2012年01月

毎年、正月明けの書道の授業では、今年の目標・抱負を書けというのをやる。

生徒に出した課題は基本的に自分でもやる(書道のみ。国語はやらない)主義なので、僕も書いてみた。

「勉強する」

で、一月が終わったわけだが・・・

二月から本気出す。
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すべての教育論は机上の空論である。実際の教育現場でそのまま使えるものはほとんどない。

なぜなら、生徒も先生も人間だからである。人間は置かれている時代・地域その他の環境によって千差万別だ。どんな相手でも、どんな先生でも運用でき、効果の高い、画期的な教育方法なんてものは存在しない。

机上の空論だから意味が無いというつもりはない。方法を提示することはヒントになるし、それを検討することには意味がある。そこからより現場にあった効果的な方法が発見できるかもしれないからだ。

しかし、原則として机上の空論だということだけは忘れてはいけない。例えば、次の例はどうか。なお、引用は元記事筆者の意見を削除してある。

2009-05-20 この「いじめ対策」はすごい!:森口朗公式ブログ
1 いじめの認知は、本人、親、友人の誰からの報告であっても「この事態を心配している人から報告があった」で統一する。
2 必ず、一人の教員ではなくチームで対応する。
3 複数の加害者(大抵そうです)と複数の教員が別部屋で1対1で対応する。
4 15分後に部屋に加害者を残して教員が集合し、情報交換・矛盾点の分析を行う。
5 3・4を繰り返し追求することで、加害者に「いじめの事実」を認定させる。
6 事実を認めた加害者に対し「泣くまで」反省を迫る。
7 いじめの事実を認め、「泣くまで」反省した加害者は、通常、被害者に謝りたくなるのですが、すぐに謝らせることはしない。
8 少なくとも一週間の時間を置いて、加害者に謝ることを許す。
9 保護者を交えて、いじめの事実を報告する。


一見、よくできたシナリオに見える。だから、なんだか感動しちゃっている人たちがいる(この「いじめ対策」はすごい! - 森口朗公式ブログ:はてなブックマーク)が、この方法の一番の問題は、シナリオとして完成していることである。

まず1〜3まではいいだろう。これで参考になるのはここまで。

4の情報交換・矛盾点の分析から、いじめの真相が見えてくるだろうか。現実的には、見えてくる場合もあるだろうし、見えない場合もあるだろう。真相が見えなかったときの処理をどうするかが考えられていない。

4が一番大事なのに、そこが考えられていないから5以降がおかしくなってくる。

仮に4に失敗すれば、5は冤罪になる。冤罪なら、絶対に認めない子供もいるだろうし、冤罪なのに面倒くさいから認める子供もいるだろう。逆に冤罪でなかったとしても、自分のやったことが正しいと思い絶対に認めない子供もいる。

大人の世界を考えればすぐにわかることだ。痴漢の濡れ衣を着せられたが認めてしまった人や、確信犯で絶対に罪を認めない人、そんな人はいくらでもいる。

こうなると、6以下がもう検討に値しないことが分かる。6以下はすべて3が適切に行われているのが前提の、いわば処罰である。

教育的な処罰は、この場合いじめの真犯人で、なおかつ反省していないと意味がない。3がうまくいかないまま6以下に進めば、子供の心に深い傷を負わせることになるだろう。

最初にこれがシナリオと書いたが、シナリオには演者がいて、シナリオどおり演じることで劇が成立する。上の〈すごい〉方法を読むと、なにやら学園ドラマのワンシーンが思い浮かぶだろう。奇しくも元のブログに、反省をせまるときに「刑事ドラマのカツ丼」が必要と書いているが、これがドラマのシナリオに過ぎないことを露呈させている。

このシナリオの一番の問題点は、子供をキャストに含めてしまっているところだ。先生はシナリオ通り演じられても、子供はそう都合よく演じてくれはしないのである。
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マナー違反で関学生を“出入り禁止”? マクド側は困惑:MSN産経
 関西学院大西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市)近くにある大手ハンバーガーチェーン「マクドナルド」甲東園駅前店が、学生のマナーが悪いとして同大に対応を求めたところ、大学側は「関学生の出入りが禁止された」と、学生に通知したことが18日、分かった。日本マクドナルドは、対応を求めたことは認めながらも「出入り禁止とまでは言っていない」と困惑している。
 関係者によると、店長が「学生が試験勉強をするために店内を占拠し、飲食物を持ち込んだりする」と、16日に同大に相談した。


つい学生のマナーがとか言いたくなっちゃうかもしれないけど、よく考えたらちょっとおかしくないか。

もちろん、飲食物の持ち込みに関しては学生に問題がある。これを禁止するのは正当なことだし、教育的見地から大学に指導を要請するのもいいだろう。しかし、「学生が試験勉強をするために店内を占拠し」長居することは何が問題なんだろう。

たとえば、このマクドナルドが時間制だったら、たしかに問題だ。だが、そんなマクドナルドは見たことがない。たぶん、甲東園駅前店にもそんなことは書いていなかったろう。

だとしたら、どれだけいてもいいということになる。

学生からすれば、他の客と同じお金を払い、同じ権利を有している。時間制でない以上、何時間いてもいい権利があるのだ。

他の客からしても、高歌放吟するとか、絡んでくるなら迷惑だろうが、静かに勉強していて何の問題があるだろうか。席が無かったら別の店に行けばいいだけで、そんなことはどこでもあることだ。

迷惑だと思っているのは、回転率が下がり、利益が下がる店の方だろう。

おそらくこの店は、普段、学生たちから多くの利益を上げている。だから「出入り禁止とまでは言っていない」となる。しかし「普段は来てください」「試験期間中は来ないでください(もくしは、さっさと帰ってください)」こんな都合のいい商売が許されると思っているのだろうか。

客を差別しないのは、商売として最低限まもるべきことである。試験期間の回転率を上げたければ、時間制限をして、関学生だけでなく、誰であっても、1時間とか2時間とかしかいられないようにすればいい。

もちろん、そういうルールは店が運用することで、大学は関係ない。大学に苦情を言うこと自体がお門違いなのである。

マナーがなっていないのはマクドナルドの方である。関学生はこんな店、金輪際行かないようにした方がいいね。
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授業で小さなヒートンが必要になって―そもそも授業でヒートンが必要になること自体奇妙なのだが―看板に「ネジなら何でもそろっている店」と書いてある店に入った。

さすが何でもそろっている店だけあって、店中ネジの箱だらけで、どこにヒートンがあるんだかさっぱりわからない。店の主人に聞くと「ヒートンは大きいのしかないね〜。駅前の100均に行ってよ」という。ネジなら何でもそろっている筈なのに。この辺から何かがおかしくなったらしい。

自分の家の近所になる、100円ショップには無かったのを確認していたので、望み薄だったがとりあえず駅へ向かった。

途中、住宅街の路地を歩いていると、前方から朗々と歌う声が聞こえた。

「私のお墓の〜前で〜 泣かないでください〜」

むちゃくちゃ上手い。まるでプロの声楽家のようだ。

一体、どんな人が歌っているのだろうとおもっていると、どう見てもホームレスみたいなオッサンが(たぶん本当にホームレス)こちらへ来るではないか。無表情で歌いながら、結構な速足で微妙にジグザグに歩いている。酔っぱらっている風ではなく、いかにもヤバい雰囲気を醸し出している。

路地は幅員2メートルほどしかない。ぶつかるかも!

一瞬恐怖を感じたが、オッサンは僕なんか目に入らない様子で、通り過ぎて行った。もちろん、「千の風になって」を歌いながら。

しばらく歩いて今度は国道の広い交差点にでた。すると今度は大音量の音楽が聞こえてきた。聞き覚えのある演歌だが、カラオケなので歌詞がない。サビの部分になってやっと思い出した。

「決めた〜。決めた〜。おまえとみちづれに〜」

牧村美枝子の「みちづれ」である。そして、「みちづれに〜」と同時に音源が姿を現した。

右翼の街宣車!

RVを改造した、小型の街宣車。運転しているのは軍服を着たいかついオッサンで、あきらかに「みちづれ」をくちずさんでいる。

街宣車と「みちづれ」のミスマッチが妙に怖い。一体誰をみちづれにするつもりなんだろう。

そんなこんなで、駅前の100円ショップに到着。探していたヒートンがあった。さすが「ネジなら何でもそろっている店」の店長である。
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誰にも思い出の本屋はあるだろう。僕の場合、武蔵小山のシグマ書房はその一つである。

そういう書店の多くが閉店してしまったが、シグマ書房は今も営業している。だから、正確には記憶の彼方にある思い出の本屋ではない。しかし、近いうちに思い出の本屋になることになった。

この本屋ができたのは、僕が小学生のころだったように記憶している。武蔵小山には祖父母の家があり、そこに行ったときにはかならずパルム商店街(当時はそんな名前はなかったけど)を歩いた。埼玉の小さな町に住む僕にとって、パルム商店街は地元のチンケな(失礼!)商店街とは比較にならない楽しいところだったのだ。

シグマ書房と「ささや」というおもちゃ屋が僕の巡回ルートだった。シグマ書房はパルム商店街の奥の方にある。ちなみに、今僕が住んでいるところは、その祖父母の家よりもシグマ書房に近い。

不思議な本屋で、それほど広くないのに、妙にマニアックな本があるかと思うと、ごく普通の本もある。陳列の仕方もうまく表現できないが独特だった。ご主人の趣味が多分に出ているのだろう。

おまけに、なぜだかときどきお釣りをまけてくれる。古本屋ならそういう店があっても不思議じゃないが、ここは近年古書も売るようになったものの、新刊書を売るのが本業である。

今日、買い物があってパルム商店街を歩いていたら、いつもはほとんど人がいないシグマ書房の前に人だかりができている。何だろうと思って見てみると、入り口に貼り紙がしてあった。

【文庫本】
1冊 100円
5冊 300円
10冊 500円

【単行本】
1冊・・・

文庫本だけでなく、単行本や新書、和書だけでなく洋書も、そしてなぜか板本までとんでもない値段で売っている。どれも、むちゃくちゃな値段である。

どうやら店を閉めるらしい。すでに奥の書架は空になっている。

普通、本は返品ができるものなので、閉店しても送り返せばいいだけだが、この本屋は買い取り制の岩波文庫(講談社学術文庫もあったけど、買い取りなのかな?)を多く置いていたので、この文庫本には新刊本がたくさん含まれている。

時代の流れとはいえ、子供の頃から親しんでいるこの店がなくなるのはとても寂しい。しかも、現在祖母の文具店も閉店で在庫処分している最中である。大事な「店」が二つ同時に消える感覚は、ちょっと言葉に表せない。

岩波文庫の黄帯を中心に15冊買った。これで800円。もっと買いたかったが、別の用事があったので、これぐらいにしておいた。

聞くとシグマ書房の閉店セールは今週いっぱいやるそうだ。時間があったらもう一度見に行ってみようと思う。
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ドアモニなんてなんだか、AKB48に対抗して作ったモーニング娘のユニットみたいな名前だが、ドアモニターの略である。

僕が住んでいるマンションは築年数が古く、入り口から誰でも中に入ることができる。その上、ドアチャイムは付いているが、インターホンやモニターが付いていない。

チャイムがなったらのぞき穴から見るのだが、これはよく見えないし、来てほしくない(セールスとか)奴は、立つ場所を心得ていて、そこに立たれるとほとんど見えなくなってしまう。

やむなく、「どちら様ですか?」とか聞くが、僕のマンションは廊下が幹線道路に面しているので、かなり大声を出してもうるさくて聞こえないらしい(または聞こえないふりをしている)。オマケに平日の昼間に来る宅配業者なんぞは、初めからいないものと思っているのか、たいして待ちもせずに帰ってしまう。

そんなわけで、以前からインターホンを付けようと思っていたのだが、意外に値段が高い上に、賃貸なのであまり大工事はしたくない。何か手軽なのはないかと思って探していたら見つけたのがコレ。

ドアモニター:Panasonic



簡単に言うと、ドアの外を室内の液晶モニターで見られるというものである。そんなのはいくらでもあるが、取り付けが簡単なのが特徴だ。

ドアの形状に条件があるものの、両面テープと付属の六角レンチ一本で簡単に取り付けられ、ワイヤレスなので配線の心配がない。僕の場合10分ほどで取り付けることができた。

ドアモニにはVL-SDM100とVL-SDM200の二種類がある。VL-SDM100の方は外が見られるモニターだけの機能しかなく、モニターはACアダプタに繋がっている。VL-SDM200はインターホンの機能や録画機能があり、モニターが充電式のワイヤレスで複数にすることもできる。差額は10000円ぐらい。

この商品を買う人は、比較的狭いアパートの独り暮らしが多いだろうし、今時インターホンがないアパート・マンションも少ないだろうから、大抵の場合VL-SDM100で十分だろう。

僕の家の場合、インターホンがないので、その機能が付いているVL-SDM200の方を買った。

これが、ドアモニのカメラ部分。上の黒い部分がドアの外で、白い部分がドアの内側になる。ドアを跨ぐように取り付けるので、ドアの形状(こちらを参照)条件がある。

ドアモニ(カメラ)


写真だとずいぶん大きく感じるが、実際に取り付けてみるとそれほど目立たない。

ドアモニ(外)


内側はこんな感じ。ここに単三電池4本が入り、説明書によると6か月もつそうだ。電池の交換はここに取り付けたまま行える。
ドアモニ(内)


モニターの方はこちら。この写真ではよく分からないが、携帯電話の充電器のようなものの上に乗っている。VL-SDM200の場合(VL-SDM100はコンセントと直結する)、これが親機になっている。最初それを知らなかったので、充電が終わってコンセントを抜いたら通信されなくなってしまい故障かと思った。

ドアモニ(モニター)


モニターの大きさは片手で握れるぐらい。

ドアチャイムがなったら「モニター」と書かれているボタンを押すと20秒間画像が現れる。VL-SDM200なので、同時に外の音が聞こえ、「押しながら話す」というボタンを押しながら話すと、外のカメラ部分から音声が出る。

画像は鮮明(自動的に感度が上がるらしく夜間は白黒になる)で、画角も広い(120度)ので、ドアから外れたところに立たれてもちゃんと見える。

ちょっと残念なのは、ボタンを押してから画像がでるまで3秒ほどのタイムラグがあることと、外のカメラが上に付いているため、外の人には音声が聞こえにくい(あと、上から声がでてきてびびる)ことぐらいだろうか。

監視カメラではないので、一定の時間で写真を撮るという機能はないが、ドアののぞき穴に比べたら格段によく見えるので、セキュリティに少々難のある集合住宅に住んでいる人にはストロングバイ。
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昨日、「東京都の高等学校書道科教員による書展」が無事終了した。

無事終了して当たり前なんだけど、去年が地震で無事終了どころか、始めることもできなかったので、実行委員長の僕としてはとても感慨深い。

ご覧いただいた方々と出品していただいた方々に感謝します。

写真はこちら。

第18回教員展


一応、僕の作品。

送信者 第18回教員展


な〜んのひねりもない、蘭亭序の臨書。

こういうのを最近書きたくってしょうがないのです。
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産休の権利なんて当たり前の話だが、条件が変わってくると、とたんにあやしくなってくるものらしい。

妊娠した新人女性社員に上司激怒 「避妊しないなんて無責任だろ。最近の若い奴は何を考えてるんだよ、ふざけるな!」:痛いニュース
これを聞いたマネジャーは、「会社に入ったばっかりの新人で仕事も一人前にできないくせに、自分らの勝手で避妊しないなんて無責任だろ。最近の若い奴は何を考えてるんだよ、ふざけるな! 休職だと代わりの人員を補充できないし、採ったお前のところでクビにしてくれ」と私を怒鳴りつけてきました。
確かに、戦力になっている中堅社員なら、復帰に期待が持てますが、入って1年も経たない社員に復帰してもらっても、次の新人を抱えた現場では足手まといになるのは目に見えています。こういうとき、どう対処したらいいのでしょうか――――

「産休の権利があるんだから、気持ちは分かるが言っちゃいけない」なんて言っているやつがいるが、それでいいのか?こんなもん、権利抜きにして気持ちも分からん。こういう無能上司の下では働きたくないね。

会社というのは、予期せぬリスクがある。リーマンショックや欧州危機みたいな社会的なことから、職員の病気・怪我・事故に至るまで、予想できないことはいくらでもある。それに対処して利益を上げるのが企業というものだ。

じゃあ、新入社員の妊娠はどうか。

たしかに妊娠自体は予期できない。しかし、実際に産休を取るのは何か月も後の話である。それも、出産予定日の六週間前からとはっきり決まっている。休暇の長さも法律や会社の規定できまっているから、復帰の時期まで予想がつく。

突発的な事故と違い、戦力が欠けるのがいつかはっきりわかっていて、それも何か月も先で十分対処できる期間がある。産休自体、珍しい事例でもなんでもないから、対処する方法はいくらでもある。

おまけに、上で引用した事例は、まだスキルの低い新入社員である。古参社員が産休とるよりはよほど都合がいいじゃないか。

妊娠なんて予期せぬリスクではない。この程度に対応できない人が、突然の事故とか情勢の変化に対応できるわけない。要するに無能なのだ。会社のために辞めるべきはお前だろ、と言いたくなる。

よくもまあ、こんな無能っぷりを堂々と開陳できるもんだと感心するが、一般企業ってのはそれぐらい面の皮が厚くないとやっていけないんでしょうな。

イヤミです。念のため。
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井の頭恩賜公園(通称井の頭公園)の弁天堂には、なかなかすごいご面相の狛犬がいる。

この狛犬、いるのは知っていた。いつか撮りたいと思っていたのだが、天気が悪かったり、暗かったり、柵が閉まっていたりと、なかなか撮る機会がなかった。

一月一日、ようやく撮ることができたので、狛犬マニアの諸兄にお目にかけることとしよう。

この狛犬、台座の銘によると明和8年(1772年)5月に造られた。ちなみに目黒の行人坂大円寺を火元とする明和の大火は明和9年2月なので、その約半年前に造られたことになる。

まずは右。

井の頭狛犬右


井の頭狛犬右アップ


口を開けているためか、顔面を思いっきりパンチされてびっくりしているような顔である。

続いて左。

井の頭狛犬左

井の頭狛犬左アップ


こちらもパンチめり込み顔には違いないが、歯をぐっと食いしばっているので、なかなか立派な顔になっている。

時代がくだるにつれて、狛犬の意匠は派手になっていくが、この時代はシンプルなものが多い。下の写真は右の後姿。このように尻尾が立っているのも、この時代の特徴である。

しっぽ


弁天堂からもっとも近い公園の出口を出たところに、ちょっと珍しい石像がある。

宇賀神


宇賀神(うがじん)という神様で、人面蛇身の異様な姿をしている。弁天様の頭の上に乗っていたりして、弁財天と習合しているが今一つ由来の分からない神様である。

ちなみに、こちらは狛犬より古い明和4年の作。
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今は元旦から開けている店も多いし、スーパーなんかは二日から店を開けているが、昔は三が日は店を開けないものだった。しかし、文房具屋だけは例外である。

なぜなら、正月は文房具屋の書き入れ時だからである。独楽・凧・かるた・花札・トランプ・囲碁・将棋・・・そういった玩具類が売れた。

このうち、かるた・花札・トランプ・囲碁・将棋を作っていたのが、ファミコンで一世を風靡した任天堂である。今でも正月にテレビゲームで遊ぶのだから、筋金入りの正月企業といっていいだろう。

任天堂は、今でもかるた・花札・トランプ・囲碁・将棋を作っている。WebSiteでは「その他の商品」にカテゴライズされているが、もともとはこちらが主流だったのだ。

その他の商品:任天堂

今日はその中から花札を紹介しよう。任天堂製の花札には、等級がある。最高級品が「大統領」で、次が「天狗」、一番安いのが「都の花」である。この三つは現行商品である。僕の家では、なぜか一番安い「都の花」を扱っていなかった。

こちらが大統領。1500円の値札が付いているが、この箱の中に赤と黒二種類の花札が入っており、それぞれ1500円になっている。
大統領外箱

上の写真の箱の中身。古いものなので、現在のものと箱の形が違う。
大統領内箱

さらにその中身。それにしても、この宝塚の男役みたいな大統領は誰がモデルなんだろう。
大統領中身


「天狗」。花→鼻→天狗ということで花札の隠語として天狗が使われた。これが、花札のブランドになったらしい。ちなみに、現存する花札メーカーに大石天狗堂というのがある。
天狗


昔の任天堂製花札には「大統領」「天狗」「都の花」以外にも、いくつかブランドがあった。

「天狗」よりも偉そうな「大天狗」とか・・・。
IMGP4325


「三羽鶴」というのもあった。
IMGP4402


最後に、amazonのアフィリを貼っておく。


え?中身がどう違うかって?

知らんがな。
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