学長インタビュー 本学の学費が来年度から値上げする。17日、本学ホームページ上で学長が発表。授業料は学部では7〜10%の引き上げとなり、公立大学平均を超える事になる。本紙が学長に単独インタビューを行った。

―学費値上げと言う事ですが?

まず2点。一番具体的な状態として、学費等の予算は横浜市の方で(最終的に)決まるのです。法人化も1年半で、市と大学でまだ学費の事を考えなければならない。大学は法人化したとはいえ市の大学なので、市役所とうまく連携しなければならない。私は大学は学費の計算を色々考えなければならないと思います。
次に、学費は教育と経営の両面の問題があります。経営には簡単な判断はちょっと無理。教育と経営を両方考えれなければ。教育と経営を考える際には、教育にどういう値段があるのか、を考えなければならない。一つの考えとして、大学を一つの工場と考えると何を産業とする?大学は何を産業しているのか、教育、でしょう?その分、教育にどんな値段があるのか、どんな価値があるのか、それが一番考える所。どこでも、欧米でも中国でも、コスト(の問題)はある。しかし教育はものすごくコストが高い。どこの大学が、学費でそのコストを100%まかなえますか?

―横浜市立大学は付属病院を抱えている訳ですが、その費用については?

付属病院は別で、別の診療報酬がある。それに病院は横浜市の市民のための病院という目的と、付属病院と言う目的がある。付属病院の定義は、大学の診療教育、医学部教育、研究、です。だから大学の予算に入ってくる。

―市大は他の公立大学と比べて学費が安いようです。

(学費値上げの)理由も説明しなくてはならない。だからここで話している訳ですが。来年度もやはり市の大学、公立の大学、新しい法人化の大学、という3面がある。だから公立の大学ではあるのものの、新しい法人として、大学で大学の予算を決めなければならない。本当の意味での教育のコスト、学生たちにはどのくらいの責任があるのか、それはすごく大事です。それから横浜市民にはどのくらいの責任があるか。それから新しく法人化したからには市の税金と学生の学費だけでなく、大学への寄付金も考えなくちゃいけない、と思います。

―公立大学の強みは学費の安さだと思いますが。

公立大学は私立大学に比べて十分安いでしょう。それが強みであるのは間違いない。
それからおもしろい話で、将来を考えては、地域内外の学費についてどのように分けるか、という議論があります。今、入学金などは違いがあるものの、内外の学費については同額です。いろいろ理由があると思いますね。しかしたとえば大学の予算は8割ぐらいは(横浜市民の)税金。地域内の学生と地域外の学生の学費を分けるのには意味がある。まだ難しいながら将来その判断もあると思いますね。

―学費は今後さらに上がるのでしょうか?

いや、そこまではまだ。中期計画書は19、20、21年度までで、次の計画書はまだです。まあ、議論する事はもちろんありますが、まだ具体的な所は全然決まっていない。

―学生からは反対の声が聞こえてくるでしょう。

個人的な意見ですが、日本の大学よりアメリカの大学は高いですね。私が大学生の時は、(学費を)全て自分で払いました。バイトだとか仕事をやって、毎日午前中8時から2時まで大学で勉強して、それから3時から夜の11時まで工場で働きました。だから学生の気持ちはよく分かります。学費払うのは大変です。私は娘には両親として学費を払います。私は安い、学費が望ましいと思いますよ。それは間違いない。それは学生と学生の家族のため。しかし同時に学生たちの教育のコストはある。それから、コストと、クオリティの関係があるんですね。安いコストの教育なら、そのクオリティも安くなる。我々は早稲田・慶応、等の私立大学ではない。だからといって早稲田・慶応、それらみたいにはなりたいわけではない。横浜市大になりたいわけで、この大学には特別な強みがある。この大学の利点として、他の大学より安いです。ただ、安すぎる、となると教育のクオリティも低くなる。学生の方の言い分はよく理解できます、しかし同時に、大学の経営者としてコスト・クオリティのバランスも考える必要がある。

―では現状は「安すぎる」ということですか?

そうですね。だから安すぎる、は良くないですよ。大学のコスト、教育のコスト、ものすごく高いんです。それから例えば、今、冷房の無い教室がありますね。私は本当に可哀想に思うんです。ただすべて横浜市の税金にお願いばかりするのは良くないと思います。市に何割か払ってもらうのは良いと思うんですが残りは学生が責任しなくては。

―確かに環境面での設備は整っていますが、教員陣の退職が相次ぐなど授業内容のクオリティは下がってきている感があります。

それはそうですね。もちろん教育のクオリティは100%確実にコストと結びついている訳ではない。教員の研究などの重要な面もあります。でも例えばIT化など、教室で使うITなどの設備投資がある。教員の専任・非常勤に関しては予算の問題があります。

《資料》(大学で公表された資料を元に本紙が作成)
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