多忙な都会の生活ですり減った心を癒しに、先日白馬のリゾートホテルに行った。リゾートホテルというだけあって、いろいろ遊ぶものが充実していて、その中にビリヤード台があった。久しぶりにやろうと思ったのだが、一台しかないからなかなか空かず、結局最後までできなかった。

僕がビリヤードを始めたのは中学生のときだった。友達に連れられて、地元に(たぶん)一軒しかなかったビリヤード場に入った。ビリヤード場に行く中学生というと、何だかマセた感じがするが、当時はそれほど人気がなく、やっているのは年寄りばかり。料金も一時間500円ぐらいだったから、人数で割ればボーリングやゲームセンターよりも安い。一時は毎週のように通った。

台は四台ぐらいで、ポケットが一台、四つ玉が二台、スリークッションが一台だったと記憶している。僕たちがやるのは四つ玉である。当時はビリヤードといえば四つ玉だったのだ。そのころ、ポケットでプレーしている人を見た記憶がない。

ビリヤードでたいていの人が思い出すのが周囲に六ケ所穴が開いているポケット台だろう。白馬のリゾートホテルにあったものポケットだった。四つ玉やスリークッションの台には穴がない。これをキャロム台というらしい。

四つ玉のルールはポケットよりも簡単である。使うのは手球(白)二つと的球(赤)二つだけ。手球二つは、自分用と相手用で、手球を突いて、別の球二つ以上に当てると得点になる。僕たちは、白赤1点・赤赤3点・白赤赤5点(どれも順番は問わない)で計算していた。点をとるともう一度突けるが、得点できないと交替。ソロバンみたいな得点表があって、先に規定の得点をした勝ちである。

四つ玉

スリークッション台では、いつ行っても同じ爺さんがプレーしていた。スリークッションとは手球一つに的球三つで、一つの的球に当てたあと、三回以上テーブルの端にバウンドさせてもう一つの的球に当てなければ得点にならない。むちゃくちゃ難易度が高いゲームだから、上手い人のプレーは見ていても飽きない。一度、台があいていなかったときに、その爺さんに一緒にやらないかと誘われたことがあるが、丁重にお断りした。

時代が変わったのは、映画『ハスラー2』からである。ちょうど僕が大学生になった年で、ビリヤードブームが来た。あちこちにプールバーなるものができたが、そこでやっているのは、ポケット台でナインボールというのが定番だった。プールバーではないビリヤード場でも次第に四つ玉の台は駆逐されていった。

ハスラー2:Wikipedia
映画版は、日本で公開されるとビリヤードブームを巻き起こし、都市部ではプールバーと呼ばれるビリヤードホールが相次いで開店した。それまで主流だったキャロム・ビリヤードに代わりポケット・ビリヤード(別名プール)が台頭する契機となった。
ブームに乗ってナインボールもよくやったが、やはり四つ玉の方が好きだ。ナインボールだと、どう突けばいいかわからなくなって、ヤケのヤンパチで適当に突いたら9番がコロンと入って終了なんてことがあるが、四つ玉はそういうことは絶対にない。あの熟考する感じがいい。熟考してもヘタだからその通り行かないんだけど、それはそれでいい。

久しぶりにやってみたいけど、できる場所も、やる相手もいないのが残念だ。