最近、『水滸伝』にはまっている。

実は、登場人物がやたらと多い長編ドラマが苦手だ。読んでいるうちに誰がだれやら分からなくなってしまう。だから、中世文学が専門なのに、『平家物語』も『太平記』も苦手。『水滸伝』は108人の好漢が梁山泊に集結する物語というではないか。108人!聞いただけで興味が失せる。

というわけで、今まで、まったく興味がなかったのだが、妻が2011年に中国で制作されたテレビドラマ『水滸伝』を何話か見て面白いというから見てみた。たしかに面白い。テレビドラマだと顔が見えるので、文章を読むよりも登場人物が覚えやすくていい。それでも108人+諸々の人々は多すぎるけど。
水滸伝公式サイト

この機会に原作(の翻訳)も並行して読んでいる。

原作と比べてみると、後半になると冗長な合戦が省略されるようだが、話の流れはだいたい原作と同じ。

改変部分の傾向としては、

・残酷すぎる描写はカットかマイルドになっている(けど、血はドバドバ出る)。
・妖術などの神秘的な描写がない(ので、道士の公孫勝先生の存在感が薄い)。
・原作でキャラが崩れたとき、修正しようとする(特に宋江がらみ)。

バトルシーンはワイヤーアクションを多用して、最近のカンフーアクションっぽくなっている。特に前半は一対一のバトルが多いので、カンフー映画にしか見えない。舞台となる市街地や山寨がやたらとリアルだが、山東省に壮大な宋代のセットを組んで撮ったそうだ。そして、なんといっても俳優が個性的でいい。

はまったのにはもう一つ理由がある。さすがにこれだけ中国に行っているので、かなり土地勘があったことだ。よく出てくる、山東省・河北省は自転車旅行で二回縦断し、ツアーで一回行っているので、たいがいの場所は分かる。

中国自転車旅行記(北京〜上海):やたがらすナビ

梁山泊のある梁山県は18年前、初めての自転車旅行で行った。梁山県はカッサカサに埃っぽく乾いていたので、梁山泊はもっと外れにあるのだろうと思っていたのだが、実際には黄河の流れが変わったので、沼沢がなくなったらしい。街のど真ん中に小さな山があって、小汚い子供が登って遊んでいたのをよく覚えている。これが梁山泊の山寨だったらしい。

もちろん、内容が面白いのが一番の理由だったりするのだが、それはいずれ気が向いたときにでも。なにしろ、やたらと長い作品なので。