2017年11月

タイトルだけでは何の意味か分からないと思うが、ニュースの話である。

ご存知の通り、中国のニュースはすべて政府によって検閲されている。これは事実だし、中国政府も隠していない。なにしろ、政府に都合の悪い海外ニュースは、テレビが真っ黒になってしまうのだ。誰だって検閲されていると分かる。

しかし、流されるニュースの量はものすごく多い。というのも、国営放送のCCTVは15ものチャンネルを持っており、ニュースは総合チャンネルとニュース専門チャンネルで流される。さらにCCTVだけでなく、各地方のテレビ局があり、そこでもローカルなニュースが流されるので、検閲されているとはいえ、一日に配信されるニュースの量は莫大な量になる。

それに対し、日本のニュースはどうだろうか。検閲はないことになっているものの、ニュース専門チャンネルはないし、NHKでも民放でも、似たようなニュースばかり流している。最近だと言うまでもなく日馬富士暴行事件である。日本のニュースは、流す時間も限られているのに、みな同じようなのばかり延々流して、貴重な時間をムダにしている。

日本には政府による検閲はなく、どんなニュースを流そうが、政府から横槍が入ることは(たぶん)ない(と信じたい)。しかし、絶対的に放送する時間が少なく、その上、どの局でも同じようなニュースしか流れないのでは、検閲していなくても、しているのとあまり変わらない・・・いや、もっとひどいんじゃないだろうか。
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PENTAX DA18-50mmF4-5.6レンズを試してみた(その1)の続き。

レンズが小さく軽くなったので、早速、普段使っているカバンに入れて、学校に持って行ってみた。やはり軽い。本体とレンズで835gである。前は1.2kgだから、だいたい缶ジュース一本分軽くなったことになる。普段使っているノートパソコンが924gなので、パソコン一台分とよりも軽い。小さいので普段使っているカバンがヘンな形に膨れることもない。

というわけで、仕事帰りに、今年の9月に出来たという、漱石山房記念館に行ってきた。公式サイトはこちら。

新宿区立漱石山房記念館

漱石山房記念館は住宅街の中にある。前の道が狭い上にやたらと横に長い建物なので、全景を写すのが難しい。いままで使っていたのが、17-70mm(35mmフィルム換算で25.5-105mm)なので、なんとなく広角側が足りない気がするが、新しいレンズでも18mm(35mmフィルム換算で27mm)だからよく考えるとこれが普通だ。
漱石山房記念館
よく見えないけど、中には家が復元されているらしい。
復元された家
漱石山房記念館の裏手は小さな公園になっている。その入り口に胸像があった。
夏目漱石胸像
猫の墓。『吾輩は猫である』のモデルになった猫のほか、夏目家のペットを供養するため、猫の十三回忌に建てたもの。本来ちゃんとした九重塔だったが、戦災でご覧のありさまに。「現存する漱石山房の唯一の遺構」だそうだ。
猫の墓
公園には草木が植えられていて、たくさんの花が咲いていた。これは鶏頭。
鶏頭
花に蛾だか蝶だかが蜜を吸っていたので、望遠側にして思いっきり寄ってみた。
蛾だか蝶だか
暗いレンズだし50mm(35mmフィルム換算で75mm)なので、ボケにはあまり期待していなかったのだが、バックがきれいにボケている。しかし、さっきからなんだか使いにくい。ここでやっと気づいた。ズームリングの回し方が逆である。

今まで使っていたシグマのレンズは、左に回すと望遠になる。それに対し、ペンタックスのレンズは右に回すと望遠になる。あまり使わないが、ピントリングも逆である。ズームレンズはシグマのレンズしか使っていなかったので、すっかり忘れていた。なお、ピント・ズームリングの回転方向は次のページに詳しくまとまっている。

ズームリング・ピントリングの回転方向、カメラ・レンズのメーカー別まとめ。キヤノンとニコンが逆なのは何故?:かめらとブログ

さて、このレンズにはちょっと変わった形のフードが付属している。沈胴式なので、普通の花型フードでは、使わない時、逆さまにはめられないからだろう。この形状なので、レンズキャップは昔懐かしかぶせ式で、ちょっと外しにくい。
縮めたとき
「このフードの威力はいかに」と、別の日逆光で撮ってみたのだが・・・。
國學院大學
なんだかムダに神々しい写真になった。さすがは國學院大學である。

え?漱石山房記念館の中ですか?行ったとは書いたけど、入ったとは書いてないよ。

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最近、一眼レフを持ち歩かなくなった。理由は二つ。一つはあまりに重いこと。もう一つはスマホでそこそこの写真が撮れるようになったことである。とはいえ、一眼レフを捨てる気にはならない。

今まで使っていたのは、シグマの17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO(シグマ17-70mmを試してみた:2007年12月24日参照)。明るく、ズーム全域で20cmまで寄れる万能レンズだが、いかんせん534gもあって重い。カメラ本体と合わせると、1.2kgだ。最初から撮る気で出かけるならこのぐらい何でもないが、ちょっと散歩のついでに写真でもと思ったら、これは重すぎる。もうちょっと軽いのはないかと思っていろいろ探してみたら、PENTAX純正でいいのがあるじゃないか。

HD PENTAX-DA 18-50mmF4-5.6 DC WR RE:リコーイメージング

焦点距離、明るさ、最短撮影距離、どれをとってもシグマの方が上である。だが、
  • 軽い(184g)
  • 小さい(沈胴式)
  • 防水
  • レンズ内モーター
はなかなか魅力的。さらにペンタックス純正で、26000円と決して高くはない。というわけで、買ってみた。

こちらが沈胴の状態。もちろん、このままでは撮影できない。沈胴にした時の長さは35mmの単焦点レンズと同じぐらい。
縮めたとき
で、伸ばすとこうなる。撮影するときはこの状態で。
伸ばした時
横から見ると、こんな感じ。
横から見たところ
写真一番左がズームリングで、この写真で見えるポッチを押してから左に回すと鏡胴が伸び、そのあとは普通のズームリングと同じ働きになる。その右(本体側)にあるのがピントリングで、マニュアル時にはこれでピントを合わせる。

この二つのリングがなかなかのクセモノだった。ズームリングの幅が狭いので、間違えてピントリングを回してしまうのだ。普通、よく使うズームリングの方が幅が太いものだが、沈胴になっているので、そのように出来ないらしい。

その上、ピントリングが軽く、ちょっと触れただけで動いてしまう。このレンズは本体をオートフォーカスにしていても、ピントリングを回すだけで即座にマニュアルになる。それは便利なのだが、それにしてもピントリングが軽すぎる。

「ちょっと軽すぎるな」と思って、ピントリングを回してみると、何と同じ方向にいくらでも回る。どうやらリングから直接レンズを動かしているのではなく、レンズ内モーターを動かしているらしい。耳を近づけてみると、かすかにジージーとモーターの回る音がする。ということは、このレンズはモーターが壊れたら全く撮影できなくなるはずだ。

マウントはプラスチックだが、軽いレンズなのでなんの問題もないだろう。赤く見えるのは、防水のためのシーリングだと思われる。これで水がかかりまくるお祭り(奇祭!水止舞に行ってきた(その1):2017年07月14日)でも、安心して撮影に専念できるというものだ。
後玉

さて、早速使ってみたのだが・・・長くなったので、また明日。

PENTAX DA18-50mmF4-5.6レンズを試してみた(その2)付、漱石山房記念館


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自民 竹下氏 同性パートナーの宮中晩餐会出席は反対:NHKニュース
自民党の竹下総務会長は、23日、岐阜市で開かれた党の会合で、海外からの国賓を迎えて開かれる宮中晩餐会に関連し、「国賓のパートナーが同性の場合、出席に私は反対だ。日本の伝統には合わない」と述べました。
まーた都合よく「日本の伝統」とか言っちゃって・・・と思ったが、よくよく考えてみると、それほどおかしな話ではないことに気がついた。

辞書を引くと、「伝統」は次のように書かれている。
ある集団・社会において,歴史的に形成・蓄積され,世代をこえて受け継がれた精神的・文化的遺産や慣習。(三省堂 大辞林 :Weblio
ことほどさように、伝統とは「歴史的であること」と、「世代をこえて受け継がれたものであること」の二つの条件を満たさなければならない。

たとえば、平安時代の十二単は日本の伝統的な服装と言えるだろうか。現代に受け継がれていない以上、歴史的な服装ではあっても、日本の伝統的な服装とは言えないだろう。一般人のチョンマゲもそうだ。力士のチョンマゲなら現在も受け継がれているのだから伝統になる。

逆に、「伝統の巨人阪神戦」などというが、阪神タイガースが結成したのが1935年。たかだか80年程度しか経っていない。それでも、現在まで続いているから、伝統と言っても誰も疑問を持たない。

竹下氏の発言に戻ると、彼の言う「日本の伝統」が何を指しているのかさっぱり分からないが、国賓のパートナーが同性だったことなどこれまでないし、現在の日本では同性の結婚を認めていないのだから、まあ間違ってはいないのである。

というより、今までにない例である以上、「日本の伝統には合わない」というのは全く理由になっておらず、「反対だから反対」と単なるワガママ言いたいのを、それじゃあんまりだから意味のない言葉を付けているだけである。このような手合に、「日本の伝統にそんなのはない」とか、「歴史上はあった」とか、「衆道がどうの」などと言っても無駄である。

こういう手合に言う言葉はただ一つ。

もうあなたの時代は終わったので、隠居してください。
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東日本大震災のとき、僕はたまたま家にいたのだが、交通が麻痺したため学校に泊まった人も多かった。一応毛布などはあるが、まだ寒い季節(3月)だったから、なかなか寝つけなかったという。

最近、空気入れナシで膨らますことの出来る、エアーソファーなるものがあることを知った。本来アウトドアグッズらしいが、防災用具として使えるのではないか。値段を見ると3000円弱。それほど高くない。



というわけで、早速学校に持って行った。断っておくが、あくまで防災用具である。決して昼寝用ではない。

スタッフバッグに入った状態はこんな感じ。重さを量るのを忘れていたが、メーカーの発表だと1.1kg。
スタッフバッグに入れたエアーソファー
これをびろーんと広げると、こんな感じになる。シュラフカバーに似ているが、たぶんシュラフカバーを知らない人の方が多いと思う。
広げる
空気を入れる場所。二つ並んでいるので、それぞれを広げて空気を取り込む。構造的には、ビニール袋の外側にナイロンの布がかぶさっている。ナイロン袋は丈夫そうだが、中のビニール袋は単なるビニール袋なので、これに穴が開いたらアウトだろう。
空気を入れる口
この口から、まさにビニール袋をふくらませる要領で中に空気を取り込む。amazonにある説明によると、「横に大きく振って空気を入れる」とのことだが、いくら広い教室とはいえ、屋内では横に振るのは難しい。室内では風も吹いていないので、この方法ではうまく膨らまなかった。

そこで、上から下へ向けて振ってみたらうまくいった。この方法は、一回ではうまく奥まで空気が入らないので、二三回振ってから、くるくると口を巻いて奥のほうへ空気を追いやって・・・
空気を入れた(一回目)

再び上から下へ・・・。ただし、扇風機などがあれば、もっと簡単にふくらませることが出来る。
空気を入れた二回目

上の写真では何となくたよりなく見えるが、端からくるくると巻いていくと、こんな感じに膨らむ。最後はバックルを止めて完了。なんとなくイヤらしく見えるのは、たぶんあなたが疲れているからだろう。スタッフバッグから出して、二分もあればこの状態になる。
エアーソファー(完成)
うーん寝てみたい。というわけで寝てみた。ちなみに僕の身長は183cm、体重は80kgである。
寝てみた
実はちょっと寝方にコツがいるのだが、そこそこ快適。横になってスマホをいじり倒すとか、本を読むとか、仮眠するにはちょうどいい。というわけで、これで食後の昼寝万一の事態がきても安心だ。

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先日、現在作成中の『蒙求和歌』をやろうと思って、書陵部所蔵資料目録・画像公開システムのリンクをクリックしてみたら、404エラー(ページが存在しない)が出た。

調べてみると、書陵部所蔵資料目録・画像公開システムのURLが変更になったらしい。新しいURLは、

http://shoryobu.kunaicho.go.jp

となっている。

URL変更の経緯について、トップページには次のようにある。
書陵部所蔵資料目録・画像公開システムは,陵墓課が所蔵する考古品の資料を新たに公開します。それにともない,URLの変更をしましたので,リンク切れの可能性があります。順次修正の予定です。
陵墓課の考古学資料と統合検索できるようになったため、URLの変更をしたということらしい。

ここで、古典文学電子テキスト検索に、書陵部所蔵資料目録・画像公開システムへのリンクを多く含むことを思い出した。これらのURLを書き換えなければ、すべてリンク切れになってしまう。

これまでも別のサイトでURLの変更はあったが、規則的に変更されていたので、変更はさほど難しくなかった。今回はどうだろうか。一抹の不安をおぼえつつ、各ページのURLを確認してみる。

蒙求和歌(桂宮本)
旧URL http://toshoryo.kunaicho.go.jp/Kotenseki/Detail/28840
新URL http://shoryobu.kunaicho.go.jp/Toshoryo/Detail/1000017690000

最後の番号がページを表しているのだが、ご覧の通り、新旧で変わってしまっている。法則性も見られない。ここ(太字の部分)さえ同じなら、その前がいくら変わっても一括変換できるのだが、これではその手は使えない。

こうなると、ポチポチと一つづつ、手動で変更するしかない。しかし、書陵部所蔵資料目録・画像公開システムへのリンクは数が多く、とてもすぐにはできない。しばらく(数が多いので、おそらく数年はかかるだろう)はリンク切れになるはずだ。

URLは、情報にたどり着くための重要な情報である。安直にURLを変えられると、そこにリンクしていた文書がすべてリンク切れになってしまう。

書陵部に限らず、非営利の公的サイトには、そのことが理解されていないように思える。この場合も、旧URLから新URLへリダイレクトするか、せめてURLの最後だけ同じにしてもらえば、比較てき簡単にこちらで対処できる。そして、URLを変えるサイトにとって、それはそれほど難しいことではないはずである。

Websiteは他の多くのサイトやページとリンクすることで、より情報の密度を高めることが出来る。安直なURLの変更は、そのようなWebsiteの利点を台無しにすることであることを理解してほしい。
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印盒とは、印泥(朱肉のようなもの)を入れる磁器製の入れ物のことである。今ふと思ったが、中に入っているのは印泥だから、印盒ではなくて印泥盒と言うべきではないか。話がそれた。とにかく書道用の印泥は、磁器で出来た印盒に入った状態で売られている。

印盒1
これは数年前にそのへんの書道具屋で買ったものである。立派な竜の文様が付いている。よく見ると、五本爪の竜だ。五本爪の竜の意匠は、中国の皇帝しか使えなかったので、この印盒は御物だったことが分かる。

裏返してみると・・・。
乾隆年製
「乾隆年製」と書いてある。乾隆帝の在位期間は1735年から 1796年。ということは、220年以上前、乾隆帝が使っていたものということになる。

もちろん、そんなお宝ではない。一部の方はご存知のように、上海西泠印社製の印泥には、昔からこの文字が入っている。数年前に作られたものである。

ニセモノといえばニセモノだが、誰もホンモノだと思って買う人はいない。せいぜい、なにか勘違いした人が『開運お宝鑑定団』に出して恥をかくぐらいである。売る方も、この印盒を乾隆年製に見せかけて、より高く売ろうなどという意識はない。単に高級品として立派に見せたいだけである。

もちろん、現代に作られたものに「乾隆年製」と書いても、古いものとして売らなければ、法律的には何の問題もない。しかし、こういう意識が、知的財産権の存在するブランドやキャラクターなどを模倣してしまうのと地続きであるのは言うまでもない。

さて、今年、授業で使うために、いくつか同じ印泥を買い足した。絵柄は違うが、同じ五本爪の竜である。
印盒2
何気なく裏返してみて驚いた。
ブランドマーク
なんと、お約束の「乾隆年製」という文字の代わりに、西泠印社のブランドマークに変わっているではないか。しかも、ご丁寧にRマークまで付いている。西泠印社のブランドマークが商標登録されているという意味である。それにしても、この意匠に、Rマークは不似合いだ。

中国はニセモノだらけの国で、知的財産権保護の意識が低いといわれる。それは実際その通りなのだが、決して何も変わっていないわけではない。この印盒のブランドマークとRマークはそれを示している。

まあ、個人的には怪しいパチものだらけの中国の方が好きなんだけどね。
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