杭州は西湖龍井というお茶の名産地で、茶館もすこぶる多い。この茶館が少々変わっている。再び西湖:2017年07月10日でも書いたが、やたらと食い物が出るのだ。

杭州で有名な茶館といえば、湖畔居だろう。今回は前を通っただけで入らなかったが、16年前に入った時は、やたらと菓子やら果物やらが出てきた記憶がある。
湖畔居

今回行ったのは青藤茶館。ここは3回目。

お茶を注文したら、あとは時間制限なしの料理食い放題。ファミレスのドリンクバーみたいなところに、料理を取りに行くと思ってほしい。

この茶館にはちょっとした思い出がある。最初に行った時のことだ。ここは料理の種類がやたらと多くて、スープ、焼きそば、炒飯、炒め物、蒸し物、菓子、果物、一通りある。これをバイキング形式で取っていく。そんな中、2種類の茶葉蛋があった。一つはうずら卵、もう一つは普通の鶏卵である。

茶葉蛋とは、簡単に言えば中国式煮卵である。日本の煮卵との最大の違いは、日本の煮卵は殻を剥いて煮付けるのに対し、中国のは殻にヒビを入れて殻ごと煮てしまう。「茶葉」と付くのは味付けにお茶っ葉を入れるからである。

腹が減っていたので、僕は何のためらいもせず鶏卵の方を選んだ。壺に入っていたのをトングで取り出し皿に乗せ、自分の席に持って行った。青藤茶館はいまでこそかなり明るくなったが、昔は薄暗かったし、そもそも茶葉蛋だと思いこんでいるので、何も考えずに半分ほど殻を剥いて食べた。

コリッ!

明らかに玉子ではない食感。不審に思って、僕はもう一度玉子を見た。すると、そこにはすっかり煮こまれたピヨコがうらめしそうにこちらを睨んでいた。フィリピンで言うバロット、ヴェトナムでいうホヴィロン、中国でいう毛蛋・喜蛋である。

しかし、すでに3分の2ほど食っている。ここまで食って、捨てるのはピヨコに申し訳ない。それに、意外とうまい。

食感はよく煮込んだ魚の骨みたいな感じで、それに若鶏の卵とじである。つるんとした玉子ではないから、醤油をベースにしたタレもしっかり染みている。これが不味いわけがない。見ないで食えばいいのだ。もう見ちゃったけど。

ちょうど完食したときに、トイレに行っていた葛的先生が帰ってきた。

「この茶葉蛋、むちゃくちゃおいしいよ」と言って勧めると、葛的先生、殻を剥き始めた。玉子から気をそらせるため世間話を始める僕。よし、食った!

その瞬間、聞いたことのない悲鳴が上がった。

「ひぇえええええええええ、何だよこれ〜」

「え、ひよこ?うまいでしょ」

「羽が、羽が・・・。歯に引っ掛かってるよ。ペッペツ」

「その羽が味が染みててうまいでしょ」

葛的先生、結局一口も食わず捨ててしまった。

その後、葛的先生はホテルで寝込んでいるA君のお土産に、ピヨ子入り煮卵を袋に入れて、嬉々とし持って帰った。喜蛋とはよくいったもんだ。

さて、今年行ってみたら、例の煮卵はなかった。あるのは小さなうずら卵だけ。

ほとんど食べ終わったあとに撮ったので、少々汚らしいがこんな感じ。
青藤茶館の食事
サービスも行き届いていて、汚れた皿はすぐに片付けてくれる。真ん中にある茶色い入れ物はゴミ入れで、骨とか果物の皮などはここに捨てる。

お茶はたくさん種類があってピンキリだが、どれを注文しても食い放題なので、100元もあれば大丈夫。お茶を注文するだけなので、中国語ができなくても何とかなる。杭州へ行く方はオススメ。ただし茶館だからお酒はないよ。