タグ:御嶽山

今月の池上線(番外編・御嶽神社 その1)はこちら。

さて、末社の大鳥神社の狛犬を撮影して、本殿の裏手に回った。

裏手には、石碑がずらっと並んでいる。もともと境内のあちこちにあったものを、最近になってここに集めてきたらしい。この石碑の数を見ると、御嶽信仰がいかに盛んだったかが分かる。

石碑群

ん?何かヘンなものが・・・。人だ!人が埋まっている!一瞬、ビビってしょんべんちびりそうになった。

BlogPaint

が、よく見たら単なる胸像だった。たぶんもともと台座があったんだろうが、胸像を直接地面に置くだけで、こんなに怖くなるとは思わなかった。それにしても、あなた一体誰ですか?ハナ肇さん?

誰?

ここにはもう一人、人がいた。こちらはコワモテの全身像。たしかに顔は怖いが、行者の格好をしているし全身像なので、さっきの胸像の怖さはない。渡辺菊太郎さんらしいんだが・・・。

誰?2

本殿には彫刻が施されている。天保二年(1832)に藤原篤意という人が彫った(建築も同じ)ということで、大田区の文化財に指定されている。

社殿彫刻

本殿の向かって左側には、古い井戸がある。「杜の霊神水」といい、「一山行者」なる行者が水行をしていたところだという。

杜の霊神水

井戸

その隣に一山行者を祀る一山神社がある。

一山霊神社


一山行者とは、この神社の中興の祖らしい。一山行者についてはこちらに詳しく書かれている。

一山行者について:大田区御嶽神社

その他、御嶽神社の写真はこちら。

東京都大田区 御嶽神社
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池上線の御嶽山駅という印象的な駅名のもとになったのが、御嶽神社である。駅名になっているだけあって非常に近く、駅から歩いて数分で着く。

「御嶽神社」と書かれた石碑と、鳥居の比率がどう考えてもおかしい。書かれている字も、石に対してデカすぎるので、ものすごい迫力だ。

御嶽神社鳥居

この「御嶽神社」、僕は「みたけじんじゃ」と読むものだとばかり思っていた。ところが、御嶽山駅のエントリで「おんたけじんじゃ」ではないかと言われて調べてみたら、たしかに公式サイトに「ootaku ONTAKE shrine」と書いてあった。

大田区御嶽神社

中世文学が専門なので、御嶽といえば吉野の御嶽神社(金峰山)を想起してしまうのと、この神社の隣に「みたけ幼稚園」があるので、「みたけ」だと思い込んでいたのである。実際は、金峰山にルーツを持つ神社は「みたけ」で、木曽御嶽山にルーツをもつものは「おんたけ」と読むらしい。

木曽御嶽山の御嶽信仰は金峰山に影響を受けたもので、江戸時代以降、庶民の信仰を集めたという。山岳信仰なので、ここには狼型の狛犬がいることが予想できる。

さて、鳥居をくぐると、まず大きな狛犬が目に入る。丁寧に柵に入っている。

御嶽神社(参道狛犬右)

御嶽神社(参道狛犬左)

とてもいい細工だと思うが、足をみると石材が剥がれ落ちているのが分かる。砂岩のような柔らかい素材でできているらしい。台座には慶応三年(1867)とあるように見えるのだが、狛犬と材質が違うので、もともとのものかどうかは分からない。

本殿の手前にもう一対の狛犬がいる。これが狼型狛犬である。

御嶽神社(本殿)

古そうに見えるが、いつのものかは分からない。壊れていてよくわからないが、チョコレートみたいな謎の物体を咥えているのと、狼なのに右には角があった形跡があるのが珍しい。
御嶽神社(本殿狛犬右)

御嶽神社(本殿狛犬左)

狼型と言っても、狛犬に興味のない人からすると、犬にしか見えないかもしれない。おそらくこれを作った人も犬を参考にしたはずなのでそう見えるのは仕方がない。だが、ちゃんとオオカミである工夫をしている。

その一つは肋骨だ。上の写真をよく見ると、脇腹にスジが入っているのが見える。犬型の狛犬にはこれがない。もう一つは牙で、これも犬の場合は表現しない。

狼型は山岳信仰の神社でよく見られる。「浅間神社」や「御嶽神社」なら狼型である可能性が高いので、要チェックである。

この本殿を右に回ると、もう一つ小さな神社(末社という)があった。大鳥神社となっている。ここにもなかなかいい狛犬がいた。

御嶽神社(末社大鳥神社)

御嶽神社(大鳥神社狛犬右)

御嶽神社(大鳥神社狛犬左)

なぜか上目遣い。ただ、この置き方はちょっとおかしい。本来向かい合っていたのではないだろうか。

後ろ姿もキュート。

御嶽神社(大鳥神社狛犬背中)

この狛犬にも台座に銘があるが、崩れていて「天」ぐらいしか見えない。

<つづく>
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さて、いよいよ御嶽山(おんたけさん)である。

と、言っても、なにがいよいよだか分からないが、何を隠そう御嶽山駅は職場の最寄り駅で、10年以上通っている。だから、それなりに詳しいし、思い入れもあるのだが、逆に知り合い(と書いて生徒と読む)に会う危険性が高く撮影がやりずらい。

で、こちらが御嶽山駅のホーム。駅名は、すぐそばにある御嶽神社(おんたけじんじゃ)に由来している。本家(木曽の御嶽山)を差し置いて駅名にするとはなかなかいい度胸だ。ところで「木曽のなかのりさん」って誰?

御嶽山駅ホーム

この駅では、ホームの屋根を支える柱に古いレールを用いている。廃レール独特のアールが美しい。

廃レールの柱

池上線は全線にわたって、柵や踏切などに廃レールがよく使われているが、ホームに使われるのは御嶽山駅から先(蒲田方面)に限られるらしい。

もちろん、すべてが廃レールというわけではなく、改札に近い所は、他の駅と同じ木造である。

木造部分

この駅には、おそらく日本中でここだけの特徴がある。

池上線

上の写真を見ると、ホームの背の高いフェンスが付いているのが確認できるだろう。この下はJRの線路になっている。そしてこの線路には東海道新幹線が走る。御嶽山駅からは新幹線の屋根をみることができるのだ。さらに、これが西の方に伸びていて建物に邪魔されないおかげで、天気のいい日には富士山も見える。

反対側のホームに渡ることが出来ないので、駅を下りて新幹線を撮ってみた。もうちょっとマシな写真が撮りたかったのだが、なにしろいつ〈知り合い〉に合うか分からないので・・・。

新幹線

この線路は、新幹線だけでなく、横須賀線・湘南新宿ライン・成田エクスプレスなどが通るので、休日になると、子テツ(鉄道好きの子供)がセミみたようにフェンスに張り付いているのが見られる。先月、試しに親戚のショータくんを張り付かせてみたら、数時間剥がれなくなった。

セミになるショータくん

なにしろ新幹線の架線には25000Vの電流が流れている。ネオジム磁石なみに子テツを引き付けるらしい。ショータくんを剥がすのには一苦労したが、仮面ライダーの磁力でなんとか引き剥がした(が、その後雪が谷大塚の雪が谷検車区でまたへばりついた。電圧は関係ないらしい)。

2500V

改札はこんな感じ。赤いエプロンのおばさんは、逃げた犬を追いかけている。

御嶽山駅(改札)

改札の右側には、僕がいつもお世話になっている、私設の喫煙所がある。ヘンな造花と、火を消すための扇風機の部品がいい味出してる。

私設喫煙所


お約束の商店街。狭いのに自転車がやたらと多い。御嶽山の商店街はあまり長くないが、周辺は住宅街なのでとても賑わっている。

御嶽山(商店街)

この写真の後方に、御嶽神社がある。ここの写真もたくさん撮ってきたので、後日紹介したい。

恐れていたとおり、新幹線の撮影直後に〈知り合い〉に会った。生徒ではなく先生、それも集団で。土曜日の昼間なので、大丈夫だと思っていたのだが、今日は卒業式だった。すっかり忘れてたよ。

さて、次は久が原です。
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