『とはずがたり』の電子テキストを公開しました。

とはずがたり:やたナビTEXT


いつもどおり、翻刻部分はパブリックドメインで、校訂本文部分はクリエイティブ・コモンズライセンス 表示 - 継承(CC BY-SA 4.0)で公開します。

僕の師匠は『とはずがたり』の初期の訳注(角川文庫)を書いた人で、よく「一つの作品を通して注釈をやると実力がつく。論文は書けなくなるけどな」と言っていました。まあ注釈をやれば実力がつくのは当たり前ですが、今回『とはずがたり』のテキストを作って、言っている意味がよく分かりました。

そりゃ、こんなのやったら実力付くよ!!

「論文は書けなくなるけどな」の意味も分かりました。

こんなのやってたら論文なんか書いてる暇ねぇよ!!

まあ、僕の場合そうでなくても書けないんですけどね。

『とはずがたり』は、とにかく知識が試される作品です。内容はWikipediaのとはずがたりの項におまかせしますが、ちゃんと理解するにはさまざまな知識を必要とします。言葉・歴史・地理・有職故実・仏教・民俗・和歌・音楽・説話・平安朝の物語、そしてなにより女心。ちょっと僕には手に余ります。難しさについては、『とはずがたり』は難しい:2019年07月15日にも書きましたので、あわせて読んでいただければ幸いです。

そんなわけで、いつものようにテキストをポンと出すだけでは不親切だと思ったので、注釈とまではいきませんが、いつもよりも多めに注を付けました。また、説話集などとは違い、前後を読まないと理解できないので、各ページに前後のページ及びホームへ戻るリンクも付けました。

読みやすいように工夫したつもりですが、それでもこのテキストで通読するのは難しいと思います。活字本としては新潮日本古典集成で読むことをオススメします。省略されがちな会話文の主語など、分かりにくい部分が本文のわきに赤字で補われているので、読みやすいと思います。

とかく衝撃的な巻一〜三までが話題になる『とはずがたり』ですが、やはり最後まで読まないとこの作品の本当の良さは理解できません。ぜひ通読してみてください。