CiNiiで、学術論文のPDF閲覧ができなくなった。TwitterではCiNiiがめでたくトレンド入りし、大手のメディアでも取り上げられている。

多くの論文検索できず SNSで困惑の声 「CiNii」:NHKニュース
「CiNiiで論文が見られない」電子図書館終了に困惑の声:ITmedia ビジネスオンライン
学術情報検索サービス「CiNii」で電子化論文公開終了……頼りにしていた学生困惑:ねとらぼ

CiNii自体が無くなるわけではなく、PDFの閲覧サービスをやめるということらしい。
CiNiiを運用するNIIは、電子図書館事業として428学会1400種類の雑誌、論文数で計362万件を電子化し、CiNiiの検索機能を通じて公開していた。
 ただ、国は学会誌の電子化支援について、科学技術振興機構(JST)が運用する電子ジャーナル出版プラットフォーム「J-STAGE」に一本化することを決めた。このため、NIIは電子図書館事業を17年3月に終了すると発表していた。(ITmedia ビジネスオンライン)
では、一本化するというJ-STAGEの方にはあるのかというと、それがそうではない。CiNiiのデータはPDFとはいえ、画像データだったが、J-STAGEはテキストデータで、各発行機関で別に移行しなければならないらしい。それが間に合っていないので、論文が見られないということになる。

時が経てばJ-STAGEで今までどおりに閲覧できるかといえば、それも違うらしい。CiNiiは画像データだから、古い論文でも比較的簡単にPDF化できたが、J-STAGEの方では簡単にはできないだろう。また、J-STAGEがどう見ても自然科学系の論文を対象にしているのも気になる。

一つ疑問なのは、国の方針でCiNiiが電子図書館事業をやめるのは仕方がないにしても、なぜこれまで蓄積したデータを見えなくする必要があるのかということである。「更新はされないけど、閲覧はできます」という状態にすることはできないのか。

もちろん、放置するだけにしても、タダでできるわけではない。だが、CiNiiそのものは存続することになっているし、国立情報学研究所たるもの、技術者もいるはずだから、電子図書館を放置してもしなくても、それほどコストが変わるというものでもあるまい。

インターネット上の情報は、時と時間を超えて得ることができるのが最大のメリットである。ネット上に公開されていれば、地球の裏側にいても、時間もコストもかけずに見ることができる。

CiNiiの論文公開停止により、世界中で、いままで見られていた日本の論文にアクセスできなくなった。ともあれ時間は巻き戻ったのである。

【2017/04/10 追記】

論文公開を再開した。
CiNii、論文データの提供を再開 「利用者の利便性を考慮」:ITmedia NEWS
論文ダウンロード機能の継続について:CiNii