墓石の銘を書いた(その1)の続き。

というわけで施主代行(母)から、ユリの花の絵が届いた。
ユリ原画
覚悟はしていたが予想以上にコントラストが低くてぼんやりしている。墓石に彫るのだから、この絵を木版画みたいな感じにしなければならない。

まずは画像処理ソフトのGIMPを使って、輪郭を抽出してみた。
ユリ(GIMP処理)
もう少し白い部分をきれいにしたかったのだが、元の絵のコントラストが低すぎるからか、僕の腕がないからか、いろいろ試してもこれが限界だった。

右側がごちゃついているので、右上のつぼみだけをのこして削除。葉っぱや左の横を向いている花も削除したかったのだが、無いとちょっと寂しいので残すことにした。あとはひたすら輪郭をトレースし手で整える。もちろんペンタブなんか持っていないからマウスである。途中で施主代行に見せた。
ユリ(トレース中)
ここで施主代行の物言いが付いた。

右上のつぼみがユリらしくないからなんとかしてほしい

それは僕も感じていたのだが、ただでさえ僕が手をいれているのに、そこまで変えてしまうとほぼ僕の絵になってしまう。しかし、施主代行はそれでもいいから直せという。

つぼみを直し背景を黒くしてできた完成品がこちら。
ユリ(決定)
かなり単純化されたが、これでもまだ石に彫るには複雑すぎる。どのぐらい細かく彫れるのか分からないので、ここから先は石屋さんに任せることにした。

最初の絵をもらってからここまでくるのに3週間ぐらいかかってしまった。もちろんこればっかりやっていたわけではないが、元の絵を描く時間の十倍ぐらいは時間がかかっていると思う。

さて、次回はいよいよ墓石の完成です。