2024年03月

やたがらすナビの総ページ数が6000になった。なお、この数字にはこのブログやデータベースは入っていない。他のコンテンツもあるが、ほとんどやたナビTEXTのページ数である。
6000ページ
最近は1ページの短いものが多かったが、それでもよくもここまでやったものだと、われながら感心する。過去の記事を見てみると、3000ページが2018年02月(やたがらすナビ3000ページ達成:2018年02月23日参照)なので、3000ページにまるまる6年かかったことになる。

僕にとってはライフワークのつもりなので、6000ページは通過点に過ぎない。誰がなんと言おうと続けるつもりだが、その反面弱い人間だからマイルストーンがないと続けられる自信がない。ページ数はその一つである。

もう一つのマイルストーンになる作品点数は、完成したのが27、作成中の『隆房集』と現在準備中の『三宝絵詞』を入れると29。『三宝絵詞』はかなり時間がかかりそうなので、30作品のマイルストーンは来年以降になるだろう。
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嵯峨本『伊勢物語』は無事完成した。



問題は次は何にするかである。いま話題の大河ドラマにチョーチンを付けようかとも思ったが、『土佐日記』だの『伊勢物語』だの、メジャーどころが連続したので、もう少しマイナーなやつをやりたい。とはいえ、あまり長大な作品をやる元気はない。

ということで『伊勢物語』からの連想で、次は『隆房集』に決定した。底本は、中世の文学『今物語・隆房集・東斎随筆』(久保田淳ほか・三弥井書店)と同じ宮内庁書陵部本。



『隆房集』はその名の示す通り藤原隆房の私家集だが、単なる歌集ではない。別名を艶詞(えんじ)といい、『平家物語』や謡曲でおなじみの小督(こごう)に送った歌100首からなっている。詞書が長く説明的で、私家集とはいうものの散文的な要素が強い。

なにしろ相手は高倉天皇のご寵愛を受ける女だから隆房はフラれまくる。それにもめげず、しつこく歌を送り続ける隆房。このフラれまくり感が面白い・・・と記憶しているのだが、なにしろ読んだのは数十年前、間違っていたらごめんなさい。
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『伊勢物語』の電子テキストを公開しました。


嵯峨本『伊勢物語』:やたナビTEXT

底本は国文学研究資料館所蔵の嵯峨本です。いつもどおり、翻刻部分はパブリックドメインで、校訂本文部分はクリエイティブ・コモンズライセンス 表示 - 継承(CC BY-SA 4.0)で公開します。

『伊勢物語』の電子テキストはあちこちにあるので、今回はあえて嵯峨本を底本にしました。嵯峨本伊勢物語がどんなものかは、次のリンクをご覧ください。

嵯峨本『伊勢物語』:印刷博物館

今回は挿絵も見られるようにし、一段で複数ある場合はページを分けました。さらに挿絵だけ概観できる挿絵ギャラリーを付録でつけました。


嵯峨本伊勢物語挿絵ギャラリー

サムネイル画像をタップ(クリック)するとスライドショーが見られ、サムネイル下のリンクをタップ(クリック)すると、詳細が見られ、そこから『伊勢物語』本文に飛ぶことができます。なお、画像は人文学オープンデータ共同利用センターのものを縮小して使用しています。

伊勢物語:人文学オープンデータ共同利用センター

『伊勢物語』がどんな作品かなんてことは、僕が語るまでもないと思いますので、ちょっと思い出話を。

僕が大学に入って初めて演習形式の授業に参加したのが『伊勢物語』でした。演習というのは担当する章段の本文・注釈・通釈(現代語訳)をプリントにして発表する授業のことです。初めて影印本に触れたのもこのときです。文学研究のイロハのイを『伊勢物語』で学んだということになります。

今回あらためてを読んでみて、なぜこれが最初の教材に選ばれたのかがよく分かりました。章段一つ一つは簡潔で、内容もシンプルです。しかし、深く読むと問題点がたくさんあり、簡単には読めない。いまだに解釈の分かれる部分がたくさんあり、「古典はどう読むべき」ということを理解するにはこれほど適したものはないでしょう。古典というものは多かれ少なかれそういうものですが、特に『伊勢物語』の場合は、現代語訳を読んでも5%も理解したことにはならないと思います。

さて、演習の思い出にはまだ続きがあります。教員免許更新講習の古典担当の先生の一人が、この演習の先生だったのです。しかも同じ『伊勢物語』です。90分の講習でどこまで話すのだろうと思ってたら、第一段から新幹線なみの速さで東下りを下り終えてました。演習のときの半年分ぐらいを90分でやった感じです。

喋っている先生はケロっとしてましたが、聞いている方はみんなクタクタです。僕としては懐かしかったのですが、古典専門どころか国語科でない人すらいるのに、○○先生相変わらずえげつないなーと思いました。

大学一年の演習で読んでからあ37年、教員免許更新講習から10年。制度を導入した張本人の安倍晋三氏は鬼籍に入り、鳴り物入りで導入された教員免許更新制は廃止になりました。月日の経つ速さと世の中の移り変わりには驚くばかりです。
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