撰集抄』が終わって、そのころ同時に進行していた、『今昔物語集』も震旦部付仏法だったこともあり、少々仏教説話に食傷気味だったから、『平中物語』・『成尋阿闍梨母集』と、ちょっと毛色の違うものをやった。

なんとなく飽きていた仏教説話だが、『今昔物語集』も震旦部の最後の巻「震旦 付国史」になって、不思議と仏教説話を読みたくなった。というわけで、次のやたナビTEXTは鴨長明作の仏教説話集『発心集』をやることにした。

慶安四年版本『発心集』:やたナビTEXT

鴨長明が専門だったわけでも、好きなわけでもないが、これで、『方丈記』・『無名抄』・『発心集』と、主要な散文作品はすべてやたナビTEXTに収録されることになる。

『発心集』は、わりと最近、角川文庫から新版が出たので、テキストとしては入手しやすいが、決してお安くはない。僕の調べた限りでは、ネット上に電子テキストもない。



底本は新潮日本古典集成『方丈記・発心集』や旧角川文庫と同じ、慶安四年版本。版本なので、あちこちの画像データベースで見られるが、とりあえず名古屋大学所蔵のものが使いやすそうなので、これを底本にすることにした。

名大システム 古典籍内容記述的データベース(名古屋大学図書館)『発心集』

この版本、漢字(楷書)片仮名交じりで、字も大きく、ルビと句点まで付いているので、ある意味現代の活字本よりも読みやすい。翻刻をするのはそれほど難しくないが、校訂本文の方が少々悩む。

底本の味を伝えるためには、漢字をそのまま生かしたいのだが、やはり読みにくく、他のテキストと統一感がなくなり、検索が難しくなる。同じページに翻刻があるから、そのへんは、読みやすさ優先で大胆に書き換えていこうと思う。