d9a8e9b1.JPG 本紙は9日、数理科学科(新大学から廃止)の一楽重雄教授にインタビューを行った。一楽教授はこれまで、大学改革に疑問の声を上げてきた。また先日、入学式で市長が「大学の中身に口を出したことは一度もない」と発言したことに対して、事実と異なるとして抗議する声明を発表している。改革をめぐる動きや、専門課程の廃止された数学分野の今後について聞いた。
【写真=9日、研究室で】
 ーーー数理科学科は廃止されたが、復活する見込みは。
「改革推進本部と話し合いをしている。情報数理コースという形での復活は、将来考えられないことはない。文理共通の情報科目として実現するのもいいのではないか。しかし今は出席の取り方一つにしても混乱しているほどで、新大学を動かすだけで手一杯のようだ」

 ーーー数理科学科の廃止をどう思うか。
「(本学では)なくす理由のないのになくされている。改革の際、専門家養成の必要がないことや他大に同様の学科があることを理由にされたが、実際にはどちらもおかしい。今までは専門家を養成してきたのではなく民間企業や教員に就職していたし、近隣大学には数学の専門コースはほとんどない。入試倍率も高かったので、廃止の判断は非合理的だ」

 ーーー改革を振り返ってどう思うか。
「あり方懇談会が設置された時は、第三者として本学を見てくれると思っていたが、実際は違った。答申内容は市側の意向を示すもので、民主主義に反した手法だった。大学の自治は法体系に存在しているが、条文にないために無視されてしまった。教員も難しい判断を迫られたが、改革に協力した人の多くは複雑な気持ちだと思う」

 ーーー全国的に数学科がおかれている状況は。
「他大学でも『すぐに成果が見えるような研究を』という向きに警戒している。縮小する方向のところはあっても、本学ほどひどい状況のところはない」

 ーーー新学長への期待は。
「学生と会うのと同じように、教員とも話して欲しい。率直な方だという印象を受けた」

 ーーー改革自体は終わったが、今後は。
「首都大は実質的に教授会が人事権を取り戻している。その方向で、教授会の役割を強めたい。民主主義のためにも、声を上げていく」

◆数理科学科
 1995年に文理学部から改組された理学部の数学専門課程として、昨年度入学生までは数理科学科が存在した。しかし新大学では、専門のコースは設置されず、基盤科学コースの中に自由科目として代数学・解析学が開講されているのみである。数学の教職課程は残された。