G7で安倍首相が、現在の状況はリーマンショック前夜に似ていると言ったのには驚いた。僕にはそんな感覚がまるでなかったからである。僕もリーマン・ショックでは痛い目にあったので、二度と同じ目にはあいたくない。ここは人に頼らず、個人的に検証しなければならないだろう。
というわけで、まずはリーマンブラザース破綻(2008年9月15日)ごろまでの一年間のチャートを見てみよう。
日経平均から。

続いて、ニューヨーク・ダウ。

日米ともに、よく似たチャートを描いている。このあと、リーマンショックでさらにドカンと下がるが、前夜の段階で、すでにかなり下がっているのが分かる。これはアメリカのサブプライム危機の仕上げとして、リーマンブラザースの破綻があったためである。
今度はここ一年のチャートを見てみる。この形が似ていれば、リーマンショック前夜に似ていると言えるだろう。まず、日経平均。

なるほど、今年に入ってから株価は右肩下がりで、たしかにリーマンショック前夜に似ているかもしれない。なお、下がった契機は円高である。
では、ニューヨーク・ダウはどうだろうか。

似てない・・・にもほどがある。日本の株価下落の要因が円高なのだから、日本とアメリカの関係だけでいえば、アメリカは有利になる。似ていないのは当然だ。
これではリーマンショック前夜に似ていると言われても、誰もピンと来ないのは当然だ。もう安心とまでは言えないが、すでに二回の危機を脱しているようにも、長期のボックス相場(一定の変動幅の範囲内で、上がったり下がったりを繰り返す)のようにも見える。少なくとも危機的状況には見えない。
さて、ではリーマンショック後はどうなったか。安倍首相の言う通りなら、その後を見ることで、将来を占うことができるはずだ。
ここでは小泉政権発足から、アベノミクス以前までを見てみる。青がニューヨーク・ダウで赤が日経平均である。

2008年の終わりから、日米ともにドカンと落ちているのがリーマンショック。問題はその後。
リーマンショックまでは、日米の株価は連動しているが、リーマンショックを期に、日本の株価が低迷しているのが分かる。つまり、アメリカの株価は3年程度で復活したが、日本の株価はアベノミクスまで低迷したということである。この間、日本は円高が続いていた。
この関係性は、ここ一年のアメリカと日本のチャートに似ている。どちらも、アメリカのチャートがW字型になって回復しているのに対し、日本のチャートはすでに右肩下がりになっている。また、どちらも円高が要因になっているのも似ている。
どうやら、日本に限定すれば、リーマンショック前夜に似ているというのは間違いではないようだ。このままだと、またぞろ長期低迷の可能性も高い。
しかし、他の国は日本だけを見ているわけではない。それどころか、今の世界経済を支えているのは、新興国とアメリカだから、日本なんかは二の次、三の次である。
簡単に言えば、「このままじゃアベノミクス終わっちゃうよ。政権の危機だよ。円安Please、S'il vous plait、Bitte、per favore!」を安倍晋三語で言うと、「世界経済は大きなリスクに直面しているという認識については、一致することができたわけであります」となるわけである。
というわけで、まずはリーマンブラザース破綻(2008年9月15日)ごろまでの一年間のチャートを見てみよう。
日経平均から。

続いて、ニューヨーク・ダウ。

日米ともに、よく似たチャートを描いている。このあと、リーマンショックでさらにドカンと下がるが、前夜の段階で、すでにかなり下がっているのが分かる。これはアメリカのサブプライム危機の仕上げとして、リーマンブラザースの破綻があったためである。
今度はここ一年のチャートを見てみる。この形が似ていれば、リーマンショック前夜に似ていると言えるだろう。まず、日経平均。

なるほど、今年に入ってから株価は右肩下がりで、たしかにリーマンショック前夜に似ているかもしれない。なお、下がった契機は円高である。
では、ニューヨーク・ダウはどうだろうか。

似てない・・・にもほどがある。日本の株価下落の要因が円高なのだから、日本とアメリカの関係だけでいえば、アメリカは有利になる。似ていないのは当然だ。
これではリーマンショック前夜に似ていると言われても、誰もピンと来ないのは当然だ。もう安心とまでは言えないが、すでに二回の危機を脱しているようにも、長期のボックス相場(一定の変動幅の範囲内で、上がったり下がったりを繰り返す)のようにも見える。少なくとも危機的状況には見えない。
さて、ではリーマンショック後はどうなったか。安倍首相の言う通りなら、その後を見ることで、将来を占うことができるはずだ。
ここでは小泉政権発足から、アベノミクス以前までを見てみる。青がニューヨーク・ダウで赤が日経平均である。

2008年の終わりから、日米ともにドカンと落ちているのがリーマンショック。問題はその後。
リーマンショックまでは、日米の株価は連動しているが、リーマンショックを期に、日本の株価が低迷しているのが分かる。つまり、アメリカの株価は3年程度で復活したが、日本の株価はアベノミクスまで低迷したということである。この間、日本は円高が続いていた。
この関係性は、ここ一年のアメリカと日本のチャートに似ている。どちらも、アメリカのチャートがW字型になって回復しているのに対し、日本のチャートはすでに右肩下がりになっている。また、どちらも円高が要因になっているのも似ている。
どうやら、日本に限定すれば、リーマンショック前夜に似ているというのは間違いではないようだ。このままだと、またぞろ長期低迷の可能性も高い。
しかし、他の国は日本だけを見ているわけではない。それどころか、今の世界経済を支えているのは、新興国とアメリカだから、日本なんかは二の次、三の次である。
簡単に言えば、「このままじゃアベノミクス終わっちゃうよ。政権の危機だよ。円安Please、S'il vous plait、Bitte、per favore!」を安倍晋三語で言うと、「世界経済は大きなリスクに直面しているという認識については、一致することができたわけであります」となるわけである。