2006年09月

Hey Brother! 君が今まで口にしたもので一番のBad tasteは何だい?

俺は今までいろんなものを食べてきた。孵りかけの煮卵、牛のチ○チ○、ブタの脳ミソ、セミの幼虫、スズメの丸焼き。別の意味でbad tasteだけど、マズくはなかった。いや、むしろうまかった。なにしろこいつらはれっきとした食べ物で、ちゃんと料理してあるから、マズいはずがないぜ。Yeah!

食べ物でないものだと、腐った牛乳!こいつはマズかった。風呂上りに間違えて飲んで、牛乳を飲んだはずなのに、なぜか舌触りはヨーグルト。すぐに気がついて吐き出したんだが、イッキに飲んだんでちょっと飲みこんじまった。腹は壊さなかったが、げっぷが腐った牛乳のsmell!

だが、こいつも食べ物ではないが、元食べ物だ。まだ許せる。

今まで口にしたもので、一番まずかったもの。それは今から20年も前、俺がハイスクールの学生だった時のことだ。俺は東武東上線の満員電車に乗って通学していた。Yeah!

俺はそのころ、立ったまま寝るという特技を持っていた。So cool!でも、もう今じゃできないぜ。Yeah!

そのころから、態度も体もでかかったから、上の方の空気を吸って、余裕で寝ていたんだ。Yeah!

うとうとしてたら、何かが口に当たった。
その時、なぜだか、俺は舌を出したくなった。
こういうのを「魔が差した」っていうんだろうな。

ぬるっっっ!oily!oily!oily!oily!oily!oily!oily!oily!
??????????????????????????

一瞬何が起こったのかわからなかった。すぐにWake Up!そこにあったのは・・・aiiieeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee△○×※!

おっさんのハゲ頭!

俺は降りるつもりじゃなかった、次の駅で降りて、つばを吐きまくった。口をゆすごうにも水がなかったんだ。あの食感?は20年経った今でも俺の舌に焼きついている。

さて、俺がこの世のもので最もマズいと断言できる、おっさんのハゲ頭だが、当然君も味わってみたいよな。OK。俺にまかせろ。

おっと、君がホンモノ志向なのは知っているが、天然モノはなかなか手に入らない。だから天然モノには数段劣るが、ヴァーチャルハゲでガマンしてくれ。Brother!

まず、風船と使い古したサラダ油を用意してくれ。風船を十分に膨らませたら、37℃(100℉)ほどの湯に10分ほど漬ける。湯から出したら、冷めないうちに、サラダ油を薄く引いてくれ。できるだけ薄く塗るのがコツだ。

そして目をつぶって一回だけ舐める!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いい夢見ろよ。
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突然、マニアックな話ですみません。ライカのM8が出るようです。

フォトレポート:Photokina開催--新登場したデジカメの数々

よもやM型ライカのデジカメがでるとは思わなかった。長生きはしてみるもんである。

実は僕はライカが好きではない。あの赤丸マークがどうしても好きになれないのだ。あれがかっこいいとか、カワイイとかぬかすやつがいるが、そんなのは昔はついていなかったのよ。そんな「高級品ですよ」という主張をしているようなカメラはいらない。カメラはどんなに高くても実用品だから、地味でなくてはいけないのだ。

そのライカの、さらにデジカメとくれば、まったく興味がわかないのだが(だったら書くな)、ちょっと調べてみたら、すでにライカ DIGILUX2なるものがでている。正体はパナソニックらしいけど、いかにもM型ライカを意識したデザインだ。ますますイヤらしい。

それで今度は本当にM8だ。意識でもインスパイヤでもない。

型番からしても、銀塩カメラM7の後継ということである。違いはデジカメだから当たり前だけど、フィルム巻き上げレバーと、巻き戻しクランクがないくらい。

それにしても、デジカメなのにレンジファインダーってのはどういうことだろう。従来どおり、窓が三つも開いているけど、二重像でピント合わせが出来るんだろうか?できたとしても、そんな必要があるんだろうか?まさか、真ん中のはストロボだったりしないよな。

そもそもデジカメと銀塩カメラというのは別物だから、形も違っていてしかるべきなのだ。それを旧態依然とした形で出すということは、そういうものに憧れを抱いている人(僕のようなオッサン)に売りつけようという魂胆なのである。

だったら、レバーとクランクも付けちゃえばいい。一枚とるごとに一回レバーを巻かないと撮れないとか、クランク一回転するごとに一枚しかPCに画像がコピーされないとかだったらかなり面白いと思う。ライカを持ちたい人だったら、「これが面倒なんだよね〜」なんてことをいって、うれしそうにぐるぐる回すだろう。

そうだ、M型はフィルムが入れにくいので有名なんだから、メモリを入れるのにむちゃくちゃ苦労するようにするとかはどうだろう。そこまですれば、これはこれで面白いと思うのだけど・・・。僕はいらない(というか買えない)。
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サーチナ:泥酔男がパンダと格闘「まさか人間にかみ付くとは」

北京市西城区にある北京動物園を19日に訪れた男がパンダの檻に入り込み、格闘になった。男とパンダが互いにかみ合うなど激しい格闘だったという。北京晨報などが伝えた。

「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛むとニュースになる」なんてことをいうが、よもや、人がパンダを噛むなんて、誰が予想できただろうか。さすがは中国である。なにがさすがだかよく分からないけど。

ちなみに、パンダを噛んだ感想は「パンダの皮は非常に厚い」だそうで、こりゃ実際に噛んだ人間でないと分からない。生きているパンダの歯ごたえを知っている人間なんて、おそらく北京原人かこいつぐらいなものだろう。

ちなみに、僕は昔、満員電車の中で、間違えて(立ったまま寝てしまったのだ)おっさんのハゲ頭を舐めてしまったことがある。もう20年も前の話だが、いまだにあのいや〜な食感?は覚えている。「ハゲ頭は油っぽくてぬるぬるしている」これがハゲを舐めた感想である。もちろん、お互いに舐めあってはいない。

話をパンダにもどす。パンダにしてみれば災難で、動物園の園長が「『古古』を罰することは考えていない」とコメントを出しているのは当然である。だが、北京動物園のパンダに触ってみたかったという男の気持ちもわからんではない。

僕が北京動物園へ行ったのは6年前の夏である。夏だったので、みんなすっかりダレダレのダレパンダになっていて、ひどいのは、滑り台の一番上で本当にたれぱんだの格好をして、スプリンクラーの水を浴びていた。こんなのを見ると後ろから一発殴ってみたくなるのが人情というものではないだろうか。

北京動物園では、パンダを檻ではなく、柵の中の庭のようなところで飼っている。芝生に、いろいろ遊具もあって、ちょっとした公園のように見える。柵はそれほど高くなく、ちょっとがんばれば乗り越えられそうな感じである。この微妙に「乗り越えられそうな感じ」というのが、酔っ払いの冒険心をかきたててしまったのだろう。

ところで、僕の部屋には小さなパンダのぬいぐるみが置いてある。これが、すっかりほこりをかぶってしまって白熊になってしまった。猫は年を取ると「ねこまた」になるというが、パンダは白熊になるんだな。
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CNET Japanにこんな記事があった。

18万漢字を扱えるWindowsアプリケーション版「超漢字」発売--パーソナルメディア

日本独自のOSとして知られる、超漢字がWindows上でアプリケーションとして動くようになったってことで、たしかに画期的なことである。だが、

 超漢字は、TORONプロジェクトの成果のひとつとして開発された日本製OS。人名用異字体や旧字体などを含む18万漢字を扱えることが最大の特徴で、人名を正確に表記した顧客名簿の作成や蔵書管理、アジア諸国の文献データベース化、国文学研究などに活用されている


ってのは、本当だろうか。

TRON(上の引用はTORONになっているが、TRONが正しい)はちょっと興味があるのだが、少なくとも僕は大学で見たことがない。

もっとも、僕が大学を離れてからずいぶん経つので、もしかしたら知らないうちに普及して、国文学科は超漢字のコンピュータだらけなのかもしれない。大学生協なんかで安く売っていたりするのだろうか。

もし、国文学研究で超漢字が活用されているところをご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。どういうふうに活用されているか、とても気になりますので。
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たけくまメモ:斉藤舞子さんは凄かった(その1)のエントリと、そこからリンクされた動画を見た。話のかみ合わなさが、インターネットやコンピュータの知識以前の問題で、すごく面白い。

だが、普段「ボタンが三つ以上ある機械は苦手な人たち(長いので、以下「アレな人」と略す)」に囲まれている僕にとっては、「インターネットとヤフーはどう違うんですか?」なんて質問は日常茶飯事である。

こう聞かれたとき僕は「ゾウとインドゾウの違いです」と答えてお茶を濁す。もちろん「カニとケガニ」でもいいし、「サルとニホンザル」でもいいのだが、それでも「種類が違うってことですか?」とか、びっくりするようなボケをかまされることがあるので、比喩の選択が難しい。

以前「アレな人」から、自宅にFTTHを導入したい(本人は自分が申し込もうとしているのがFTTHだということにすら気づいていないのだが)という相談を受けたことがある。「アレな人のくせにナマイキな」と思いながら(僕はADSLの1Mである)相談にのった。

アレな人:「TEPCOひかり」にしようと思うんだけど、いくら電話をかけても通じないんだよ。

僕:ああ、混んでいるのかもね。しばらく待ってみたら?

アレな人:いや、そうじゃなくて、何回116を押してもWillcomにかかっちゃうんだよ。

僕:へ?116?Willcom?なんで?

アレな人:だって、電車の広告で116に電話しろって書いてあったから。

しばらく考えて、やっと状況が飲み込めた。まず、「TEPCOひかり」は東京電力のサービスだから116は関係ない。彼はFTTHはすべて「TEPCOひかり」だと思っているのである。井川遥(当時)恐るべし!

で、116で申し込めるのはNTTのFLET'S光だ。つまり、井川遥のコマーシャルをノーミソに焼き付けた彼は、その後、通勤電車かなんかでFLET'S光の広告を見て混同したのである。

さらに116は固定電話でかけると、たしかにNTTにつながるのだが、彼はWillcomのPHSからかけたのである。アレな人のわりにはWillcomのPHSなんてマニアックなものを持っているのは、僕が買わせたからだ。

普通は一回で気が付きそうなものだが、アレな人は何度もかけてしまうのだ。なぜなら、彼の頭の中では、電話は固定だろうが携帯だろうが、すべて同じ会社がやっているのである。それはたぶん、電電公社の親戚筋だと思う。

アレな人にとっては、インターネットは「インターネットの会社」が、プロバイダーも、Yahoo!japanも、それぞれのサイトも、ブログも、すべてやっているのである。だから、電気屋へいって「インターネット一つください」とか本当に言ってしまう。

これは、お年寄りにとって、プレステだろうがXboxだろうが、NINTENDO DSだろうがすべて「ファミコン」になってしまうのと同じなのである。だからといって、アレな人がみんなお年寄りというわけではない。

この流れの中で、どういうわけかYahoo!は必須である。アレな人にとっては、すべてのサイトはYahoo!から始まっているのだ。そして、日本ではGoogleよりもYahoo!の方が好まれることからも、いかにアレな人人口が多いかがうかがえる。

アレな人は、通常ブログや掲示板には書き込まない。だから、目立たないだけで、あなたの近くにも必ずアレな人はいるのである。
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「海外からメールを送りたい」なんてよくありますな(僕はない)。で、インターネットカフェかなんかに入るわけだ。

ところが、日本語は表示されるけど、日本語IMEがインストールされていないから入力できない。やむなくローマ字で送信したけど、英語のメールなんか受け取ったことがない、あなたの相手は、SPAMだと思って(というか振り分け機能で自動的に)問答無用でゴミバコ行き。インターナショナルなあなたにはよくある話だ(僕はない)。

そんなあなたに、使ってほしいのが、これ。

Ajax IME

使い方はチョー簡単。テキストボックスの上をクリックしてAlt-oまたはCtrl-9で、Ajax IMEモードにする。ローマ字入力をしてスペースで変換、Enterで確定。連文節変換もできる。再びAlt-oまたはCtrl-9で、直接入力モードに戻って、コピーすればいい。直接入力モードに戻さないと、コピーできないようなのでそこは注意。

「キーボードがキリル文字で普通のアルファベットが打てません!どうしたらいいの?」そんな、ロシアン(ロシアンじゃなくてもいいけど)なあなたにはこれ、

Ajax を使った手書き文字認識

なんと、手書き認識ができるのである。名前が難しい漢字の人もこれで安心。

Googleで日本語検索したいときなんかは、いちいちコピー&ペーストするのは面倒だ。そんなあなたには、これをどうぞ。

Sumibi.org

「私、中国人なんですが・・・」そんなチャイニーズなあなたにはこちら。簡体字にも繁体字にも対応。入力方法(輸入法)も、ピンイン・注音・五筆・倉頡といろいろ対応している。

呼噜噜在線中文輸入

Windows98の時代、中国への留学生が、毎日网吧に通いつめてすこしずつ日本語が使えるように仕込み(勝手にいろいろインストールしたらしい)、やっと日本語のメールが読み書きできるようになったら、网吧自体が無くなっちゃったなんていう話は、もう過去のものになったんだな。

【追記】
気になったので、調べてみたら、ロシア語キーボードのトップには普通のアルファベットも書いてあるようでした。
そりゃそうだよな・・・
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Googleの検索キーワードにたいする表示順位はページランクでだいたい決まる。

ページランクというのは、Googleが決めた「サイトの重要度」で、Googleツールバーをインストールすれば分かる。例えば、やたがらすナビは4で、このブログは2である。このページランクが高ければ、検索キーワードに対して上位に表示されるというタテマエである。

ではどうすれば上がるか。簡単に言うと、ページランクの高いページからたくさんリンクしてもらえば上がるということになっている。実際には、これ以外にもヒミツの条件があるのだが、原理的にはそうなっているのだ。

そうなってくると、「日本で一番ページランクが高いページはどこか」ということが気になってくる。

日本で一番ページランクが高いのは慶應義塾大学の10である。10以上はないから、世界一でもある。

これ、実はかなりすごいことで、Yahoo!Japanのトップや、Wikipedia首相官邸でさえ8なのである。世界ではホワイトハウスでさえ9、いかに10になるのが難しいかが分かる。

慶応が10なのには理由があって、W3CというWebの憲法みたいなところのドキュメントからたくさんリンクされているかららしい。

ならば、「大学」というキーワードで検索したらどうなるか。日本にはページランク10の大学は慶応しかない(東大もときどき10になるらしいが、今見たところ9)ので、当然、慶応義塾大学が一番上になるはずである。

Googleで「大学」を検索

ところがなぜか、一番上に出てくるのは早稲田で、ページランクは8。次が明治なのだが、これはページランク6しかない。で、天下のページランク10の慶應はというと、2ページ目(9/18現在)にやっと出てくる。

Googleのアナウンスでも、ページランクはお遊び程度とか書いてるのだが、それにしても、ページランク10でこれは一体どういうことなんだろう。他の検索エンジンでもやってみたが、どうも慶応は旗色がよくない。

理由はよくわかんないけど、分かったことは、ページランクなんてたいした意味がないんだなということだけである。
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東京大学史料編纂所のDBに電子くずし字字典が加わった。

さすがは史料編纂所、なかなかよくできている。検索は文字そのものと読み、部首からでき、and検索or検索もできる。

検索すると、いくつか画像で文字がでてくる。さらに、「文字」のところのリンクをクリックすると、膨大な数の画像が出典名つきで出てくる。これは親切設計である。つまり、くずし字の学習用には最初のページを、研究用には次の出典付のページを見ればいいのである。

なにしろ作ったのが史料編纂所なので、出典がすべて日本のもの(それもマイナーな古文書が多い)だが、これだけ集めてあるのは他にちょっとないと思う。かなもしっかり引けるのだが、「あ」で引くと「安」を字母にしたものでないと出てこないのはちょっと使いにくいかもしれない。

ところで、史料編纂所様にはお願いがあります。各DBへの直リンクできるようにしてください。はっきり言って使いにくいです。
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読書の秋である。

なんて思って、本屋に入って、なぜか買ってしまった東陽片岡『うすバカ二輪伝』。しょうがないから、今日はこれで書くことにする。

昭和30年代のファンタジーが西岸良平なら、40年代のファンタジーは東陽片岡できまりである。ありそうでない、ないようである昭和40年代を、畳の目一つ一つまで描き込む、執拗なまでの細かい描写をするのがこの作者の特徴である。

この『うすバカ二輪伝』は、その名の通り、オートバイをテーマにした51篇の短編漫画からなっている。やたらとオートバイ用語や車名がでてくるが、当時オートバイに乗っていた人はもちろん、そうでない人(僕もその一人だ)も十分楽しめる漫画である。

僕が大学生のころ、『GTロマン』という、いかにもバブル時代っぽい、こじゃれた自動車漫画が流行ったことがあった。ロマンというだけあって、実際の古い自動車が実によく描けていて、それでいてストーリーは非現実的な生活感のないものだった。

『うすバカ二輪伝』は『GTロマン』のまったく対極にある。オートバイの絵やパーツは、描き込まれてはいるがリアルとはいいがたい。だがストーリーはやたらとリアルで生活感が臭ってくるのである。

この「臭い」が、「匂い」でないところが東陽片岡の魅力である。僕は今「におい」のつもりで「臭い」と書いたが、「くさい」と読んでくれても一向にかまわない。すべてのコマから、絵を通して「臭い」を表現できるのは、この人をおいていない。

というわけで、僕としてはストロングバイだけど、本当に買って、想像したのと違っていても、責任はとりません。

あ、あとこれだけは言っておくけど、子どもは絶対に買ってはいけません
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説話文学会の十月の例会は、「『九相詩絵巻』をめぐって」と題するシンポジウムである。ここのところ忙しくて、ぜんぜん学会には行っていないのだが、会場が慶応大学(三田)なんで、今回は行ってみようかと思っている。

『九相詩絵巻』とは、人間が死んでから、骸骨になるまでの九つの相を描いた絵巻である。「九相詩」というからには、詩(漢詩)があるわけで、空海や蘇軾にあるらしい。

実際の『九相詩絵巻』は、美人の女房が死に、腐って、最終的に骸骨になって土に返っていく様子を、時系列で九つに分け、具体的に描いている。現物を見なくても想像すればわかるように、かなりグロテスクな絵巻である。

仏教的にはこれを不浄観といい「どんな美人でも、現世のものの本質は汚いものなのよ。そんなのに煩悩とか欲望とか持ってどうすんじゃワレ」ってのがこの不浄観の趣旨なのである。だから描かれるのが美人の女房なんで、あたしみたいに最初っから小汚いオッサンの九相じゃぜんぜん絵にならないのである。

「仏教的には・・・」なんて書いたけど、これを額面どおりとってはいけない。思想うんぬん以前に、人間、誰でもこういうホラーみたいなのが好きなのだ。そうでなければ、わざわざ絵にする必要はない。そういえば、最澄と天台の国宝展でも人が並んで見ていたのは六道絵で、こういう感覚は時代と関係ないんだなと分かるのである。

今回の例会では「個人蔵の『九相詩絵巻』関連資料の展示」があるそうだ。学会は会員でなくても見に行けるので、興味のある方はどうぞ。日時と場所の詳細はやたがらすナビの行事情報でどうぞ。
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