2011年07月01日

忘却と「タイムラグ」から何が学べるか?
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先日、友人が主催してくれたソーシャルに関する研究会での議論で、「タイムラグ」が1つの話題になり、それについてしばらく考えていることがあったので、今日はそれをシェアしたいと思います。

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この研究会での議論としては、何かの施策・打ち手を行なってから、実際にそれが結果に結びつくまでには、色々なプロセスが連鎖し、最終結果となるから、安直に「この施策は失敗しましたー」と、短期間で結論付けるのでは、評価できないものがあるよね、というのが1つの切り口でした。

具体的には、フェースブックを使って企業がファンを増やしていっても、すぐには売上増加などには結びつかない(というのは、データで出ていると)。だけれども、直感的には、おそらくそこから長期的に特定の企業に愛着が生まれたり、率先してその商品を購入するようになると思うから、短期的にフェースブックなどでの施策を「売上に結びつかないから撤退・縮小」などとするのは早計だね、というケースが挙げられたりします。

で、その話が頭にちらちらと残っていて、考えたのか今回のお話となります。

この「タイムラグ」、実は個人的に1つ強烈な経験があります。

私は、6年ほど前から手帳に、「今どんなことを考えていて、何をやろうと思っているか」という内容などを、割と細かく記録にとっています(なぜそんなことをしているか、ということをお答えすると、あまりに話が長くなりますので、それは割愛します・・・)。

notes


その手帳を見返していたら、今から4年程前に、「新しい人と積極的に会いに行き、その際には”キースフェラッチオの本”に書いてあることを実践して、深い交流が持てるようにする。そこから得られる刺激・出会いによって、きっと面白いことがおきるはず。」ということを、このキース・フェラッチオ氏の講演をたまたま海外のカンファレンスで聞いて、思い立ったことが記録されていました。

これは、衝撃でした。なぜなら、この手帳を見返した時(および今もそうですが)、私は夜な夜な色々と新しい出会い、面白そうな人との出会いを求めて、まさにここに書いていることをしていたからです。そして、なにより衝撃だったのは、この行動のきっかけが、この数年前のことにあったのを、すっかり忘却していたからです。

よくよく考えると、これは当たり前かもしれません。なぜなら、

1.何をやったか、という記憶そのものは、数年も経てば、大概は忘れてしまう
2.そのきっかけから、具体的にどんなことをして、結果何が起きるかは、当初は大抵予測不能なため、様々なことがあっても、オリジナルのイベントとの関連性に気付きにくい
3.自分を取り巻く環境が、当時と変わってしまっており、日常の中で、そのきっかけを思い出すトリガーが存在しない

といった理由が考えられるためです。

一方で、こうした、結果が出るまでに時間が長くかかること、言い換えれば「タイムラグ」が大きいことは、取り組むこと自体に、とても価値があることかと思います。その主な理由は、

1.タイムラグが大きいということは、すなわち自分以外のいろんなところをめぐりめくって、周囲との関係の中で変化が起きている可能性が高く、それは即ち、その営みが巻き込む範囲が大きく、より重要な変化に結びついていることを意味するから

2.結果が予測できないということは、それだけ斬新で、革命的な営みである可能性が高いから

といったところでしょうか。


さて、というわけで、

「やり始めのことを記録しておいて、後で検証可能にしておくこと、そこに跡付け解釈を入れる余地を無くすこと」

というのをやってみておくと、結構、いろいろな出来事の因果関係を、結果からの後付け講釈ではなく、事実を元に振り返ることができるかと思います。

で、ここで1つのクエスチョンが頭をよぎりました。

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「因果関係が分かったところで、何か今更それが役に立つのか?」

というものです。

これ、やっぱりとても役に立つな、というのが、私の仮説です。

なぜなら、

・いいと思ってやってみることへの自信がつき、短期で成果が出なくても、「その先に何かが待っている」と、長期の取り組みへの自信につながる

・自分への理解が深まる(自分が繰り返せること、繰り返せないことが、見えてくる)

・同じことへ2回取り組まなくて済む様になる

そう、ひとことで言い換えるなら、

「ちょっとやそっとの目先の失敗や苦労にへこたれず、新しいことにチャレンジする活力が沸いてくる」

かなと思う次第です。


こうして、個人の営みについては、記録をとり、それを振り返ることで「タイムラグ」と、上手く付き合うことができるのではないか、と感じ始めたのですが、一方で、「タイムラグは、個人ではなく、チーム・企業という単位に置き換えて考えると、何を意味するんだろうか・・・・?」という問いが、頭に浮かんできました。

いったい、これはどうなんでしょうか?これが、現段階で私が「タイムラグ」について、最も頭にもたげているテーマとなっています。

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それではみなさん、ごきげんよう。

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