あるブログを読んでいたら、「「くずし字」とは、楷書体を崩した文字のことをいいます。」と書いてあった。これは完全な間違いである。

書体の変遷はだいたい次の通り。

篆書→隷書→草書(一部篆書由来)→ひらがな(草書をさらに崩して成立)

篆書→隷書→行書

篆書→隷書→楷書→カタカナ(楷書の一部分から成立)

楷書・行書・草書は、それぞれ隷書から発生したのだが、この3つの書体の中では、草書が一番古く、楷書が最も新しい。楷書と草書で似ても似つかないものがあるのはそのためである。

別のブログには「最近の説では隷書から生まれたと考えられている」とか書いてあったが、最近の説ではなく、昔からそう言われているし、書かれたものからたどれるので、説というほどのものでもない。

これは書道では常識で、高校の書道I、つまり最初に習う教科書の最初の方に書いてある。いわば常識中の常識なのだが、意外にも国文学の先生の中にはご存じない人も多いようだ。

そもそも僕は「くずし字」という言葉が嫌いなのだが、それは最初に書いたような誤解が生じるからである。