2010年08月

今月は長い旅行が続いた。今も旅の最中だと思う。

初めて行ったヨーロッパのロンドンで、強烈に感じたことは、国際都市の迫力である。

もちろん、僕が住む東京だって国際都市だし、何度も行った上海だって国際都市なんだけど、ホンモノの国際都市というものを初めて見た感じがする。

とにかく、いろんな人が歩いている。白人・黒人・アラブ系・インド系・アジア系、どれが多いというのではなく、すぐ見つけられるところにうじゃうじゃいる。

白人だからイギリス人かと思うとそうではなく、フランス語をしゃべっていたり、ドイツ語だったり、ラテン系だったり、いろいろだ。街を歩いている人から生粋のロンドン子を探すのはかなり難しそうだ。これが本当の国際都市というものだろう。

これを見ていると、池袋に中国人が多くなったな、という程度で国際都市を名乗るのが恥ずかしくなってくる。ロンドンに比べれば、東京は全然国際都市ではない。

ロンドンから一歩郊外へでると、農地での出稼ぎ労働者はいるものの、明らかにイギリス人が多くなる。それが観光地であっても同様で、とにかくイギリス人が多い。ちょぼちょぼ日本語の案内が見られたハワース(Haworth)でも、東洋人らしき人はみられなかった。

たぶんこれでいいのだろう。日本人は国際化というと日本全国国際化しなきゃいけないように思うが、東京だけとか大阪だけとかでいいはずだ。実は京都なんて、実は国際都市として一番向いているんじゃないだろうか。しかし、日本の都市が本当の意味で国際都市になるのは難しいように思う。

こういう国際化を受け入れられるのには、地理的な要因や、歴史的な要因がある。そもそもイギリスは王室自体が混血である。日本にはそれがない。だからよほど努力しないと国際都市にはなれない。

おそらく、今後アジアの国際都市は、香港か上海かシンガポールになるだろう。
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また、ちょっと遠くへ行ってきます。
今度は広州です。
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次の旅の準備で忙しくなってきたので、今月の壁紙でお茶を濁すつもりが・・・あれもこれもで、かえって時間がかかってしまった。

まずはロンドン。ロンドン塔近くのタワーブリッジ。この近くのホテルに泊まった。

TowerBridge(1024x768)


TowerBridge(1024x768)
TowerBridge(1280x1024)

続いて8月18日のエントリで書いた、保存鉄道のかっこいい運転士さん。

運転士(1024x768)


運転士(1024x768)
運転士(1280x1024)

こちらはまだ書いていないけど、コッツウォルズのロウアー・スローター( Lower Slaughter)の水車小屋。

水車小屋(1024x768)

水車小屋(1024x768)
水車小屋(1280x1024)
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昨日のエントリで書いた、教会のわきの道を抜けると、『嵐が丘』のモデルになった荒野がある。

小道


教会のわきの道。この横には羊さんが草を食んでいる。これを抜けると・・・。

田園風景


イギリスらしい田園風景が広がり、やがて

ヒース(heath)


こんな風景が広がる。これをヒース(heath)という。『嵐が丘』の主人公、ヒース・クリフ(『愛の嵐』の渡辺裕之)の由来である。

日本語では荒地と訳されるが、この時期では花が咲いていて、荒地という感じではない。このピンク色の可憐な花もヒースという。

ヒース(heath)


ヒースには小道がついている。こういう散歩道をパブリック・フットパス(public footpath)といい、イギリスの農村部のいたる所にあるそうだ。荒地というぐらいで、何にもないが、気候がいいので歩いていて気持ちいい。散歩している人が結構いて、ハローとあいさつを交わす。

パブリック・フットパスには道しるべがある。とりわけ、ハワースは日本人観光客もよく来るらしく、道しるべには日本語が・・・。
道しるべ


あっても意味ねぇ!

さて、あこがれの嵐が丘に来て、わが女王様はご満悦の体で、へんなポーズをとっている。

ヒースと女王様


こちらは別の女王様。なぜかモデル立ち。しかし、結構寒いのによくヘソ出してられるなー。

別の女王様


とりあえず、やることがないので、見えない何かと戦う下僕。

見えない敵と戦ってみた


ところどころに埋まっている本のオブジェ。ブロンテ姉妹と関係あるんだろうけど、何を狙ったものか皆目見当がつかない。

本のオブジェ


実はこの道の先に、ブロンテ滝というのがあるらしいが、さすがに時間がなかった(この時点で午後6時を回っていた)のでやめた。
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さて、いよいよブロンテ姉妹の故郷ハワース(Haworth)へ。

もちろん、僕はブロンテ姉妹について詳しくない。『嵐が丘』と言われても、「ああ、あの愛の嵐の原作ね」という程度だ。なので、これから知ったようなことを平然と書くが、故伊藤漱平先生からいただいた『新潮世界文学辞典』を読んでいる。

なのになぜ行ったか。女王様がどうしても行きたいといったからである。

泊まったところは、The Old RegistryというちょっとすてきなB&B。Registryっていうと、Windowsのアレみたいだが、登記所のこと。もともと登記所だったところを改造して使っている。

OldRegistry


この左側の道路を上がっていくと、ブロンテ博物館(Bronte Parsonage Museum)に至る。

ベッドはこんな感じ。ただし、これは女王様専用で天蓋つき。下僕はここには寝かせてもらえない。

女王様のベッド


下僕用はこちら。同じ部屋の隅っこにある。
部屋そのものはかなり狭いが、もう一室バスルームがある。

下僕のベッド


ブロンテ博物館に至る道は、観光客でごった返している。ところどころにいるオッサンはみんな下僕。

メインストリート


途中に教会がある。ブロンテ姉妹の父親と、シャーロットの夫はこの教会の牧師だった。ただし、この教会は当時のものではないらしい。

教会


この教会の入り口付近にBLACKBULLというパブがある。ここが、ブロンテ姉妹唯一の男の兄弟(長女シヤーロットの下)、パトリック・ブラウンウェルが通ったパブ。ブラウンウェルは画家だったが、ここで酒を飲みすぎて(アヘンもやってたとか)死んだ。

BLACKBULL


こちらがブロンテ博物館。
ブロンテ姉妹が住んだ、いわゆる牧師館はここである。たくさんの女王様と下僕がいた。ここの内部は写真撮影は禁止である。

ブロンテ博物館


『嵐が丘』の丘にも行ってきたのだが、それはまた明日。
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イギリスにいる間に、一泊でブロンテ姉妹の故郷、ハワース(Haworth)に行った。

ちなみにハワースはこちら。


大きな地図で見る

ロンドンのキングスクロス(Kngscross)から電車に乗って、リーズ(Lees)を経由し、キースリー(Keighley)へ。ここからは、The Keighley & Worth Valley Railwayという、機関車トーマスみたいな汽車ぽっぽでハワース(Haworth)へ。

この汽車ぽっぽ、夏しか走らない観光用列車とのことで、あんまり期待していなかったのだが、なかなか良かった。

キースリーのSL


補給中


このThe Keighley & Worth Valley Railwayのようなのを、保存鉄道といいイギリスには、こういう形でSLを走らせている鉄道が100か所以上もあるという。ここには鉄道博物館みたいなのもある。

保存鉄道の多くは鉄道マニアのボランティアで運営されているらしい。さすがは鉄ちゃんの先進国だ。スケールが違う。

そんなこんなで、English撮り鉄発見!

イギリスの撮り鉄


車内はこんな感じ。
いろいろなタイプの列車が運行されているが、行きに乗ったのはこういう個室タイプで、貸切状態。
個室だと、窓を自由に開けられるし、右も左も見られてお得な感じ。

車内


僕の頭上の網棚に、寅さんが持っているような革のトランクが置いてあるが、もちろん僕のではない。たぶん演出だろうと思うが、全部の客室に置いてあるのかどうかは定かではない。

切符はこれ。もちろん硬券。値段は忘れたが、意外に安かった。

切符


駅舎もいい感じ。こちらはキースリー駅。

キースリーの駅舎


これは、ハワース駅のガス灯。電球じゃないところが、芸が細かい。
夜は見ていないが、マントルが付いているので、たぶん点くのだろう。

ガス灯


あ、肝心のブロンテ姉妹まで書けなかった。それはまた明日。
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さて、最後は自転車。

ロンドンでは結構自転車が走っている。しかし、あまり走りやすそうには見えない。実際に乗っていないので何とも言えないが、とりあえず、日本よりはましだと思う。

もちろん、自転車は車道を走らなければならない。これは世界標準で、歩道を走れるのは日本ぐらいなものである。

比較的平らな地形なので、自転車には適しているのだが、自動車が多い上に狭い道路が多く、走りにくそうだ。ただ、現在進行形で整備しているらしく、ところどころに自転車専用レーンがあった。

駐輪する場所も多い。ここには、かならず下の写真のように手すりのようなものがあって、ここにワイヤーロックでしばりつける。左側の自転車はご丁寧に三つもの鍵がついているのがわかるだろう。

IMGP9878


このようなものがない場合は、手すりやガードレールに縛る。

ガードレールと自転車


なぜこうするかというと、イギリスの自転車にはスタンドがないからである。いや、実は自転車にスタンドをつけるのはアジアだけで、ヨーロッパでもアメリカでも商用車でないかぎりたいていは付けない。

日本でもスタンドをつけないのは、スポーツ用の自転車を乗る人には常識で、僕の自転車にも付いてない。少しでも軽くするためと、人や物に引っかかったりする危険を防止するためである。

よく、スタンドがないと不便じゃないかと言われるが、慣れてしまうとそうでもない。どうせ駐輪するときはどこかに縛らないと安心できないからである。どうしても立てなければならないときは、サドルを下にすればいいのである。

話がそれたが、走っている車種はさまざまだ。ただし、ママチャリはない。軽快車・MTB・ロードレーサー・ピストなどいろいろだが、英国製折りたたみ自転車の代名詞、ブロンプトンも結構走っていた。やっぱり小さいのが好きなんだな。さすがにモールトンは一台も見なかった。

絶対に車道を走らなければならないので、ヘルメットをかぶって乗る人が多いが、これは強制ではないらしくかぶっていない人も多い。もちろん、雨が降っても傘をさして乗る人はいない。

電車に自転車を持ち込んでもいいらしく、あの狭い地下鉄でさえ、自転車を持ち込んで乗っている人を見かけた。どう見ても迷惑だが、だれも文句を言わないので合法なのだろう。地下鉄でない一般の電車には自転車専用車両もあるようだ。ちなみに、日本では、折りたたみ自転車であっても分解して袋に入れなければならない。

写真を撮るのを忘れてしまったが、ロンドンでは街角に自動販売機型レンタサイクルがある。最近導入された(パリが最初)とのことで、ピカピカの自転車が並んでいた。

レンタル料はそれほど高くない。これに乗っている人も結構みかけた。次に行く機会があったらぜひ乗ってみたいと思う。たぶんそのころにはもっと走りやすくなっているだろう。

なお、ロンドンのレンタサイクルについて、詳しくは下のリンクを参照のこと。

自転車革命を阻む日本の呪縛:サイクルロード 〜自転車という道

総じていうと、現状ではまだまだ自転車が走りやすい都市ではないが、それを目指している感じがした。もともと起伏がないので、ちゃんと整備すれば、近いうちに自転車だらけになるだろう。

偶然、僕たちが滞在している間に、公道を閉鎖して自転車レースが行われていた。

バイシクルレース


で、イギリスで自転車レース(バイシクルレース)とくれば、もちろんこのお方。ああ、フレディ先生・・・。

フレディ・マーキュリー
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噂には聞いていたが、ロンドンの地下鉄は狭い、暑い、臭い。

まず、車両が狭い。アホみたいに狭い。カマボコ型のトンネルから、カマボコの形をした電車が現れる。まるでお猿の電車である。東京の人なら大江戸線の天井の低いのを想像してほしい。そこにいる人間が日本よりでかいのが多いから、ますます狭い。

ロンドン地下鉄

この写真はディストリクト線で、地下鉄では大きな電車なのだが、これでも大江戸線と同じぐらいじゃないだろうか。

狭いのは車両だけではない。ホームも通路も狭い。ホームなんかちょっと混んでくると、落ちそうになる幅だ。通路も狭いところでは、人が三人並べばいっぱいになる幅で、僕の身長なら天井に手の届く高さである。

狭いなりに工夫はあって、ほとんどの通路は一方通行で逆行できない。だから、アリの巣みたいに複雑に入り組んでいるわりには、どこへ行けばいいか分かりやすく、移動がしやすい。ちょっと炭鉱夫になった気分が味わえる。

キオスクも狭い。こんなところでは絶対に働きたくないな。

ロンドン地下鉄のキオスク


ロンドンの地下鉄は暑い。エアコンがないからである。夏でも涼しいところだからというのが一つの理由だが、トンネルぎりぎりの大きさに作ってあるので、あとから空調設備がつけられないというのが本当の理由らしい。

ロンドンの地下鉄は臭い。体臭・・といってもオーデコロンの匂いが複雑にまじりあっているからである。

ロンドン地下鉄の料金はむちゃくちゃ高い。その上、乗り越し精算ができず、乗り越してしまうとものすごい罰金を取られるらしい。

ところが、Oysterカードなる、SuicaやPasmoの類のプリペイドカードがあって、これを使うと格安で乗れる。同一区間内には上限があって、区間内ならいくら乗ってもそれ以上は取られない大盤振る舞い。

なんでOyster(牡蠣)なのか気になるところだが、シェークスピアに由来するらしい。

The World Is My Oyster:asahi.com

通常料金が高いのは、カードに移行させるべく、通常の料金をわざと高く設定しているらしい。いかにSuica嫌いの僕でも、これでは買わないわけにはいかない。以前、英国の物価が上がっている例として、地下鉄の初乗りが700円と報道されたことがあったが、あれはちょっとしたインチキだったわけだ。

Oysterカード

オイスターカード:Wikipedia

このOysterカード、使用期限なしのビジターカードなるものが日本でも買える。地下鉄だけでなくバスなどでも使えるので、ロンドンに行くなら買ったほうがいいだろう。

ビジター・オイスター・カード:英国政府観光庁

地下鉄が狭いのは、世界一の歴史を持つことと、工費が少なくて済むのが理由だろうが、それにしても狭い。普通の列車もやはり狭かった。

以前、自動車のミニに乗ったことがあるが、おそろしく狭いのに閉口した。途中で泊まったハワースのB&Bも、田舎のわりには狭かった。

もしかしたら、イギリス人は狭いのが好きなのかもしれない。
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自転車旅行の経験から、交通はその都市とそこに住む人の性格をもっとも端的に表していると思っている。だから、知らない町に行くと、かならず交通がどうなっているかをチェックする。もちろん海外でも同じ。

そこで、まず問題。下の写真の、信号の下に付いている目玉と自動車の記号は何を意味しているでしょう。

目玉と自動車


ヒント。

LOOK RIGHT


左が欠けちゃったけど「LOOK RIGHT→」と書いてある。ある場所は横断歩道の車道側。点字ブロックがあるのが歩道である。続きを読む
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はい、昨日帰ってきました。東京はもっと蒸し暑いかと思ったけど、意外にそうでもなかった。

というわけで、これからしばらく、イギリス話を書いていこうと思います。

そして23日から、またちょっと遠いところへ行ってきます。
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