2017年10月から、すこ〜しずつ進めてきた、陽明文庫本『宇治拾遺物語』のバージョンアップが終わった。これによりバージョン番号が上がり2.0になる。



1.1からの変更点は次の通り。

1.誤りを訂正した。
このテキストは、もともと僕が20代のころ論文に引用するために作ったもので、「多少間違えていても引用時に確認するからいいや」ぐらいのつもりで作っている。もちろん、最初に公開したときや1.1にしたときにかなり直したのだが、それでも間違いが多くて、やっていていままで公開していたのが申し訳ない気がしたほどだ。作業を始めた時は、1.1もアーカイブで残しておこうかと思っていたが、あまりにも訂正が多かったので、1.1は削除することにした。

2.形式を他のテキストと合わせた。
1.1は翻刻に句読点・カギ括弧・濁点を付しただけだったのだが、2.0は翻刻と校訂本文を分けた。翻刻は底本に忠実に電子テキスト化、校訂本文の方は歴史的仮名遣い・送り仮名・漢字表記を統一してある。ようするに、『今昔物語集』をのぞく他のテキストと同じスタイルにした。

3.人名に簡単な注釈を付けた。
例えば、「融の左大臣」に「源融」と付けた。「そんなの注がなくても分かるよ」と思われるかもしれないが、これは検索用である。これにより「源融」で検索すれば、「融の左大臣」でも「河原左大臣」でもひっかかるようになった。

とりわけ3は重要である。注に入れれば検索にひっかかるということを、最初は気づかなかったので、『宇治拾遺物語』と『今昔物語集』本朝部にはそのような注が入っていなかった。これで『今昔物語集』本朝部以外は、人名の横断検索ができるようになった。

もちろん、『今昔物語集』本朝部にも人名注を付すつもりである。実はすでに始めているのだが、手間がかかるのでなかなか進まない。終わったら大々的に報告する予定。

なんにせよ、年内に終わってよかった。