今まで何となく手を出さなかったのだが、アメリカと日本・ヨーロッパの金利差が開いているので、FXをはじめてみた。FXとは外国為替を材料にした投資である。

為替を材料にした投資というと、銀行の外貨預金がすぐに頭に浮かぶ。外貨預金の場合、例えば1米ドル=100円のときに100万円分預金したとする。もし、円安になって1ドル=120円になったとすると、100万円の預金は120万円になる。ここで預金を解約すれば、20万円+それまでの利息が儲かるという寸法になる。逆に$1=¥100が$1=¥80になると、20万円損する。

ということは、「何も100万円もなくても、とりあえず損したときに渡す金(この場合20万円)さえ用意しておけばいいんじゃね?」ということになる。これを差金決済取引(さきんけっさいとりひき)といい、それを為替でやるのがFXである。したがって、FXの日本語での名称は外国為替証拠金取引という。

ざっくりいうと、「損した時に払えるお金は持ってますよー」というお金(証拠金という)を入れれば、入れたお金と同額以上(日本の場合、1倍〜20倍)の取引ができる。この倍率をレバレッジという。FXの場合、証拠金を入れているだけで、実際に通貨を持っているのではないので、ドル持っていなくてもドルを売って円を買うこともできるし、どちらも持っていないユーロを買ってドルを売るというようなこともできる。

また、スワップポイントという利息に当たるものが毎日もらえる。スワップポイントとは通貨同士の利率の差である。例えば、現在だと日本円の利率が低く、米ドルは高くなっているので、ドル買いの取引をすれば金利差ぶんのスワップポイントがもらえる。ただし、逆、つまりドルを売って円を買う取引をすれば、スワップポイントは取られてしまう。

細かい説明はFX業者のサイトでも読んでもらえればいいので、やってみた感想を書こう。

結論から言えば、FXは自分を律することができる人にとっては比較的安全な投資だ。だが、そうでない人はやめておいたほうがいいかもしれない。

例えば、100万円を証拠金に入れたとする。レバレッジ20倍までだから、やろうと思えば2000万円ぶんの取引ができるわけだが、そうなると儲けも20倍だが損も20倍になりハイリスクになる。もし100万円ぶんの取引なら1倍で、これは外貨預金と何ら変わりがないが、手数料などはFXの方が安いし、いつでも決済(外貨預金でいう解約)ができるので、FXの方がよほどいい。

だから、レバレッジ1倍で長期投資すれば、何の問題もないどころか外貨預金よりよほどいいということになる。ところが、ここでFX特有の誘惑が待っている。

株式と違って為替はそれほど極端に値が変動しないから、レバレッジ1倍にすると大きな為替の変動でもない限りあまり儲からない。だから、最初は低レバレッジで始めても、つい欲をかいてだんだんレバレッジを上げてしまうのだ。

また、FXは平日の24時間いつでも決済できる。これは利点だが、自分を律することができない人は、ちょっと損しただけでビビって決済してしまう。

どんな投資でも、やり方次第でギャンブルにもなるし、資産運用にもなる。問題はそのやり方である。現在、銀行の金利はハナクソ程度しか付かない。だから、どんな投資方法でも、〈勝つ〉のはそれほど難しくない。

最初は多少損をしても、為替なんて待っていればじきに戻ってくるし、決済しなければスワップポイントも毎日たまっていく。気長に待っていれば、そのうちなんとかなるものだ。

しかし、どうしても人間は欲があるから、ギャンブルになってしまいがちだ。FXは手堅くやるなら株(現物。信用取引は別。)よりも手堅いぐらいだが、気づかないうちにギャンブルになってしまうのは気をつけたほうがいい。

始めて3月なので偉そうなことは言えないが、今のところレバレッジ5倍ぐらいまでならギャンブルにならなさそうだと感じている。