2010年10月31日

コラボレーションカンファレンス2010in福岡に参加して(速記報告)

福岡で10月30日(土)に開催された、


コラボレーションカンファレンス2010inFukuoka


▼詳細はこちら

https://collaboration.nulab.co.jp/fukuoka/


運営/スピーカーとして参加し、感じたことなどを時系列で簡単にご紹介したいと思います。参加された方々にしか分からない内容なども多々ありますが、雑記メモとしてどうぞご容赦ください。


■前日
レゴシリアスプレイの蓮沼さんと一緒に、福岡入り。本当は、蓮沼さんセッションにも参加する佐宗さんも一緒に入る予定でしたが、仕事の都合上彼が乗り遅れてしまったため、飛行機の右隣の席はがら空き。おかげで右手を伸び伸びと使うことができ、作業がはかどりました。いつものことですが、直前に資料をいろいろと作るというのは、今後の課題ですね(汗)。
夜はゆっくりと蓮沼さんやヌーラボの橋本さんなどと、いくつか打ち合わせをしたかったのですが、ヌーラボさんの社員総会の後の打ち上げということもあり、宴会に突入。流石に準備があるので、ホテルに戻り、宵を覚ましてから作業。しかし、ヌーラボさんはいつも活気があって、こちらも元気がでますね。


■当日朝
一足先に、蓮沼さん・佐宗さんと会場入り。今回は、会場選定にもだいぶこだわりましたが、メインホールの天井の高さ、音響、かなりイメージ通りでテンションが上がりました。オープニング映像の試写もしてもて、ばっちりな感じでかなりご満悦。


一方、オープニング映像からのつなぎなど、難易度の高い部分に緊張を感じさせる橋本さん、リハーサルは私と二人の絡みのセッションなのに、自分単独の部分の練習ばかり・・・。控え室では、AIPカフェの面々も、やや緊張の面持ち。こういう緊張感があるときって、いい内容になるんですよね~。


今回のカンファレンスでは、音響・映像の部分、写真・映像記録の部分、受付、軽食やドリンクなど、様々なところで多くの方が手上げでサポートをしてくださっており、準備がとてもダイナミックに進行。なんだか、心強い!


■オープニング前
がらんとしていたホールに、次々と参加者のみなさんが入ってきて、大変な活気に。最初からワールドカフェ用にセットアップされた机ということもあり、ちょっとした違和感があるのが、またいい刺激?運営責任者の田端さんの動きが、大きな体に似合わず、てきぱきとしていました。


■オープニング映像
映像の中に入っていたアル・ゴアの言葉「急いで行くなら一人で行け。遠くへ行くならみんなで行け」、後になって多くの方がツイッターや言葉として反応していたのが、印象的。ちなみに、私もとっても好きです、このフレーズ。
特に、せっかちに一人でいっちまいそうなときに、この言葉は勇気付けられます。今回のカンファレンスもそう、いろんな人に協力してもらっていて、それがとても大きなパワーになっていました。


■基調講演

橋本さんの登場タイミングは、毎回このカンファレンスで一番ハラハラする場面ですが、今回もそれは同じ。またまた、机の映像を使って語るという難易度の高いことにチャレンジしていましたが、その評価は参加されたみなさんにお譲りしましょう。


橋本さんとの掛け合いですが、実は時間があまりなく、そんなに練習もしていませんでした。でも、結果オーライかなと思うのが、結果的に即興性に頼ったという点ですかね。
あれを、「こうやろうね~、こんな役割分担でさ~」とやっていたら、左脳的になってしまいすぎて、面白くなかったかもしれません。いや、でも、練習は大切です。


お話した内容は、これまでの東京/京都での話からの踏襲をショートバージョンで、その後にその場で参加してきて感じたことをシェアさせていただきましたが、特にお伝えしたかったこととしては、ワールドカフェを通して相互作用することで、新たな知見や刺激、活力が生み出されるということでした。これが伝わることで、カンファレンス全体として、途中のセッションでの情報提供を刺激として楽しみ、その後のワールドカフェで、存分に相互に刺激しあっていただく、それがコラボレーションのひとつの形でもあると思うんですよね。

一方向ではなく、双方向、入り乱れて、というのが、コラボレーションカンファレンスのコラボレーションカンファレンスたる所以のひとつかと思います。


今後に向けてということでいうと、会場にお聞きしたときに、今回はWeb/IT系、官公庁系の方々が中心でしたが、より様々な分野の人たちにご参加いただけるようになると、さらに多様性が増してきて、エキサイティングな場になるんじゃないかな、と感じました。


ちなみに、オープニングセッションの途中で、スピーカーの一人、小林さんが、台風の影響で遅れて到着。小林さんは、今回が初参加でしたが、会場に到着しておっしゃられていた内容で印象的だったのが、「コラボレーションっていう漠然とした言葉に、これだけの人が、有料で集まるんですね」というお話。こうやって、休日にお金を出してでも参加したいというみなさんの踏み込みの深さって、毎回やっていて、すごいと思います。だからこそ、会場の雰囲気もとてもいいし、議論をしても、深まっていくんだな、と感じます。



■自分の個別セッション発表

私のセッションでは、☆☆☆のお話をしましたが、これは夫婦関係、すべての人間関係に言えることだなと思います。自分のパートナーを何故好きになったのか、その理由を書いてください、という風にいって、文字として書き出せるのは、実際のせいぜい10-20%。ここで書ききれない80%のところが、☆☆☆。これを伝える、社内・社外・世の中というところで還流させることができるか、できないか、によって、そこでコラボレーションができるかどうかに関わってくるという趣旨のお話です。


この☆☆☆は、「がちんこの議論」「踏み込みの深い人とのやりとり」といった方法でなければ伝播できない。マス広告や、ロジカルな説明資料などだけでは伝わらないので、そういう要素をもっていて、初めてコラボになるという点が、自分で発表内容を取りまとめているときに感じた点です。


また、個人的なチャレンジとしては、情熱をしっかりと表現して、左脳的になりすぎないように注意してみました。発表テーマそのものに通じますが、この想いを言葉にすることで、初めて伝わるものがあるんじゃないかな、ということを考えながら話をさせていただきました。どうだったでしょうか?



■蓮沼さんのレゴシリアスプレイセッション

レゴのセッション。蓮沼さんが、1時間という時間の中でどうやって最大限にいい場を作れるのか、必死に考えてくださっていたのが、印象的でした。福岡入りして以来、蓮沼さんはずっとこのことにこだわられていて、みなさんへの貢献をどうするのか、常に考えているところ、そして人間的にとてもあたたかいところが素敵すぎました。

ちなみに、蓮沼さんのセッションは1回目と2回目がありましたが、2回目のやり方を、1回目の内容を踏まえて、がらっと変えられたそうです。


この柔軟性がすごいし、これはみなさんとのやりとりを踏まえて変えたもの。こんなところも素敵です。。。

参加しての感想としては、まずはやはり、手を動かすのっていいですね。レゴは何回かやらせていただきましたが、圧倒的に手を動かすことで、刺激される、これを改めて感じました。


それから、自分で作ったレゴを説明するときって、その人その人の普段の性格が見て取れる気がしました。

質問を積極的にするかそうでないか、その質問は、相手への興味ドリブンなのか、それとも自分のプレゼンテーションなのか、何を重視して進行しているか・・・こういうのって、長年の積み重ねだから、クセになって見えますね。

改めて感じましたが、人のクセって人によってとても違う。無意識にタワーをつくることだけで、全然違って見える。例えば仕事で、発表資料をつくってみてよ、といって、自分のイメージしたものと違ったときに、それを「自分と同じに直せ」っていうのは、本当に意味がないと思います。相手の素のままに着目したいところですね。


そして、蓮沼さんのセッションの冒頭でもやっていて、私のセッションでもやらせていただいた「拍手」のススメ
オープンマインドにつながるかもしれないが、身体性って大切だと思います。これは、右脳と左脳で、右脳にエンジンが入り、お互いに相互作用をしやすくなるというのがある気がします。
なので、拍手っていいですよね。しかも、みんなでやると、お互いのアウトプットを聞きあうことで、シンクロする。これは、コラボの本質が好きな人が、バンドをやっていることとも無関係でない気がしました。



■小林さんの商社とコラボレーションについてのセッション

小林さんの話は、レジェメの段階から「面白そう~」と思っていたので、参加できてラッキーでした。一番印象に残ったのは「商人は、AとBの間にある価値・価格の不均衡なところに入っていって、そこの間で取引を促進する。で、AとBの間にあるその不均衡がなくなったら、また新たな不均衡の地を探しに旅立つ。これを繰り返す、いわば常にAとBのコラボレーションを続ける存在。」という点。仕事の持続性、長期性というところには重要な価値があるかと思いますが、そうでないパターンでの素敵な価値提供・存在意義の一例をすぱっと教えてもらい、とても勇気付けられるところがありました。


商社というと、他の商社と駆け引きをして、出し抜いて・・・というイメージがあり(ちなみに、そういうのも好きですが・・・)、そこと大きく違ったというのが、面白かったです。

小林さんのブログ「らくちん」には、このあたりのことがかなり仔細に紹介されているとか。


▼「らくちん」はこちら

http://rakuchin.at.webry.info/



■ワールドカフェ

ワールドカフェでは、個人的に気になったのが、「コラボレーションをするために、コントロールできる要素って何?」というテーマ。

「いい人がいないとコラボレーションってできない」「コラボレーションできるかどうかは、状況次第」という話を結構聞きましたが、「同じ状況にあるとしたら、よりコラボレーションが起きる確率を高めるためには、どんなことができる?」という質問が、ここでの個人的なポイントです。


それから、自分軸が出てきて、共通ゴール以外のものを追いかける人(多かれ少なかれこれは、誰にもあると思いますが、それが特に強い場合)って、コラボレーションする難易度が高いかな、って思いました。普通だと、小さな目標と小さな目標同士なら、どんどん大目的を考えていけば共通項を見つけられるものだけれども、この場合は難しい気がします。


で、最終テーマとしては「戦略」と「コラボレーション」。上記の話の究極だけれども、違う利害で戦うという前提で「戦略」というものを捉えると、そこで常識となっていること(特に「当たり前すぎて問い直すことをしない」こと)が、コラボレーションを阻害する場合もあると感じました。もっと言えば、「戦略」と「コラボレーション」の関係に興味曳かれた次第です。



■最後に

最後に、いい写真取れましたね。いやあ、刺激に溢れる一日、そしてスタッフのみなさんとは、ほんとに今回もやり切れたその充実感があり、最高の週末となりました。


そして、こういうきっかけをさらに続けて、育てていくためにも、この後のフォローアップ、そして次回への企画などなど、大切だなあ、と。


あと、助けてくれる人、手伝ってくれる人、本当に大歓迎、ありがたいです。まーったく、パワーが違う。

まさに、


急ぎたいなら、一人で行け。遠くへ行きたいなら、みんなで行け。


ですね。


本当にみなさん、ありがとうございました!