タイトルは投資だが、これは単純な投資方法の話ではない。

株式投資の場合、短期投資とは、簡単に言うと、一日から数週間程度で株式を売買して利益を上げる方法である。

この場合、企業が利益を上げているどうかはあまり関係がない。株価は為替や商品相場・国際情勢、政治家の発言でめまぐるしく変わる。毎年利益を上げて儲かっている企業でも、トランプの一言で一時的にドカンと株価を下げるときもあれば、ぱっとしない赤字企業がちょっとしたニュースで上げるときもある。これで利益を出そうというのが短期投資である。

長期投資とは、数年、場合によっては10年以上株を持ち続ける方法である。

株価は短期では業績と無関係に上下するが、長期で見ると必ず業績を反映する。そこで将来性のある企業の株を買う。この場合、短期的に株価が下がっても、さして気にする必要はない…というか気にしてはいけない。

このように短期投資と長期投資は、投資する対象は同じでも、意識が全く違う。このことは、株式投資のみならず、あらゆることに応用できる。

たとえば、子供の教育は、子供の将来、つまり数十年後を考えての長期投資である。しかし、実際には短期的な視点になってしまう人が多い。

目標は数十年後の未来なのに、小学校受験とか中学受験とか、さらには直近の模試の成績だとか、極めて短期間のことが気になる。ひどいときは、塾の受験に落ちたとか、中学受験で落ちたとか、つまらない理由で子供の将来を諦めてしまい(投資用語でいえば損切り)、せっかくの子供の可能性をワヤにしてしまう。

国が推進するクールジャパンとやらもそうだ。クールジャパンで出てくるのは、アニメとか漫画とか、短期的に利益を上げそうなものばかりである。

しかし、現在クールとされるアニメや漫画が百年後まで生き残っているかというと、せいぜい万に一つぐらいだろう。クールジャパンの投資対象の大部分はすぐに古びて、いずれ何の利益も生まなくなる。

その一方で、古典は長期投資向きだ。すぐに爆発的な利益は生まないが、最初から古いから、いくら時が経ってもそれ以上古びない。将来的に長く利益を生むのは古典のほうで、国が投資するならこちらにすべきだろう。

現代の日本人は長期的な視点をほとんど持っていないのではないか。一見長期的に見えても、短期を重ねているだけで、長期的視点にはなっていないということが多いように思う。