『徒然草』の電子テキストを公開しました。

烏丸光広本『徒然草』:やたナビTEXT

底本は、いわゆる烏丸光広本(早稲田大学蔵)です。例によって、翻刻部分はパブリックドメインで、校訂本文部分はクリエイティブ・コモンズライセンス 表示 - 継承(CC BY-SA 4.0)で公開します。

烏丸光広本は、現在刊行されているすべての本文の底本になっています。あまりに有名な作品なので、ネット上で閲覧できるテキストも多く、今さらやたナビTEXTに入れてもあまり意味がないかもしれません。しかし、やたナビTEXT版には、
  1. 検索ができる(特に人名)
  2. 純粋な光広本の翻刻がある。
  3. 翻刻から影印にすぐに当たれる。
  4. 読みやすい。
  5. ライセンスを明記している。
などの利点があります。

まったくの偶然ですが、同時進行の『沙石集』とは、ほぼ同じ時代の作品で、どちらも古活字本という形態でありながら、内容を含めて様々な点で対照的でした。

『沙石集』は漢字片仮名交じりで、漢字は楷書なので、ありのままに翻刻するのには、ほとんど苦労しません。たぶん、OCRでもかなり正確にテキスト化できるでしょう。ところが、校訂本文を作るために読もうとすると、難解な仏教語が多い上に、一つの話が長いものが多いので、かなり時間と手間がかかります。参考文献も少なく、古典文学大系本は異本なので、あまり役に立ちません。

『徒然草』は全く逆で、烏丸光広本の文字は妙な癖があって、とても読みにくくなっています。読みにくさは前に「春」という文字のことを書きましたが(春秋か暮秋か:2018年05月25日続・春秋か暮秋か(春秋でOK):2018年06月12日参照)、こんな例は他にもいくらでもあります。『徒然草』だからよかったものの、未知の作品だったら、かなり読むのは困難でしょう。変体仮名や草書を読む練習としては、あまりオススメできません。

逆に内容は簡潔で、一段が短いものが多く、校訂本文にするのはそれほど難しくありませんでした。参考文献が多いのは言うまでもありません。

最後にご注意。実は、二点ほど、URLでミスがあります。

https://yatanavi.org/text/turezure/k_tsurezure001.txt

最初の「turezure」は「tsurezure」とすべきでした。もう一つは、最後に「.txt」をつけてしまいました。気がついたのが遅かったので訂正できませんでしたが、閲覧に大きな問題はないと思います。

さて、明日は僕の誕生日です。50歳の記念に、『徒然草』を置いていきます。