今年の6月、院生時代に借りた奨学金をすべて返還し、今日返還完了証なるものが届いた。
返還完了証
タイトルに「今度こそ」とあるのは、2014年に返還完了証が送られてきて、これで終わったと思ったらそうじゃなかったということがあったからである。
奨学金返還終了!・・・アレ?:2014年3月4日
僕の場合、博士前期課程と後期課程でそれぞれ奨学金をもらっていた。2014年の返還完了は前期課程ぶんだけなのに、これで全部と勘違いしていたのだ。上の記事には「8年もあるじゃないか」と書いたが、どうやら間違いだったようだ。まあ、あんまり変わらないけど。

返還を始めたのがたしか30歳ぐらいのとき(猶予期間がある)で、今51歳だから約20年間払い続けたことになる。2014年の時は、なんだかやっと返し終えたという感動が(ぬか喜びだったけど)あったが、今回はそれほどの感慨はない。まあ、もう払わなくていいのだから、めでたいことではある。

ここでちょっと借金の話をしておこう。

僕が中国株で少々儲けたとき、母親が「そんなに儲かったのなら、奨学金を前倒しして払ってしまえ」と言った。もちろん、そんなことはしない。全く意味がないからである。

僕の借りた奨学金は無利子である。いくら返還に時間がかかっても、返還する額は増えない。つまり、返す期間が長ければ長いほど得なのである。しかも、万が一僕が死んだ場合、返還はしなくていい決まりになっている。前倒しして返しても、死んだからといって遺族に返してくれるわけではない。前倒ししても喜ぶのは学生支援機構だけで、僕には何の得もない。

最近は有利子の奨学金が多いらしいが、それでも理屈は同じである。有利子といっても普通のローンよりはずっと利率が低いし、死んだらチャラになるのは同じ(ですよね?)。ちょっと小金ができたからといって、安易に前倒しすべきものではない。

借金には良い借金と悪い借金がある。金のないときの借金は悪い借金だが、金があるときの借金は良い借金である。僕の場合、もしあのとき母のいうように前倒しして払っていたら、その後株式投資で得たお金は大きく減っていただろう。

「無利子なのになんで返済を前倒ししなきゃいけないの?」と言ったら、母は「だって借金があるなんで気持ち悪いじゃないの」と言った。家だの車だのは結構な金利の借金をして買うのに、なぜか無利子の奨学金は気持ち悪いらしい。

もちろん、僕だって毎年何十万も返済するのが楽しいわけがない。「借金があるのは気持ち悪い」という感覚は分からないことはないが、お金に関してはすべて数字の問題である。計算しないで気分だけで決めると大きな損をしてしまう。お金にシビアになるというのは、まず「借金が気持ち悪い」というような感覚を乗り越えることから始まるのだ。