2010年11月09日

ハッピーな人事評価
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YLog-人事面談




10月というと、多くの企業で人事評価が行なわれるタイミングかと思いますが、聞いていてとても残念な気持ちになるのが、


「やれやれ、人事評価のタイミングだよ」


「上司との面談、いやだなあ」


という話。


マネジメントや人事評価が、人からモチベーションを奪うものとして捉えられ、運用されているのはとてももったいないし、そこには大きな誤解があると思います。


本質的に、人の評価とはすなわち、その人に興味を持ち、その人の営みと成長に他者が関わり、そこで生まれたエネルギーが、全体にも貢献できるようにすりあわせをし、ガイドするもの、だと私は思っています。


上手くいけば、「元気になり」「成長が加速され」「全体と、よりハッピーな働き方が見つかる」ようなものであるはずです。


そこで今回は、「人事評価やフィードバック」に関するありがちな誤解と、「こうあったらいいなあ」というところを、簡単に紹介したいと思います。




■ありがちな誤解


まず、私がよく感じる、人事評価によくありがちな誤解には、以下の3つがあります。


1.定期の業績評価をしっかり行なうことが大切

2.客観的に評価することで、よりよい結果が導かれるはず

3.できていないことを指摘することで、成長のきっかけになるはず



1つ1つ、見て行きましょう。



1.定期の業績評価をしっかり行なうことが大切


これは、


会社で定められた半期などでの定期評価をしっかりとやればいい、


という考え方です。

それ自体は間違っていないかもしれませんが、裏返して言うと「定期評価以外では、メンバーのことをちゃんと見ていない」ということにつながります。


普段、ろくに仕事内容も知らず、こっちが何を考えているかにも興味を持たずにいるのに、期末になると、突然紙のシートを書かせて、それを勝手にこねこねして、一方的にしゃべってくる。


これでは、


評価を受ける側は、ちゃんと見てくれていないなあ・・・、


とすねるのが自然というものです。



YLog-すねる部下











2.客観的に評価することで、よりよい結果が導かれるはず


客観的に評価する、という姿勢が高じると、往々にしておきるのが、マネージャがメンバーを評価対象「物」としてみてしまう、という現象です。

人⇔人のメタファーが、人⇒物というメタファーになると、そこでのやりとりには、相互作用が生まれません。


以前、仕事でアセスメント研修(クライアント企業の人材を昇格させるべきか、様々なテストを実施してこちらが評価するという研修)をやっていたときに気づいたことなのですが、評価されるグループが発揮するパフォーマンスは、こちらが「評価対象として厳しく観察する」姿勢をとるほど、明らかに低下するのです。


こんな状態に陥ってしまうと、メンバーがじっくり自分自身のやってきたことをオープンにし、マネージャと一緒に、今後の方向性などを考えるといったことができるはずはなく、ただただ、辛い時間が経過していってしまいます。



3.できていないことを指摘することで、成長するはず


できないことを指摘されると、元気はなくなります。

自分が本来苦手としていることを伸ばすのは、費用対効果が低いし、なによりもモチベーションを失わせます。

逆に、自分が得意で、現在の業績を挙げるために貢献している部分には、光があたらないのは、本当にもったいないことです。


本当は、そこに投資すると、一番伸びるけれども、マネージャはできないことを見つけ出すのと、それをどうすべきかを説教する術は知っていても、できることを見つけ出し、それをどうやったらさらに伸ばすか、その方法を知らないことが多いのではないでしょうか。



■人事評価はどうあって欲しいか?


これらを踏まえ、本来は評価・フィードバックがどうあるべきかを考えると、

個人的には:


評価というのは、メンバーとマネージャがじゃれあい、互いに興味を持ち、


そこで何ができるか、お互いが最大限になるとどこまで成長できるか、


そのパワーを結束すると、どこまでみんなででかいことができるか、


これを醸成する貴重な機会


だと思います。



そうするための具体的なポイントを3つ挙げると:


1.よくしゃべるのは:× マネージャ ⇒ ○ メンバー

2.やりとりは:× 半期に一回 ⇒ ○ 毎日(メンバーの成熟度合いにより)

3.フォーカスすべきは:× できないことをできるように ⇒○ よくできることを、卓越してできるように


ということかと思います。これは、恋人・夫婦関係になぞらえると、こんな風になります。



1.よくしゃべるのは:× 自分 ⇒ ○ 相手(相手の話をよく聞く)

2.やりとりは:× 誕生日だけ豪華なプレゼント ⇒○ 普段からこまめなやりとり

3.フォーカスすべきは:× 相手の欠点 ⇒○ 相手のすてきなところ(を盲目的に)


どうでしょう?このほうが、素敵だと思いませんか。



■現実に適合するか


さて、そんな風にやったときに、「そうは言っても、評価をつけて、納得してもらい、それによって報酬を決めなきゃいけないからさ・・・」という声が聞こえてきそうです。


ですが実際には、相手の話を「普段から」「深くまで」聞いていることで、多くのファクトを掴むことができ、それによって、より納得感のある評価につながります。


例えば、Aという課題に対してこのメンバーはBというリアクションをし、それによってCという結果を得た、としましょう。


このA,B,Cを抑えておけば、その内容を他の人のABCと比較し、「君のABCと、彼のABCを比較すると、ここがこう低くて・・・」という、根拠の強い説明ができるようになるため、評価そのものの精度・納得度が高まります。


同時に、普段から「そのABCはちょっとよくない」「そのABCはいい」というように複数回フィードバックを返し続けておくことで、目線はあっているので、敢えて評価面談でもめることはなくなります。



というわけで、評価・フィードバックをぜひとも、互いに元気がでる、素晴らしい機会にして欲しいと思う次第です。



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