9月9日のエントリで奨学金が街金以下の学生ローンになっている現状について書いたが、今度のもかなりひどい。

奨学金の条件「社会貢献活動への参加」追加へ:YOMIURI ONLINE
文部科学省は、国費を財源とする無利子奨学金の貸与を大学生らが受ける際の条件について、成績や世帯収入に加え新たに「社会貢献活動への参加」を追加する方針を固めた。
来年度から貸与者らに文書で呼びかけを開始し、周知期間をおいて数年後の条件化を目指す。社会貢献活動の場の提供に積極的な大学にも補助金などを上乗せする方針。同省は、公費で学ぶ学生に社会還元の意識を根付かせたいとしている。

学生の本分はいうまでもなく勉強することである。それ以外にはない。サークル活動にしろ、ボランティアにしろ、それはあくまでオマケである。そして、奨学金は学生の本分を全うするために存在する。奨学金をもらうことにより、経済的なことに悩まされず勉強できるようになる、それが理想だろう。

この記事によると、社会貢献活動への参加が奨学金をもらう際の条件になるという。社会貢献活動が具体的に何かはっきりしないが、「社会貢献活動の場の提供に積極的な大学にも補助金などを上乗せする方針」とある以上、学生に社会貢献活動させるつもりらしい。

まず、勉強が本分の学生に働かせて貴重な時間を搾取するのは、奨学金の趣旨にはずれている。それに、社会貢献活動だって立派な労働だから、利息分は在学中に働いて返してもらうということになる。おそろしくけち臭い話だ。

文科省は「同省は、公費で学ぶ学生に社会還元の意識を根付かせたい」らしいが、分かっていないのは文科省の方である。奨学金をもらった卒業生が、そこで学んだ学問を生かすことが社会還元である。学んだ学問と関係ない社会貢献活動をしたって、それは還元したことにならない。

このように言うと「どうせお金もらったって勉強しないんだから、ボランティアでもしてもらったほうがいい」という人がいるかもしれない。それは別の問題だ。学生に十分勉強する環境を与えること、それができて僕たちは学生に「勉強しろ!」と言えるのである。

大学側もこれには文句を言うべきだ。ただでさえ、くだらない就職活動なんかで、学生が勉強する機会は失われている。その上、今度は国家がその機会を奪おうとしているのである。

なぜ、寄ってたかって学生から勉強する機会を奪うのか、僕には理解できない。ホントこの国マジでやばいっすよ。