今月の話題といえば、皇室典範の改正とサッカーワールドカップでしょうか。実はどちらもイマイチ興味が持てません。特に前者です。

正直、私は天皇制が必要だとは思いません。しかし、積極的になくすべきだとも思いません。ですからそれ自体に関して言いたいことはないのですが、皇室典範の改正にはちょっと思うことがあるので書きます。

天皇の地位が伝統的なものである以上、前例に従う必要があります。しかし、それではどうにもならないことは歴史上何度もありました。中世には皇統が分裂しやがて二人の天皇が同時に立つにいたったこともあります。臣籍降下して源氏の姓を賜ったあとで天皇になった人もいます。女性の天皇も古くからいます。ですから、時代の流れとともに女系を認めることになっても、時代が要請するなら驚くに値しません。

しかし、現代には現代の価値観があります。その最たるものの一つが人権です。皇族には選挙権がありません。職業選択の自由もありません。皇族には人権がないといっていいでしょう。皇族は服役している罪人と並んで、合法的に人権を制限された人間です。しかも罪人とは違い世襲です。これはとてもグロテスクなことだと思います。

ただでさえ人権が制限されているのに、その結婚相手まで制限するとなると、もう奇怪としかいいようがありません。今日閣議決定された「旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える」というのは、私には時代に逆行した恐ろしくおぞましい案に思えます。「旧宮家の男系」がない、つまりそのへんのどこの馬の骨がわからない男でも天皇になれるなら、そっちのほうがまだましだと思います。

私は天皇制の存続に興味がないので、これ以上のことを言う気はありません。ただ、前例に従うにしろそうでないにしろ、現代の価値観に逆行することはやめてほしいと願うだけです。