2011年06月27日

アリストテレス化と「ソーシャル」
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昨夜思いつきでブログを引っ越したわけですが、その理由の1つは「思考した内容の発信頻度を上げよう」という点です。
というわけで、以前よりも1つ1つの記事内容を軽くし、発信頻度を上げていきたいと思います。

さて、今日は阪神競馬場にて「宝塚記念」という大レースが開催されたのですが、ひしめく強豪馬を押しのけ、勝利したのは「アーネストリー」という、ちょっと地味な馬。勝利直後にアナウンサーが「やはり、馬の力を信じきって、早めスパートをしたのが、勝因ですね」「馬を信頼し切っていたから、勝利できたんですね」という解説を加えました。

これだけ聞くと、「勝つべくして勝ったんだなあ」と思うわけですが、実際には完全な後付け講釈(このクラスになれば、大抵の馬は信頼されています)。このように、目の前で起きたことに対して、もっともらしい理由を付け、「それは説明可能なのである」とすることを、”アリストテレス化”と呼んだりします。アリストテレス化をすることで、人々は「次におきることは予測可能」「自分の身の回りのことは、ある程度は少なくとも把握可能」と感じ、安心することができるわけです。

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そして、この「アリストテレス化」の欲求は、未知の変化・これまでの経験にない状況に直面した際、特に高まります。目の前におきていることのパターンを見つけ出し、そこに対する適切な対処方法を予め講じておこう、というするわけです。

ですが、実際にはこうしたパターンを見つけ出し、適切な対処方法を予め講じておくというのは、中々難しいかと思います。
例えばですが、Eメールが仕事に導入されたとき、「Eメールとは、このような位置づけのものになる」「こんな変化を仕事にもたらす」「だから、こういう風に位置づけて、こんな風に使い分けをすればいい」ということは、様々な雑誌や書籍でもてはやされたかと思いますが、結局は、数年間使い続けながら、自然と仕事の中に定着していったというのが実情です。

Eメールを例として出すとやや古い感じもしますが、普段の活動や仕事のスタイルを根本的に変化させていくものほど、その影響や世の中にもたらす変化は予測不可能であるし(だからこそ、”エポックメーキング”なんだと思います)、過去のパターンや経験が役に立たないことが多いかと思います。

こうした中で特に避けたいのが、EメールをFAXや電話と比較して、その位置づけを語ろうとすることかもしれません。実際には、新しいものが入ってきたら、その比較対象になる古いものも、相対的に役割が変化してしまったり、ベースとなる人の行動がそもそもがらっと変わってしまうので、以前のフレームのままで語っても、意味が無くなってしまいます。

そして、この相対比較にはまってしまうと、たま~に聞くような「未だに○○さんはメールを自分で使わずに、秘書にすべてやり取りさせて、プリントアウトしたものを見ている」といったような、大変環境にやさしくない状況を生み出してしまうことにつながりかねません。
未知のもの、言い換えれば自分の行動様式・社会の行動様式をがらっと変えてしまうものは、個々人に対してはその行動様式を変化させ、新たな環境にフィットすることを求めてくるわけですから、その利用経験そのものが一定量に達しなければ、古い行動様式のままで取り残されてしまうわけです。

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さらに、これにはまってしまった人が、たまたま組織の意思決定に関わる人であったり、施策を評価する側の立場だったりしたら、折角組織の中に新しい変化に対応できる人がいても、その意見やチャレンジを、試しもしない段階でスポイル(無駄棄て)してしまいます。

と、こんなことを考えていると、最近最もこれが当てはまるのが「ソーシャル」に関する話ではないでしょうか。「ソーシャルって何?」「「ソーシャルメディアはどんな変化をもたらすの?」「ソーシャルをどう活用すればいいの?」という話は、私のようにウェブをメインとするビジネス以外でも、多くの企業・個人が注目し、対応を検討している段階かと思います。

ですが、この段階で「アリストテレス化」を求めて多くのセミナーに参加したり、書籍を読み漁ったり、(こういうときは、セミナーの主催者や書籍販売側が儲かるわけですが・・・)、仲間内で議論ばかりするというのは、まさに過去のパターンの延長線上で考え、現れつつある変化を自分に取り入れることを、逆に阻害してしまうかと思います。

むしろ、まずはとりあえず日々の中でFaceBookを使ってみる、Twitterでつぶやいてみる、といったことをする時間量を、自分の生活の中の○○割と定めて、無理くりでも色々と試してみると、自分の生活が変化し、例えば「ソーシャル」をより早く自分の中に取り込み、素早い仕掛けができてくるのではないかな、と思ったりします。

・・・まあ、理屈好きな私としては、こういう経験をベースにして、新しく面白い後付講釈を作っていくのも、またとても楽しいんですけどね。

それでは

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