2009年02月

2月って今日で終わりだったか。2月って短いねぇ。びっくりした。

よく考えたら、今月の壁紙忘れてた。いや、実は忘れてたんじゃなくって、写真を撮りにいけなかったのだ。

本当は、どこかで梅の花の写真でも撮ろうと思っていたのだが、2月の半ばごろから、毎年恒例の花粉症の症状がでてきて、用もなく外に出る気がしないのだ。

2月13日に神保町に行ったことが書いてあるが、たしかこのときはまだ発症していなくて、次の日あたりから鼻やら目やらにきだしたと記憶している。

花粉症ってのは、なっていない人には全く理解できない病気らしい。かくいう僕も、花粉症になる前は全然わからなかった。

とにかく、鼻の中やら目玉やらで、ものすごく小さい小動物が暴れている感じである。もちろん四六時中そうというわけではなくって、花粉の無い場所に行くと、ウソみたいに治る。

といっても、自分の家の中でも、花粉が無い場所というのはほとんどない。せいぜい風呂場ぐらいなものだろう。たまに、そういう場所があっても、何かの拍子に花粉を吸い込んでしまえば、とたんに小動物来襲である。

特にひどいのが寝起きである。密閉した寝ているのだから、ほとんど花粉なんか来ないと思うのだが、どういうわけか寝起きが一番ひどい。

この時期、花粉症の人が分泌(?)する鼻水の量は相当のものだろう。ぜんぶ集めて、杉林にひっかけてやりたい気分である。

例によって、何が総括だか分かんないけど、花粉症ってのはそれだけ重大な事件だということである。
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2月13日のエントリで、三歳児レベルの中国語教科書を教えてくれと書いたのだが、誰も教えてくれないので、自分で探すことにした。

しかし、本はあまりに数が多いので、まずはネット上で探してみた。すると灯台下暗し、ときどき読んでいるCRI(中国国際放送局)に中国語教室なるものがあるじゃないか。

この基礎中国語がおそろしく至れり尽くせり。なにしろ基礎なので、ニイハオから始まっているのだが、ここまで充実しているのは、有料のものでもちょっとないんじゃないだろうか。

まず、どう見てもセンスがアレなフラッシュ。絵といい、効果音といい、なかなかいい味をだしてますな。

それから、新しい単語。その名のとおり、その課での新出単語なのだが、もちろん音声付。読み込みがよろしくないときは、一旦最後まで見てから戻るとちゃんとしゃべってくれる。

しかも、この「新しい単語」ちょっとした仕掛けがしてあって、漢字の上にマウスカーソルをおくと、書き順を教えてくれる。日本人なら、たいがいはわかっているが、簡体字だと書き順のよく分からん字もあったりするので、これは便利。

要点解説は、文法的な解説をしてくれる。ちょっと寂しい気もするが、3歳児にはこれぐらいの方がいい。これもなぜか音声付。ほとんど日本語なのに。

文章のシャドーイングでは、フラッシュと同じ文章が、漢字とピンインで載っており、音声でも聴ける。この音声が、早いバージョンとゆっくりのバージョンがあって懇切丁寧だ。

練習と実践は練習問題で最後は採点もしてくれる。だが、これちょっと3歳児にも易しすぎる。「すごいですね」と褒めてくれるのはいいのだが・・・。

中国文化のいろいろでは、課に関連した中国文化、たとえば第1課では挨拶の習慣などを説明している。これがなかなか面白い。

これだけあって、無料とは素晴らしい。もちろん中・上級者用もある。NHKは日本語教室でこういうのやってるのだろうか。やってたら、逆に視聴者に怒られそうな気もするが・・・。
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現代文の授業で太宰治「富嶽百景」を読んでいる。

以前からひっかかっていたのが、冒頭のこの部分。

富士の頂角、広重の富士は八十五度、文晁の富士も八十四度くらい、けれども、陸軍の実測図によって東西および南北に断面図を作ってみると、東西縦断は頂角、百二十四度となり、南北は百十七度である。広重、文晁に限らず、たいていの絵の富士は、鋭角である。頂が、細く、高く、きゃしゃである。北斎に至っては、その頂角、ほとんど三十度くらい、エッフェル鉄塔のような富士をさえ描いている。けれども、実際の富士は、鈍角も鈍角、のろくさと広がり、東西、百二十四度、南北は百十七度、決して、秀抜の、すらと高い山ではない。


やたらと細かい数字が出ていて、違和感がある。そうは思っていたけれど、別に解釈に影響を与える部分ではないので、今まで調べたことはなかった。

よもや太宰が分度器で計ったのではないだろうとは思っていたが、やはり出典があった。もちろん、僕が発見したのではなく、指導書に書いてあったのである。この出典、太宰の専門家にとっては常識らしい。

試に画家の筆に成る富士山を吟味するに、其頂角が実際を表はすものは殆んどない、凡て鋭に過ぐるのである。例へば広重の富士は八十五度位、文晁のは八十四度位で、秋里籠島の名所図会中の図は各地の画家のスケツチに依るものであるが何れも八十四、五度で、大概の図は此の位に角度に描かるるのである。けれども陸軍の実測図により東西及南北に断面図を作つて見ると、東西縦断は頂角が百廿四度となり、南北は百十七度である。故に南又は北から見るときは東又は西から見るときよりは幾分鈍であるべきで、之を平均するときは百廿度卅分で、八面から撮つた写真の頂角を測ると丁度此の角度を示す。
(石原初太郎『富士山の自然界』大正14年・宝文閣)


ほとんどパクリといっていいほど似ている。しかし、それよりも面白いのは、この『富士山の自然界』の著者「石原初太郎」なる人物である。この人、『富嶽百景』で見合いの相手である石原美智子、つまり太宰の奥さんの父親なのである。

いかに、自分の義父とはいえ、ずいぶんと図々しいことである。なにしろベストセラーの『斜陽』では、愛人の日記を小説にしたぐらいだから、こんなのなんともないのだろうなと思って、もう少し調べてみたら、なんと石原初太郎氏、太宰と美智子が結婚した時にはすでに亡くなっていたらしい。

指導書によると「これに対して「太宰」は、「おやじなら文句は言えまい」と言ったという。」とあるが、おやじ以前に死んじゃってたら文句は言えない。

もっとも、石原初太郎が生きていれば、太宰との結婚なんて許さなかっただろうから『富嶽百景』もずいぶん違うものになっただろう。
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ハワイ旅行で行った、マウナケア山のオニツカビジターセンター(天文台見学者の情報ステーション、兼みやげ物屋)で買った宇宙食を試してみた。

外見はこれ。このエイリアン印以外にも宇宙飛行士印のがある。フリーズドライなので一つ21グラムとやたらと軽い。

宇宙アイス(袋)

袋を開けてみる。御丁寧に、もう一つ袋に入ってる。その中から御本尊登場。袋の大きさに比べてやたらと小さい。

宇宙アイス(中身)

もとからこの形なのではなく、持って帰ってくるときに割れてしまったようだ。見れば分かると思うが、チョコレート味・バニラ味・ストロベリー味、三つの味が楽しめる。ナポリタンアイスクリームというそうだ。

最初の食感は柔らかめの落雁みたいな感じ。なかなかうまい。すぐに口の中で溶けて、とろっとしたアイスクリームそのものの食感になる。味は間違いなくアイスクリームの味だが、もちろん食べた瞬間に冷たくなるなんてことはない。

それにしても、冷たくないアイスクリームなんて、単なるクリームなんじゃないかとか、宇宙に行ってまで食べたいほど、アメリカ人はアイスクリーム好きなのかとか、いろいろ疑問が残る一品である。

ところで、このオニツカビジターセンターには、他にもいろいろマヌケなみやげ物が売っていて、中でも一番姑息なのがこれ。

姑息菓子

スペースデブリ(という名前のただのマーブルチョコレート)と、アストロロケット(という名前のただのジェリービーンズ)。

ほかにもスペースワーム(という名前のただのイモムシ型グミ)もあったのだが、ただのワームの方を町のスーパーで三分の一の値段で買ってしまったので買わなかった。
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中川財務相が辞任した。これは当然である。このことと漢字の読めない麻生総理とは、日本の政治に巣くう同じ病根によるものだろう。その病根とは政治家による「言葉」の軽視である。

政治とは言葉である。どんな素晴らしい政策や思想を持っていても、言葉で表現し、伝えることができなければ何の意味もない。政治家の間違った言葉の一つで、戦争が始まっちゃう可能性すらある。

その点からいうと、漢字が読めない総理大臣なんてのは論外である。茶化すような報道しかされなかったが、あれは大問題だ。母国語がまともに使えない国のトップを世界の誰が信用するだろうか。信用しているのは麻生氏に投票した人だけである。

ついでにいうと、麻生総理は英語が得意だそうで、やたらとひけらかしているが、あれは逆効果である。やたらと英語を使えば、レベルがバレてしまう。人前では絶対に英語を使わず、実は相当できるらしいと思わせておくほうが得策だろう。

それでも側近が優秀ならいいのだが、今度は酔っ払い大臣である。

あれが酔っ払ってたか、薬のせいなのかは問題ではない。風邪薬だかゴックンだかしらんが、まともに受け答えができないのに、記者会見なんかに出席するのが問題なのである。

受け答えがまともにできないなら、すでに言われているように、会見をキャンセルすればいいだけである。おかしなことを言うぐらいなら、何も言わない方がずっとまし。

まともな答弁ができない状態で、あの場にいるのは、彼が政治家としての自分の言葉の重みをわかっていない証拠である。

繰り返すが、政治は言葉である。こういう連中が政界のトップにいるということは、国民も言葉を大事にしていないということなのだろう。
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周星馳の映画をそれほど見たことがあるわけではないので、えらそうなことはいえないが、これは面白かった。内容は唐伯虎點秋香:算四荘あたりをどうぞ。

主人公の唐伯虎(周星馳)、ヒロイン秋香(鞏俐)もいいけど、ナサケナイ祝允明がいい味を出している。

「詩人」とかいうと、なんじゃそりゃってことになるが、これは詩人ではなく文人である。文人じゃよくわからないから、詩人にしたのだろう。

で、ギャグはかなりしょうもない(けど笑えるのは確か)し、唐伯虎がカンフーの達人だったりするのだが、出てくる書画はなかなかいい。

まず、最初に出てくるクレジットがいい。クレジットの担当(主演とかそういうのね)は篆刻風なのだが、正しい篆書が書かれている。名前の文字も文句なくいい。

そして、主人公唐寅の書画。唐寅の書画をあまり知らないので似ているのかなんだか分からないけど、間違いなく明代の絵に似せて描いている。映画には落款を入れる(署名、捺印のことね)シーンも何度も出てくるのだが、これが本物そっくりである(調べた)。

こういうところに手を抜かないのがいいな。というより、手を抜けないのだろう。おいこら、NHK、どうにかしろ。
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撮影ご遠慮ください、保護者から不満も 田辺中学卒業式(和歌山)
これに対し、浜野校長は「保護者としての気持ちはよく分かるが、写るのが自分の子どもだけではない場合、個人情報保護法で規制される。撮影されるのを嫌がる生徒や保護者がいるかもしれないし、ほかに流用される可能性もある。その場合は学校として責任が持てない」と説明。多くの保護者が一斉に撮影することになると、式を厳粛に開くことができなくなることも理由に挙げ、理解を求めた。

「保護者が一斉に撮影することになると、式を厳粛に開くことができなくなる」という理由はわからなくもないけど、「写るのが自分の子どもだけではない場合、個人情報保護法で規制される」ってのは本当だろうか。個人情報の保護に関する法律を読んでもよく分からない。

こういう式典では、学校側が写真を撮ったり、ビデオをまわしたりするもんだが、それもしていないことになる。まさか、顔にモザイクを入れたりするわけではあるまい。

どうもおかしい。何か別に撮影を嫌がる理由でもあるんじゃないだろうか。そう勘ぐりたくなる。
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仕事がたまたま休みだった上に、天気がよかったので、ひさしぶりに神保町に行った。

天気がいいので、国文・中文系の本屋の写真を撮ろうと思って(GoogleMapで神保町古書店マップでもつくろうかなと思っている)、まずは一番駅の出口から遠い松雲堂でパチリ。あれ、どこかでみたような奴がフレームインしてるなと思ったら、後輩だった。罰として後ろ姿を公開する。

松雲堂となぞの人物

平日の昼間だし、まさか知り合いに会うとは思わなかった。もっとも、昔は神保町を歩くと3人ぐらいは知り合いに会ったものである。

神保町に行った理由は、新華字典を買うためである。もちろん、文言基礎(2009年02月08日のエントリ参照)のためでもあるのだが、それより今年はちゃんと中国語を勉強しようと思ったのだ。

というのも、実は僕の中国語会話力は3歳児程度なのだが、中国語を習ったことのない人と中国に行くと、僕が何やらしゃべっているのを聞いて「なんだ、中川さん中国語できるんじゃない」とか思われるらしい。本当はかなりいい加減なのだが、最近あちこちに喧伝されてシャレにならなくなってきたのである。

ついでに、テキストも買ってこようと思ったのだが、なんかしらんうちに、やたらと種類が多くなっていて、どれがいいのやらさっぱり見当がつかない。3歳児レベル用とか書いてあればいいのだが、もちろんそんな本はない。とりあえず保留。いい3歳児向けテキストがあれば紹介してほしい。

新華字典を買ったのは2008年10月19日のエントリでもとりあげた内山書店である。レジのわきに、まるでコンビニのチロルチョコのように「内山完造の生涯」なる漫画がおいてあった。

あぶないあぶない。支払いする前だったら買っちゃうところだった。
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xuetuiさんのブログ文言基礎が面白い。

文言基礎は、その名のとおり、文言(とりあえず漢文と同義だと思ってください。違いは僕には説明できません)読解の基礎を学ぶ講座で、訓読ではなく、現代中国語による「音読」で読解していくことを目指すものである。

門外漢の僕にはちゃんとした説明ができないし、間違っているといけないので、くわしくはカテゴリ イントロダクション:文言基礎を読んで欲しい。

現在は千字文を読んでいる。結構ハイペースで更新されるので、僕なんかにはついていけないが(というか、実は新華字典もまだ買ってない・・・ナサケナイ)、どっかの国の新聞記事と違って、古いものから消えるわけではないので、心配ない。

中国文学・中国哲学・中国史を勉強しようとする人にはオススメ・・・いや、必読だろう・・・たぶん。
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やたがらすナビ知のデータベース(火星の井戸掘り)に紹介された。とてもよい評価をいただいたようで、素直にうれしく思う。

やたがらすナビ―古典文学ポータルサイト:知のデータベース(火星の井戸掘り)

「火星の井戸掘り」はインターネット上の学術サイトの批評をするサイトである。2000年ごろから始めたようなので、なかなかの老舗だが、僕は知らなかった(あ、リンク集に入れなきゃ)。

今は、Googleなどの検索や、はてなブックマークに代表されるソーシャルブックマークが発達してきたので、サイトを読む側としては、こういうサイトを紹介するサイトの意味は薄れてきている。しかし、運営する側からすると、こういう第三者による忌憚のない批評は貴重である。

サイトの運営は孤独との戦いだ。いくらページビューが増えても、反応がなければテンションは下がる。そして、閲覧している人が思っている以上に(以下にか?)反応がない。開設して数年で更新を停止するサイトが多いのはそのためである。

特に文系の学術サイトは、よほど運営者に信念がないと、続けていくのが難しい。学術サイトを運営する人の多く(研究者)は、論文や学会発表によって自分の研究を世に広めるという手段を持っているからである。

しかし、世に広めるという点だけでいうならば、論文や研究発表よりもインターネットの方がはるかに上である。本来ならば、もっと使われてしかるべきだろう。

そこで「火星の井戸掘り」のようなサイトが意味を持ってくる。どんな評価であっても、運営者にとってはないよりはマシなのだ。おおいに盛り上げて欲しい。

「やたがらすナビ」ももうすぐ5年になる。まだまだ、ジメジメと続けていくつもりだ。
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