カテゴリ: 中国ネタ1

先日、掃除をしていたら、いろいろしょーもない物が入った段ボール箱の片隅から、妙なものが出てきた。
jianzi1
ゴミかと思ったのだが、よく見ると明らかに作られている。フサフサの部分は、荷物用のビニール紐を割いてできていて、これだけなら単なるゴミなのだが、上のフサフサと下の黒い部分が、わざわざ穴をあけてしっかり止められている。素人の仕事ではない。

横から見たところ。
jianzi2
下から見たところ。黒い部分はゴムを何枚か重ねたもので、タイヤのチューブを切り抜いてものでできているらしい。
jianzi3
さて、「これはなんだろう」と、しばらく考えて思い出した。毽子(jianzi・ジェンズ)だ。中国留学から帰ってきた誰かからもらったのだ。

毽子とは、羽のついたシャトルを蹴って遊ぶ、中国の遊びである。中国ドラマなどにもよく出てくるが、ピンと来ない方はこちらの動画をどうぞ。


普通は上の部分は羽でできている。下の部分は、今はプラスチックの板を何枚か重ねたものだが、古くは穴あき銭を使ったらしい。
jianzi
おそらく、羽でできているのはブルジョア的に退廃したもので、これはプロレタリアート用なのだろう。たしかブルジョア用ももらったはずだが、これは出てこない。

それにしても、誰にもらったかが全く覚えていない。まあ、こんなものをくれる人は二人ぐらいしか思い当たらないんだけど。
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タブレットで電子書籍を読んでいたら、突然こんな画面が出た。
一卡通チャージ
一卡通というのは、北京市のICカードである。Suicaなどと同じ非接触型のプリペイドカードで、電車・バスに乗れるほか、レンタサイクル(たぶん登録した人だけ)にも使えるというすぐれものだ。
一卡通
今年の春、北京に行った時に買ったのだが、こんなものは日本で持ち歩いていない。確認してみたら、カバンの中にはセコムのICカード(教室に自動警備をかけるためのカード)が入っていた。どうやら、これに反応したらしい。

「返回」をタップしてみると、百度地図アプリだった。これも北京旅行の前にインストールして、そのままにしてたのだ。これが出るまで、百度地図アプリでICカードのチャージができるとは知らなかった。

この百度地図、非常に便利なので、中国へ旅行に行く人は、行く前に必ずインストールすべきである(GoogleMapは使えない可能性が高い)。アカウントを取らないと高度な使い方はできないが、それでも十分役に立つ。あらかじめ行き先の地図をダウンロードしておけば、インターネットに繋がっていなくても、地図としては十分使える。

詳しいインストールの仕方と、使い方は次のページをどうぞ。
[2016年版]百度地図の使い方 アプリのオフライン機能も徹底解説!: C-STUDY

このアプリ、GoogleMapの機能と同等の機能はほとんどあり、その上GoogleMapよりも使いやすい印象だ。例えば、近くにある施設を探す機能はGoogleにもあるが、イマイチ要領をえない結果ばかりでてくる。

百度地図の場合、こんな画面が出てくる。中国語ができなくても、なんとなく分かるだろう。
発現周辺服務
秀逸なのが、上のアイコン、一番左の下段「地鉄図」である。これをタップすると、地下鉄の路線図が出てきて、自分がどの駅の近くにいるかすぐに分かる。複雑な地下鉄のある大都市では非常に便利なのだが、これはGoogleMapにはない(ですよね?)。
地鉄図
今、僕は戸越駅の近くにいるので、こうなっている。なんと、日本の路線図もちゃんと出るのだ。

一番右の下にある「更多」をタップすると、こうなる。
更多
レストランから公衆トイレまで、旅先で必要だと思われるものが並んでいて、文字を入力しなくても、タップだけで済むようになっている。レストランにまじって、マクドナルドとケンタッキーが検索できるのが面白い。一応Googleにも同様の機能があるが、ここまで細かくはない。

僕が使えるのはこの程度だが、登録すればもっといろいろできるらしい。Uberとの統合もされていて(北京でUberを使ってみた Uber(优步)中国の◎と☓: C-STUDY参照)、百度地図から直接Uberを呼ぶこともできるという。

悪名高い金盾のために、中国ではGoogleやTwitter、FaceBookは使えない。それらがある国からくると、不便な事この上ないが、代替になる中国企業によるサービスは、決してそれらに劣ったものではなく、地域に密着しているだけに、かえって使いやすいことがよくわかった。

金盾は情報統制のためにあるのは間違いないが、情報以上に外資系IT企業から自国のIT企業を守るのが目的なのだろう。
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世に絶対に外れない予言というものがある。一例を示そう。

東京に大地震がおきて、2/3が壊滅、どさくさに紛れてクーデターが起きるだろう。
この予言は絶対に外れない。「いつ」がないからである。

本当に大地震がきて(中略)クーデターが起きるまでは、この予言は絶対に外れない。もし、そういう事態になったら予言は当たったことになる。当たるまでは絶対に外れることがないのだから、予言の体をなしていない。

ことほどさように、予言というものは、「いつ」がなければ成立しないものである。この「いつ」は時間には限らない。何らかの条件でもよい。例えば、先ほどの文をちょっと変えて、

東京に大地震がおきれば、2/3が壊滅、どさくさに紛れてクーデターが起きるだろう。
にしてみると、地震がおこるのが条件となって、予言としての意味がでてくる。この場合、地震がおきてクーデターがおこらなければ、予言は外れたことになる。

絶対に外れない予言は予言ではなく、ただのヨタ話である。こんなものを信じることほどバカバカしいものはなく、これにビビるのは、空が落ちてくるのを恐れるのと同じことである。それでは、次の予言はどうか。

中国が攻めてくる。
これにビビっている人も多いが、それは一体いつなのか?どんな条件を満たせば攻めてくるのか?僕はそれを聞いたことがない。

こんなものは単なるヨタ話である。どういうわけか知らんが、中国関連にはこういうヨタ話が多く、ヨタなのに信じる人も多い。

中国はバブルだ。いずれ弾ける。
というのも同様で、同じ人が10年以上も、イクラちゃんのようにバブバブ言っている。そりゃいつかは弾けるかもしれないが、弾けるまで外れない予言だから、何の参考にもならない。
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中国が日本以上の格差社会であることは、今や誰でも知っている。しかし、「〈格差上〉と〈格差下〉の収入が何倍違う」とか言っても、格差を理解したことにはならない。

中国に限らず、ほとんどの発展途上国も同様だが、格差の上と下は、同じ時空に生きていても、住む世界が違う。衣食住すべてに渡って、〈格差上〉と〈格差下〉は違うのである。だから、格差の上下で収入に大きな差があると、〈格差下〉は恐ろしく困窮しているだろうと思うのは、間違っている。

さて、これが僕が先日の北京旅行で食べた朝食。〈格差下〉の朝食である。
豆腐脳

手前の豆腐脳二杯と、肉まんで7元。現在のレートで111円程度。一人前にすると56円程度。これは〈格差下〉でもちょっとゴージャスな朝食だ。普段の朝飯なら、豆腐脳(1人前2元)だけか、プラス油条一本(1元)で十分だ。

こんなものを食べていると、〈格差上〉の中国人から、「あんなヤバい物は食べてはいけない」とか言われてしまう。〈格差上〉の人は食べないのである。僕はいままで〈格差上〉の人が言う「あんなヤバい物」を数えきれないほど食べてきたが、特に具合が悪くなったためしはない。味もたいがい〈格差上〉の食い物よりも美味い。

中国は外食する人が多いので、食中毒になるようなものを出していたら、すぐにバレて商売にならなくなる。だから、食中毒にはあまり心配していない。とはいえ、〈格差下〉の食堂は、どう見ても衛生的には見えないので、なるべく客が多いところへ入るようにしている。

さて、こちらは瑠璃廠にある栄宝斎カフェのカフェラテ。言うまでもなく〈格差上〉用。味は、日本のドトールやスタバとたいして変わらない。
栄宝斎カフェのカフェラテ

なんと一杯45元である。現在のレートで714円。ここが特別に高いわけではなく、スタバも含めてコーヒーはこんなものだ。これを涼しい顔をして飲むのが〈格差上〉である。

カフェラテを飲んでも、さっぱり腹はふくれないが、45元あれば先ほどの饅頭が15皿食べられる。豆腐脳なら22杯。だから〈格差下〉はこんなものは飲まない。水でも飲んでろという話だ。

本当は同じ朝食で比較したかったのだが、〈格差上〉の朝食を食っていないのでできなかった。調べてみると、マクドナルドの朝マックは、日本とほぼ同じメニューで25元(396円)程度なので、これが〈格差中〉ぐらいの朝食と考えてよいだろう。7倍の差があるが、先ほどの豆腐脳と肉まんセットの方がずっと美味いし腹にたまる。

住む世界が違うといっても、同じ空間に住んでいるから、お金は巡る。〈格差上〉から滴った一滴が、〈格差下〉からすると、バケツ一杯に感じられるということになる。これをトリクルダウンという。もうなんだか懐かしい言葉になってしまったが、日本ももっと格差が開けば、トリクるかもしれない。
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故宮のMIB:2016年04月19日の続き。ちょっと間が開いたけど、これからちゃんと故宮に入る。

天安門をくぐれば、そこは故宮である。ここまでは門票(入場券)は不要。入場券売り場は次の午門の前の広場にずらっと並んでいる。買うには、まず身分証(外国人はパスポート)を提示する。提示するといってもただ見るだけではなく、ちゃんとパソコンで照会している。昔のように、「やってることはやってるけどザル」ではないらしい。時間がかかるのを覚悟したが、売り場の数がものすごく多いので、それほど並ぶことはなかった。

で、いよいよ故宮に入るが、ここでまた荷物検査。
故宮入り口

あれ?鯉のぼり持ってる人がいるよ?
鯉のぼりを持ったガイドさん

鯉のぼりだから日本人のツアーかと思ったら、さにあらず。中国語しか聞こえない。どこか田舎から来たツアーらしい。たしかに、旗を持っているガイドさんはたくさんいるが、鯉のぼりを持っている人はいないので、知らずに別のツアーに付いていくことがなくっていい。

ツアーの定番、赤い帽子も健在。昔は香港や台湾のツアー客の定番だったが、これもどこか田舎の人たちらしい。
ツアー客

故宮の中は、こんなお上りさんでいっぱい。服装が野暮ったいので、すぐ分かる。北京市民も、上海市民などに比べればお世辞にも垢抜けているとは言いがたいが、この連中はさらに野暮ったい。かつての中国名物、子供の尻割れパンツも、ここなら見ることができる。

日本人は、日本に旅行に来た中国人を見て、みんな日本をめがけて旅行に来ていると思っている。しかし、実際は日本だけでなく、世界中に行っているのだ。まして、身近な国内旅行ならなおさらだ。日本が魅力的だから来ているのではなく、旅行できる経済力が付き、旅行する文化が発達してきたのである。

午門をくぐると、川のようなものが流れている。なかなかいい景色だが、惜しむらくは、門が工事中で養生してある。
午門

故宮(紫禁城)の中心的建造物、太和殿。
太和殿

太和殿の玉座。ラストエンペラーでコオロギを取り出していたのがここ。
玉座

昔は中に入れたと思ったのだが、今は入れるどころか・・・
玉座を撮る人民

ごらんのとおり、写真を撮るので精一杯である。

今月の壁紙では、景山公園から見た故宮を載せたが、今度は逆に景山公園を見てみよう。遥か彼方に小さく見える建物が、撮影した場所である。
故宮から見た景山公園

立入禁止の場所も多いが、そういう場所は例のMIBが立っているか、南京錠がかかっている。北京なのに南京錠とはこれいかに。
ハイテク南京錠

しかし、この南京錠、一見普通の錠前だが、ただの南京錠ではないらしい。よく見ると、複雑な形をしていて、なにやらハイテクの匂いがする。ジロジロ見ていたら例のMIBに目を付けられたので、写真を一枚だけ撮って逃げた。

壁紙でも紹介したが、あれでは何だかわからないと思うので、こちらが溥儀が自転車を練習していたところ。
自転車練習場

もう、広すぎてパースがおかしなことになってる。

最後、花とわたくし。
花と私

このころ、日本では桜が満開だったが、北京も花盛りだった。いままで夏しか行ったことがなかったが、春の北京もなかなかいい。
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というわけで(今月の壁紙(故宮):2016年04月14日)、故宮に行ってきたのだが、最初から故宮に行くつもりだったのではない。

なにしろ、故宮はでかすぎる。一度行くと、その迫力に圧倒され、「もういいかな」という気になってしまう。僕も妻も過去に行ったことがあるので、「行けるなら行きたいけど、わざわざ行く気にならない」という感じだった。

で、その日は新幹線に乗って、天津まで行こうと思っていた。ところが、清明節の連休で、北京駅はすごい人。チケットを買う元気どころか、売り場を探す元気すらなくなった。
北京駅

もう天津はあきらめ、意味もなく地下鉄に乗って前門に行く。故宮に行くにはもっと近い駅があるのだが、思い出の前門を見たかったのだ。
前門

この門の向こう側には、前門大街という大きな通りがあり、2000年と2004年、その通りに面した自称北京で一番でかい自転車屋で自転車を買った。北京発の自転車旅は、いつもここから始まっていたのである。

当時は道幅の広い大通りで、車がバンバン走る幹線道路だった。通りの両側には、飲食店だとか、本屋だとか、地域住民の生活に根ざした商店が立ち並んでいたのだが・・・
前門大街

なんかオシャレ通りに変わってた。年中歩行者天国で、車両は入れない。

立ち並んでいるのは、オシャレブランドショップばかり。歩いているのは、お上りさんか外国人ばかりで、地域住民はほとんどいない。北京一でかい自転車屋はどこへ行った?この通りにありそうな気配すらない。

レトロな路面電車が写っているが、昔はこんなのなかった。門や建物も、すべて最近できたものである。まるで100年前からこの状態のようになっているが、中国人はこういうレトロ調を作らせたら世界一うまいと思う。

ここに来る前も、警備が厳しかった。空港はいうまでもなく、地下鉄に乗る時には、どの駅でも必ず荷物検査がある。中国では、鉄道の駅に荷物検査があるのは昔からだが、さすがに地下鉄にはなかった。それもご丁寧に、検査機の前にも人が立っていて、検査機に荷物を通さないと注意されるのである。

天安門広場になると、さらに警備が厳しくなる。いたるところに武装警察の兄ちゃんが立っている。武装警察は昔からいたが、あきらかに数が多い。歩道にも荷物検査があり、そこを通らないと故宮方面には行かれない。それも、検査機に荷物を入れるだけでなく、ポケットも探られる。空港並みである。

そんな天安門広場で、お約束の見えない敵と戦ってみた・・・のだが、どうみてもビビって腰が引けている。
見えない敵と戦ってみた

武装警察というと、なんだか怖いイメージがあるが、バッキンガム宮殿の近衛兵みたいなもので、立っているだけ。でも数が多いと、怖くて変なことはできない。
天安門と武装警察

天安門の入り口には、この武装警察とイケメンMIB(メン・イン・ブラック)が交互に立っている。間に消火器が於いてあるが、MIB、イマイチ役割が分からない。
武装警察とMIB

こんな感じなので、故宮に入るのも結構大変。まず、入場券(門票)を買うのだが、ここで身分証(外国人はパスポート)を見せなければならない。そして、荷物検査の後入場。人が多いわりには、それほど時間はかからなかったが、こんなに面倒くさくなっているとは思いもしなかった。

入ってみると、中にもMIBがうろついてた・・・。なんかかっこいいぞ。
MIB
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新学期が始まって、なかなか文章を書く暇がないので、壁紙でお茶を濁す。というわけで、先月も先々月もなかったけど、今月の壁紙。故宮を中心に。

まずはよく見る写真だけど、景山公園からの故宮をどうぞ。ちょっと霞んでいるのは、いわゆる春霞(と書いてPM2.5と読む)である。
故宮(1280x1024)

故宮(1280x1024)
故宮(1366x768)
故宮(1920×1080)

同じく景山公園から、西側の北海公園側を見る。すかっと晴れ渡っていたら、遠方に近代的なビルが並んでいるはずだが、春霞(と書いて・・・)のおかげでほとんど見えない。おかげで、なんだか幻想的な絵になった。春霞も使いようである。
景山公園の夕日(1280×1024)

景山公園の夕日(1280x1024)
景山公園の夕日(1366x768)
景山公園の夕日(1920×1080)

春霞がひどかったのは着いたその日だけで、あとはピーカンだった。こちらは、故宮の中心的な建物、太和殿。ラストエンペラーで宣統帝が座ってたところですな。
太和殿(1280x1024)

太和殿(1280x1024)
太和殿(1366x768)
太和殿(1920×1080)

太和殿裏の階段。どっかで見た写真だと思ったら、書道の教科書に同じ構図のがあった。
階段(1280x1024)

階段(1280x1024)
階段(1366x768)
階段(1920×1080)

こちらは、溥儀が自転車の練習をしたところの壁。ラストエンペラーで有名(らしいが覚えていない)。
紫禁城の壁(1280×1024)

紫禁城の壁(1280x1024)
紫禁城の壁(1366x768)
紫禁城の壁(1920×1080)

最後は壁の割れ目から咲くたくましい花。まさに壁の花。僕のお気に入りの一枚である。
壁の花(1280×1024)

壁の花(1280x1024)
壁の花(1366x768)
壁の花(1920×1080)
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妻の希望で琉璃廠(リューリーチャン)へ行った。琉璃廠とは・・・と書こうと思ったが、Wiikpediaの文章がかっこよかったので、そのまま引用する。
琉璃廠は、中華人民共和国北京市西城区の新華街に位置する街である。
栄宝斎(1672年開業)を始めとした、筆、硯、墨、紙の文房四宝と印章、書画骨董などを販売する店が立ち並び、多くの文人墨客が訪れることで知られる。(琉璃廠:Wikipedia)

というわけで、書道をやる人は、北京に行ったら、必ず立ち寄るのが琉璃廠である。

16年前の夏に行った時は、それは賑わっていた。中国人の「文人墨客」も多かったが、とりわけ目立ったのが、日本人である。今の銀座みたいに観光バスで押し寄せて、書道用具や骨董品、書画などを爆買いして行った。

通りを歩いていたら、怪しい骨董売りがやってきて、「秦代の壺があるから、買わなくてもいいから見ないか」という。ついていくと、これまた怪しい招待所(簡易ホテル)に入って、カバンから怪しい壺を出す。「これは秦代の壺で、西安の工事現場から出た貴重なものだ・・・」とか何とか言っているらしい。秦代の長安がどんなところだか、さっぱり分からない。インチキするにも、もうちょっとストーリーを練って欲しいものだ。

かつては、そんな楽しいところだったのだが・・・。
琉璃廠

琉璃廠2

ごらんのとおり、土曜日の午後なのに、ひっそり閑としている。あの爆買い日本人はどこへ行った。

実は、このとき昼食を食べそこなって、かなり腹が減っていた。屋台を期待していたのだが、そんなものはどこにもない。しかたなく、画廊に併設された茶館で、龍井茶を飲み、お菓子を食べた。ついでに画廊を見ると、とんでもないお値段の作品が並んでいる。とても買える値段ではない。

茶館を出て、筆屋に行って筆を買った。妻は最初から場所を決めていたらしい。店員さんに、筆の説明を受けるが、専門的すぎて僕のポンコツ中国語では対処できない。物色しているうちに、若い文人墨客が来て、試し書きをしていた。これが、むちゃくちゃうまい。

次に行ったのは、栄宝斎と並んで琉璃廠の顔になっている中国書店である。書道の法帖、画集、古典のテキストなどが、新刊も古書もずらっと並んでいる。入ってみると、外の閑散とした感じに反して、店内は文人墨客で繁盛している。レジでは、台湾人と思しき文人墨客が爆買いしてた。

書道の法帖の数には驚いた。とにかく種類が多く、聞いたことのないものから、メジャーなものまでいくらでもある。中国のものだけでなく、日本の三筆、三跡まである。同じものでも、初心者用に拡大した罫線を入れたものから、上質な上級者用まで、とにかく種類が多い。

さらに驚くのがそのクオリティの高さである。昔は、中国の法帖というと、わら半紙にリソグラフで刷ったようなものばかりだった。ところが、今はどれも美麗な多色印刷で、紙質も装丁もいい。値段も25〜40元程度(400〜700円ぐらい)で、以前よりそれほど高くなった感じがしない。
中国書店で買った法帖

さすがに疲れたので、中国書店を出て、栄宝斎カフェに入った。栄宝斎がオシャレカフェを経営する時代になったのだ。このカフェでは、棚の本を読むことができ、気に入ったら買うこともできる。
栄宝斎カフェ

客がいないように見えるが、そんなことはない。僕が撮る直前、似非文人墨客が法帖をもって撮影会をやってた。

コーヒーは法帖とほぼ同じ値段。スタバなどもそうだが、中国で飲むコーヒーはバカ高い。
栄宝斎カフェのカフェラテ


さて、帰り際トイレに行こうと思って、店員に聞いてみたら、なんとトイレはないので、外の公衆トイレを使えという。胡同同様、きれいなトイレだったが、このオシャレ空間にそれはないと思うぞ。まあ、このツメの甘さが中国なんだけど。

琉璃廠はずいぶん寂れたように見えたが、これがこの町の本来の姿なのかもしれない。文人墨客が海外からバスで押し寄せるなんて、考えてみればおかしな話だ。
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昨日の記事で書いた、胡同(フートン)とは、簡単に言ってしまうと、北京の長屋である。胡同を構成する家の建て方を「四合院」という。4つ以上の長屋を四角形の各辺にして、中庭を作る形になっている。

中国の発展とともに、急速に姿を消しつつあると聞いていたが、そのフェーズはすでに過ぎて、今は逆に歴史的建造物として保護する方向にある。近代化のリバウンドで、古くて新しい観光地として見直されているようだ。

前回紹介した南鑼鼓巷は、もともとそのような胡同の中に、オシャレなバーなどが少しづつできて形成されたらしい。だから、南鑼鼓巷そのものは、原宿の竹下通りみたいになっているが、そこは胡同、一本中に入ると、そこには庶民の生活がある。
胡同

しかし、よく見ると、昔の胡同とはだいぶ違っているのに気づく。まず、道がきれいになった。昔なら、妙なところに穴があいていたり、街路樹の根っこでアスファルトが盛り上がっていたり、とんでもない所にウ○コが落ちていたり、いたるところに罠が仕掛けてあったが、今はそんなトラップはほとんどない。その代わり、ちょっと広い(と言っても狭いのだが)と路上駐車の車がある。

もともと四合院の家にはトイレがない。だから、胡同の中には、いたるところに公衆トイレがある。これだけきれいになったのだから、公衆トイレも減ったのだろうと思いきや、まだまだ健在だ。例えば、僕が泊まっていたあたりのトイレを百度地図で検索するとこんな感じ。数字が付いているところだけではなく、赤い点すべてが公衆トイレである。

公衆トイレ

で、これがハンパじゃなく汚い・・・というのが10年前のお約束。ところが、すべてきれいになっている。悪臭もない。

選ばれし勇者のみが入れるトイレ、それがかつての胡同トイレだったが、今はそれほど根性を出さなくても入れる。あちこちにあるし、非常に便利だ。きれいなトイレを撮ってもしょうがないので、写真はない。

これだけ整備するには、おそらく相当な補助金が出ているのだろう。僕が泊まったあたりも、あちこちで道路工事をしていた。

しかし、トイレの数が減っていないのと同様、今でもたくさんの庶民が住んでいる。これは胡同ではないが、こんな青空散髪も健在。

青空散髪

狭い間口で、飲み物やお菓子、タバコなんかを売る昔ながらの店もある。そういう店では、オッサンかオバサンが一人で店番をしていて、わりと夜遅くまで買うことができる。そのせいか、北京ではコンビニが極端に少ないようだ。

そんなオッサンの店で、ビールを買った。北京のビールといえば、燕京ビールが定番だが、もう飽きたので、青島ビールにした。

宿に着いて缶を見ると・・・アレ?何か違うよ。
特制ビール

特制ビール!パチモノつかまされた。本来「TSINGTAO」と書いてあるところに、「TEZHI(特制のピンイン)」と書いてあるのがにくい。ちなみに、山東省の徳州市産。どこにもウソは書いていない。

で、気を取り直し、もう一本。これはちゃんと「青島」と書いてあるのだが、これまたよくみると・・・。
青島名牌

「100%青島原産地」「青島名牌」・・・これもパチモノ、どこにも青島ビールとは書いていない。やっぱり中国はこうでなきゃ。
ちなみにホンモノはこれ。
本物

これが結構うまかった。昔はこういうパチモノ飲料はまずいのがお約束だったのに。
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3月30日から4月3日まで、北京に行ってきた。中国(大陸)は六年ぶり、北京は12年ぶりである。

さて、今回、妻の希望により、鼓楼大街近くの胡同(北京の長屋)の中にある、古い家を改造したホテルに宿泊した。中国らしいホテルがいいというので、中国らしいステキホテルを提案したのが、見事に却下され、本当の意味でのステキホテルになってしまった。

最初の二泊は、竹園賓館といい、もと盛宣懐という人のお屋敷だそうだ。もとお屋敷だけに、庭が広く、客室も広い。
竹園賓館庭

内装も綺麗になっている。
竹園賓館客室

とはいえ、胡同なので、まわりは普通に庶民が住んでいて、ちょっと頑張ればこんな朝飯が食える。
豆腐脳

これは「豆腐脳」といい、簡単に言えばとろみを付けたスープに汲み出し豆腐を入れて煮たものである。腹に優しいので、朝食にはぴったりだ。僕が北京で食べたかったものの一つ。

お値段は、豆腐脳二杯と写っている包子一皿で7元(120円ぐらい)だった。ものすごく安く感じるが、これでも昔から比べると高くなった。

三泊目は、「秦唐府客桟7号院」といい、もともと典型的な四合院に近い家を改造したもの。もちろん綺麗になっていてトイレもシャワーも各部屋にある。欧米人の客が多い。
秦唐府客桟7号院の客室

庭も綺麗になっているが、ちゃんと四合院の面影を残している。
秦唐府客桟(7号院

入り口はまさに胡同のそれ。
秦唐府客栈7号院入り口

ここも周りは胡同なのだが、南鑼鼓巷という北京最新のオシャレスポットになっている。休日などはすごい人。それも若い人ばかりで、なぜか揚げたイカが流行っているらしく、みんな串刺しのイカを食っていた。
南鑼鼓巷

南鑼鼓巷2

地下鉄の駅に行くまで、大した距離はないのに、普通に歩く倍以上の時間がかかる。別の道は曲がり道くねくねで、思った方に出られない。大変なところに来てしまった。

というわけで、今月はしばらく北京ネタが続きます。よろしく。
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