2010年09月

夏休みをエクステンドして、中国で遊んでいたせいで、今月は仕事が溜まりにたまるし、やたがらすナビは移転しなやならないしで、あっという間に過ぎてしまった。

さて、仕事の総括なんか書いても面白くもなんともないので、先月の総括につづいて、中国で感じた「迫力」を書こうと思う。

もっとも、これは今回はじめて感じたものではないし、先月の総括が「ロンドン」の迫力に対して、「中国」とおおざっぱなので、均衡を欠いているのだが、それを承知の上で書かせてもらうと、広さと人口の迫力である。

ときどき、なんでわざわざ中国を自転車で走るのかなんて聞かれることがあるが、どうしても答えなければならないとすれば、この迫力を感じるために行くと答える。もちろん、本当の理由は「おもしろいから」だが。

もちろん世界一の人口13億人とか、世界3位の面積とか、だれでも頭では理解できることだろう。しかし「迫力」は実際に行ってみないとわからない。それは、観光旅行でもある程度分かるが、自転車旅行だともっと分かる。

たとえば、北京に行ってうじゃうじゃ人がいるのを見れば、とりあえず、人口が多いことは実感できる。だが、それだけでは新宿に行って日本の人口が多いと感じるのと同じ。

中国の場合、日本の地図にも載っていないような街に行っても、うじゃうじゃ人がいる。それぞれ何か勝手なことをやっていて、見ていて飽きない。この迫力が違う。初めて行った人はかならずこの迫力に押されて疲れてしまう。

そして広さ。これは単純な面積のことではない。場所によって文化・習慣が違うということである。そこに住む人の考え方にも違いがあるだろう。

もちろん、それは日本にもあるが、中国はもともと城壁都市だったためか、日本よりもこの違いが大きい。このことは、今回南方を旅して、特に強く感じた。

中国に行くたびに「中国は」とか「中国人は」という言説が空虚なものに思えてきて、自分でもそういうことは言えなくなる。もちろん、そういう全体を覆うものはある。しかし、それは声高らかに「中国は」とか「中国人は」という人の意見とは全然違うところにあるように感じられるのである。

すてきホテル(その1)

雲霄県のすてきホテル(適新大酒店)に着いた、僕(中川)と葛的先生の会話。

中川「ここ、ちょっとヤバイっすよね?」
葛的「えー、そう?もっとひどいところいっぱい泊まったじゃない」
中川「いや、そうですけどね。まず、汽車站(バスターミナル)の隣ってのが・・・」
葛的「ああ、やばいね」

犯罪は、駅とか観光地とか、よそ者が多いところに発生しやすい。これ万国共通。
人気のないところのような、いかにもヤバそうなところでは、意外と何もおきないものだ。

中川「で、宿泊費いくらだったんですか?」
葛的「80元(1000円ぐらい・もちろん二人で)」
中川「やっぱり・・・。そういえば、パスポート見せてなかったですよね」
葛的「あ、そういうえばパスポート見せろって言われなかった!」
中川「いままでそういうところありましたっけ。」
葛的「・・・ないねー。そういえばどんなにショボイところでも、パスポートだけは見せてたよ。」

今まで行った中国の宿では、どんな安宿でも例外なく身分証の提示を求められた。
中国人は全員、身分証を持っていて、僕たち外国人はパスポートを提示する。

中川「つーことは、もし、ここで僕たちが殺されちゃっても・・・」
葛的「なかったことになるかもね。まあ、夜中にドアをたたいてきても絶対開けないことだね」
中川「そりゃ開けないけど・・・でも・・・力づくで開けられますよね。こんな扉。それに階段が外に付いてるし」

鍵は自転車の鍵よりも小さい。その上、扉はガタついていて、今にも壊れそうだ。
それに、このホテル、なぜか非常階段のように、外に階段がついている。

葛的「大丈夫だよ、犬(の人形)がいたじゃん」
中川「あいつ、動かないじゃん!役に立たないよ」
葛的「大丈夫だよ、こんなでかくて怪しい外国人の部屋なんか入ってこないから」
中川「でかくて怪しくて悪かったな。いや、入るまででかくて怪しいかわかんないじゃん」
葛的「フロントの姉ちゃんがいるから大丈夫だよ」
中川「あいつ、絶対あそこで寝るよ!」
葛的「寝るね・・・Zzzz」
中川「寝るよ・・・Zzzz・・・」

そして、何事もなく朝を迎えるのだった。

警官ロボ写真は警官ロボに雲霄県までの道を聞いているところ。
もちろんロボは答えてくれない。
持っているのは銃ではなく、スピードガンでスピード違反を取り締まっている体らしい。
このスピードガン、ときどき中のLEDが光るようになっていて、なかなかリアルだが、たぶんニセモノだろう。
このロボ、頭に太陽電池がついている、エコ仕様である。
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中国のステキホテルについては、以前招待所宿泊マニュアルというエントリで書いた。そこで僕は、
中国のホテルは★マークでランク分けされているが、それ以外にもランク分けがある。
賓館・飯店(○○賓館・○○飯店・○○酒店)がいわゆるホテルで★マークがあるのはすべてこれ、以下、招待所(○○招待所)、旅社・旅館(○○旅社・○○旅館)となっている。ただし、大学や政府機関の附属だったりすると名前は招待所でもホテルクラスの場所もある。

と書いたが、南方ではこの常識は通用しなかった。

自転車で汕頭を出発してから二日目、雲霄県というところで泊まることにした僕たちは宿を探した。「県」なので最初から期待していなかったのだが、汽車站(バスターミナル)の隣に「適新大酒店」というネオンサインを発見した。

「適新大酒店」は路地裏にあるらしい。行ってみると、なぜかフロントが外にあって人相の悪いお姉さんが座っている。そうこうしているうちに、葛的先生が手続きをしてきた。

僕が「いくらだった?」と聞くと、葛的先生「へへへ」という。イヤな予感がする。

適新大酒店


見た感じ、かなりボロいが・・・でも「大酒店」だし・・・。

お姉さんは、親切にも僕たちを案内してくれた。客室は三階にあったが、二階の踊り場に原寸大のシェパードの置物があってびっくりした。

案内された客室はこんな感じ。まずはベッド。

適新大酒店のベッド


意外にいいじゃないですか(招待所はベニヤ板の上に布団が乗っているものが多い)、と思ってよく見ると・・・。

適新大酒店のベッドの足


なんかタイルがはさんである!試しにこれを取ったら傾いた。大酒店なのに。

適新大酒店の何か?


(まあお約束だけど)壊れてるじゃないですか。この箱、いろいろスイッチがついているけど、すべてダミー。大酒店なのに。
第一、「Do not disturb」なんて書いてあるけど、外にそれを示すものが何もない。

電話は・・・アレ、どこにも無い。服務員もいないようだし・・・(かつては各階に服務員が常駐していた)。フロントにはどうやって電話するんだ?

服務台電話


「服務台電話8527186」・・・。外線かよ!続きを読む
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日中関係があやしくなっているが、そろそろ夏に行った中国自転車旅行の話をしよう。今回走ったのは、福建省汕頭市から泉州市までの約350キロ。だいたい東京から仙台ぐらいの距離である。

成田空港から広東省広州市に降り立ち、広州市在住のいとこの家に一泊厄介になった。次の日汕頭までバスで移動。その次の日に自転車を買い、ひたすら北へ走る。最終的には福建省泉州市まで行き、深夜バスで広州市に戻り、広州で一泊して帰ってきた。


より大きな地図で 2010中国自転車旅行(広東省・福建省) を表示

今回の旅の友はこれ。もちろん右のさびたママチャリではなく左側である。

IMGP1635


これを買った汕頭市は、結構大きい街なのに、自転車屋が少ない。この地方では、オートバイや電動スクーターが普及しており自転車屋が少ないらしい。実際、自転車が走っているところをあまり見なかった。

一見、ロードレーサー風のドロップハンドルで、走りそうに見えるがこれが全然走らない。その上、故障続出。それも僕が持って行った工具では治せない故障ばかりで、歴代の自転車の中では最悪だった。もっとも最初に中国を走ったときから10年もたっているのに、300元(3000円ぐらい)と歴代の自転車で一番安いのだから仕方がないのだが。

まず、買った次の日にクランクが落ちた。クランクというのはペダルがついている棒の部分で、ここが落ちると新しいクランクに交換しなければならない。もちろん、クランクのスペアなんて持っていないので僕では直せない。

自転車屋を見つけて、これを修理してしばらく走ったら、今度は同じ日に後輪がどこかに引っかかって回らなくなった。原因不明である。また自転車屋を探して修理してもらった。ちゃんと直ったが(そのうえ工賃はいらないと言われた)どこをどう直したか、僕にもよくわからない。

その次は数日後にパンク。もちろんこれは直せるのだが、何しろ猛暑の中で作業をしたせいで、パンクの原因をタイヤ内に残してしまった。修理してからいくらもたたないうちに再びパンク。結局これも自転車屋で直してもらった。工賃は2元(30円未満)。安い。

旅の最後に前のディレーラー(変速機)がいかれた。これも、ちょっと考えられない壊れ方で、何もしていないのにチェーンが外れてしまう。前だから使わなければいいのだが、振動で勝手に変速してしまうニセオートマ車(これも故障の一種)なので、ときどきレバーを戻してやらないとチェーンが外れる。

一緒に行った葛的先生の自転車はパンク一つしなかった。くやしいのでひそかにボルトの一つでも緩めてやろうかと思ったが、結局自分に降りかかってくるのでやめた。

福建省の地形は日本とよく似ている。山が連なりいくつもの峠を越えて次の街に行く感じで、今まで走ったところのような平坦な場所はほとんどない。僕の自転車がよく壊れたのも、坂が多かったせいもあるのだろう。

気候は、まあ予想はつくが、とにかく蒸し暑い。地元の農民は午前10時から午後3時までは働かないそうで、実際10時過ぎるとかなり暑くなってきて、3時になるとすずしくなる。夜はみんな外で涼んでいる。しかし、帰ってきて日本の方が暑かったのにはびっくりした。

南方は治安が良くないというのはよく聞く話で、僕もさんざん行く前に聞かされたが、そういう意味では一度も怖い思いはしなかった。もちろん、だから治安がいいというのではなく、それなりに用心しているからだろう。

唯一、死ぬかと思ったは、雲霄県から漳州市へ行く途中、度重なる故障のせいで、どうしても夜走らなければならなくなり、下り坂で砂の山に激突したときである。

突然、目の前に白い壁が立ちはだかって、ブレーキをかける間もなく前輪が持ち上がって転倒した。全身砂まみれで、左にはトラック、右は川でマジで死ぬかと思ったよ。
死ぬかと思った
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人には越えなければならない壁がある。そして越えられない壁もある。

まずはイギリスの壁。コッツウォルズ(Cotswolds)地方、アッパー・スローター(Upper Slaughter)の壁。

upper slauhterの壁1(1024x768)

upper slauhterの壁1(1024x768)
upper slauhterの壁1(1280x1024)

Upper Slauhterの壁2(1024x768)

Upper Slauhterの壁2(1024x768)
Upper Slauhterの壁2(1280x1024)

昆虫採集の参加費250ポンド(3万円)って高すぎない?

続けて何かと話題の中国の壁。福建省泉州文廟の壁。
泉州文廟の壁1(1024x768)

泉州文廟の壁1(1024x768)
泉州文廟の壁1(1280x1024)

泉州文廟の壁2(1024x768)

泉州文廟の壁2(1024x768)
泉州文廟の壁2(1280x1024)
煉瓦をよく見ると縞々があるが、この地方の煉瓦にはなぜか模様が入っている。

なんか圧縮率間違えてノイズでまくり。後でなおします。たぶん。
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僕が今使っているデジカメはPENTAX K100Dという機種である。これを選んだ理由はバッテリーが単三電池だからだ。

今年の夏のような長い旅に出ると、膨大な数の写真を撮る。フィルム時代は、仮にフィルムが無くなったとしても、どこでも売っていたし、行く前に入れ替えておけばバッテリーが無くなることもなかった。

デジタル時代になって、フィルムがいらなくなったのはいいが、代わりにバッテリーが必要になった。専用のバッテリーと充電器でも事足りるのだろうが、荷物が多くなるし、かならず充電できるところにいるとは限らない。やはり世界中どこでも手に入る単三電池は安心感が違う。

普段はこのカメラに三洋のeneloopを入れている。自然放電(使っていないのに電池が減ること)が少なく、そこそこ使えて、コストパフォーマンスがいいからである。

国内の旅行ならこれとスペアを一セット持っていくのだが、今回のイギリス旅行と中国旅行では、アルカリ電池の8倍持つというエナジャイザーのリチウム単三乾電池を使ってみた。なお、この乾電池は使い捨てで充電できないので注意。




お値段は4本入りで1400円(2本入もある)ほど。普通のアルカリ電池やeneloopに比べるとかなり高い。

で、使ってみた。結果は・・・まだ分からない。がとにかくすごい。

撮影枚数はイギリス旅行と中国旅行合わせてすでに2000枚を超えている。普通のアルカリ単三電池だと100枚程度なので、8倍どころではない。無くなったときのために、どちらの旅行にももう一セット買って持って行ったのだが、それがそっくりそのまま残っているのである。

バッテリーメータは今でも満タン状態。まだまだ使えそうだ。バッテリーメーターはあまりあてにならないが、あと1000枚ぐらいは撮れそうな感じがする。

この電池がすごいのは、それだけではない。びっくりするぐらい軽いのである。

たとえば、eneloopだと4本で100グラム程度。ところが、これは60グラムしかない。スペア(いらなかったけど)を持って行っても苦にならないのである。少しでも荷物を軽くしたいエクストリームな旅をするときや、ヘッドランプなんかの身に着けるものに入れるときにこれはありがたい。

というわけで、普通の電池に比べるとかなり値段が高いが、それだけの価値はある。エナジャイザーのサイトによると低温にも強く、自然放電も少ないので(15年持つらしい)、非常用にもぴったりである。

それにしても・・・写真撮りすぎだよ。整理が追い付かないよ・・・。
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まだやらなきゃいけないこともあるけど、一応引っ越しが完了しましたので報告します。

やたがらすナビ
http://yatanavi.org/

りぞうむ文学辞典
http://yatanavi.org/rhizome/

お手数ですが、ブックマーク・リンクの更新をお願いします。

なお、Googleのサイト内サーチはまだインデックスされていないので、使えません。

また、不具合、リンク切れなどがあればご報告いただければ幸いです。
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すでにデータの移行は終わった。ドメイン名も取った。

まだ、いろいろやらなきゃいけないことがあるんで、ここではリンクしないが、新しいURLは、

http://yatanavi.org/

である。これで今のところ広告なしのやたナビが見られるが、まだ何も書き換えていないので、あっちこっちのリンクが切れている。

問題はCGIを使っていたWikiと旧掲示板をどうするかだが、今度のサーバーはPHPが使えるので、WikiエンジンをPukiwikiにして、とりあえずデータを移行してみた。こちらのURLは

http://yatanavi.org/rhizome/

となっている。こちらもYukiwikiとの仕様の違いで書き換えなければならないところがある。

掲示板は・・・どうしよう。
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サイトの引っ越しなんて、使っている人にはURLの変更だけが問題なんで、実際に引っ越してから「引っ越ししました」でいいんだけど、笠間書院のブログにも取り上げていただいたので、経過を報告する。

よく考えたらISweb終了まで、あと二月半ほどしかない。2010年09月07日のエントリでは、「だれか、庇を貸してくんないかな。」などとヌルいことを言っていたけど、そんなこと言っている暇はないので、自力でなんとかすることにした。

続けるにはサーバーの引っ越しをしなければならないのだが、どうも無料で満足できるレンタルサーバーがない。結局、有料のサーバーに移行することにした。また、これを機に独自ドメインも取りたいと思う。

Livedoorにあるブログとしたらばの掲示板はそのまま。なので、移行の経過が気になる人はブログを読んでほしい。もちろん、完全に移行したら、現在の「やたがらすナビ」TOPに掲載し、新しいサイトにリダイレクトさせる。

「自分の金を出さないこと」がポリシーなので、いままでやらなかったアフィリエイトも始めたい。『やたがらすナビ』や『やた管ブログ』程度のPVでどのくらい収入があるか分からないが、せめてサーバー代ぐらいは出るようにしたい。

有料サーバーは「できること」が増えるので、内容についても、もっと検討したいのだが、今のところサイト引っ越しが精いっぱいなので、それはそのうちやりたいと思う。

何か面白いアイディア(ばかばかしいのも歓迎)があったら、このエントリのコメント欄まで。
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中国ネタを書くつもりだったが、マジで頭にきたので、また違う話題。

「奨学金返済地獄」夢断たれる若者たち―金貸しになった旧育英会:J-CASTテレビウオッチ
奨学金を返せない若者が増えている。就業・生活が安定せず、返そうとしても返せない。若者への投資だったはずの奨学金が、若者の足を引っ張っている。事態は深刻だ。
Aさん(24)は図書館の司書になるのが夢だ。両親に負担をかけまいと、奨学金を借りた。しかし、就職難で1年契約の非正規職員にしかなれない。奨学金の返済を始めると、手取り10万円の収入に返済額は2万円。アルバイトを3つやったが、過労で体調を崩した。この4月、夢をあきらめて診療所の正規職員になった。
「夢を実現させるための奨学金が夢を奪った」
とAさんは言う。
奨学金の残高が2倍になった例もある。Bさんは工場を雇い止めになって以来定職がない。奨学金は140万円だったが、返済猶予期間が過ぎて、なんとか払える分だけでもと返済を続けたが、とても追いつかず、延滞金がかさんで残高は270万円にふくれあがった。Bさんは「債務に追われている感じ。八方ふさがりです」と話す。


僕自身、大学院生時代、日本学生支援機構の前身、日本育英会の奨学金をもらい返済している。僕の時代は無利子だったが、有利子が主流になっているのは知っていた。

しかし、延滞金で金を返しても膨れるようなものになっているとは知らなかった。おまけに、これからは金融機関のブラックリスト(金融機関から金を借りられなくなる)に載せるという。立派な街金に成り下がったようだ。

この番組、たまたま見ていたのだが、理事長だかなんだかスカしたオッサンが、この処置について、自転車操業にならないための教育的な措置だというようなことを言ったとき、本当に頭にきた。

金利による利益を追求している時点で、これはもう奨学金ではないのだが、収入がないうえに借金ができない人を作ることの何が教育だろう。

まともな金融機関なら、返済プランを立てさせて、なんとか回収しようとするものだ。教育というならなおさらである。それもしないでブラックリストでは闇金の客と自殺者を増やすだけだ。日本学生支援機構は闇金の斡旋業者である。

そして、この記事についての「はてブ」コメントを読んでさらに腹が立った。「返せないのに借りるのが悪い」と言っている人が少なからずいるのである。

「奨学金返済地獄」夢断たれる若者たち―金貸しになった旧育英会 (1/2) : J-CASTテレビウォッチ

まず、これを奨学金として見た場合、ある程度返せない人がでて、それを回収できなくても仕方がない。奨学金というのはそういうものだからだ。

奨学金とは、日本社会の学生に対する投資なのである。その金で勉強して、将来、日本のために利益を上げてくれればいい。直接学生から利益を上げるためのものではない。

だが、全員が日本のために利益を上げてくれるわけではない。これは、いくつもの株を買って、そのなかの一つが上場廃止になったようなもので、トータルでプラスになれば、少々の損は考えなくっていいのである。だから、猶予や免除がある。しかしそれを悪用して、踏み倒すやつが増えた。それはたしかに「返さないやつが悪い」。

日本学生支援機構のやり方だと、これはもはや奨学金とは言えず、単なる学生ローンである。つまり投資ではなく融資ということになる。この場合、返す見込みのないやつに貸したほうが悪い。融資とはそういうものである。

だから、銀行は収入の少ない人にはなかなか金を貸してくれないし、担保を要求するのである。しかし、学生には不動産なんかの担保も収入もない。

普通ならとても金など貸せない人たちだが、それでも貸すのは、将来があるからである。言葉をかえていえば、学生は将来を担保に日本学生支援機構から金を借りたのである。その担保価値が下がっても「借りた側の見通しが甘い」のではなく「貸す側の見通しが甘い」のだ。

もし、あなたがこの記事を読んで、「返す努力をしない学生が悪い」とか「自己責任」だとか思ったのなら気をつけたほうがいい。あなたは借金の意味が分かっていない。将来大変なことになるかもしれないよ。

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