毎年恒例の教員展(今月は1月10日〜12日)だが、今年の出品作品は篆刻にした。

最近、何か書きたい衝動にかられた言葉や詩を書くようにしている。しかし、今回は12月になってもそういうものがなかった。締め切りが近づいて、いよいよ何か書かなければならないとなって、ふと閃いた。それが千字文である。

千字文は、漢字1000文字を重複することなく一文字ずつ使用し、4言250句の詩にしたものである。簡単に言うと、漢文版のいろは歌みたいなもで、梁の武帝(502〜550)が周興嗣に命じて作らせたものとされる。古くから書道の手本や、漢字を学習するためのテキストとして使われた。

四句だから、篆刻の印面に収めるにはちょうどいい。対句になっているので、白文(字が白)と朱文(字が赤)で対にするといい感じだ。今年は思いついたのが遅かったので、「天地玄黄 宇宙洪荒 日月盈昃 辰宿列張」の四句だけだが、この調子で毎年続けていけば、最後まで62年かかる。107歳まではネタ切れの心配がない。これは素晴らしい。

千字文は古勝隆一さんの「文言基礎」で読んだのだが、途中で仕事が忙しくなって挫折してしまった。これを機会に62年かけてゆっくり読めば、挫折する心配もないだろう。

この機会に、篆刻カテゴリを作った。篆刻の話もボチボチしてみたいと思う。

刻千字文(全体)


天地玄黄 宇宙洪荒
天地玄黄宇宙洪荒

日月盈昃 辰宿列張
日月盈昃辰宿列張


なお、今回の展覧会の様子はこちらをどうぞ。
2013年度教員展