2007年03月

NHKの「みんなの童謡」が好きだ。僕たちの世代は、童謡だの文部省唱歌だのなんてのは学校で習わなかったから、サビだけ聞いたことはあるけど、あとは皆目わからないってのが多い。通しで聞いてみると、「へー、この歌、こんな内容だったんだ」と意外な発見がある。

今、流れているのが「村の鍛冶屋」。僕が本物の「村の鍛冶屋」を見たのは中国のド田舎だった。そのときは無意識に歌ったが、歌えたのは1番だけで、あとは知らなかった。
暫時(しばし)もやまずに 槌うつ響。
飛び散る火の花、はしる湯玉。
鞴(ふいご)の風さえ 息をも継がず、
仕事に精出す 村の鍛冶屋。

この鍛冶屋の描写がうまい。実際に鍛冶屋を見ていなければ、こうは書けまい。僕は中国で村の鍛冶屋を見たときに、即座にこれを思い出した。さすがにふいごは使っていなかったが。
で、二番は、これ。
あるじは名高き いっこく老爺、
早起・早寝の、病知らず。
鉄より堅しと ほこれる腕に
勝りて堅きは、彼がこころ。

いっこく老爺というのは頑固者みたいな意味らしい。もちろん悪い意味でなく最後の行にあるように、堅い心を持っているという意味である。村の鍛冶屋は妥協しない。鉄<腕<心の順に硬いわけだ。
「早起・早寝の、病知らず」は耳が痛いね。続いて三番。
刀はうたねど、大鎌・小鎌、
馬鍬に作鍬、鋤よ、鉈よ。
平和のうち物 休まずうちて、
日毎に戦う、懶惰の敵と。

この三番がいい。前半は刀以外はなんでも作ることを農具の名前を列挙して表現している。
働き者の村の鍛冶屋は働くための道具を作るが、戦うための道具は作らないのである。
「平和のうち者」と「日ごとに戦う」が対になっている。平和のうち物を休まず打つ鍛冶屋も、唯一戦わなきゃいけない敵がいるのだ。それが「懶惰の敵」である。懶惰とは「怠ける」の意で、さすがの働き者でも怠け心がでることがあるのだろう。
かせぐにおいつく 貧乏なくて、
名物鍛冶屋は 日々に繁昌。
あたりに類なき 仕事のほまれ、
槌うつ響に まして高し。

働けば、儲かる。いい仕事をすれば儲かる。正直な労働を賛美しているのである。それにしても「かせぐにおいつく貧乏」という表現がおもしろい。

つまり、この歌は平和賛歌であり、労働賛歌なのである。こういうテーマの歌は、一歩間違えると左翼っぽくなってしまうが、そうなっていないところに、作詞者(不明)の力量をうかがわせる。

ところで、北朝鮮の怪獣映画プルガサリに、こういう「村の鍛冶屋」がでてくる。もしかしたら、鍛冶屋の持つイメージというのは万国共通なのかもしれない。
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今年の新入社員の型が決まったそうで・・・デイトレーダー型だそうだ。3月10日のエントリは大外れだった。残念。

デイトレーダーとは、一日のうちに株の売買をこなし、利益を上げる方法をとる人のことである。インターネットでの売買ができるようになってからの投資方法で、おととしぐらいに「デイトレードで○億儲けた」なんていう本が本屋に並んでいた。

もっとも、いうほどには儲からないらしく、一日に何度も取引するから証券会社だけは確実に儲かという、マア、アレである。だいたい、一日中コンピュータの前にいなきゃいけないというのは、立派な労働だから、株式投資に「不労所得」を求める方には向いていない。

で、どこがデイトレーダー型かというと、
景気の回復で久々の大量採用だったが、氷河期前とは異なり、細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくい。売
り手市場だっただけに、早期転職が予想される。ネットを駆使した横のつながりで情報交換が活発だが、情報に踊らされない慎重さも必要
ということだという。

さんざんクサしておいて何だが、今回はなかなかうまいと思う(もちろん命名には反対であることには変わりない)。

もっとも、今までが「物」だったのに対し、今回は「人」だからしっくりくるのは道理なんだけど・・・。
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前から気になっていたやたがらすナビのリンク集国文>ツール中国文学・中国哲学>ツールの配列を変え、いくつかのカテゴリに分けてみた。

なるべく、誰が見ても納得できるようにしたが、どうしても、僕の主観が入ってしまうので、「これはおかしい」というのがあったら掲示板かメールで指摘してほしい。

なお、以前のページは、国文>ツール(旧配列)中国文学・中国哲学>ツール(旧配列)に残してある。
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15年ぶりに本郷の東大(東京大学。念のため)に遊びに行った。学会とかそういうんではなく、本当に遊びに行ったのである。

15年前に行ったときは、文学部の某教授の研究室で、学会の封筒詰めのバイトだった。そのころの東大の印象は、一言で言えば「陰気臭い」である。

校舎が古いのはしかたがないが、なにしろ汚すぎた。階段の踊り場にわけの分からない胸像が置いてあった。よく見ると、しょうもない落書きがしてあったりして、そのときは東大生も人の子だなと思ったものである。研究室も足りなかったらしく、屋上にむりくり立てたプレハブの研究室があったりした。

今日、赤門をくぐった直後の印象は、「相変わらず陰気臭せえな」だった。だが、微妙に違う。最初は気づかなかったが、よく見ると古い校舎のなかに、建て替えられていたり、以前にはなかった校舎が建っている。古い校舎とデザインをあわせてあるので、よく見ないと分からないのだ。

さらにあっちこっち歩いてみると、ドトールコーヒーはある、スターバックスはある、ローソンはある。陰気臭いなんてとんでもない。なかなか都会的(都会なんだけど)である。

工学系の方には、ちょっと変わったデザインの建物もあった。その中でのお気に入りがこれ。

東大の校舎
この写真ではちょっと分かりにくいかもしれないが、古い校舎の上に8本の足で支えられた新しい校舎がかぶさっているのである。この取って付けたような大きさがおもしろい。同じ「屋上屋を重ねる」方式でも、昔の屋上にあったプレハブ研究室とは大きな違いである。

これ、有事の際には歩くね。場合によっては空を飛ぶかもしれない。なにしろ東大の校舎だから。
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次回の講釈で、なんて書いたのにいろいろ考えていたら、更新がおそくなってしまった。予告なんかするもんじゃないな。そしたら、ちょっと気になる記事があったので、そっちを先にする。

「仕送り」月10万円割る-私大生調査、生活費も最低(47News:共同通信)
下宿学生の親、3人に1人が借金=首都圏私大新入生の家計調査(時事ドットコム)

首都圏の大学生の仕送りが1986年の調査開始以来最低になり、10万円を割ったというのである。

時事の記事によると、仕送りから家賃を差し引いた生活費(6月分の平均)は3万9100円で、1日平均1303円だそうだ。

これ、ちょっと考えるとたいへんなことだ。1日1303円では、三食食べるのがやっとである。大学生だから、書籍代だって必要だし、大学までの交通費だって必要だ。さらに、彼らは僕たちの学生時代にはなかった、携帯電話料金やインターネットの接続料金も払わなきゃいけない。

どうしたってバイトで補わなきゃいけないことになるが、僕たちの時代(まさしくバブル時代)のように、家庭教師や塾講師のような、短時間で収入のいいバイトがやたらとあるとは思えない。当然バイトの時間は長くなる。本人のやる気うんぬん以前に、こんなんでまともに学問なんかできるはずがない。今の大学生は本当に気の毒だと思う。

このことは、景気が上向きなどといっていても、地方の経済は悪くなる一方であることを示している。苦学だのなんのというが、そもそも学問なんてものは、経済的に余裕がなければできないものなのだ。

学力低下だの、教育再生だの言う前に、何かやることがあるんじゃないか。何不自由なく育ったお坊ちゃんに期待はできないか。
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バブルへGO!タイムマシンはドラム式を見てきた。

題名だけで、十分しょうもなさそうな映画だが、作っているのがあのホイチョイだというだけで見る価値があると判断。

僕にとっては、バブルといえばホイチョイだし、ホイチョイといえばバブルなのである。かつてバブルカルチャーの演出をしたホイチョイが、どうバブルを描くか、これはもししょうもなくとも一見の価値はあるだろう。

ところが、案に外して、なかなか面白かった。バブル時代のウンチク満載物かと思いきや、意外とまともなコメディ映画なのである。特に、伏線の張り方がうまくて、コメディとしての伏線のわざとらしさも含めて見事だった。だから、バブル時代など知らんという若い人も楽しめると思う。

以前からバブル時代を題材にしたものが、そろそろでてきてもいいと思っていた。経済学的な反省みたいなのはあるのかもしれないが、そんなんじゃなく、あの時代をもっと肯定的に捉えて、笑い飛ばせるようなものをである。

あんなばかばかしい時代は二度と来ないだろうし(こられても困る)、お金の使い方を知らない人間がお金を持つとどうなるかというのは、後世に残す価値が十分あると思うからだ。バブル時代にマハラジャなんかで奇妙な踊りをしていたクリエーターの皆さんは、これを期に、是非カミングアウトして、ばんばん作品を発表してほしい。

あと、役者が秀逸。広末涼子がこんなにかわいいとは思わなかった。

ところで、僕がこの時代(1990年ごろ)何をしていたかだが・・・それは次回の講釈で。
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みなさん、確定申告してますかー?

バイトとかでもしないとだめですよ。フリーターなあなたなら、源泉徴収のほとんどが返って来ます。

ムダな税金はビタ一文払っちゃいけません。どうせ、わけのわかんない光熱水費とかに使われちゃうんですから。それにしても大臣が「今時、水道の水を飲む人はいない」ってどういう神経なんでしょう。何は美しくなくとも、水道の水だけは美しい国なのに。

というわけで、国税庁の確定申告書等作成コーナーを試してみた。

国税庁にはe-Taxという、Web上で確定申告ができるシステムがある。しかし、これは前もっていろいろ手続きが必要で、大変面倒くさい。

確定申告書等作成コーナーは、その名のとおり単に申告書を作ってくれるだけである。必要な項目に数字を入力したら、還付金(もしくは納付金)を計算して、申告書自体がPDFになって出力されるので、自前のプリンターでプリントして、必要書類を貼ればいい。

できたものは、普通の申告書と全く同じなので、申告書等作成ジェネレータといえば分かりやすいかもしれない。あとは、それを税務署に持っていくなり郵送するなりすればいい。前述のe-taxにデータを渡すこともできる。

このサイト、非常によくできていて、どこに何を入力すればいいか分かりやすい。この手のサイトにありがちな、IE限定ではなくFirefoxでも使えるのが好感が持てる。

なお、3月15日が締め切り(たしか、還付は遅れても大丈夫だったような・・・)なので、急いで、がっちょり取り返そう。
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旧1元紙幣の肖像
1元札のトン族の女性が判明:北京週報(日本語版)

02月10日のエントリで2角紙幣の女の子の正体がわかったという話を書いたが、今度は旧1元紙幣の肖像(右側)である。

この人は、貴州省江県慶雲郷佰你村に住む石奶引さんという人で、市に出かけたときにナゾの似顔絵師に描かれたという。少数民族を代表して「建国30周年民族展覧会」に集められた、2角の二人とはずいぶん境遇が違う。

北京週報の写真を見ると、2角の二人と年はあまり変わらないにもかかわらず、ずいぶん年配にみえる。農村で苦労したのだろう。だが、年はとっているものの、この横顔はどうみても1元札の肖像と同じだ。

現在、1元以上はすでに毛沢東札になっているし、1元は硬貨が多くなってきたので、残念ながらこのお札を見ることはあまりなくなってしまった。だから新札を用意するのはできないのはしょうがないのだが、それにしても、北京週報の写真はあまりにヨレヨレすぎだ。

それにしても、やっぱり気になるのは10元紙幣の漢族じいさんである。こういう街中から適当にモデルをみつけたという例があるなら、この人も市場あたりで適当に選ばれたのかもしれない。
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今年も、いらんことしいの社会経済生産性本部が、新入社員の型を決めつける季節が近づいてきた。いまごろ、居酒屋でオッサンたちがしょうもないダジャレをいいながら考えているころだろう。

ちなみに去年の発表は3月28日で、ブログ型だった。くだらないのも程度問題である。

よく考えてみれば、まだ入社してもいない新入社員の型が決められるわけがない。流行のものと強引にこじつけているだけで、O型が大雑把だのAB型がひねくれものだとかいう血液型占いと大差ない。決め付けられた方はそういう見方で見られてしまうのだから、これは立派な差別である。

というわけで(どんなわけだ)、今年はちょっと先回りして、メタボのオッサンたちの腹の中にある新入社員の型を予想してみよう。

1.mixi型
順当にいけばこれで決定だろう。理由も「結束は強いが、異質なものは受け入れない」とか、「一見仕事ができそうだが、決まったことしかできない」とか、いくらでも考えられそうだ。しかし、前回のブログ型とかぶるところがあるのが、ウィークポイントか。

2.メイド喫茶型
これなんかもくるかもしれない。「上司を立てるのはうまいが、表面上だけ・・・」とかなんとか。

3.薄型テレビ型
ヒット商品からだと、こうなるか。「スマートで見栄えがよく、性能もいいが、機能が多すぎて使い方がよくわからない」とか。ただし、型が二つでてくるので、語呂はよくない。
ヒット商品からだと、「軽自動車型」とかもありそうだ。

4.携帯電話型
もう出てるだろうと思ったけど、バックナンバーを見たら意外になかった。理由は面倒くさいから省略。これほど、いくらでも思いつくものはない。

5.転がる石には苔がつかないぜ、そうさ俺たちは自由な小鳥型
これは予想ではない。たまにはこういう意表をついたのも欲しいという作例である。

さて、ついでだから、このオッサンたちを命名しよう。

メタボリック症候群型
恰幅がよく、見た目の迫力はあるが、動きが鈍く見掛け倒し。ふくれた腹には栄養が詰まっていそうだが、実は害になるものしか入っていない。

こんなんでいかがでしょう。
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Checker
リンク集を作っていて、困るのがリンク切れである。

そもそも、やたがらすナビのリンク集を作り始めたのも、既存のリンク集にあまりにリンク切が多かったからである。

とはいえ、リンク先が多くなると、いくら定期的に手を入れていても、リンク切れがでてくる。僕のサイトではタレコミに頼っているが、実際気づいてもわざわざタレコミしてくれる人はなかなかいない。この際だからいうけど、そういうタレコミをされて迷惑なことはない。小さな協力がサイトを便利にしていくのだ。

話をもとにもどすと、リンク切れを知る簡単なツールがないかと思っていたのだが、Firefoxの拡張、LinkCheckerを発見。さっそくインストールしてみた。これはなかなか便利。

スクリーンショットの赤くなっているところがリンク切れである。緑は繋がっているところ。一時的にサーバーがおちていたりすると灰色になる。

外部へのリンクだけでなく、自分のサイト内のリンクもチェックできるので、Webサイトの最終確認に便利である。
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