「学習欲」というものを発揮する際の、とても大切な自分のノウハウとなっていったんだなあ、と思います。


おそらく、こうした中で、自分の学習に関する神経は、残存し、強烈に発達していったような実感があります。
学習するときに、心から湧き上がるワクワク感、高揚感は、この時期に形成されたんだろうな、と感じます。


こうした支援を通して、子供には、その強みを発揮するためのノウハウと、発揮することでの成功体験の双方が積みあがっていきます。



強み形成の段階3:社会の中での強みの加速と成長



YLog


こうして、親の庇護の元で伸びてきた「強み」は、今度は、自分自身の強みのベースから、そのベースを発揮し、さらに刺激をうけ、強みが神経と、そして後天的なノウハウの結合で進捗していくというフェーズに入ります。


これは、同年代の集団の中で、自然に相対的に、自分のその強みが際立ってくることから始まります。


例えば、私の例でいくと、同級生が知らないようなことを、たくさん知っていて、それをほめてもらったり、すごいなあ・・・といわれることで、


「それっていいんだ・・・」


という感じと共に、


「意外に、他の人はそれができないんだなあ」


というふうに感じたのを憶えています。


その強みの活かし方を、今度は試行錯誤で自分自身が学んでいきます。


例えば、0ベースで考えるよりも、最初にその分野での体系化されたことを本で押さえておき、そこから先は自分の考えを伸ばしていったほうが、手っ取り早い。

これが、うまくいったりうまくいかなかったりする。


一方で、直線的なことばかりでは、幅が出ないことも学びました。

例えば、ラジコンを一生懸命に遊んだことで、電気やバッテリーがどのような特性を持っているか、結果的に理解できるように。
耐久レースをするときに、でかいモーターを載せると消耗電力が大きいので、それを活かせないコースだと、むしろ小さいモーターで消費電力を小さくして、コントロールできるスピードでいった方が、勝てる。

モーターがスタックすると、過電流が流れて、なぜか電線が高熱を発生して燃え上がったり・・・
これがあると、学校で後から学ぶ電気といった分野は、お任せの世界。


興味を持っていることに深堀することで、学ぶことが大きい、というパターンが、自分の中で見えてきました。


だから、興味はストップしない・・・というのが、「学習欲」を活かす上での自分としてのノウハウに。


このようにして、最初は、自分の親などの補助輪で加速された強みが、自走するうちに、自分自身の加速の方法、コントロールする方法を身につけ始めます。


こうして、


(強みを発揮)⇒(周囲にほめられる)⇒(強み発揮へのメンタル/ノウハウが強まる)⇒(益々強みを発揮)・・・


という連鎖が発生し、「強みの脳内神経」「強み発揮のノウハウ」そして「強み発揮を肯定するメンタリティ」の3要素が、加速度的に伸びていくわけです。



強み形成の過程とGIFTについて


さて、こうしたメカニズムを踏まえて、大切にしたいと個人的に思うのは、この過程が

「親⇒自分」

だけでなく

「その親⇒親⇒自分」

はたまた

「・・・⇒その親の親⇒その親⇒親⇒自分」

と、何百年も受け継がれてきたヌカ床のように、伝統のあるものだということです。



YLog




親が伝えてくれたDNAもそうだし、伝えてきた価値観、伝えてきたノウハウも、姿・形を代々変えて、自分に受け継がれてきたと思うと、とても大切で、誇らしく、そして根拠に満ち溢れたものだと感じられます。


強みは、その発揮に感謝するとともに、両親を筆頭に、ご先祖様、はたまたそこに関わった人からの賜物である、と感じる次第です。


以上、これが才能(「強み」)は、「GIFT」なんだなあ・・・と、私が感じる理由です。




こういう捉え方をしていると、強みをお互いに持っていることが、相手への尊重にもつながるし、自分と大きく異なっているGAPにも納得がいく。いやあ、人と付き合ったり、コミュニケーションするのは、本当に楽しいなあ・・・と、感じる次第です。


ちなみに、ここで例示したモデルは、あくまで直結的に強みが受け継がれた場合のケース(個人的には、これが中心的な役割を担っていると感じますが)ですが、その他にも、以下のような例に代表されるような、ちょっと違った形での強みの形成もあると思います。


・親とは違った強みが形成される過程~親への反抗
・親以外の要素で強みが形成される過程


ただ、いずれにせよ、こうした親、その先の先祖などにつながる部分からの影響というのは、強み形成に非常に大きな役割を果たしており、その人その人の根幹を担っているという点には、変わりはないと考えます。


さて、次回以降は、こうした形成プロセスを持っているものとして「強み」を捉えた上で、コラボレーションなどのテーマとの関連性を考えていきたいと思います。



2010年08月20日

Motivation3.0とコラボレーションについて~その2

さて、前回の内容に引き続き、モチベーション3.0(以MV3)とコラボレーションについて考えてみたいと思います。


先に結論からいくと、


MV3から行動を起こすパターンは、コラボレーションにつながりやすいのではないか


という点です。


※MV3そのもの、およびMV3から行動を起こすというパターンなどについては、前回の「Motivation3.0とコラボレーションについて~その1 」をご参照ください


ここで、「そもそもコラボレーションってなんだっけ?」という点があるかと思いますので、こちらについては、コラボレーションカンファレンス2010にて紹介している下記の4点が満たされている状態を、仮止めとして「コラボレーションしている状態」と置きます。


1.【共通ミッション】共通の価値観・ゴールを持っているか?


2.【オープンマインド】互いの考えをオープンにしているか?


3.【強みの相互補完】互いの強みが発揮され、相互補完されているか?


4.【総力度】全員で取り組んでいるという熱気があるか?


もちろん、「コラボレーション」というテーマそのものは壮大で、多岐に渡る解釈や捉え方があるかと思いますが、そのひとつの切り口として、今回はこのフレームを使いたいと思います。


さて、MV3から行動を起こすというパターンの流れは、次の通りです。


1.発信しあい、グループができる


YLog


まず、日ごろ考えていることや、こういうことをやりたい、ということを、個人個人が、ツイッターなどを使って発信します。


それは、ほんのささいなつぶやきなこともあれば、ブログに書き連ねられていることもあれば、友人同士の会話だったりするかもしれません。


例えば「自分にも子供ができてみて、改めて育てるのが大変と思った。」「選挙もあるし、少子化対策に何かできることはないか?」といった感じですね。


こうしたやり取りが繰り返され、徐々にゆるやかな「意見交換」のつながりグループのようなものが形成されていきます。

面識はなくても、なんとなくいつもTwitterでお互いのつぶやきをリツイートし、参照しあうような人同士が、これにあたるかと思います。



2.リアルで集まり、企画が生まれる


YLog


こうして、様々な発信が行なわれる中で「この人の言っていることって、自分の思っていることと近いなあ」「こういう話が結構でてきてるから、こんなイベントをやろうという話には、乗ってくれる人が多いかも」という実感が、個人個人の中で高まっていき、誰かの呼びかけがきっかけとなり、実際に集まる、ということになります。


そして、実際に集まった場で行なわれるのが、「こういう企画をやってみないか?」「こんな行動をとってみたらどうだろう?」といった、具体的な活動のイメージすり合わせです。


この段階では、同じようなことに興味・関心が深いメンバー同士が集まっており、互いにどのような取組みをしようとしているかについても、事前にある程度分かっているため、殆ど初めて会うメンバー同士であっても、こうした検討、具体的なアクションへのすり合わせは驚くほどのスピードで進み、大枠の活動のイメージが固まります。


先ほどの例でいけば、「僕ら30代前半の同世代が感じている”少子化をどうにかしなくては”といったような、僕らの世代の課題意識を、より多くの同世代に問いかけるために、今度の参議院選挙では”ツイッター上模擬選挙”を行い、実際の選挙結果と、若い人を中心とした模擬選挙との結果のGAPから、国政への参加意識・危機意識を顕在化するきっかけをつくろう」といったようなイメージです。



3.企画が具体化していく


YLog


このようなステップを経て、具体的に取り組んでいく企画の内容と、なぜそこに取り組むのか、という認識が一致すると、企画を実現するための活動がスタートしていきます。


ここで、企画を実現するための活動を行なうと、現在揃っているメンバーの中で、目に見えて分かるお互いの強みや特性をベースとして、役割分担が行なわれます。

例えば、先ほどの例でいえば、元々仕事上でマスコミ関連の活動をしているメンバーは、「ツイッター上模擬選挙」というテーマの認知を高めるためのPR活動を企画し、実際に投票を行なうシステムの用具立ては、システム会社で日常からこうした構築を手がけているメンバーが行なう、といった感じです。


同時に、最初に集まったメンバーの強みでは補えないような特定の役割がどうしても必要になった場合は、メンバーづてで、他の人を探しにいく、という活動にもつながります。

例えば、上記の例でいくと、公職選挙法に抵触しないようにはどうすればいいか、といった点を、知り合いの弁護士に相談したり、あわよくばその人にも活動に参加してもらう、といったものです。



このような1~3のステップを踏んでいき、個人個人のMV3をベースとして始まった企画は、多くの人を巻き込んだ営みへと発展していきます。



これを、コラボレーションとしてはどのように進展しているのか、という観点で、前述のコラボレーションフレームにて分析してみると、次のようになります。


まず、1.「発信しあい、グループができる」という段階にて、個人個人は、誰から頼まれることもなく、純粋に自分の欲求から、自分の考えをオープンにしており、高い「オープンマインド」からスタートを切っていると考えられます。


そして、これが2.「リアルで集まり、企画ができる」というステップへ進むと、同じ考えや、響き合いそうなテーマを持っていると感じているメンバーが集まっているわけですから、「集まる」という行為をとる時点で、互いが共通で持っている問題意識や、ベースとなる価値観が近いグループとしての選別が行なわれています。

さらに、これだけ共通の価値観があるメンバー同士が検討した企画ですので、その中には、互いが「乗れる」「踏み込める」要素がふんだんに盛り込まれており、企画実行への「共通ミッション」感が、とても高い状態となります。


こうして企画がスタートし、3.「企画が具体化していく」へと進むと、お互いの元々得意としているところをベースとして役割が決まっていくため、自ずと「強みの相互補完」が行なわれることになります。


ここで、企業での通常の業務と違い、誰かが「職務上この役割をとらねばならない」という制約条件もないですし、個人個人に対する福利厚生や契約を行なう必要もないため、「持ち駒で全てを回さなければならない」という制約条件もありません。


互いに自発的に取った役割を全うする、足りない部分は外部に手助けをいくらでも借りにいって、乗ってくれる人から調達する、ということができるため、よりダイナミックな強みの相互補完が行なわれる土壌があります。


そして、こうした営みには、もしも自分があまり貢献できそうになかったり、自分が思っているものとはちょっと違うと思ったりしたら、そこから自由意志で抜けたり、最小限の協力の仕方程度に参加する(例えば、営みをツイッターで告知することにだけ協力する)といった、自分の意思での参加度合い調整ができるため、結果的に営みに関わっている人たちは、全員が適切に関わっているという状況が生み出され、「総力度」が担保されることとなります。


これをまとめると、以下の図のようになり、今回の枠組みでみた「コラボレーション」のフレーム・指標が、MV3をベースとした営みの中で、順を追って上がっていくのが分かります。


YLog



以上、ここでご紹介した流れは、あくまでMV3から始まる営みの1つのパターンに過ぎません。

ですが、このモデルでもあるように、MV3から始まる営みには:


・自分の意見の表出から物事が始まるため、「オープン性」が素地として存在する


・やりたいことをベースに人が集まるため、「共通ミッション」が明確になりやすい


・企業のように金銭・人事面等の制約を受けにくいため、「強みの相互補完」が起きやすい


・参加・退席が自由で、やりたい人・必要とされる人が参加するため「総力度」が高く保たれやすい


といった、コラボレーションの要素そのものが満たされやすいといった特徴があるように感じられます。


というわけで、前回および今回で検討した「MV3とコラボレーション」というテーマですが、非常に中身としては深遠で、様々な角度から検討し、深堀していきたい内容だと感じています。

2010年08月12日

Motivation3.0とコラボレーションについて~その1

ダニエル・ピンクのDriveを読んだ後に、某ベンチャー企業の社長へのインタビュー、そしてコラボレーションをテーマとしたカンファレンスに参加し、そこで思ったことを簡単に整理してみました。

テーマは、「Motivation3.0とコラボレーションの関係」。


まず、このDriveという本はとても内容が面白く、様々な示唆があると思いますが、ここでは敢えて、下記の2点のみを抜粋、参照します。


■Motivation2.0とは

金銭的対価を得ることを目的として、引き起こされるモチベーション。比較的単調な作業・内容の仕事を加速させる際に効果的だが、創造性を損なったり、長期的なモチベーションの低下を招くリスクを伴う。
(以降、MV2と略)


■Motivation3.0とは

自分がやりたいこと・興味を曳かれることに取り組むことで引き起こされるモチベーション。創造性を高めるために有効であり、長期的な持続に結びつきやすい。

(以降、MV3と略)


※原著の中には、この2つを基軸とした様々な示唆がありますが、それはぜひ原著をご一読ください。また、上記の表現は粗々ですので、詳細もまた、原著をご参照あれ。


さて、この内容を踏まえ、某社長へのインタビューを行なったときのインパクトあるインプットが、


最近の日本の情勢として、MV2が低下し、MV3によって満たされる、満足する人の割合が増えてきており、その傾向は今後どんどん加速していくのではないか


という点。


例え話として出てきたのが、


■かつてのMV2の代表的な価値観

「私をスキーに連れてって」という映画。
その世界観は、高給取りが前提であり、高いお金をかけてスキーウェア・ギアを揃え、冬のハイシーズンに高いお金を出してスキーリゾートに行く


■最近のMV3の代表的な価値観

最近では、Twitterで自分のふと思ったことをつぶやき、それに誰かが反応をしてくれて、そこから話が広がることを楽しんだり、そこを基点として、金銭的対価には結びつかない社会活動を、同じ想いの人たちと実行に移してみる、といった楽しみ方



こんな話を聞いた後に、コラボレーションに関するカンファレンスでの議論に参加して思ったことが、「個人のKPIがシフトし始めている?」という点です。
※KPI=KeyPerformanceIndicator(達成したいと目指す指標)


具体的にいうと、昔の個人のKPIは・・・


・収入額
・乗っている車
・住んでいる場所
・いつも通うレストランのレベル
・休暇を過ごす場所


といったもの。

以前は、こういうゴールを前提として、日々がんばっているという世界観が強かったのかもしれない。


ところが最近では、


・個人のUstreamの中継を視聴してくれる人の数
・ブログの購読者数
・Twitterのフォロワー数
・自分のツイートがRTされる数
・自分の最も興味・関心あるテーマについて熱く語れる友達の数
・やりたいイベントを実現できたこと


といったものが、上記のKPIにとって変わってきているのかな、と感じました。


この議論をするまでは、ぼんやーりと、


ブログの購読者数⇒影響力大⇒自分のポジション・アフィリエイトの収入・・・

など、無意識に「収入額」など、MV2のKPIに帰着して理解している自分がいましたが、そういうことじゃないな、というのが目からウロコだった点です。


こういったKPIが変わってくると、個人の努力の仕方も変わってきて、例えば、MV2の世界観でいくと、金銭的対価を目的とした個人の努力の仕方は、


・仕事に長い時間を使う
・転職のために資格や語学を学ぶ(個人的にはこれは幻想だと思いますが)


といったものでしたが、MV3の世界観だと、


・自分の考えを分かりやすくブログにまとめる
・様々な人に興味を持ち、会いにいく
・積極的にTwitterなどで情報発信をする



といったものに変化してきており、特に、これらの活動を純粋に、MV3のKPIを達成するために切磋琢磨している人の割合が増えてきたのではないか、と思いました。


ただ、個人レベルでいけば、このMV2とMV3は、今も昔も、両方が満たされて初めてバランスしているものだ、という前提を加えると、これは取組みの順序の問題であり、そこには以下の2つのパターンがあるのでは?と感じました。


■パターンA:[MV2]⇒[MV3]
1.仕事が充実
2.収入の伸びにつながる
3.高い評価を得て、より自分のやりたい仕事をできる


■パターンB:[MV3]⇒[MV2]
1.好きなことをやる
2.社会的な動き・大規模な話になる
3.その営みそのものが、収益を生み出すものとなる


ここで思うのが、パターンAとパターンBそれぞれにおける企業の役割。


パターンAがベースであった世界観だと、いかに的確に仕事を評価し、それに見合った報酬を提供するのか?というところが役割だし、同じ営みを集団として収束し、そこからより高い利益が上がるようなスケーラビリティを発揮するのが、強みだったのではないでしょうか。


それに対して、パターンBが浸透し始めると、根本的に役割が変わってくるかもしれません。


好きなことをやらせる、やってもらう、というところに立脚し、その場合、MV3の強みである「創造性の高い仕事において、MV3は高いパフォーマンスを発揮する」という前提があるので、想像性が求められる仕事内容にフォーカスし、社員がゾクゾクするようなテーマを用意したり、あるいは、社員自身がゾクゾクするようなテーマを自分で掘り出してくるのを支援し、パトロンと化すという立ち位置の取り方もあるかと思います。


そして、このパターンBの動き方のバリエーションが、企業の中なのか、あるいは企業の枠組みを超えたところなのか、いずれにせよ、


コラボレーション


というところに大きく関わってきているのではないか、というのが、これら全体の議論を通して感じ始めた点です。


そのあたりについては、次回にて 検討してみたいと思います。

2010年08月06日

効果的な睡眠のTIPS

仕事で「この人できるなあー」と思う人にあうと、ほぼ確実に睡眠とか生活とかについて細かいノウハウ(TIPS)を持っていたりするので、それを聞いているだけで「へえ~」と思わされ、中々楽しいものだ。


そこで今回は、睡眠についてのちょっとしたTIPSを紹介した。

このベースになっているのは、友人から紹介された書籍、自分がこれまで聞いてきた他の人のノウハウ、などを踏まえて、実際に自分がいつもやってみていて、効果的なものをかいつまんでみた。


ご紹介するTIPSは3つ


1.起きる時間を一定にする

2.寝る前30分は左脳を使わない

3.毎日の睡眠と翌日の気分を記録し続ける


では、1つづつご紹介しよう:



1.起きる時間を一定にする


いわゆる「睡眠のリズム」を整える上で、一番効果的なのは、寝る時間や、一日の睡眠時間を整えるよりも、「起きる時間」を一定に整えることだそうだ。


というわけで、私はよほどのことがない限り毎日AM5:30に起きているのだが、この時間の設定自体にちょっとしたコツがある。


起きる時間を「可能な限り早朝にセッティング」するのが、このTIPSを実現するためのサブTIPSだったりする。


というのは、朝早く会議があったり、午前中の仕事のために準備をしたりしなければならないときでも、これだけ早朝に起きていれば、1-2時間は事前の準備をすることができたりするし、休日にゴルフに行くなどあっても、まずこの時間に起きればOK。


どんなイベントにも左右されず、いつでも同じ時間をキープするためには、断然この「早朝の時間」を設定するのがオススメだ。


また、もうひとつのサブTIPSとしてあるのが、「土日も必ず同じ時間」という点。


「え~、土日はゆっくり眠って疲れを取りたい!」


という声も聞こえてくるが、大丈夫。そういうときは、一旦早朝に起きて、日の光を浴びて、ご飯を食べて、また昼寝すればOKだ。


不思議なことに、特別意識しなくても、あほなくらいこれを繰り返していると、土日関係なく、必ずその時間に目が覚めるようになる。


ちなみに、「寝ダメ」というのは要注意だそうで、起きる時間が数時間単位でばらつくと、うつ病などになったり、精神的に疲れが逆にたまったりするきっかけになるらしい。



2.寝る前30分は左脳を使わない


寝る前についつい「翌日の段取りは?」とか「ちょっとメールを打っておこう」といった気持ちになったりすることもあるが、これをぐっとこらえて、寝る前30分は、左脳的なことを考えずに、右脳・リラックスといったところをキープすると、眠りへの導入が深くなるそうだ。


まあ、私の場合はそもそも翌日の段取りをあまり気にしない性格なので(汗)、そこはあまり気にならないが、気をつけているのはメールでの連絡など。

ついつい・・・気になって対応してしまうことがあったりするんだけれど、そこはぐっとこらえて、翌朝早朝に送るというのがGOOD。


他の人に聞いてみても、これを心掛けている人は結構いらっしゃって、例えばめちゃめちゃ多忙な某企業の人事担当役員の女性は、


「寝る前30分は、メールや仕事のことをシャットダウンして、お魚とか自然の美しい写真集をゆーっくり眺めながら寝るの」


ということをしていた。彼女と一緒に仕事をしていたときに、お互い睡眠時間2-3時間、深夜から早朝まで、というときでも、これを欠かさずに実行していた、ということからも、この方法って有効なんだなあ・・・としみじみ思ったことがある。


別のイメージでいうと、枕の下に自分の好きなアイドルの写真集を入れておくと、そのアイドルとの夢が見られる・・・なんて話を小学校の頃に聞いたことがあるけれど、その写真集が「仕事写真集」にならないよう、気をつけるという感じですかね。


また、自分の個人的な実験結果でいうと、あと3時間しか寝られない、という状況のときを覗いたら、敢えて30分の左脳シャットダウン時間をつくって、それから眠ったほうが、いきなりその30分も含めて眠るよりも、リフレッシュすると思う。

逆に、トータル3時間を切ったら、いきなり寝ても、左脳シャットダウンしても、あまり効果は変わらないかなあ・・・というのが実感値。



3.毎日の睡眠と翌日の気分を記録し続ける


睡眠は、毎日当たり前のように行なっている行為なので、その効果がどのくらいあったかは、あまり把握できない、知らずにスルーしてしまう、というものかと思う。


これを、


「どんな寝方をしたか?(眠る前は?眠った時間は?)」

「その結果、翌日はどんな気分だったか?(10点満点で、頭の冴え具合を点数付け」


というのを2週間ほどやってみる。そして、その中で意識的に一日8時間、10時間、4.5時間、という風に、長い日と短い日を設定してみると、おそらくかなりの発見があると思う。


私の場合は、7.5時間以上眠ると、明らかにぐっと脳みそがクリアになるので、意識の中で「できればそれが確保できる睡眠にしたいなあ・・」と常になっていたりする。


忙しい時期などでも、夜までだらだらと仕事して、その結果に何を犠牲にしているか、あるいは飲み会をやりすぎて、その結果何を失っているか、トレードオフをしっかり把握しておくことで、睡眠の活用、睡眠の計画をしっかり立てることができるようになるし、逆にいざというときは「これは犠牲にしてるよね」と腹をくくれるので、へんに浮き足立たない。




というわけで、ご興味があれば、ぜひお試しあれ。


※なお、友人が紹介してくれた本は、パワー・スリープ 快眠力―この「眠りかた」で体と脳に奇跡が起きる! という書籍です。