2010年12月01日

壁を探しに歩いて行け!~シリコンバレー体験記~
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YLog

今回は、プライベートで11月23日~27日に訪れたシリコンバレーについて、そこでの発見などを、主観的にとりまとめてみました。


先に、今回のコアメッセージを自分なりにメモとすると、以下の3点となります。


■コアメッセージ

1.成功/失敗というパラダイムではなく、壁を探す気持ちで色々なことを仕掛けていって、それによって状況が分かり、とんでもない成功が出来てくる


2.多くの仕掛けを行い、その中からとりきりのものが育ち、フラットな世界なへ拡がっていく、そういうエンジンとなる環境をシリコンバレーは持っている


3.日本プレミアムを意識して、顔を合わせる機会をつくり、なんでもいいからネタを持って参加すれば、このエンジンに参画できる。
個人的には、このエンジンを利用するのがいいと思う。日本の環境でやるよりも、てっとりばやい。


では、中身に入りたいと思います。



○そもそもシリコンバレーとは?


最初に訪れたAZCAの石井さんから、シリコンバレーとは地理的にどこを指すか、お教えいただきました。

▼石井さん、およびAZCAの詳細は、こちらをご参照ください

http://www.azcainc.com/j_team.html



シリコンバレーとは、この地図の赤線で囲われているエリア。


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最初は「シリコンバレー」という地方があるのだと思ってましたが(汗)、実際は、山脈に囲まれたこの部分の地域一帯を指すのだそうです。


ですので、「シリコンバレーに行ってみよう」と思ったら、実質的には、サンフランシスコ・パロアルト・サンノゼ、およびミルピタスなどを訪れることを指します。


サンフランシスコ=多くの人たちの活気に溢れる大都市

パロアルト=スタンフォード大学というアイデア・アカデミックの刺激剤がある

サンノセ=インテルやアップル、GOOGLEなど、多くの大企業がひしめく

バークレイ=UCバークレーがあり、こちらもアイデア・アカデミックの刺激剤

これらの街を、車があれば、1.5時間ぐらいで一周できるエリアの広さです。

今回も、SFを拠点にして、1時間程度のレンタカーでの移動で、これらの街をめぐることができました。



○今回お話を聞いた方々


今回のこのブログ内容は、シリコンバレー滞在中に、下記の方々からお聞きした話を基に、私自身が主観でとりまとめた内容となります。

サンクスギビングという、日本で言えばお正月のようなタイミングに、12組14人の方々にお会いいただき、本当に感謝です。


・Cacooという日本のヌーラボ社の提供するASPサービスのユーザー達
(製品のインタビューに同行、ということで、実際にはビジネスに関わる話や、彼らの仕事内容などを聞きました)

-スタンフォードMBAを昨年卒業し、スタートアップに従事中の若者
-インド系のITコンサルタント/プログラマー
-韓国系のソフトウェア開発者の女性
-ロシア系のソフトウェア会社マネージャー


・上記インタビュー依頼をしたところ、逆にポッドキャストへの出演を依頼してくれたGary

▼彼の番組、我らが出演している回です

http://cloudcomputingshow.blogspot.com/2010/11/cloud-computing-show-43.html



・日本発のブランド立ち上げをロスアンゼルス中心に挑んでいる若者(ジョンソンさん)

▼彼の手がけるブランドです

http://prospectiveflow.com


・シリコンバレーで活躍するVC、コンサルなどの方々(日本人)


・スタンフォード/UCバークレーの学生の方々(日本人)


・スタンフォードで学部・マスターを卒業し、シリコンバレーで複数の起業に従事し続けている方(日本人)


・福岡県庁から、シリコンバレーへの福岡県企業の進出を企てて、シリコンバレーに在住の方(日本人)



○本題:今回の来訪を通して感じたこと3ポイント



■ポイント1:成功/失敗というパラダイムではなく、壁を探す気持ちで色々なことを仕掛けていって、それによって状況が分かり、とんでもない成功が出来てくる


自分自身が、これまで起業や事業開発に携わってきていて、一番響いたのが、今回のこの発見です。

私の場合は、事業計画を立てる場合や、事業を組み立てていくときに、

「どうやったら、失敗しないで成功できるのか?」


に主眼を置いていたんだなあ、と今回痛感しました。


この「成功」VS「失敗」というパラダイム自体が、今回は大きく変わりました。


これは、最後にお会いした、日本発のブランド立ち上げを西海岸で手がけているジョンソンさんの、この言葉に集約されています。


「壁にぶちあたるといいますが、そもそも壁がどこにあるか分からないから、色々とやってみて、壁を探しに行くんです」



もちろん、成功をするためにみんな色々なことにトライするわけですが、その考え方は「やるだけやってみて、どれか最後は成功するでしょ」というもの。


だから、成功しなかったものは、「失敗」として特別な処理をしたり、そうなることを恐れるものでは全くない、というこの感覚です。

違うなあ、と思ったのは、よく聞く「失敗を恐れずにチャレンジする」という言葉。

これって、「失敗」はやってはいけないもの、何か怖いもの、という捉え方が入ってしまってますよね。これが違う。

昔、P&G時代の同期が大学時代に「天才は多産である」という論文を書いていたのを思い出しましたが、とにかく多数のチャレンジを、大胆にすることによって、そこから何かが当たるわけですね。


例えば、絶対に試合に負けないように、勝てる相手を慎重に吟味して、万全の準備をして、当日の天候によっては試合を延期して、そして5試合をやって5勝するよりも、がむしゃらに165試合を戦い抜いて、その中で5勝したほうが、はるかに選手もたくましくなっているし、その5試合のうちいくつかは、ビッグゲームになるんだろうなあ、と思いました。

もちろん、160試合の負けたゲームを、「負けた」って落ち込んでいたら辛いけれど、「なるほど、こうやるとこうなるんだな。よし、じゃあ次はこうやってやろう」と思えたら、全く問題なし。


今回会った中でいくと、Stanfordを卒業したケビンや、上記のジョンソンさんはその典型。ケビンは、大企業に就職することももちろん可能だけれども、そんなことには目もくれず、今自分が取り組んでいるスタートアップについて、熱く語ってくれました。



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■ポイント2.多くの仕掛けを行い、その中から飛び切りのものが育ち、フラットな世界拡がっていく、そういうエンジンとなる環境をシリコンバレーは持っている


さて、上記のポイント1のエッセンスも含めてなのですが、ポイント2はシリコンバレーが「世界のソリューション供給エンジンなんだなあ」という環境について。

こちら、下記の図に集約されています。



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・・・よくわからないですよね(汗)。

まず


①多様な人種・バックグラウンドの人々が互いにオープン
今回のインタビューでもあったように、ロシア・アジア・インド・米国、本当に様々な人種・出身・バックグラウンドの人たちが、シリコンバレーにはひしめきあっていて、お互いにオープンだと感じました。


Cacooのインタビューということで、彼らに色々なことをヒアリングしたわけですが、その中でも


「俺の会社はPDFの技術があるから、Cacooのアウトプット機能に、うちのエンジンを使ってみるか?」


といわれたり、


「もしも君たちがシリコンバレーで事業拡大をしたいなら、喜んで友人のVCを紹介するよ」


といわれたり、とにかく互いに絡み合う可能性があれば、思いつくことがあれば、どんどん踏み込んでいこうぜという雰囲気を感じました。


象徴的だったのが、ポッドキャスティングの取材を受けた「The Cloud Computing Show」での、最後の一幕。



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こちらの技術者に、ガリーが、


「アガタ(同行したヌーラボ社のCTO)、何か君の知っているクラウドのソフトやツールで、君たち以外のものはないか?」


という問いかけ。


何気ないことですが、お互いの知っている知識、枠組みの外にあるものを、積極的に紹介しようぜ、という姿勢が見受けられたシーンでした。


また、別の意味での多様性として、アカデミックな機関の存在があるかと。

このあたりは有名なのであれですが、スタンフォード大やUCバークレーなど、全米でもトップクラスの大学が中心に存在しており、この大学と、スタートアップ起業との関係が密。



②金銭面でのVC、人材面での経営人材のサポート体制
ここの部分は、今回直接の話までは聞けませんでしたが、おそらく、VCはスタートアップの会社に対して、締め付けではなく、成長のための積極投資をし、


「10個に1つ成功したらOKOK」


くらいのノリでやってるんだろうな、というところ。

日本の場合、VCはサラリーマンがやっているので、失敗をすることを恐れ、「いかに失敗しない投資なのか」という説明や、失敗しそうな目を摘むことに苦心し、スタートアップ起業の「牽制役」になるという実感がありますが、こちらのVCは相当違いそう。

伸びて生きそうなところに、ぐぐっと加速させる役割であって、牽制役ではないんだな、というのが実感です。

同時に、人材面でのサポートとしても、GoogleのシュミットCEOに代表されるように、経営や財務のプロフェッショナルが存在しており、スタートアップ起業がそうした人材を必要としたタイミングで、雇うことのできる環境が整っているとのこと。ちなみに、こういう人材は、比較的余っているそうです。


③マーケットは「フラット化した世界」
ここで生み出されたソリューション、例えばSKYPEやGOOGLEなどは、利用者が全世界に存在します。逆に、この地域自体は、多様な人々が集まっており、特定のマーケティングで押さえにいくのは難しいという環境があります。

これらを踏まえると、共有をしたら、地域や国を飛び越えて、一気に拡がっていくITソリューションが、この地域の機関産業であることは非常にうなずけます。

彼らは、細かいマーケティングなどを気にしているというのではなく、こうやったらとことんいいじゃん、というものを追求している姿勢が見て取れました。特に、Cacooを使って様々な製品やソリューションを生み出そうとしている彼らは、元々全く違う地域で出身・成長してきており、この地に対するこだわりではなく、世界を見据えたソリューションを作っている


1つだけあるとしたら、フラット化した世界では「英語」が前提だね。



④そして、最後にあるのが、「天候」

今回は、途中から東海岸などをめぐってきた友人とも合流しましたが、圧倒的にこのシリコンバレーの天候が良かったとのこと。スタートアップでくじけたり、失敗したりしても、この青空が陽気な気分にリードしてくれると、複数の人が言っていました。



■ポイント3
日本プレミアムを意識して、顔を合わせる機会をつくり、なんでもいいからネタを持って参加すれば、このエンジンに参画できる。
個人的には、このエンジンを利用するのがいいと思う。日本の環境でやるよりも、てっとりばやい。


で、個人的にここをどうしようと思ったときに、率直に思うのが上記の内容です。


日本版シリコンバレーという話をよく聞きますが、個人的には上記のような環境を模倣しようとしても、日本の強みを活かせない、というか、無いものねだりだなと思います。

一番の無いものねだりは天候なんでしょうが、それ以外にも、多様な人種を受け入れるという文化だったり、失敗を成功と捉えるというところは、僕らが日本として学ぶときっと実りあるものだとは思いますが、それには程度があります。

「多様でないこと」だったり「失敗に対して慎重なスタンスをとる」には、それはそれで一理がきっとあると思いますし、無理になれないことはしなくてもいいんじゃないの?というのが率直な感想です。


それよりも、折角シリコンバレーといういい環境があるんだから、そこに飛び込んで、チャレンジしてみるというのが、てっとりばやいし、飛び切りの成果に結びつく気がします。

そのために、思ったことは以下の3つです。


1.とりあえず行ってみて、顔を合わせて、どんどん人と交わる。
今回のインタビューでも、事前にメールなどでやりとりはしていたものの、実際に会うことで、相手との関係は一気に深まるし、そこでの会話で、いろいろなアイデアがぽんぽんと出てくる。アイデアの双発や、パートナー探しには、やっぱり対面だなあ、と痛感。そのためには、「滞在できるビザの手配を上手く行なう」「大げさに考えずに、最低限の住処と移動手段確保だけで動く」というところでしょうか。


一度つながったあとは、オンラインでもいいんじゃないかな?


2.何でもいいからネタを持て!日本プレミアム、あるよ!
今回のツアーでは、Cacooというこちら側でのソリューションネタを持っていたことで、そこに何をくっつけるのか、というところを基点に、特定の関心がある人と集まったり、特定の方向性を考えることができました。元々我ら、誰しもが日常で扱っているテーマや自分の専門性があるのだから、そこを基軸にし、ネタを持った状態で行ってみるのが、新たな出来事の起きる起爆剤になりやすいんだろうなあ、と思いました。

そして、複数の人が言っていたのが「日本人であることは有利、プレミアムがある」という話。シリコンバレーで、多様な人種・出身の人がいる中で、「日本人=きっちりしている。つくってくるものがエクセレント。そして、金払いがよい。」というイメージがあるとのこと。こういうことも織り込んで、自分のコンテンツ・ネタを自信を持って持ち込みたいところです。


3.まあいいから、壁を探しにいきましょう
でも、何が当たるか、何がその先で起こるのかは、やってみないと、行動してみないと決して分からない。だから、とりあえずやってみよう、いってみよう、絡んでみよう、というのが今回の最大のテーマですね。

シリコンバレーにチャレンジし、絡んでみるというのは、きっと1つのいいきっかけになると思います。
そして、その姿勢は、シリコンバレーに限らず、日々携わっている中身でも、大切にしたいな、と今回のツアーを通して実感しました。




「壁を探しに出かけよう!」


これが今回の、最大の学びでした。みなさんも、ぜひエンジョイしてみてください。


そして、改めて、今回のツアーでお会いしたみなさん、同行した友人たちに、Thanks so much!


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