2008年09月

個人的になんだか忙しかったので、あっという間に過ぎてしまった感があるが、振り返ってみるとすごい月だった。

まず、月初めに福田首相の辞任。この人はなんだかんだいってずるずる続けるんだろうと思っていたから、びっくりした。

それにしても、安倍氏にしても福田氏にしても、なぜもっとうまく伏線を張らないんだろう。突然やめるのがかっこいいとでも思っているのだろうか。

そして、麻生氏の首相就任と、閣僚人事。自民党の茶番総裁選は全然国民の目をだませなかったようだが、二世議員が10人とは驚いた。と思ったら、中山成彬氏更迭でまた増えた。

二世議員が悪いというつもりはない。優秀な人も少なからずいるだろうし、二世だからできることも(よくわかんないけど)あるのだろう。そもそも、二世議員を当選させたのは国民である。二世議員を否定することは、民主主義を否定することになりかねない。

しかし、これほど二世ばかりになると、二世でないと議員になれないという印象を与える。これは、校長の娘にゲタをはかせた大分の教員採用試験問題も同じことである。

いろいろなところでこういうことが続けば、最初から議員になろうとか、教員になろうとは誰も思わなくなるだろう。

実際、自分がなりたいかどうかは別として、氏素性で職業が決まる国なんてのは希望がない国である。若者にやる気がないなんて、中山氏なら日教組のせいということになるんだろうが、こんな国では当然である。

その、中山成彬氏の発言。数少ない世襲でない大臣がコレだ。
ネットでは擁護している人もいるが、とんでもない話だ。これを擁護する人は、大臣が特定の組合をぶっ潰すと言ったことの重大さがわかっていない。

日教組がどうであろうと、合法の組織を為政者がぶっ潰すなんて、まともな国ではないし、それを支持するのはまともな人間ではない。

どうしてもぶっ潰したかったら、日教組を非合法にするか、憲法を変えればいいのである。それができれば、の話だが。

それから、一連のサブプライム問題。リーマンとかAIG。
これ実はたいへんなことなのだが、意外に自分に関係ないと思っている人が多い。

「金は天下の回り物」である。いまや、世界中を駆け巡っている。関係ないはずがない。

今年の9月はいろんな意味で暑かった。
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2004年夏、僕たち(二人組み)は北京から邯鄲までの自転車旅行を終え、鄭州から上海行き(邯鄲から鄭州までは電車)のバスに乗っていた。

当初、バスは空席が目立ち、こりゃあ楽だなと思っていたのだが、一時間ほど走って、ある工場の前に止まったときに、汗臭い労働者がうじゃうじゃと乗ってきて、満員になってしまった。

臭い、狭い、揺れると最悪のバスだった。幸い車酔いはしなかったが、18時間後(たしかそれぐらい)に上海に着いたときは、二人とも顔色が土気色だった。

途中、高速道路が工事中で、真夜中に一般道へ下ろされてしまった。その料金所で、恐ろしいものを見た。それがこれ。↓ちょっとアレ(虫ぎらいは見ないほうがいいかも)なんで、続きは隠しておく。
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外山恒一氏と中山成彬氏はよく似た主張をしていることに気づいた。国家転覆である。

政見放送で「もはや国家転覆しかぬぁーい」と言った外山氏はいうまでもない。中山氏はなにが国家転覆かというと、「何とか日教組を解体しなければいかんと思っている。小泉さん流に言えば「日教組をぶっこわす」。この運動の先頭に立つ思いでいる。」と言っているからだ。自分の組織をぶっこわすのと、人の組織をぶっこわす違いからして、彼には理解できないらしい。

中山国交相:「日教組ぶっこわす」宮崎での発言要旨:毎日jp

それだけでなく、これは、日本国憲法で保障されている、集会結社の自由に反している。彼が一般人なら、この発言はヤクザの抗争みたいなもんで問題ないが、大臣が言ったことだから、憲法違反になるのである。

憲法に違反することを主張するなら、これは国家転覆を目論んでいると考えて差し支えない。

政治家になるための政見放送で国家転覆を主張した外山氏と、大臣でありながら国家転覆を主張する中山氏は方法論もよく似ている。しかし、決定的な違いがある。

外山氏は、どのように国家転覆するとか、どうなったら転覆だとは言っていない。ただ「国家転覆しかぬぁーい」と言っているだけである。これは、彼が芸術として国家転覆を唱えているからである。

実際、彼はこれで国家転覆ができるとは考えていない。だから、「私が当選したら、奴らはビビる!!私もビビる!!」なのである。

対して中山氏は、大臣・政治家という権力を使って、日教組をぶっこわす(つまり、結社の自由をぶっこわす)と言っている。

おそらく本人は国家転覆のつもりはないだろう。ないどころか、それが国家のためになると信じ込んでいるようだ。だが、権力によって憲法が破られたら、それは国家転覆だ。

まとめると、外山氏は国家転覆を唱えながら、実際にそうできるとは思っていない。中山氏は逆に国家転覆を唱えているつもりはないが、実際にそうできる(日教組をぶっこわせる)と思っている。同じ山でも外と中では大違い。

分かっていてやっているヤツより、分かっていないでやっているヤツ(分かりやすく言えばバカ)の方がタチが悪い。日本はそんなヤツ(分かりやすく言えばバカ)が大臣になる国なのだ。
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9月18日のエントリでちょっとだけ触れた訳注というのは『宇治拾遺物語』のことである。で、そのパイロット版みたいなものを作ろうと、比較的短い第4話「伴大納言の事」を書いている。

第4話は、伴大納言が西大寺と東大寺をまたぐ夢を見て、そのことを妻に話してしまったため、夢のとおり出世したものの、罪をかぶってしまうという話。夢といえば、西郷信綱氏の『古代人と夢』なので、何か書いてなかったかなと、本を探していたら、このニュース。

西郷信綱さん死去=国文学者で文化功労者

西郷信綱氏は、とにかく広い視野で豪快に国文学を論じる人である。それでいて、文章は読みやすい。広くて、深くて、分かりやすい、こういう学者は国文学では貴重である。

僕も気がついたら、ずいぶんたくさんの著書を持っていた。さっと本棚を見渡しただけで『神話と国家』『古代人と死』(以上、平凡社新書)、『古典の影―批評と学問の切点』(未来社)、『古代の声』(朝日選書)『梁塵秘抄』(ちくま学芸文庫)と、5冊もある。アレ・・・『古代人と夢』は・・・見つからねぇ・・・

それはともかく、ご冥福をお祈りします。
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明治の写真flickerにokinawasobaさんなる人物が、明治ごろの写真をたくさんUpしている。当時の日本人が仕事をしている場面というのが面白い。

AT WORK in OLD JAPAN

これらは、外国人のお土産用として作られていたらしい。

横浜写真:明治大正

明治の写真というと、写真館で撮ったようなものか、風景や芸者をモデルにした絵葉書みたいなものばかりだと思っていた。

多くはスタジオで撮られたようだが、明治ごろの庶民の表情が生き生きと撮られていて、当時の人々がどういう生活をしていたかがよく分かって興味深い。

同じ人が運営している(らしい)T-Enami.orgもオススメ。江波信國という明治の写真家をテーマにしたサイトである。

それにしても、この江波信國という人、ググッても、日本語の資料が全然でてこない(英語版にはある。T._Enami:wikipedia)。そうとうな写真家だと思うのだが・・・。
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文化祭シーズンである。

自分が高校生のときから不思議でしょうがなかったのだが、なぜ高校の文化祭は喫茶店だの焼きそば屋だの、食い物屋ばかりやりたがるんだろう。

もちろん、農業高校の生徒が自分たちで作った野菜を料理するとか、料理部だとか、国際交流部(?)でエスニックとか、それなりに理由があるなら分かる。

大学の学園祭なんかだと、部活動の資金集めなんていう事情もあるだろう。これもまあヨコシマな理由ではあるが、分からないではない。

普通科の高校で、理由もなく食い物屋をやりたがる心理が理解できない。実際食べてみると、うまくもないし、まずくもない。たいがいが既成の食品を簡単に調理して出しているだけだからである。ひどい時は、ペットボトルのお茶を出して喫茶店を名乗っていたりするから、ますますわけがわからない。

たぶん、みんなでわいわい何かやるのが楽しいのだろう。それは分からないでもないが、十年一日どころか三十年一日のごとく食い物屋だと、ほかにアイディアはないのかなと思ってしまうのである。
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7月9日のエントリで試してみた顔認証タバコ自販機だが、どうもこいつが怪しい。

ここで、試してみた平和島駅前の自販機では、このあとも何度かタバコを買ったのだが、一度も免許証を求められることがなく、顔だけで買えている。

ところが、他の場所では、顔だけで買えたことがない。必ず、免許証の挿入を求められるのである。

これはもしかしたら、顔で年齢を判断しているのではなく、単に免許証の写真と同じ顔で20歳以上なら買えるだけなのではないだろうか。

想像できるからくりはこうだ。

最初の購入では、顔だけでは判断できなかったとして、免許証の挿入を求める。免許証を挿入すると、顔と照合して、顔が免許証と同じで20歳以上ならば買えるようにする。

二回目以降、自動販売機は免許証のデータを保持していて、それと照合する。保持している免許証のデータと合えば、買えるようにする。つまり、顔で年齢を判断しているのではなく、免許証で判断しているのである。技術的なことはよく分からないが、少なくとも、顔だけで年齢確認するよりは簡単だろう。

実はこのことに気づいたのは、平和島駅前の自販機に「初めて買う人はほとんどの場合免許証が求められますので、購入前にご用意ください」という貼り紙がしてあったからだ。つまり、初回の購入では、顔だけで買える人はほとんど(全く?)いないということである。

顔だけで年齢確認できないなら、最初からそう書いてあれば何の問題もない。だが、この販売機の説明には、いかにも顔だけで判断できそうに書いてある。

どちらにしても、自発的に免許証を挿入しているのだから、いまさら個人情報がどうのと言う気はないが、もし、僕の考えたとおりだとすると、騙して免許証の情報を集めているんじゃないかと勘ぐりたくなる。

なにしろ、この自動販売機では、顔・本籍・住所・氏名・年齢・運転できる車種・運転歴・事故、違反歴(免許の色で分かる)、好きなタバコの銘柄などの情報を収集することができるのである。
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著作権保護期間延長問題が見送りになった。

著作権保護期間、延長見送りへ 「十分な合意得られず」
 文化庁が当初想定していた以上に、延長反対の運動が活発化したという事情がある。反対派は、保護期間が延びると古い作品が社会の公有物になるのが遅れ、インターネットでの流通が先延ばしになるなど作品を利用しにくくなる問題を指摘。また、著作権を保護する目的の一つとされる創作意欲の刺激についても、保護期間の延長による効果はないと主張していた。


正直いって、なし崩し的に延長されるだろうと思っていたので、ちょっと驚いた。インターネットでの反対運動もさることながら、相手がよかったということだろうか。

三田センセー、さぞかしがっくりきてることだろう。だが、どっちにしても、三田センセーの本が死後70年間も出版されつづけるとは思えないので、気を落とすことないよ。

それどころか、死後50年後に青空文庫あたりにUPされれば、もっとたくさんの人に読まれるんだから、よかったじゃないか。そのころ忘れられてなければ、の話だけど。
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今年、僕の仕事は書道が多く、週12時間。8時間が国語だが、どういうわけか、今年は古典が一つもなく、全部現代文と国語表現だ。

古典が専門なのに、古典を一切やらないのは寂しいものだ。もっとも去年は古典ばっかりだったのに、「古典、めんどくせえー」とかいっていたのだから勝手なものである。

そんなわけで、この鬱憤(というほどのものでもないが)を晴らすため、Web上で注釈(というか訳注)でもやってみようと思った。

まず、形式を決める。本文、現代語訳、注釈、鑑賞と講談社学術文庫みたいな感じにして、本文と注釈はページ内でのリンクにする。とりあえず、ダミーの文章を入れてCSSをつくってみた。

これは当然、横書きだが、これでは読みにくい人もいるだろうと思い、縦書きのものも作ってみた。縦書きはIEしか対応していないので、あまり使いたくないのだが、横書きをデフォルトにして、選択できるようにすればいいだろう。

しかし、問題発覚。縦書きページはページ内リンクの挙動がよろしくない。

どういうことかというと、横書きの場合、ページ内へのリンクをクリックすると、その部分が一番上にくる。つまり、リンク先から下の文章が見えることになる。普通、リンク先を含めた下の文章を読ませたいのだから、当然の挙動である。

ところが縦書きだと、どういうわけか一番左にくる。これだと、リンク先の一行しか読めず、リンク先から下の文章はその左に隠れているのでスクロールしないと読めない。リンク先の前の文章を読ませるケースというのがあるんだろうか。

なんでこんな仕様なのか、さっぱりわからないけど、これじゃあ使えないな、ということで断念。

え、訳注ですか?それはつまり・・・。
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すでにモノクロのレーザープリンタ(これもブラザー製)を持っているのだが、どうしてもカラーで印刷する必要が生じたので、ブラザーの複合機MyMio DCP-750CNを買った。amazonで10,933円也。ちーん。

僕がこれを選んだ一番の理由は、無線LANで接続できることだ。引っ越したときにパソコンを入れる部屋がモジュラージャックからどうやってもケーブルが引けないので、無線ルーターを導入したのだ。

パソコンがある部屋には、すでにレーザープリンタが鎮座ましましている。これなら、違う部屋に置けるし、面倒なLANケーブルの取り回しもいらない。

それにしても、一万円ちょっとで、無線LANに対応した、カラープリンタとスキャナ(複合機だから)が手にはいるとはいい時代になったものだ。もちろん、デジカメから直接印刷できるPictbridgeにも対応しているし(使わないけど)、メモリーカードもたいがいのものに対応している。

使い始めて一ヶ月経つが、いまのところ問題なし。写真印刷なんかは、まあこんなものかという程度だが、使い勝手もよく満足している。

そんなわけで、今まで頑固にモノクロの年賀状を出していたけど、来年はカラーになるかもよ。
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