2009年01月

昨日のエントリのサルミアッキだが、女子高生に食べさせてみた。

って書くとなにやらイヤラシイ感じになるが、僕はある高校で国語表現を教えているので、「サルミアッキを食べて、まずさを言葉で表現しよう!」というれっきとした授業なのだ。この高校、商業高校なので、女子が多いのである。

国語表現の授業は3・4時間目と5・6時間目(二時間連続授業)。全員に食べさせたのではなく、ディベートと百人一首の合計得点で負けたチーム5人に食べさせた。

チームはどちらもサル・ブタ・ネコ・ウシの4チームで、不思議とどちらのクラスでも負けチームはおサルさんチームだった。チーム作りをしたときは、サルミアッキのことなど知らなかったのだが、どうやら最初からそういう運命だったらしい。サルミアッキだけに。

まず、3・4時間目。

「うえええええええーーーー、やばい、やばい、やばい、やばい、やばい、」
「まずい!何これ」

ハイ、そんなんじゃ伝わりません。一年間何を勉強してきたのですか。ちゃんと味を言葉で伝えなさい。

「ぬめぬめしてる。きもちわるい」

食感ね。たしかにそんな感じ。でも、ぬめぬめしているのは舐めたからだと思うぞ。

「甘くない黒糖みたいで少しすっぱい。」

どんな黒糖だよ。
この「甘くない黒糖」って説は、僕にはぜんぜん理解できないんだけど、生徒の間では共感を得ていた。

「味覚を錯覚させる。なんかあれみたいな。」

「なんかあれ」って・・・わけわからん。

「ネコのトイレのにおい」

これはわかる。塩化アンモニウムのにおいだ。うまいこというなー。

5・6時間目。
口に入れるやいなや全員「うえええええええええ」。いいリアクションありがとう。


「飴とグミの間見たいな感じで、タイヤとゴムと雑巾を混ぜたような・・・」

タイヤとか雑巾食ったことあるのかよ。

「トリハダが立つ。食欲がなくなる」

それ味じゃないよ。

「しょうゆ。何かにパンチされたような」

何にだ。

「吐き出したい。死んじゃう」

死なないよ。味じゃないし。でも、こいつこんなこといいながら最後まで食べてた。

「くさい。ゴムみたい」

ゴムのにおいじゃないのだが、何のにおいか表現できなかったようだ。

3・4時間目の生徒は、おサルさんチーム以外誰も食べたいといわなかったのだが、5・6時間目の生徒はクラスのほとんどが食べたいと言ったのが面白かった。で、食べた反応は

「うえええええええええ」

そんなにまずいかな。

ついでに、なぜか僕の授業を見たいと言ってたまたま教室にいた先生(妙齢の女性二人)に食べさせてみた。○○先生(国語科)、どうぞ。

「うええええ、すみません、私の実力ではこの味は表現できません」

おいコラ。国語の先生がそれでいいのか。

とりあえず、女性はサルミアッキを食べると「うえええええええ」という声がでるらしいことだけはわかった。
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妹がフィンランド土産にサルミアッキなる飴を買ってきた。なんでも世界一マズい飴らしい。袋はこんな感じ。
サルミアッキ(袋)
フィンランドの国旗が描かれているが、フィンランド人のソウルフードで、飴ばかりでなく、酒だのドリンクだのいろんなものがあるらしい。で、中身はこれ。まっくろけ。
サルミアッキ(中身)
食べてみたが、やはり世界一まずいというだけあってまずい。まずいのは間違いないのだが、これが形容しがたいまずさである。

まずいといっても、ものすごく苦いとか、ものすごく辛いとか、そういう「ものすごい」ものがない。

食感はちょっと固めのグミキャンディーである。これはまあいい。

味は、何に似ているといいがたい。初めて食べる味だ。しいて言うと昆布飴に近いだろうか。これは色と食感によるものかもしれないが。

口に入れて、最初は塩味を感じる。ただし、「塩」とは言い切れない微妙な塩味で、成分表示には「水」まで書いてあるのに「塩」はない。

甘みもある。だが、砂糖の甘みではない。成分表示を調べてみると(英語で書いてあった)漢方薬などに使われる甘草(カンゾウ)らしい。いわれてみると、甘草である。甘草の甘さが苦手な人も多いのだが、僕はそれほど嫌いではない。だが、これがこの微妙な塩味と混ざると、なんともいえない珍妙な味になる。

少しだが、妙な香りもする。これも調べてみたのだが、この塩味と香りは塩化アンモニウムによるものらしい。

なんとも珍妙な味のするキャンディーだが、フィンランドでは子供でも食べているものだそうだ。

実は、この原稿を書くために、三個ほど食べたのだが、だんだんなれてきた自分が怖い。
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中世日本の予言書―“未来記”を読む (岩波新書)を読んだ。

『未来記』とか『野馬台詩』とかいう作品名?は、中世の文献なんかを読んでいるとよく目にする。「聖徳太子未来記にこうあった」とか。

でもそんなものは現存しないので、僕のようなボンクラは「どうせデッチアゲのインチキだろう」ぐらいにしか思わないので、問題にしようとさえ思わなかった。

しかし、考えてみると予言書がデッチアゲのインチキであるのは間違いないが、インチキであるからこそ価値がある。小峯氏はそれを「歴史叙述」として捉え、現代にまで通じているものであるとする。

もちろん、それらの予言書がどのように発生し、なぜ聖徳太子や宝誌和尚に仮託されたか、どのように読まれたかということも書かれており、それはそれで興味深いのだが、大事なのはこの<予言書の本質>だろう。

本書の最終章を「生きている未来記」とし、近世・近代の未来記というテーマで終わっていることから、筆者が<予言書の本質>にこだわっていることがうかがえる。

歴史っていうと、正史だの、日記だの、史実がどうだったかばかりが重視されるが、本来は現在・未来のためのものである。そう考えると、デッチアゲのインチキだと思っていた未来記みたいのものだが、決して価値のないものではないと分かった。

というわけでストロングバイ。
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派遣切りって言っても3Kには行かないの? 選んでる余裕あるの?:Ken's USA-Japan あっとらんだむ

このエントリそのものは、かなりアレなんだけど、同じような疑問を持っている人もいると思うので、非正規雇用歴18年の僕が答えよう。

まず、エントリの題名にもある「選んでる余裕あるの?」だが、あるから選んでいるのである。そして、余裕があるうちが花なのだ。

明治以来、日本人は本当の貧困を知らないと、山本夏彦が書いているのを読んだことがある。こういういかにも知ったような意見を開陳する輩がでてくると、本当にそうなんだなと思う。

仕事を選ぶ余裕がなくなり、食うに困ったとき(もちろん今でも一部そういう人はいるが)が本当の貧困なのだ。食うに困った人は、犯罪に走るか、物乞いをするしかなくなる。そうなっては遅い。

この人は特殊な思想を持っている人のようだから、日本人はどんなに貧しくてもそんなことはしないとでも思っているのかもしれない。そんなわけがない。そんなファンタジーを信じているのは、今の貧困と本当の貧困の区別がついていないのである。

派遣切りにあった非正規労働者が仕事を選ぶ理由だが、これは非正規雇用と正規雇用の格差が分かれば十分に理解できる。僕の仕事は、はっきりいって非正規雇用にしては収入がいい方だが、社会的な保障となると、なぜこんなに違うのだろうと思う。

年金や健康保険のこと。退職金がでないこと。銀行から金が借りられないこと。収入が安定しないこと。ほかにも細かいことがたくさんあるが、あまりに理不尽な差が大きすぎる。

非正規雇用にしては収入のいい僕でさえ、これだけのデメリット(これだけじゃないけど)がある。まして、賃金が安く、待遇が悪い非正規労働者はどうだろうか。住居一つとっても、仕事がなくなって、寮を追い出されたときに、次の家を探して引っ越しする費用があまりにも高すぎる。

こういうデメリットを考えてみると、少しでも待遇のいい会社に、少しでも長く勤めたいと思うのは当然である。そして、今はまだそこまで考える余裕があるということだ。

このブログの著者は、仕事を選ぶ非正規雇用者たちを「甘え」と捕らえているが、「甘え」ているのは正規雇用の人たちの方だ。制度に甘え、会社に甘えて、彼らは本当の貧困の恐ろしさを知らない。

本当の貧困はすぐ近くまで来ている。それを追い返すか、受け入れるかは、非正規雇用の人たちに対する、正規雇用の人たちの理解にかかっていると思う。
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しばらくのご無沙汰でした(エントリは書いていたけど)。注釈講座って何だ?って方は、カテゴリ注釈講座をどうぞ。忘れられていそうなので。

いよいよ語釈に入ります。語釈とは、本文の言葉に注釈をつけることです。それではどの言葉につければいいのでしょうか。

これには、特に決まりがあるわけではありません、原則的に本文の読みに影響を与えるものには付けなければなりません。

その点で付けるべき語は、次の四つになるでしょう。

1.固有名詞(人名・地名など)
2.解釈・説の分かれる語
3.難解な語
4.校訂の際に底本に問題のあった語

語釈は先行の注釈書があれば、それを参照して、どこにどんな注がつけられているか見ておくと、問題点が明らかになります。

注釈をする場合に使用するものは、

1.他の注釈書
2.工具書(辞書など)
3.一次資料

です。調べる順番も1から順に調べます。もし、その語について書かれた論文があれば、それも参照する必要があります。

ここで大事なことは、先行の注釈書にしても、辞書・辞典などにしても、一つの文献で意味だけを調べて、そのままうのみにしないということです。

たとえば、大学の授業などでは、まず『日本国語大辞典(小学館)』に当たれなどと教わります。『日本国語大辞典』は現代語・古語のみならず方言まで収録した、現在最大の収録語彙をほこる国語辞典ですから、これにあたるのは基本中の基本です。

しかし『日本国語大辞典』が権威ある辞書で、そこに書いてある意味が絶対的に正しいという意味ではありません。単に最も沢山の語彙を載せている辞書だから、とりあえず最初にそれを引けという意味です。

古語の意味は、何らかの本文に現れる言葉から帰納的に意味が解釈されたものです。逆に言うと、古典の作者が辞典を読んで書いたのではありません。ですから、どの辞典だから絶対的に正しいというものは存在ないのです(これは現代語でも同じですが)。

辞書によって書かれている言葉の意味が違うこともしばしばあります。たとえば『日本国語大辞典』に書かれている意味と『旺文社古語辞典』に書かれている言葉の意味がちがったとしても、『日本国語大辞典』の方が正しいということにはなりません。

辞書で重要なのは、意味よりも用例です。辞書を使うのがうまい人ほど、そういうレファレンス的な使い方をします。

解釈のために辞書を引くときには、そこに書いてある意味だけではなく、用例も読んで、なぜそういう意味になるか理解しなければなりません。できるならば複数の辞書を引いて、解釈の違いを調べるべきでしょう。もちろん、どの辞書を引いても同じ解釈・用例しかない場合もあります。

逆に言えば、探している語彙が載っていて、しっかりした用例があれば、辞書に関しては、どんな辞書でもかまわないということになります。
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こんなの迷信に決まっているのに一向に衰える気配がないのが、血液型占い(性格判断)。こんなドラマをやるらしい。

血液型別「結婚する方法」4夜連続ドラマ!:サンケイスポーツ

僕は以前から、この血液型による性格判断というのが嫌いだ。疑似科学だとか、差別につながるとか、もちろんそれも理由の一つだが、それ以上にあまりにくだならいと思うからだ。

上の記事から引用してみよう。
各ヒロインの性格や行動などを血液型の特徴を強調する形で設定。例えばA型→安定志向、B型→好奇心旺盛、O型→おおらか、AB型→マイペース…など。ヒロインの名前は「春川幸恵」で4夜共通だが、性格や職業はまるで違ってくる。

まず「A型→安定志向」ってのが気に食わない。なんか「A」って、下が広がっていて梁(はり)までついていて、いかにも安定してそうじゃないか。ああ、くだらない。

B型はよくわからんが「O型→おおらか」にいたってはダジャレである。「オー型だけにオーらか」ってかぁ!酔っ払ったオッサンか。くだらねぇ。

「AB型→マイペース」ってのは、言葉を換えていえば「変わり者」ってことだ。なるほど、他のはアルファベット一文字なのに、これだけ二文字で変わってんなぁ。マイペースだなぁー。くだらねぇ。

もう・・・なんかね・・・科学的云々以前に、こういうのがたまらなくイヤなんだよ。これが、「A型→おおらか」とか「AB型→安定志向」とかだったら、まあ少しは(本当に少しだけど)信じてやる気にもなるだろうに。

僕は蚊に刺されやすいO型。ただそれだけ。
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笠間書院が、RSSリンク集をブログで取り上げてくれたので、気をよくしてさらに便利にしてみた。

どこが便利になったかって言うと、RSSリーダーに登録するときに、国文関係の雑誌と中国学関係の雑誌を一気に登録できるようにした。

やり方は、

1.国立国会図書館雑誌検索RSSリンク集を開く。

2.国文学系雑誌・中国学系雑誌のリンクを右クリックし、適当な場所(デスクトップとか)にファイルを保存する。ファイル名はそのまま。国文学だったらkokubun.xml、中国学だったらchugoku.xmlが保存されるはず。

3.自分のRSSリーダーのインポート機能を使ってインポートする。

これで、それぞれのRSSフィードが一気に登録できる。

このファイルをOPMLといい、仕様を調べながら作成したのだが、完成してから分かった。

自分のリーダーからエクスポートすれば楽ちん!

作ってから気づいても手遅れである。
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心のともしび運動代表、ジェームス・ハヤットさん死去:asahi.com

クリスチャンでなくとも、僕のように不規則な生活を送っている人は、一度は聞いたことがあるであろうラジオ番組「心のともしび」のジェームス・ハヤット神父が亡くなられたそうだ。

正直、キリスト教にまったく関心のない僕は、話の内容なんてさっぱり覚えていないし、理解できないが(たぶん信者向きなのだろう)、つねづね「暗いと不平を言うよりもすすんであかりをつけましょう」というスローガンはいい言葉だなあと思っていた。

不平ばっかり言って、何もしない奴多いからね。暗いとか言っているくせに、人がつけたあかりを消そうとする奴もいるし。

最近、不況やらなにやらで、先が見えにくくなっているけど、案外こんなところに突破口があるんじゃないかと思う。

ともかく、ハヤット神父の御冥福をお祈りします・・・でいいのかな、この場合。
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今月の壁紙は、先月行ったハワイ旅行(しつこいようだけどハワイ島ね)のものになるんだけど、なにしろ常夏の島ハワイだからシーズン的にどうかなってのが多くて悩んだ。

というわけで、まずは一枚目から。マウナケア山の頂上。三つ並んでいる建物の一番左が日本のすばる望遠鏡。

ここは、標高4200メートルのマウナケア山の山頂にある。むちゃくちゃ寒い。富士山より標高が高いのに、車で行ける上に、ふもとの人口が少ないので天体観測には最適な場所らしい。

しかしここはハワイ原住民の聖地で、天文台を建てることには、原住民にとって抵抗があるらしい。

すばる望遠鏡(1024x768)

すばる望遠鏡(1280x1024)
すばる望遠鏡(1024x768)

続いて、コナにあったレストラン。ホテル・カリフォルニア風に撮ってみた。

ホテルカリフォルニア風(1024x768)

ホテルカリフォルニア風(1280x1024)
ホテルカリフォルニア風(1024x768)

ここは現在ショッピングモールとレストランになっているが、昔は本当にホテルだったそうだ。

そのほかの写真は↓から。でも、まだちゃんとキャプションつけてないっす。
ハワイ島
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内定取り消しの学生に卒業延期認める、神奈川大学:asahi.com
大学によると、対象は卒業要件を満たし、内定取り消しなどで就職が困難になった学生。期間は半年か1年で、一時的な措置という。納付金は年間10万円。今後、対象の学生が増える可能性もあるという。

僕が大学を卒業したのはもう20年近く前のことだし、まともに就職活動をしていないから、その点で世間知らずといわれるのはしょうがないが、この記事わけがわからん。

つまり、新卒でなければ就職が難しいから、内定取り消しされた学生の卒業を延期して、むりくり新卒にしようっていうわけか。

学生にしてみれば、「新卒」というブランドがもらえ、留年ではないから履歴にキズがつかない。大学としては、なにもしなくても年間10万円の学費がもうかる。こりゃあ新しい商売だ・・・ってことらしい。

しかし、そこまでせずとも、大学の就職課が卒業後も面倒をみれば済む話ではないのだろうか。それにしても「新卒」というブランドがそんなに価値のあるものだとは知らなかった。くだらねぇ。
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