金曜日は授業が三時間目からだから、起きるのが遅い。9時ちょっと前に目が覚めて、テレビをつけたら、松本智津夫(麻原彰晃)の死刑が執行されたと言っている。

オウム事件の死刑囚が各地の拘置所に移送されたときから、近いうちの執行は予想されていたが、こんな朝っぱらからニュースになるのは妙だなと思った。てっきり昨日執行されて、今日ニュースになったのだと思っていたのである。

ところが、よくよく聞いてみると、起きる前に執行されたらしい。それなら逆に早すぎる。そんなのは今まで聞いたことがない。

朝食を食べながらテレビを見ていると、今日7人が執行されるだろうという。そう言ったアナウンサーの舌の根も乾かぬうちに、まるで地震速報のように、今度は井上嘉浩が執行されたという速報が入る。しばらくして次に・・・誰だったかよく覚えていない。

3人執行されて―いや、まどろっこしい言い方はもうやめよう―殺されてから、テレビを見るのはイヤになった。僕は早めに家から出た。たぶん、そのあとも速報は続いたはずだ。

起きる直前、そして朝食を食べている短い間、3人の人間が、合法的に殺されたのである。その後電車に乗っている間に4人が殺された。もしこれが合法でなければ、虐殺と言っていい人数である。これがリアルタイムで報道されたのだ。

僕は死刑廃止論者だが、現行法に死刑という刑罰がある以上、死刑囚が執行されるのは仕方のないことだと思う。また、不快だから報道するなというのでもない。

しかし、7人もの人が一度に合法的に殺されて、それをほぼリアルタイムで報道するというのは、どう考えてもおかしい。そもそも、死刑執行のどこにそんな速報性が必要なのか分からない。ただただ不快なだけである。

少しずつ、人の命が軽くなってきたような気がする。