2008年08月

前にも書いたように、僕は24時間テレビが嫌いである。

何が嫌いかって、あのマラソンが嫌いだ。なんで芸能人のマラソンで感動しなきゃいけないのか。意味がわからん。

それはそうとして、24時間テレビは芸能人に出演料が支払われているから偽善だという人がいるが、それは違う。

あれは、募金を集めるためのチャリティー番組である。人々に募金という手段があることをアピールするのが目的だ。

出演料が払われているかどうかは関係なく、それがアピールできているかいないかが問題なのである。だから、あんなしょうもないマラソンをいつまでもやっていて飽きられないか、むしろそれが心配だ。

同じことは北京オリンピックの開会式(閉会式も)にも言える。(ここからが今月の総括ね)

あんな開会式をする金があるなら、貧しい地方の人々にまわすべきだ、中国政府は体裁ばかり考えているという人がいる。

しかし、仮にあの開会式にかかったお金を地方の貧しい人に回したとして、そのときは潤うかもしれないが、はたしてそれが続くだろうか。

あの開会式は、中国はここまでできるようになった、と内外にアピールするためのものである。それによって、中国人が自信を持ち、外国から信用されるようになれば、直接貧しい人にお金を与えるよりもはるかに大きな効果があるだろう。目論見どおりにいくかどうかはわからないが。

その開会式・閉会式だが、張藝謀らしいすばらしい演出だったと思う。ただド派手なだけじゃなく、中国文化の表現がうまくなされていた。選手の足跡を絵にしちゃうなんてのは、ちょっと思いつかないだろう。

ところでHEROばりのワイヤーアクションで聖火台に火をつけたオッサンは、ロス五輪金メダリストの李寧さんというのだが、この人は中国のスポーツブランドLiNingの会長さん。共産主義中国では、国家的イベントでブルジョアが空を飛ぶようになったのである。

なんか全然総括になってないなー。
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北京オリンピックの閉会式を見ていたら、ボランティアの人が出ていて、「志願者」と書いてあった。ボランティアは中国語で志願者というらしい。

日本語でも、ボランティアなんて小賢しい外来語はやめて、志願者にするべきだ。

本来、ボランティアというのは「無償で何かする」ことでなく、「進んで何かする」ことである。大事なのは、金が出るかでないかではなく、率先してやるかやらないかの問題のはず。

だが、

A「この仕事、いくら出るの」
B「出ねぇよ」
A「じゃあ、ボランティアか」
B「そう、ボランティア。しょうがないんだよね、義理があってさ」

なんて会話を聞くと、どう考えても「嫌な仕事を無償でやる行為」の意味で使われているとしか思えない。

これじゃあ、本当にボランティア活動をしている人に対して失礼である。
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アオドウガネ最近、やたらとこの虫が部屋の中に入ってくる。部屋中をさんざっぱらブブブと飛び回って、休んだところで、とっ捕まえて外にほおり投げる。簡単に捕まるのだが、うるさくてかなわん。

この虫はカナブンで、別名ドウガネブイブイだと思っていた。これには根拠があって、カナブンというのは「金物(の光沢)」+「ブン(飛ぶ音のオノマトペ)」で、ドウガネブイブイも「ドウガネ(銅金の光沢)」+「ブイブイ(飛ぶ音のオノマトペ)」だからである。

ところが、ある場所で、カナブンとドウガネブイブイが別の標本にしてあったのを見て、カナブンとドウガネブイブイは別の虫だと知った。

カナブン:Wikipedia
ドウガネブイブイ:Wikipedia

さらに調べてみると、緑色のものは、ドウガネブイブイの親戚筋のアオドウガネだそうだ。

アオドウガネ:昆虫エクスプローラ

つまり、うちに飛んでくる緑色の虫は、カナブンではなく、ドウガネブイブイの近縁種、アオドウガネということである。

もうお分かりだと思うが、単にドウガネブイブイと書いてみたかっただけである。
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↓この記事が面白かったので、検証を検証してみる。
中国人は列を作って並ぶのか? 検証

<バス停留所>
ちゃんと並んでいた。バスがいちばん並ばないポイントであると聞いていたが、少なくとも北京市では並んでいることを確認できた。バスが到着すると少々列は乱れるが、割り込みする人はいなかった。

バス停では、急いだところで早く着くわけではない。こういうところでは、ちゃんと並ぶものだ。

これが例えば、早く乗らないと座れないとか、乗り切らないとなると、話は違ってくるのかもしれないが、そういう停留所でバス待ちをしたことがないのでなんともいえない。

<地下鉄のキップ売り場>
ちゃんと並んでいるほうだが、たまに割り込みをしてくる中国人がいた。しかも、なぜか割り込みをしてきた中国人に文句を言う中国人はいなかった。とはいえ、思っていたよりキチンと並んでいるほうだ。

そう、時々割り込みしてくる奴がいるね。文句言う人がいないのは、「しょうがねぇなあ、田舎モンが・・・」みたいな感じなんだと思う。僕は、こういうやつが前に来るとブロックすることにしている。ブロックできたときは爽快だ。

マクドナルド・吉野家

これ、店の並ばせ方によって違うらしい。ケンタッキーなんかでは、ちゃんとレーンを作ってあって、割り込みはできない。中国人と先陣争いをする勇気のないチキンな方はケンタッキーでチキンを食べよう。

<デパートの公衆トイレ>
堂々と割り込みしてくる。これは強く注意しないと、どんどん割り込みされて自分の番がまわってこないことになる。


皆あせってるからね。しょうがないよ。本気であせっている人には寛大だったりするので、もう少しで漏らしちゃうぐらいの勢いを出せば、譲ってくれるだろう。

中国人の割り込みは、最初はちょっとびっくりするけど、一緒に割り込むなり、ブロックするなりすればいいので、なれてくるとなんでもない。それでトラブルになることは僕の経験上ほとんどない。

割り込みの多い場所では、とにかく前に出ることと、急いでいることをアピールすること。逆にどう見ても急いでいる人には譲ってあげること。

並ばないからといって、やみくもに注意してはいけない。そういう人には並ぶという意識がないのだから、自分が先だから自分の後ろへいけというのは通じるが、並んでいるから一番後ろへいけというのは彼にしてみれば納得できないものだ。下手をするとトラブルになりかねないだろう。
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ここのところ、掲示板の書き込みエラー(500 Internal Server Error)が出てしまい書き込みづらくなっています。

あまりにひどいので、したらば掲示板を借りることにしました。

http://jbbs.livedoor.jp/study/9677/

もともと、あまり書き込みがないので、もっと簡単なのでいいかとも思ったのですが、自分の作業用でもあるので、同じ形式のものにしました。

これからもよろしくお願いします。
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北京オリンピックが始まった。

柔道を見ていて、ふと「アテネはどうだったんだっけ」と思った。柔道は結構好きなので、見ているはずだが、全然記憶がない。金が多かったらしいけど、どんな試合だったか、誰と対戦したのか全く記憶がないのだ。

で、やっと思い出した。前回のオリンピックは中国にいたのだ。

四年前、僕は友人の葛的先生(こことかここに登場)と河北省を自転車で走る旅をしていた。そのときがちょうどアテネオリンピックだったのだ。

中国のテレビは、とにかくチャンネル数が多い。数えたことがないが、数十チャンネルはあるだろう。なかでも一番多くチャンネルを持っているのが、CCTV(中国中央電見台)で、アナログで18ものチャンネルを持ち、それぞれ専門別の放送をしている。たとえば、スポーツチャンネル(CCTV-5)だったら延々スポーツばかり流しているのである。

だから、中国人は日本に来ると、テレビがつまらないのだという。たしかに言われてみると、日本のテレビは、別の局なのに同じ時間にニュースをやっていたり、ドラマをやっていたりする。ニュースなんか基本的に同じ内容なのだから、時間をずらせばよさそうなものだ。あれは何故なんだろう。

話を元にもどす。そのときはアテネオリンピックだったから、CCTVのスポーツチャンネルはオリンピック一色だった。

しかし、中国で見たオリンピックは日本で見るのとは全く違っていた。まず、中国の選手とからまないかぎり日本の選手なんかほとんど出てこない。フェンシングだの、射撃だの、日本ではあまり見ない種目をよくやっている反面、柔道だの野球だのは見られなかった。もちろん、一日中スポーツを流すチャンネルだから、柔道だってやっていたんだろうが、日本のように繰り返し放送したりしないので、見ることができなかった。

自分の国の選手が中心になるのは、頭で考えれば、あたりまえのことだが、実際に見てみると、同じオリンピックでもこんなに違って見えるのかと思った。メダル数第二位の中国で見てもこれなのだから、選手の少ない国なんかだと、やっていないも同然なのだろう。

外国で見たオリンピックは、少々退屈だったが、いい経験だった。僕は知らず知らずのうちに、日本で見るオリンピックが世界中で同じように放送されていると思い込んでいたのである。
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中国のネットユーザーの間で、ベトナム版西遊記が人気だという。この西遊記、孫悟空が子供だ。

中国のネットで、ベトナム版「西遊記」が人気:HEAVEN

かわいいぞ、チビ悟空。なぜか、一番アクションがうまいぞチビ悟空。でも、妖怪はショッカーみたいだし、へんなマイケルダンス踊ってるし(いつの作品だろう)、三蔵法師一行の特殊?メイクもしょぼくて味があるぞ。

これが中国人に人気なのは、コドモ孫悟空がかわいいとかだけでなく1984年のCCTV(中国中央電視台)版のパロディーにだからだろう。

三蔵法師一行の衣装はCCTV版にそっくりだし、チビ孫悟空が歌っている歌はCCTV版西遊記のエンディングテーマである。

CCTV版西遊記主題曲:Youtube

CCTV版西遊記は安っぽいセットと特殊撮影を役者でみごとに補った大作だが、ベトナム版は別の意味で補っている。

是非全編見てみたい・・・ってあるんだろうか。
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江戸東京博物館で開催されている北京故宮 書の名宝展に行ってきた。

聞いたところによると、かなり混んでいるとのことだったが、天気の悪い平日のせいか、かなりすいていた。おかげでゆっくり見られた。

故宮博物院というと、台湾の国立故宮博物院の方が有名だが、北京の故宮博物院もなかなかのお宝を持っている。今回の展覧会は、なにしろ、胡錦濤主席訪日の手土産の一つだから(あ、そういえばパンダはどうなったんだろう)故宮博物院のお宝中のお宝が来ている。ああ、すごい、すごい(榊莫山先生)。

一番の目玉は八柱第三本(神龍半印本)『蘭亭序』である。『蘭亭序』の本文は言うまでもないが、跋もすべて見られるようにしてあるのがすばらしい。

一番最後に万暦(明代)の跋があって、「原価五百五十金」って書いてあるけど、これ買った値段だろうか。高いんだか安いんだかわかんないけど、ああ、すごい、すごい。なんと、オマケにこれが収めてある袋(正式名称がわからん。筆箱みたいなやつだった)まで展示してある。これがなかなかよかった。

拓本が一つもないため、唐代はやや寂しいが、宋代以降、民国の呉昌碩まで、主要な作家がしっかり抑えられていて、中国書道史を概観できる。ああ、すごい、すごい。

特に黄庭堅の『草書書上座帖巻』は圧巻だった。これは、自跋が行書で書かれており、一粒で二度おいしい。ああ、すごい、すごい。

あくまで、「書」の名宝なので、絵画や篆刻は一つもない。一人一作品になっているので、聞いたこともない人の作品(僕が知らないだけかもしれないが)が出ている反面、メジャーな作家の作品でも一つしか出ていない。そこがなんとなく物足りない感じもするが、中国書道史のスケールの大きさを理解するには、こいうアプローチもアリだと思う。ああ、すごい、すごい。

書の名宝展は9月15日まで。
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8月4日のエントリで書いた、戸隠神社に行った前の日、ナウマン象でおなじみ野尻湖をグランマ号で散策した。

野尻湖は大小さまざまな船が浮かんでいる。特に多いのが釣り人の乗る船と、プレジャーボート、水上オートバイなど。おかげで、湖面に降りやすい。琵琶島という島がある。この島はボートか観光船を使わないと上陸できない。自分の舟で上陸するのは大変気分がよろしい。

野尻湖の琵琶島

琵琶島に上陸

琵琶島には宇賀神社という神社がある。というより、島自体が神社である。

宇賀神神社鳥居

狛犬は昭和タイプでたいしたものではないが、銅の龍がなかなか立派。

宇賀神社の龍

島を出て、適当に漕いでいると、なにやら他と雰囲気の違う岸辺を発見。水遊びに興じる少年少女たちがいる。しかし、何か違う。なんだか絵になるのだ。なぜだ。

野尻湖国際村の少年・少女

レンズをズームアップして見ると、ここで遊んでいる少年少女たちはすべて外国人(白人)だった。

後で分かったことだが、野尻湖は大正時代からの外国人の別荘地で、ここは国際村という。

山の方を見てみると、別荘が点々とある。
野尻湖国際村の別荘

こちらも野尻湖の他のペンションやら民宿やらと違って、絵になる。ヘルマン・ヘッセ『少年の日の思い出』に出てくる、湖畔の家ってこんな感じなのかなと思った。
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先月の終わりに戸隠神社に行ってきた。戸隠神社は、宝光社・火之御子社・中社・九頭龍社・奥社の五つからなり、火之御子社以外には狛犬がいた。なかなかいい狛犬だったので紹介しよう。

まず、宝光社の狛犬から。

戸隠神社宝光社の狛犬

それほど古いものではないだろうが、明らかに頭がでかくて、写真に撮るとパースがおかしくなる。顔をよく見ると、立派なキバも付いていてなかなか迫力のある狛犬だが、いかんせん胴体がナサケナイ。頭に比べて胴体が小さいだけでなく、造型もやや甘く見える。

こういう頭ばかり迫力がある狛犬というのはときおり見かける。頭から作って、胴体を彫るときには納期に間に合わなくなってしまったのだろうか。

逆光で頭をドアップにしたら、なんとなく夏らしい写真になった。そこで、これを今月の壁紙にする。

戸隠神社宝光社の狛犬 1024×768
戸隠神社宝光社の狛犬 1280×1024

次は中社。

戸隠神社中社の狛犬

手前の狛犬は、おそらく江戸時代のものだろう。非常に端正な狛犬である。後ろのは狛犬マニアには好かれない大量生産の昭和タイプ。こうして並べてみると、狛犬マニアでなくても、手前の狛犬には造形的な美しさがあるのが分かるだろう・・・って分かんないかな、やっぱり。

最後に奥社。

戸隠神社奥社の狛犬

狛犬マニアでない人には珍しく思われるかもしれないが、これは獅子山系といい、それほど珍しくはない。獅子山とは、石造の獅子が遊んでいる岩山のことで、この獅子は奥社の狛犬のように尻を上げているものが多い。

ちなみに、後ろに映っている社殿は奥社ではなく九頭龍社である。奥社は九頭龍社の向かって右側にある。
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