2010年07月

やっと、というか、もうというか、ブログ強化月間が終わった。一日(7月11日)、自分に負けてしまった日があったけど。

幸い今年の七月はいろいろとネタがあったので(それでも最後のほうヘンな記事が多い)、書くことには困らなかった。なかでも、中国法王寺釈迦舎利蔵誌の報告会ネタでは、わざわざ行ったので、関係あることないこと、ずいぶん引っ張ってしまった。

円仁の新資料報告会に行ってきた(その1)
円仁の新資料報告会に行ってきた(その2)
バックパッカー円仁
円仁の新資料報告会に行ってきた(その3)

実は、あのネタはまだ引っ張っていて、やたがらすナビ掲示板雑談スレッドで「釈迦舎利蔵誌を読む会」(今命名した。ちなみに現在参加者二名)をやっている。このブログをご覧の皆様には是非ご意見を賜りたい。

雑談スレッド:やたがらすナビ掲示板

ちなみに、一番(といっても二人しかいないけど)書きこみの多い二可さんは携帯から入力しているらしい。腱鞘炎には気をつけてください。

ブログ強化月間はこれで終わるけど、これからもがんばって書くのでよろしくお願いします。

【追記】
現在三名に増えた。
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「2015年にはデジタル教科書を全小中学校に」――孫氏が教育改革訴える

前に教育を語る人はファンタジーを語っているというエントリを書いたけど、ファンタジスタ(誤用)発見!
まあ、この人は自分の会社の儲けになるようにしゃべっているだけなんだけどね。

「丸暗記中心の、これまでの教科書は間違っている。“たいがいにせえ”と言いたい」

この人、ちゃんと「これまでの教科書」読んでるだろうか。読んでなかったら「たいがいにせえ」と言いたい。

例えば、運動会で順位を競わせるのを避ける傾向。「国の競争力が失われているときに、子どもたちに競争という本能を失わせるのがどれほど怖いことか。日本が国際競争力を取り戻すには、元気で競争心あふれる子を育てなければならない」(孫氏)。

これときどき聞くけど、本当にそんな傾向があるのかな。
少なくとも僕がかかわった学校(中学校・高校)では、ちゃんと順位をつけていたし、赤組優勝とか、白組優勝とかやってたけどね。

「鎌倉幕府ができた年を、2〜3年間違えてもいいではないか。年号のような詳細な情報は、検索すれば済む。それよりも、なぜ幕府ができて、なぜ倒幕が必要だったかを分析する能力の方が、はるかに重要」(孫氏)。

「鎌倉幕府ができた年を、2〜3年間違えてもいい」とか「なぜ幕府ができて、なぜ倒幕が必要だったかを分析する能力の方が、はるかに重要」なのは、たしかにその通りなんだけど、それはすでに鎌倉幕府がだいたいいつごろ成立したか知っている人の話である。全然知らない人に教えるなら1192年成立というしかないだろう。

なぜ鎌倉幕府ができたかっていうと、源氏が平氏政権を滅ぼしたから成立したわけだ。平氏政権がなぜできたかっていうと、院政の武力として武士が使われたから。では、なぜ院政がはじまったかというと摂関政治に対抗するため・・・。流れはこうだが、これでは摂関政治から武家政権までどのぐらいかかったか、理解できないだろう。

歴史は個別の事件がいつ起きたかよりも、流れが大事なのだが、何年かがなければ、摂関政治から何年で鎌倉幕府に至ったか、どういうプロセスで歴史が動いたか、まったくイメージできないのである。イメージできなければ孫氏のいう分析もできない。最低限いつできたか知らないと話にならない。

そもそも、孫氏が学生だった時代は知らないが、今は年号を問う問題なんてそんなに出ていないんじゃないだろうか。普通は「1192年に成立した初の武家政権をなんというか」みたいな感じで出る方が一般的だと思う。

本当は「初の武家政権」の方が大事なのだが、生徒はどうしても「イイクニつくろう鎌倉幕府」で「1192年」の方を覚えてしまう。そっちの方が手っ取り早いからだ。

最近の教育は、暗記することよりも、考える方に重点が置かれている。それでも生徒は暗記しようとする。暗記の方が確実に点が取れるからである。

つまり、彼らは競争のために暗記しているんだけど、そのへんどうなのよ、孫さん。
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D-FAXを試してみた
これ、ほとんど使わなくなってしまった。
番号はいろいろな人に教えたのだが、結局自宅のFAXの方に送られてしまう。考えられる理由は、
1.020で始まる番号が気持ち悪い。
2.送れない場合がある。
のいずれかだと思う。
とりわけ2が深刻で、ご利用に関する注意事項:D-FAXによると、「東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社、およびソフトバンクテレコム株式会社の加入電話回線を使用するFax機」からしか送れない。つまりIP電話やひかり電話からは送れないのである。
とはいえ、いちいち電話会社を聞いてここに送れというわけにもいかず、結局自宅のFAX番号を教えることになる。

Old spiceを試してみた
これは現在愛用している。デオドラント効果は抜群。日本で多くみられるスプレー式より手軽でいい。
ただ、水分が少々飛ぶらしく、使っていないのに減ってしまった。

カナル型イヤホンを試してみた
これも、文句なし。
最初は高音が強く感じたけど、今はそうでもない。
コードが柔らかいので、絡みやすいのが欠点か。

Willcom9を試してみた
やっぱり小さい携帯はいい。
スマートフォンとか持ち歩くやつの気がしれん。
開けにくいのはすぐ慣れたが、長電話すると耳が痛くなる(角ばっているので)のはいつまでたっても慣れない。
最近、GoogleMapが使えるようになって、より便利になった。

Evernoteを試してみた
だんだん使い方がわかってきた。
使い方そのものはシンプルなので、わからないことはないのだが、これをどう使うかという使い方である。
その意味での使い方は、本も出てるし、ネットにも書いてあるが、人によって違うので、ほかの人のやり方はあまり参考にならない。自分のやり方を見つけるととても便利だ。
しかし、Windows用のアプリケーションがイマイチなのと、添付するファイルによってときどき同期できなくなるのは何とかならんもんか。
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まんようシュー


パックマンのようでパックマンでない、それは何かと尋ねたらベンベン

まんようシュー(袋)


道の駅万葉の里高岡名物、まんようシュー。
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誕生!中国文明の題字は誰が書いているのか気になっていたので、調べてみた。書かれているものを見て、謙慎会系、それも青山杉雨系の人だろうなと思っていたが、こんな若い人だとは思わなかった。

木下真理子さん:誕生!中国文明
2003年 第20回 読売書法展 特選
2004年 第66回 謙慎書道会展 推薦顧問賞
2008年 第25回 読売書法展 読売奨励賞。
東京ドームメジャーリーグ開幕セレモニー、
東京ミッドタウン七夕キャンペーンで公開揮毫
6歳より書を始める。書の研究では第一線として知られる大東文化大学に進学し、高木聖雨氏に師事。古来より受け継がれている伝統文化としての書を正統的に継承しつつ、現代における書の在り方も同時に探求している。


謙慎書道会とは、書壇の○口組とか稲○会みたいなもんで、主流派もいいところである。やるまでもないが、このプロフィールだけならイロモノチェックしても、0ポイント。イロモノ的には素人・・・と思ったのだが・・・

あれっ?

女流書家木下真理子公式ブログー恋する書道ー

でかい筆を使ったパフォーマンスをする。+20
和服(作務衣を含む)で書いている写真がある。+5
海外で活躍している。+10
経歴に日展・毎日展・読売展以外の入賞が2つ以上ある+10

ウホッ、いきなり45ポイントに跳ね上がった。

ゴールドイロモノ認定されました。迷いを断ちきって高みを目指しましょう。

木下センセーの場合、迷いが作品にも表れている。
たとえば、作品はこんな感じでいかにも正統派な感じで、もっと率直に言えばうまいのに・・・

作品:恋する書道

バカでかい字を書くと、

東京ミッドタウン:恋する書道

突然、こうなっちゃう。

いろいろ事情があるんだろうけど、これならまだほかのイロモノ書家の方がうまいぞ。「誕生!中国文明」のプロフィールを見ると「現代における書の在り方も同時に探求している。」とあるので、たぶんこれがそうなのだろけど、それがイロモノを志向しているのは面白い。

まあ、すでにゴールドなのだから、はっきりイロの道に舵を切ったほうがいいと思うけどね。
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作家村崎百郎さん刺され死亡=男逮捕、「実践本にだまされた」−警視庁:時事ドットコム
23日午後5時50分ごろ、東京都練馬区羽沢の作家黒田一郎さん(48)=筆名・村崎百郎=方で、男から「人を刺した。捕まえてください」と110番があった。警視庁練馬署によると、黒田さんが室内で血を流して倒れており、ほぼ即死。同署は殺人容疑で、室内にいた横浜市に住む無職の男(32)を現行犯逮捕した。
 調べに対し、男は「黒田さんの書いた実践本にだまされ、恨みを持っていた」と供述。「殺すつもりで包丁を神奈川県内で購入した。自宅住所は、ネットの掲示板で調べた」と話しているという。


いやー、マジでびっくりした。鬼畜系でおなじみの村崎百郎氏が本当の鬼畜に殺害されたのである。

僕はこの人の書いたものをそれほど読んだわけじゃないけど、鬼畜系とかいいながら、本当は善人なんだろうなと思っていた。文章の端々にそれが見える、というのもあるけど、それ以前に善人でなければ、インモラルな文章は書けないからである。

本当の悪人というものは、自分のしたことを悪いと思っていない。それを文章にしたら面白いとも思わない。なぜなら、悪人にとっては悪事は普通のことだからである。どこかに善があるから悪が書けるのである。

善人の書くインモラルな文章は、お金持ちの息子が書くプロレタリア小説とか、武者小路実篤の善人しか出てこない小説みたいな、今風にいうと「痛い」感じがある。この傾向は当時活躍したサブカル系のライターには多かれ少なかれあったが、村崎氏はとくにそれが感じられて、だんだん読む気が失せてきた。

そして、ブログなどによって誰でも文章を発表できる時代になり、ライターの書くインモラルな文章もどんどん色あせていった。いくら頑張っても本当にやばい人にはかなわないのだ。

それがよもやこんな死に方をするとは思わなかった。なんだかんだ言って、村崎氏は好々爺になって天寿を全うするんだろうなと思っていたのである。

それにしても、新聞は無粋だ。「東京都練馬区羽沢の工員村崎百郎さん」でいいじゃないか。
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文字ばっかりのエントリが続いたので、このへんで今月の壁紙。
といっても、今月写真を撮っていないので、なんとなく海が写っているいるものにした。

撮影したのは3月(北陸旅行)だけど・・・

まずは東尋坊。ここ、自殺の名所としても知られるけど、確実に死ねる感じはしなかったな。

東尋坊(1024x768)


東尋坊(1024x768)
東尋坊(1280x1024)

次に能登金剛の巌門洞窟。ここから義経が舟に乗ったという伝説がある。
まあ、アレですが。

巌門洞窟(1024x768)


巌門洞窟(1024x768)
巌門洞窟(1280x1024)
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昨日、24時間テレビの募金額を調べていたら、面白いことに気付いた。メインテーマがマラソンの始まった15回から変わっていたのである。

1回 寝たきり老人にお風呂を! 身障者にリフト付きバスと車椅子を!
2回 寝たきり老人にお風呂を! 身障者にリフト付きバスと車椅子を!
3回 カンボジア・ベトナム・ラオスの難民のために!
4回 アジア・アフリカの障害者のために!国際障害者年記念
5回 ストップ!ニッポン姥捨て時代!
6回 君の地球のボランティア!アフリカ飢餓緊急援助!世界コミュニケーション記念
7回 この地球の未来は子どもたちのもの!
8回 アフリカ飢餓救援
9回 寝たきり老人にお風呂を! 身障者にリフト付きバスと車椅子を!そしてアジア・アフリカの飢えた子どもたちのために!
10回 SAVE THE CHILDREN
11回 君は地球のボランティア お年寄りに在宅福祉を、障害者に社会参加を!
12回 アジア・アフリカの子どもたちに海外援助を!
13回 地球を救え!10年計画
14回 雲仙・普賢岳災害救援!寝たきりのお年寄りにお風呂カーを!障害者に社会参加を!アジア・アフリカに海外援助を!
15回 愛の歌声は地球を救う
16回 出会い
17回 チャレンジ!
18回 もう一度、チャレンジ
19回 ONE LOVE 〜つなげよう! ひとつの愛〜
20回 勇気を出して
21回 いま、始めよう
22回 伝えたい・・・夢のちから!
23回 がんばる・・・君のために!
24回 家族って何?
25回 家族で笑ってますか…?
26回 あなたを一番愛する人・・・
27回 あなたの夢はみんなの夢
28回 生きる
29回 キズナ 絆 〜今、私たちにできること
30回 人生が変わる瞬間
31回 誓い〜一番大切な約束〜
32回 START!一歩を踏み出そう
33回 ありがとう〜今あの人に伝えたい〜

第15回までは、チャリティの対象が具体的に書かれているが、16回からは抽象的な題名になる。Wikipediaによると、「マンネリ化が進行していた番組の「テコ入れ」を図るために以下のリニューアルを行い、番組のエンターテインメント化を図った。」結果、「以後の番組の統一テーマが、チャリティー色の強いものからシンプルな物に改められた。」ということらしい。

シンプルになっただけではない。対象が恐ろしく狭くなっている。第16回は地球という言葉が入っているので、まだましだが、そのあとになると「出会い」だとか「チャレンジ」とか、内向きで個人的な事柄に変わっている。

チャリティというのは、本来不特定多数のだれかのためにやるものであって、自分や身内のためにやるものではない。「がんばる・・・君のために!」とか「あなたを一番愛する人・・・」とか訳が分からん。そういう人がいればチャリティはいらないではないか。「家族って何?」「家族で笑ってますか…?」になると、家族以外はいいのかというふうに思える。

どうも、このごろの24時間テレビに感じる気持ち悪さはこのへんにあるらしい。以前持っていたグローバルさがなく、小さく、内に向いている。考えてみれば、マラソンだって周りが囃し立てているからそう見えないが、きわめて個人的なことだ。

が、いくら気持ち悪くても、ちゃんと募金集まってるからいいのか。もう文句はいいません。
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また、24時間テレビの日が近づいてきた。出演者がギャラをもらっているとか、マラソンがくだらないとか、いろいろいわれているが、実際のところ募金額はどうなのよと思って第一回(1978年)から表にしてみた。ソースはこちら

すると、驚くべき事実が明らかに・・・。



募金額備考
119781,190,118,399 
21979727,657,482第二次オイルショック
31980982,293,333 
41981885,191,232 
51982605,736,459 
619831,036,578,114日経平均1万円
71984805,085,881 
819851,013,429,697プラザ合意
91986749,355,128 
101987885,465,365 
111988787,437,001 
121989662,211,879日経平均史上最高値(12月)
131990806,551,220 
141991883,192,270バブル崩壊・雲仙普賢岳火砕流(6月)
151992957,702,743マラソン開始
161993853,389,423 
171994788,460,358 
1819951,056,798,341阪神淡路大震災(1月)・地下鉄サリン事件(3月)
191996909,012,004 
201997960,303,779 
211998908,938,502 
221999877,487,670 
232000768,442,030 
242001846,047,659ITバブル崩壊
252002765,705,996 
262003776,638,125 
272004719,045,124新潟県中越地震(10月)スマトラ島沖地震(12月)
2820051,000,346,999福岡県西方沖地震(3月)・ハリケーン・カトリーナ(8月)
292006940,682,462 
3020071,015,442,574 
3120081,083,666,922リーマンショック(9月)・日経平均最安値・四川大地震(5月)
322009951,081,316


まず、一番驚いたことは、これだけ不景気が長引いているのに、募金額が減っていないどころか、2005年以降9億〜10億円を維持していることである。

2005年になって7億円台から10億円台に突然増えたのは、その前年から2005年にかけての災害のためだと推測されるが、その後堅調に推移し、四川大地震はあったものの、リーマンショックのあった2008年には最高値を記録している。

阪神淡路大震災のあった1995年も、その前年から比べれば2億7000万円上がっている。災害、特に地震は募金額に影響を与えるらしい。

逆に経済は募金額にあまり関係しないらしく、バブル絶頂の1989年は6億6千万円と歴代二番目に低い数字になっている。

バブル崩壊前と後で平均の募金額を算出してみると(ただし第一回はご祝儀相場なので計算に入れなかった)、バブル崩壊前が828,916,066円で、崩壊後が898,020,226円となって、崩壊後のほうが募金額が多い。

すると、驚くべき事実が明らかに・・・といったものの、どうにももやもやした結果しかでなかったが、むりやりこじつけると、募金額の多寡は景気とはあまり関係なく、社会不安に関係するということだろうか。単に金額だけでなく、インフレ率なんかと合わせて考えたら、もっとすごいことになりそうだ。

ちなみに、例のマラソンは、バブル崩壊とほぼ同時に始まっている。つまり、マラソンが始まってからの方が募金額が多いのである。

これなら、いくらくだらんといっても続くわけだよな〜。
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内容的にどうというのではないんだけど、「○○の冒険」という題目の論文や学術書を見るとイラっとくる。

CiNiiで「論の冒険」とか「学の冒険」で検索するといろんな分野の人が冒険しているので、またイラっとくる。暑いからさらにイラっとする。

たぶん、ロラン・バルトの『記号学の冒険』あたりからの流行りなんだろうけど、「冒険とか言って、お前命かけてるのかよ、この青瓢箪が!」と『冒険手帳』世代の僕は言いたくなる。言葉が乱暴なのは暑さのせいなのでご容赦ねがいたい。

この題名にどういう意味を込めているのか、一人一人締め上げて聞いてみたいところだが、逆に締め上げられるといやなのでやめておく。言葉が乱暴なのは暑さのせいなのでご容赦ねがいたい。

締め上げなくっても、だいたい察しがつく。たぶん、前人未到の地に行くことを「冒険」ということが多いから、「人のやっていないことをやる」ということの比喩なんだろう。でも、はたしてそれが冒険なのだろうか。

もともと冒険という言葉に、「人のやっていないことをやる」という意味はない。文字通り危険を冒して何かするという意味である。人のやっていないことはえてして危険なことが多いからたまたまそうなるだけで、人のやっていないことが必ずしも危険なわけではない。

逆に言えば、何も人のやっていないことをやる必要はないのである。自分にとって危険なことをするなら何だって冒険と言っていい。

たとえば、前人未到の高山に登るのは誰が見ても危険だから、文句なしに冒険だ。だが、引きこもりの人が外に出るのだって立派な冒険である。ほかの人にはそうでなくっても、その人にとっては外界は危険な場所だからだ。男性恐怖症の女性が男性と話をするのも冒険である。

できる限りの危険を排除して、それでも残る危険にびびりながら一歩を踏み出す、そういうのが冒険というものである。僕の場合、中国旅行も、お遍路も、結婚も冒険だった。そんなの大したことないよと言われても、僕にとっては立派な冒険だったのである。

そもそも、論文とはだれもやっていないことをやるものじゃないか。わざわざ「冒険」と題するなら、当然、件の論文を書いている人たちは、一歩間違えれば無職になるぐらいのリスクは背負ってるんでしょうな。
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