ステークホルダ&人間関係管理の複合問題。

以下のページは,PM本2017年のもの。

1.ステークホルダの問題

P.115にも書いている通り過去に5問出題されている。今回の問題は,どのフェーズ化限定もされていなければ,ステークホルダも特定されていない。したがって,どれでも応用できると思う。この5問の論文を準備していた人は,アレンジして書けたのではないだろうか?


2.人間関係管理の問題

同じくP.115。過去に4問出題されている。人間関係管理は,PMBOK第5版だと下記の11ある。そのあたりはP.141に書いている。

・リーダーシップ
・チーム形成(H18-1)
・動機づけ(H21-1)
・コミュニケーション
・影響力
・意思決定
・政治的な活動と文化への認識
・交渉(H19-1,H24-1)
・信頼関係の構築
・コンフリクト・マネジメント
・コーチング

人間的側面の問題(H23-3)がコンフリクト・マネジメントだともいえるので…残りのテーマからすればわからないでもない(予想はできないけど)。

ただ,このあたりで準備した人は…たぶんいけてるんじゃないかな?ちゃんと指摘したポイントを押さえていれば。


*****


で,本題。

この問題だったらポイントは2つ。

ひとつは,信頼関係を築いたステークホルダを誰にするか? できればAさん,Bさんで役職や立場が分かるようにして人数もどうするか? ここがアバウトだと,一般論になるので注意。

PMBOKのステークホルダの定義だと,指揮命令下にあるプロジェクトメンバも入るけど,問題文にの4行目から始まる例や”協力”という言葉を見れば,ユーザ側のステークホルダで…ある程度,意思決定権を持っている人が安全だと思う。後は,利用部門の長。各利用部門の長(複数)でもいい。

問題文には「問題を解決しなければならない」とは書いているものの,その例が出ていないので,どんな問題でも構わないはずだから,プロジェクトメンバや協力会社との連帯意識の形成(H18-1)のように仕上げることも可能かもしれない。しかし,この問題文を見る限り…「自分が相手を信頼している」というより,「相手に自分が信頼されている」という部分で話を進めていかないといけない展開に見えるし,さらに「信頼関係が損なわれていると,積極的に協力し合うことが難しくなり」とも言っている。そう考えたらやはり…指示に従わなければならない自分の管理下にいるメンバやチームリーダは,書きにくくなるだろう。歪が出てくる可能性が高い。できれば避けたい。

<安全> ユーザ側責任者や利用部門の長
<微妙> 自分の配下のメンバ,協力会社


そしてもうひとつは,信頼関係構築の取組み。どうやって構築できたか,どうやって維持できたのか?その部分に関しての記述が求められている。

<NG>

ここで書くプロジェクト開始以前の話は,たぶんダメ。昔っからの戦友見たいに書いたらダメ。問題文の10行目以後には,(その取組みは)このプロジェクト内での取組みだと明記されている。なので,どちらかと言えば,このプロジェクト開始段階では,まだ信頼関係は構築できていなかったケースにしないといけない。

<ポイント 

「様々な切り口での取組み」なので,できれば(行動面,コミュニケーション面,情報共有面),全部に反応しておくのがいい。というのも,PMBOKでは「信頼は,協力,情報共有,及び効果的な問題解決と関連している」としている。これらは信頼関係の結果であるが,逆にここから信頼関係を構築するともいえる。なので,このあたりの取組を,それぞれの切り口で書いていく。

<ポイント◆

同郷,飲み会,趣味などで信頼関係を築いたり,心に刺さる言葉をかけて信頼関係を築く…そんなヒューマンドラマにしないこと。

この手の問題は,どうしても泥臭く(人間臭く)なりがちなので…その逆に,どうすれば…情熱や勢いなど,ヒューマンドラマ以外の取組みを書けるのか?という視点で問題文を読むこと。

「取組み」なので,構築も維持も,プロジェクト計画の中に含めること。5W1Hを意識して必要な要素を入れて,施策としてプロジェクト計画として組み込んだんだよということが伝わればいいだろう。そのあたりは,動機付けの問題(H121-1)や連帯意識の形成(H18-1)と同じ。

飲み会等で距離を詰めるという…実際にはとても有効な信頼関係構築術かもしれないが…そうならないように注意。プロジェクト計画としてルールを決めた(取組みとして)後に,余談として補足的に付け足す程度なら問題ないが,そればかりをメインに持ってくるのはダメ。そっちをメインにすると「ヒューマンドラマ」になってしまう。過去の人間関係管理の問題を見ても,どれもヒューマンドラマになってないよね。

ま,無難なのは下記のようなものだろう(論文では,これを具体的に書くこと)。


1)情報共有面(内部設計以後,しばらくはユーザは不安だから)。

・プロジェクトの進捗,発生している問題,解決の見込みなどを共有(常時,自由に閲覧できるようにする)

2)コミュニケーション面(説明責任を果たすというイメージ)。

・会議体(報告会)の計画。
・問題発生時には緊急会議を開催
・専門用語を使わない

3)行動面(信用は行動に現れる)

・ユーザ側作業の進捗にも目を配っり,必要に応じて的確な助言をする
・人間的側面を注視する


ざっと思いつく限りだとこんなもんだろう。

いずれも契約形態に注意。違法行為にならないように。