周星馳の映画をそれほど見たことがあるわけではないので、えらそうなことはいえないが、これは面白かった。内容は唐伯虎點秋香:算四荘あたりをどうぞ。

主人公の唐伯虎(周星馳)、ヒロイン秋香(鞏俐)もいいけど、ナサケナイ祝允明がいい味を出している。

「詩人」とかいうと、なんじゃそりゃってことになるが、これは詩人ではなく文人である。文人じゃよくわからないから、詩人にしたのだろう。

で、ギャグはかなりしょうもない(けど笑えるのは確か)し、唐伯虎がカンフーの達人だったりするのだが、出てくる書画はなかなかいい。

まず、最初に出てくるクレジットがいい。クレジットの担当(主演とかそういうのね)は篆刻風なのだが、正しい篆書が書かれている。名前の文字も文句なくいい。

そして、主人公唐寅の書画。唐寅の書画をあまり知らないので似ているのかなんだか分からないけど、間違いなく明代の絵に似せて描いている。映画には落款を入れる(署名、捺印のことね)シーンも何度も出てくるのだが、これが本物そっくりである(調べた)。

こういうところに手を抜かないのがいいな。というより、手を抜けないのだろう。おいこら、NHK、どうにかしろ。